何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「スモール・ソルジャーズ」感想 子供向けだけど悪ノリが過ぎる でも、それがいい

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どうもきいつです


アクション映画「スモール・ソルジャーズ」観ました
軍事用マイクロチップ搭載したアクションフィギュアたちが
人間たちを巻き込み戦争を始めます
1998年のファンタジーアクション映画

「グレムリン」などのジョー・ダンテが監督を務めています

 

あらすじ
とある玩具メーカーが大企業グループに買収され
コマンドー・エリートという正義の兵隊と
社長の一声で悪役にされたゴーゴーナイトというモンスターとの
2種類の人形を発売した
ある日、おもちゃ屋の息子アランはその人形を手に入れる
しかし、実はその人形には軍事用のチップが埋め込まれており
コマンドー・エリートの人形たちが暴走を始める

 

感想
子供向けでそんなに深くない内容の映画
でも、毒のある悪ノリが面白かったです
思ったよりグロかったり痛々しかったり
こういう映画は好き
時代のわりにCGの違和感も少ない

 

Netflixで配信されているのを見つけ
懐かしかったので観てみました

子供の頃に観たことはありましたが
かなり内容を忘れていました
断片的には多少覚えてた

あとコロコロコミックでこれの漫画やってましたよね

僕にとっては
そんな懐かしい映画なんですけど
あらためて観てみても面白かったです

所詮、子供向けの映画ではありますけども
楽しめる要素もたくさんありました
逆に微妙な要素も多いてすけど

 

まず、ストーリーですけど
すごく単純です

何かが暴走しだして
それに主人公が巻き込まれていき
最後にはなんだかんだで解決する
みたいなよくあるタイプの話

同監督作の「グレムリン」ともすごく似てる
というか、やってることがほぼ同じです
登場するのがグレムリンから人工知能搭載の人形に変わっただけ

なので、マンネリで大して新鮮味のない物語なんですけど
なんか楽しめる映画ではあるんですよね


この映画の何が面白かったのかというと
ちょっと低俗にも思えるような悪ノリ
これがなかなか楽しめた

これも結局は「グレムリン」とやってることは変わらない
でも、こういう悪ノリは観ていてとても面白い

ストーリーやテーマからしても
明らかに子供に向けられている作品なんですけど

若干グロく見えるような描写があったり
気持ち悪いホラーっぽい演出があったり
痛々しく思えるような残虐性があったり
簡単に言えば暴力的

テレビで放送すれば
今の時代ならクレームが来るかも

ただ、この悪ノリが刺激的でクセになる
「グレムリン」が好きな人はこの映画も好きになると思う

たぶん、子供もこういうちょっと暴力的なものは
嫌いじゃないと思いますよ


敵であるコマンドー・エリートたちの使う武器なんて
ちょうど嫌な武器なんですよね

カッターの刃を飛ばしてきたり
五寸釘を飛ばしてきたり
大怪我はしないけど地味にめっちゃ痛そうな攻撃をしてくる

ギリギリ子供がマネできそうな
言ってしまえば教育に悪い描写

確かにこれは教育に悪い描写ではあるけど
でも、こういうのこそ子供に見せるべきでもあると
僕は思うので全然ありです

最近は臭いものには蓋をする精神で
こんな作品がすっかり無くなりましたが
きれいなものばかり見せるというのも
それはそれで教育に悪いと思う

こんな低俗で暴力的な子供向けの作品も絶対必要

それプラス親のしつけですよ

こんなバカらしい映画を楽しみつつ
親が何が悪いのかを教える
倫理観を教えるんです
そうやって子供が成長していくんですよ


そう考えると
本作のような映画は貴重ですね
後世にも残していきたいです

 

そういう低俗さがありつつ

低俗だけどユーモアも備わってる
ただ嫌な暴力ではなくて
なんか面白い暴力になってるのもこの映画のいい部分だと思う

敵のコマンドー・エリートたちにしても
ただ暴力的なだけでなくてコミカルさがあります

そもそも人間よりも小さいおもちゃが暴れまわって
惨劇みたいになってるのがどこか滑稽で
真剣に怖い映画になってない
コマンドー・エリートたちもちょっと愛嬌を感じるし

だから、暴力的でもなんか面白い

 

それ以外にも
キャラクター造形もなかなかよかったです
特にゴーゴーナイトたちのデザインがすごく良くて
普通にこのフィギュア欲しいなと思ってました

いい感じにアメリカのアニメキャラって感じで
独特の魅力がある
ちょっとキモいのも魅力的です


コマンドー・エリートもみんな面白い見た目をしてます
顔なんて絶妙に嫌な顔してる
設定上は正義の味方なのに
なにあの顔


その上、CGも妙にリアルなんですよね
この時代のわりには全然違和感ない

本物の人形を使いつつ
CGも駆使してるって作りだと思うけど
人形のチープさとCGのチープさが上手くマッチしてる

だから、とても実写にも溶け込んでるんです
実写の人間と同じ画面に映っていてもいい感じに馴染んでる


それに、人形たちそれぞれのキャラクターには
個性もしっかりと備わっていて
観ていて楽しいし
みんな好感が持てて好きになってくる

特にゴーゴーナイトは
モンスター的でちょっと怖さのあるデザインだけど
みんな可愛いんですよね

みんな戦闘を嫌いすぐに隠れてしまうような
臆病でおっとりとした性格です

だからこそ、終盤にコマンドー・エリートに
立ち向かう姿にはグッとくる

いつの間にかゴーゴーナイトたちをすごく好きになっていました

 

そんな面白い要素がたくさんあるけど
やっぱり内容は薄い
ドラマ性はほとんど無いです

物語の軸は少年の成長物語ですが
そこもいまいちぱっとしない
何がきっかけでアランが成長したのかわからない

ここはもっとアランとゴーゴーナイトのアーチャーとの絆を深く描くべきですよ

さほどこの2人の絆が深まってないのに
アランが必死にゴーゴーナイトたちを助けようとするのは
あまり納得できないし

ここをしっかり描けば
アランの成長にも繋がってくると思う

全体的にドラマがフワッとしてました


ゴーゴーナイトに関しても
みんな個性的なのにあまり活躍しない
そこがちょっと不満ですね

もっとキャラクターを掘り下げたり
それぞれの特性を見せたり

ゴーゴーナイトたちの魅力的な個性を生かすような
展開を見たかったです

それがあるだけでも
この映画がもっと面白くなったと思います

 

ありがちな展開で
中身空っぽの子供向け映画でしたけど
毒のある悪ノリは楽しめました
こういう映画も必要だと思います
それに、このバカらしい悪ノリは個人的に好きだし

こんな教育に悪そうな子供向け映画が減ってしまっているのは残念にも思います

 


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