何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「レディ・プレイヤー1」感想 みんな大絶賛なので あえて文句を言う

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どうもきいつです


SFアクション映画「レディ・プレイヤー1」観ました

アーネスト・クラインによる小説「ゲームウォーズ」を映画化したSFアクション
2045年の近未来を舞台にVRゲームの世界の中で
ゲーム内に隠された3つの鍵を手に入れるための争奪戦を描いています
作中のゲームの世界にはアメリカの映画や
日本のアニメ、ゲームに由来するキャラクターやアイテムが多数登場します

監督は「E.T」「ジュラシック・パーク」などの
スティーブン・スピルバーグが務めています

 


あらすじ
2045年、貧富の差が激化し多くの人が荒廃した街に暮らす中
人々はオアシスというVR世界に入り浸っていた
ある日、オアシスの創設者の遺言が発表される
その内容は、オアシスの3つの謎を解明した者には
莫大な遺産とオアシスの運営権を明け渡すというものだった
17歳の青年ウェイドもその謎を解き明かすため
日々、オアシスの世界で奮闘していた

 

感想
みんな大絶賛するのもわかる
僕もとても楽しめた
でも、最高と思う部分もあればなんか嫌いな部分もある
僕は大絶賛できない映画
みんなの評価は高いけど
ここはあえてこの映画の文句を言いたい

 

前に観たことはありましたが
テレビで放送していたので久しぶりに観てみました

まず

大前提として
エンターテイメントととしてとても楽しめる映画だと思います
難しい内容でもないのでライトな気持ちで楽しめる
いろんな作品のオマージュやパロディがあるのも面白い
僕も普通に楽しめたし面白い映画だと思っています

そんな感じで
面白い映画だというのは否定しません


ただ、世間の大絶賛の声に対しては
そんな言うほどか?
と疑問に思う部分もある

てか、みんな大絶賛で褒め称えているし
良いとこなんてみんな言ってますよね
どうせ「俺はガンダムで行く!!」でしょ?

なので、ここはあえて文句ばかり言おうと思う

 

まず、ストーリーは大したことないですよね
むしろ、ちょっと稚拙
子供だましなストーリー

派手な演出やお祭り騒ぎな雰囲気で誤魔化されているけど
実は結構ひどいストーリーだとも思っています

世界観や設定をあまり生かせていない
謎解きがクソみたいにつまらん
主人公がいまいち成長してない
登場人物が基本的にバカ
メッセージ性がさほどなく深みもない

ストーリーの気に食わないところはたくさんあります


細かく言っていくと

世界観や設定はとても魅力的です
VRのゲームの世界で理想の自分として活躍することができる

でも、それだけで終わってる
ゲームの中で主人公が活躍して終わりの映画なんですよね

貧富の差が激しいディストピアな現実世界や
オンラインゲームだからこそ互いの本当の姿がわからないとか
主人公の家庭の事情とか

その辺が全然生きてないストーリーです
こんな設定必要ある?と思ってしまう

特にオンラインだから相手の顔がわからない
という部分は
活用すればいろんな方向に話が広がると思う

恋愛や友情でも面白く展開できるだろうし
敵の正体を隠すこともできる
ゲームと現実の世界のギャップでサスペンス的な展開にも広げれそう
それを通してドラマをいろいろと生み出せるはず

でも、実際はあまりそこは広げられない
ただゲームの世界でいろいろやってるだけで終わってしまいます

主人公のウェイドとサマンサの恋だって薄すぎるんですよ

ウェイドがゲーム内でサマンサことアルテミスと出会いますが
あってすぐに一目惚れなのはアホすぎるし
現実で出会ったサマンサも普通に可愛いという

なにそれ?って感じですよね

この設定で恋愛を描くなら
見た目のコンプレックスを絡めるべきですよ

ウェイドには大してコンプレックスが無いように思うし
サマンサは顔にアザがあるくらいで普通に可愛いし

これだけ見てると
ゲーム内で出会った可愛いかもと思ってた女の子が
現実でも可愛かったから好き
みたいな薄っぺらすぎる恋愛にしか見えない

ここは
ウェイド自身にも見た目にコンプレックスがあって
だからこそサマンサを受け入れる
みたいなのは必要だと思いますけど


ウェイドと仲間たちが実際に会う時も同じで
全く驚きが無いというか…
みんな年齢が近いしあまりギャップが無いし

エイチが実は女性だったのは
唯一ギャップありましたけど
そんなこともあるだろと思えますし

実はこんな人が仲間だったの!?
みたいなのがあった方が盛り上がっただろうと思う

 

そして
ウェイドの成長も薄いですよね

というかウェイドがなんかバカすぎる
ゲームの中で恋をして自分の本名ばらすのとか
さすがにアホすぎる

まあ、そこまではいいんですよ
それで物語が展開するんだから
その後ですよね…

自分が個人情報を漏らしたせいで
叔母たちが殺されてしまったのに
そこを後悔したり反省したりせずに
全部敵のせいにしてるんですよ

これがあるからウェイドに対する好感度が
がた落ちですよ

そして、その後も
ただゲームの謎解きやミッションをこなすだけで
彼自身の成長は全然感じられない

ゲームをクリアしてハッピーエンドってだけなので
なにそれって感じです

 

それに、ウェイドの成長だけでなく
なぜウェイドじゃないとダメなのか
と言う描写も全く無い

映画の中ではウェイドが選ばれし人間
みたいな見せ方をしてるけど
別にウェイドに特別なものなんて全く無い

ゲームをクリアしていく過程も
別に誰でもクリアできるだろって内容のミッションをクリアしていくだけ

ウェイドがオタクで知識量が豊富だからクリアできてるけど
じゃあウェイドじゃなくてもオタクなら誰でもクリアできるわけで
そこにいまいち説得力を感じれない


精神面でも技術面でもいいから
ウェイドじゃないとダメな理由がいると思う


この映画を観ていると
なんか他人のゲームのプレイを横から見ているだけのようで
映画の中に入り込む余地が無い
自分もこの世界に入って楽しんでいる感覚が無いんですよ

感情移入がそんなにできないし
臨場感もそんなに無いし
物語に引き込まれるような要素も無い

 

で、僕がこの映画で一番嫌いなのは
ラストの展開

これはホントに嫌いです

この映画ってオタクのために作られたような映画ですよね
いままでそんな要素で散々煽って
オタクの味方ですよって顔で
こちら側の気持ちを持ち上げていたわけです

それがなんですか?
あのラスト

自分は彼女ができてリアルで上手くいき
オアシスの運営権も手に入れて
そして、みんなもリアルを大事にしてねって
オアシスを火曜と木曜をお休みにしてしまう

なんだよそれ
俺がこの世界の住人なら暴動起こすよ

余計なお世話なんですよね
自分がリアルの世界で幸せを手に入れたからって
他の人も同じだろうとその価値観を押し付ける
この独善的な感じがちょっと気持ち悪くもある


せめて、ラストまでにウェイドが現実と向き合い
ゲームの世界を必死に生き抜いていく描写があれば
このラストに納得はできる

でも実際は薄っぺらくゲームをこなしてるだけの映画ですからね…

それでこのラストはムカつきますよね

 

あと、もう一つ文句を言うと

既存のキャラが登場したり
様々な作品のオマージュ満載の映画ですけど

で?

って思う

一見リスペクトしてるようで
ただ出してるだけですからね

特に日本のアニメ、ゲームは
とりあえず出しとけばオタクご満悦だろ
くらいの意識しか感じませんよ


そこに必然性があればもっと気持ちが上がるんですけどね

ウェイドが最後の方で波動拳を使ったりするけど
そこには別に意味が無い

みんな大好きガンダムのシーンも
なぜダイトウがガンダムで行くの?
イデオンじゃダメなの?

その他も特に意味は感じられない

オマケみたいなモブキャラとかに意味は必要ないけど
重要なシーンとか重要なアイテムとかは
主人公が思い入れがあるからとか
その時に使えば効果的だからとか

主人公がオタクなんだから
そういうのを引き出すのにはうってつけのキャラだと思うけど


タランティーノやギレルモ・デル・トロなんかは
自分の趣味を詰め込んだオタクな映画を撮ってますけど
ただ出すだけでは終わっておらず
そこからより先に行ってる

だからこそそんなオタク要素には深みがあって
素晴らしい作品になってるんですよ

そんな作品に比べると
本作はいろいろ詰め込んではいるけど
ちょっと薄っぺらい


まあ、知識が豊富な人にとっては
これも出てるあれも出てるってだけで
気持ち良くなれるとは思うんですけどね

 

文句ばっかり言ってきましたけど
僕もこの映画好きですからね
ライトな気持ちで観ればとても楽しめるエンターテイメントですから

でも、褒めはもうみんなしてるでしょ
だから短所だけ晒し上げました

良いところはもう言いません

オタクのために作った映画なんだったら
ゲームは年中無休でやらせろ!!
それだけは声を大にして叫びたい

 


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