何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「大脱出」感想 脳筋アクションかと思ったら意外と知的

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どうもきいつです


アクション映画「大脱出」観ました

最新のセキュリティで固められた脱出不可能な巨大監獄から
脱出を試みる男たちの姿を描いた
2013年のサスペンスアクション映画

監督は「シャンハイ」などのミカエル・ハフストローム
シルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーの
2大アクション俳優がW主演を務めています

 

あらすじ
自ら刑務所へ収監され
その刑務所の盲点を突いて脱獄する
セキュリティコンサルタントのレイ・ブレスリンは
CIAから来た女性ジェシカより新たな依頼を受け
脱出不可能とされる非合法の監獄へ投獄される
ブレスリンは監獄で出会ったロットマイヤーとともに
難攻不落の監獄から脱獄を試みる

 

感想
この2人が主演ということで
力任せなド派手アクションと思いきや
意外と知的な脱出映画だった
とは言えアクションもしっかり見せてくれるし
とても楽しめる映画でした

 

スタローンとシュワルツェネッガーが共演してるということで
とても気になっていたけど後回しにしてました

最近、この2人が出ている映画をよく観ていたので
このタイミングだなと思い観てみました


2大アクションスターが共演ってだけでも
なかなかテンションの上がる映画ではあるんですが

ただこの2人が共演してるだけでなく
内容も結構面白かった

出オチになってなくて
ストーリーも一応ちゃんと作られている

基本はかなり単純なストーリーではあります
脱獄するだけ物語ですから
特に難しい要素なんて全く無く
如何にして脱獄を成功させるかの映画

その中でアクションや敵との駆け引きなどが描かれていきます

シンプルなストーリーの上にテンポも良くて
かなり観やすい映画でした

ちょっとしたどんでん返し的な展開があったり
伏線などもほどよく散りばめられていたりして
最後まで楽しめる内容

名作級のすごい映画とまではいかないものの
普通に楽しめるエンターテイメントです

 

この映画で特に面白かったのは
筋肉質な明らかに体育会系なおじさんたちが
見た目とは裏腹に知的に立ち回るというギャップ

スタローンもシュワちゃんも
体を張ってボコボコに敵を倒すような映画によく出ているし
頭なんて使わず体だけで敵をぶっ飛ばす
みたいなイメージが強いから
本作のような頭を使った知的なアクション映画は
新鮮で面白いですね

 

物語の導入の掴みも良かった

スタローン演じるブレスリンが刑務所から脱獄する場面から始まるんですが

この冒頭のシーンからとてもハラハラするし
設定の面白さに引き込まれていく

この場面だけでもブレスリンが
頭の良いただ者ではない人間と言うのが伝わってくる

ここから先どうなるのかを期待させて
観る側を引き込みつつ
キャラクターや設定の説明にもなっていて
なかなか無駄のないすごくいいスタートで物語が始まるんです

 

その後に難攻不落の監獄にブレスリンが投獄されてからも
テンポがよくサクサクと進む

ロットマイヤーとの出会いから絆が生まれて行くまでも
結構スムーズにいきます

とは言っても
その過程もしっかりと描かれていたりもする

はじめは信用していないブレスリンが
1人では脱出不可能だと悟りとりあえず協力することになりますが

その後、困難を共に乗り越えて行くことによって
徐々に絆が深まっていきます

単純な描き方だけど
だからこそわかりやすくて感情移入もできる


そして、はじめ観ていると
ロットマイヤーが友好的だったり協力的だったりするのが
すごく違和感に思うんですけど

最後まで観ればなるほどと思わされ
そこに納得できる展開が用意されていたりもする

最後に2人が握手するシーンは
なんかちょっと感動した


2大スター共演でW主演ということなんですが

基本はブレスリン中心の物語になっていたので
話がとっ散らからずに綺麗にまとまっています

かと言って
シュワちゃんのほうにも見せ場はしっかりとあって
シュワちゃんファンでも満足できる内容

バランスもちょうどいいんですよね

 

そして、脱獄するまでの過程も面白く観れます
これもなかなかテンポ良くて

これの見せ方もシンプルなんですけども
ちゃんとハラハラしてスリルを感じる作りになっています

上手くいったと思ったら新たな障害が現れて
みたいな王道な展開の繰り返しで
それがわかりやすいし単純に楽しめる

それに、計画を練って脱獄に挑み
一応、理屈もそれなりに見せてくれるから
ぶっ飛んだとんでも脱走劇にはなっていなくて
それなりにリアリティも感じました

まあ、強引なことには違いないですが
これくらいなら許容範囲です

 

あと、終盤はアクションメインになっていきます

肉弾戦、銃撃戦と盛りだくさん

これを見たかったんだよ
ってものもちゃんと見せてくれる

2人とも年老いてはいますが
結構、体を張って頑張ってくれている

てか、この作品から数年たった今でも
ランボーやターミネーターをやってるわけで
この2人はほんとにすごいおじいちゃんですよ

本作でも
ガンガン人を殺してガンガン追い込まれて

この2人は年老いても
やっぱりアクションスターなんだな
と思わされる

渋くてカッコいい2人でした

 

全体的に満足な作品でしたけど
若干不満もあったりします


まずは
敵にあまり魅力が無かった

ブレスリンとロットマイヤーは最高のキャラなんですけど
その前に立ちふさがる敵がちょっと小物過ぎかな…

ただの刑務所の所長で終わっていて
魅力があまり無い

もう少し彼に悪人的な思想とか
許しがたい所業を行っているとか
悪者としてのインパクトが欲しかったですね

スタローンとシュワちゃんの存在感が大きすぎて
敵をどうするかというのは難しいとは思いますが
やっぱり敵としての存在感は必要だったと思います


それと
ブレスリンの過去や
義賊のマンハイムと言う人物については
もっと掘り下げてほしかったです

これってかなり重要な部分だと思う
特にマンハイムについては

でも説明不足だしサラッと流されるし
これについて理解できていないまま次々に物語が進んでいき
ちょっと引っかかりがある

そして、最後にはマンハイムの正体は…
って展開になるけど
マンハイム自体に具体性が無いから
正体がわかっても驚きが弱いんですよね

このへんはもっと理解できるように見せたほうが
いいと思いました

 

あともう1つ

監獄内の緊張感が薄かったです

脱出不可能の非合法な監獄って設定の割に
なんかゆるい雰囲気が漂っていた

もっと壮絶な地獄絵図みたいな監獄のほうが
緊張感が生まれて
脱出によるカタルシスは格段に上がったと思う

この映画を観る限りでは
みんな快適に過ごしているようにも見えてしまった

 

とは言え、全体的には面白い内容でしたし
不満だと思った部分もそこまでは気になりませんでした

シンプルでライトな作風のアクション映画で
ラストも爽快
気晴らしに観るのならうってつけの映画です

スタローンとシュワちゃんの共演というのも
めっちゃテンションが上がりますし
個人的にも好きな作品でした

 


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