何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「レゴバットマン ザ・ムービー」感想 終始ハイテンションでアホなノリ こんなの子供はわからねぇ

f:id:kiitsu01:20200808190522p:plain

どうもきいつです


アニメ映画「レゴバットマン ザ・ムービー」観ました

ブロック玩具レゴを題材にした3Dアニメ
「LEGO(R)ムービー」に登場したバットマンを
主人公に描いた2017年のアニメ映画です
レゴブロックで作られたゴッサムシティを舞台に
ジョーカーの悪の計画を阻止すべくバットマンが活躍します

監督は前作「LEGO(R)ムービー」にも携わっていたクリス・マッケイが務めています

 

あらすじ
日々、ゴッサムシティを守るバットマン
彼は寂しがり屋のくせに強がってばかりの面倒くさいヒーローだった
そんなバットマンの前に少年ディックが現れる
ディックの行動にペースを乱されるバットマン
そんな中、宿敵ジョーカーがよからぬ計画を企て実行に移す

 

感想
ある意味バットマンの集大成
はじめから最後まで
子供をおいてけぼりなおバカなノリで突き進む
そのくせアニメのクオリティは無駄に高くて
最後はちょっと感動
これは子供向けアニメの皮をかぶった大人向けアニメ

 

前作「LEGO(R)ムービー」はすごく好きな作品なんですけど
本作は観れていなくて今さらながら観てみました

「LEGO(R)ムービー」に登場したバットマンが主人公の映画ですけども
前作との繋がりなんかは全然なくて
独立した世界観の独立したストーリーになっています
スピンオフですらないかもしれない

ただ、レゴを使ったアクションシーンなんかは健在で
ちゃんと受け継いでる部分も存在します
あの悪ノリの感じも前作同様ですね

 

そして、レゴを使った子供向け映画ではあるのですが
これが意外とバットマン映画でもあるんですよね

子供だましにバットマンが活躍する作品ではなくて
これまでの様々なバットマンを踏まえた上で
バットマンのストーリーを描いています
時にはバットマンというものを茶化しつつも
根本的にはバットマンの孤独の物語でもある

バットマンシリーズのヴィランが総登場していたり
バットマンとジョーカーの関係性だったり
バットマンが好きなら楽しめる要素がてんこ盛りなんですよ

でも、それをシリアスには見せていなくて
レゴだからこそのポップで楽しい作風に表現されている

バットマンとジョーカーの関係性なんかも
根本の部分は変わらないんですけど
すごく可愛くて面白く笑えるように描かれています

ポップでコミカルな作風は
これまでのバットマンとは真逆のようにも思えるけど
本作はちゃんとバットマンらしさは残しつつ
それをやってしまっているからすごい

ただ、こんなの子供にはわかんねーよ
とは思いますけど

子供向けのようで結構大人向けだったりもするんです


コメディー描写だって
今までのバットマンの作風を知ってるからこそ笑える場面や
バットマンとジョーカーの関係性を知ってるから笑えるシーンがあったり

バットマンのクールなキャラクターを
ただの中二病じゃん
みたいな茶化し方をしてたりする
バットマンが他のヒーローからハブられてるのは笑ってしまう

とにかくバットマンをそれなりに知ってたら
とても楽しめる部分が多いんですよ

でも、たぶん子供はそんなにバットマン知らないし
ダークナイトなんて観てないと思うよ

完全に子供はおいてけぼりなんですよね


そして、終盤のいろんな敵大集合は最高
作品の垣根を越えた敵オールスターが見れます
いくらなんでもふざけすぎ

これも完全に子供はおいてけぼりだけど
映画好きの大人が見れば最高だと思います

グレムリンはいるし
ヴォルデモート、キングコング、ジョーズ、エージェント・スミス
サウロンにはさすがに爆笑してしまった
他にも知ってるようなのがたくさん
そんな敵たちが大暴れします

パロディーに笑ってしまう反面
ここまで様々な敵が勢揃いしたら
もはやワクワクしてテンションがぶち上がりますよ

 

いろいろとバカバカしい映画ではあるんですが
意外と感動できる物語でもあります

本作はストレートにバットマンの孤独を描いた物語

そんな孤独なバットマンが家族の絆や宿敵との絆を取り戻す
ハートフルなストーリーなんです

失うことを恐れ人と繋がることを極端に嫌うバットマンですが
実は寂しいし心の底では絆を求めている

バットマンが仲間と出会うことや
仲間と共に戦いを乗り越えることで
徐々に心が変化していく成長物語になっています

最後には心を開き
人と繋がることを受け入れるバットマンには
少しグッとくる

ここでの家族の絆というのも良かったんですけど
バットマンとジョーカーの宿敵の絆もすごくいい

本作はバットマンがいるからジョーカーがいる
ジョーカーがいるからバットマンがいる
このいがみ合う敵同士の間にも絆がある
ということも描かれる

本作はかなりコミカルで可愛らしくハートフルにそれが描かれているけど
お互い嫌い合うからこそ生まれる絆というのは
「ダークナイト」にも通じるのもがあります

てか、実は「ダークナイト」でやってることと同じですよね

本作はその敵同士だからこその絆が
よりわかりやすく伝わってきます

バットマンに冷たくあしらわれて泣きそうになってるジョーカーは可愛くて笑えるけど
このシーンでは2人の間には揺るぎない絆があって
どちらか片方が欠けるだけでもバランスが崩れるように思わされる
バットマンがジョーカーを捕まえない理由
ジョーカーがバットマンに執拗に執着する理由

それはバットマンという世界観を保つためでもある

これはアンパンマンとバイキンマンの関係性とほぼ同じてすよね

本作を観ると
あらためてバットマンの本質に気づかされたような気がしました

 

ここまで、子供がおいてけぼりだと
散々言ってきましたけど

実際は子供も結構楽しめる内容だと思います

ストーリーはかなり単純でわかりやすいし
何よりも、レゴのキャラクターがハチャメチャに暴れまわっている
これだけで子供は十分楽しめると思います

レゴだからこその楽しいし表現や独特のアクションなど
子供が観ても大人が観ても面白い


それに、やっぱり映像のクオリティが素晴らしいですよね
前編フルCGアニメですけど
本物のレゴが動いているように見えます
どこかストップモーションアニメのようにも感じれる

子供ならこの壮大なレゴだけで作られた世界には
最高にワクワクさせられると思います

と言うか、大人の自分も最高にワクワクさせられた

ふざけたバカな映画だけど
本気の部分は本気で
映像のレベルは世界トップクラスだと思います

このギャップがこの映画の魅力で
コメディー描写が生きてくるし
レゴという滑稽な世界だけど本物のようなリアリティが感じられるんです

 

レゴの映画だからって舐めちゃいけない
いろんな意味でクオリティの高い映画でした

これはバットマンの集大成
バットマンが好きなら最高の映画だと思います
しかも、全然暗くない楽しいバットマンでした

 


レゴ(R)バットマン ザ・ムービー [Blu-ray]