何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「2分の1の魔法」感想 なんかすごく薄い内容 あまりワクワクしなかった

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どうもきいつです


アニメ映画「2分の1の魔法」観ました

魔法が忘れられてしまった不思議な世界を舞台に
とある兄弟が冒険する姿を描いたファンタジー映画
「トイ・ストーリー」などのピクサー・アニメーションが手掛けるアニメ作品です

同じピクサー作品の「モンスターズ・ユニバーシティ」を手掛けたダン・スキャロンが監督を務めています

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
科学の発展によって魔法が忘れ去られた世界
そこに住む少年イアンは何をやっても上手くいかない
そんな彼が望むのは自分が生まれる前に亡くなった父親に会うことだった
イアンは16歳の誕生日に父親が残した杖と魔法の書かれた手紙を受けとる
早速魔法を使ってみると父親の半分だけが蘇った
イアンと兄バーリーは完全に父を蘇らすために旅に出る

 

感想
つまらなくはなかったけど
すごく薄くて記憶から消えてしまいそうな映画
結末は良い終わりかたですが
そこに至るまでがあっさりしすぎ
お兄ちゃんが痛すぎて最後まで好きになれなかった

 

ピクサーの新作映画ということで
期待して観に行ってきました

ピクサーは毎回クオリティの高い映画を見せてくれるので
本作もとても期待していたんですが
正直、ちょっと微妙でしたね

まあ、ピクサーと言えど
毎回絶対に面白い作品ばかりってわけでもなく微妙なのも結構あるし
本作ははずれのほうだったのかなって感じです

つまらない映画ってほどではないんですけど
普通すぎて面白味がないストーリーに
最後は感動するけど全体的に薄すぎる人物描写
すごく中途半端な作品でした


ストーリーの流れは
シンプルに主人公と兄が冒険をするという内容で
その目的は父親を蘇らすためってよくありそうな設定
父親が下半身だけ復活してるのは特殊でちょっと面白い設定ですけど

ストーリーの中で描かれるのも兄弟の絆や親子の絆みたいな家族愛がテーマで
王道の感動ストーリーって感じですかね

ファミリー映画としてはそんなに悪くはないと思いますけど
あまりにもひねりが無いのでインパクトが弱いです


基本的にテンポはすごくいいので見やすくはあります
ただ、かなり薄味なんですよね…

主人公たちは冒険に出て次々と物語は進んでいくんですけど
登場人物たちの内面がほとんど描かれていないので
なかなか感情移入がしづらい

主人公のイアンでさえなんかフワッとしたキャラクターで
いまいち行動原理や感情の変化などがわかりにくい

この物語の主軸でもあるイアンが父親に会いたい
というのも
何故そこまで?
と思ってしまう

やることなすこと上手くいかなくて
父親を求めているって描写ですけど
その2つがそんなにつながってないように思うし

父親が偉大な人物でそこに憧れを抱いているとかなら理解できるけど
イアンのお父さんはすごく普通そうだし

ましてや会ったことすらないのにそこまで求めるのかな?
と少し疑問

引っ込み思案で自信のない少年
というのもちょっとありがちすぎでテンプレですよね

記号的には少年らしい要素が詰め込まれてるけど
なんか作り物っぽくも見えて薄っぺらい人物像です


兄のバーリーなんて全然好きになれなかった

基本身勝手な行動ばかりで
その上、自分の考えを強引に押し付けたりするし
ずっと鬱陶しい奴なんですよ

途中で厄介者扱いされてることに機嫌を悪くするけど
そりゃそうだろ
なに一丁前に傷ついてるんだよ
そういうところが余計にムカつく

言動がずっと中二病なのも痛すぎるし
なんか最後まで好きになれないキャラなんですよ

もう少し内面を描いてくれれば納得できると思うんですけどね

父親に対する思いとかは途中で明かされるけど
これとコイツのウザい性格は全然関係ないし


はじめはこのウザいバーリーが旅を経ることで
最終的に成長するものだと思ってたんですよ

でも、結局は最後まで
反省することもなく性格を変えることもなく
ちょっといいことをしていいやつっぽく見せて終わり

イアンとバーリーが大喧嘩をして
それをきっかけに2人が成長するんだろうな
と予想してたんですが

変わったのはイアンだけでバーリーは何も変化していない

そもそもケンカの場面もあっさりしすぎてて
そこまでいいシーンには見えませんでした

ここのケンカはただ感情が爆発しただけで終わり
本音をぶつけ合ったりはさほどしなくて
せっかく重要な場面なのにその扱いはもったいない

ここが薄いから兄弟愛も薄く感じてしまいます


最終的な物語の落としどころは
ちょっとひねったラストになっていて感動的な終わりかたをしますけど
そこに至るまでが微妙すぎるんですよね

なんか盛り上がる場面もあまり無くて
ギリギリ退屈ではないくらいの低空飛行で最後まで持っていって
最後はちょっとだけ盛り上がるみたいな感じ

つまらなくはないけどすごく微妙な気持ちになった

 

あと、世界観の設定もちょっと緩い

魔法が無くなってしまった世界
という部分にあまり説得力が無いように思います

科学の技術が発展したから魔法が無くなった
って言ってますけど
普通に魔法のほうが便利だし廃れないだろ
と思ってしまう

この世界がSFのなんでもありな未来世界なら
それも納得できるけど
実際この世界は現代社会と同じような生活を送ってるし

誰もが魔法を使えるわけじゃなく
努力しなければ使えないから楽な方へみんな行ってしまった
って設定はあるものの

それを差し引いても魔法のほうが便利でしょ
もし自分がこの世界にいたら努力をしてでも魔法使いたいよ

しかも、イアンは結構簡単に魔法使えてるし
才能さえあれば魔法が使えるというのなら
それこそ魔法が廃れる理由がない

すごく野暮なこと言ってるような気もするけど
この設定の緩さはすごく気になってしまった


伏線の張りかたや映像のクオリティなど
そういうのはいつも通りレベルは高いと思います
でも、その点に関しても
いつもよりはちょっと下かなと感じました


伏線なんかは細かくいろいろと用意されてるけど
少し表面的すぎると言うか
あまり上手くないと言うか
そこまで面白い伏線だとは思えなかった

魔法の石のありかもなんか普通すぎるし
もっとひねれなかったんですかね


映像のクオリティも高いけど
いつものピクサー映画に比べると魅力がない

そもそもキャラデザがちょっと微妙な気もするし
この世界自体が面白味に欠けてる気もする

いつものピクサーは映像の中に目玉になる要素があります
「ファインディング・ニモ」なら海の表現
「モンスターズ・インク」なら毛のモフモフ感
「リメンバー・ミー」なら光の美しさなど
どこか印象に残るすごい映像を見せてくれるんですけど

今回はそういうのを感じなかったんですよ
ただファンタジーな世界をやりました
で終わってしまってる

守りに入ってるのかどうかはわからないけど
映像に関してもすごく普通で
あまり記憶に残りませんでした

ピクサー作品には映像のすごさを期待してるので
これはちょっと拍子抜けでした

 

いろいろと文句を言いましたけど
ファミリー向けの軽く観る映画としては
そこまでつまらない映画ではないので
悪い映画だとは思いません

でも、ピクサーの作品が好きで
毎回、高いクオリティに期待を抱いている人ほど
今回の出来の作品は納得できないんじゃないでしょうか

今回は若干子供だましな作品で終わってしまっていたので残念でした

 


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