何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「カウントダウン」感想 思ったよりベタなホラー 普通の面白さ

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どうもきいつです


ホラー映画「カウントダウン」観ました

自分の余命がわかるというスマホアプリをダウンロードしたことから
逃れられない死の恐怖に襲われる若者たちの姿を描いたホラー映画

監督はジャスティン・デク
ドラマ「YOU -君がすべて-」などのエリザベス・ライルが主演を務めています

 

あらすじ
余命がわかるというアプリをダウンロードしたコートニーは宣告どおりに死んでしまう
事故を起こしたコートニーの恋人エヴァンも
そのアプリをダウンロードしていた
エヴァンの入院する病院の看護師クインは
彼からアプリの存在を知らされアプリをダウンロードするが
余命3日と宣告されてしまう

 

感想
スマホアプリという最新のテーマのわりに
内容は昔からあるような王道ホラーでした
ホラーとして楽しめる内容
ただ、ちょっと普通すぎて面白味に欠けると思いました

 

前から気になっていたので観てきました

本作は公開規模が小さく
大阪でもやってる映画館が少なくて
しかもかなり遅い時間に1日1回上映
映画を観てから家に帰ったら深夜0時でした

結構マイナーな映画でしたけど
それなりにホラーとして楽しめる内容でした


予告なんかを見ると
スマホアプリをテーマにした最新のホラー
って印象がありましたが

実際に観てみると
昔からあるようなかなり王道のホラー

設定は「ファイナル・デスティネーション」にすごく似てたりもします

心霊や悪魔系のホラーでもあって
オカルトな要素もすごく強いです

やってることはよくあるホラーですが
それもあって素直にホラーとして楽しめた印象

大きい音や急な演出で驚かすような場面がとても多いんですけども
それなりにタイミングがよくて毎回ちょっとビビらされました

静かに迫り来る恐怖など
少し日本のホラーに近い演出なんかもあったりして
そこもなかなか不気味でゾクゾクとさせられます

似たパターンの恐怖演出が続きますが
意外と最後まで飽きずに観れました

90分と短い映画ですし
テンポもよかったのがあるのかもしれない

所々のコミカルな場面がエッセンスにもなってるのもよかったのかも

悪魔オタクの神父や携帯ショップのおっさんなど
ギャグキャラが変に魅力的で
それのお陰でいいバランスを保ってたと思う

ストーリーも姉妹愛がメインになっていて
わかりやすく感情移入もできました
死の恐怖から逃れようと奮闘するのも
めっちゃわかりやすい流れですしね

 

基本的にホラーとして出来がいいと思います
ただ、普通すぎるかな
とも思いました

最初から最後まで特にひねりもなく
なんか見たことあるようなホラーで終わってしまう
そこに物足りなさを感じてしまうのは否めないです

ちょっと没個性で
記憶に残らないような映画だと思う


演出なんかもそうですけど
やっぱり「ファイナル・デスティネーション」にめっちゃ似ている設定を
もう少しひねった方がよかったのではと思います

本作はアプリをダウンロードすることで自分の寿命が数字で表され
それが0になると死んでしまいます
主人公の場合は残り3日なわけですが

それから逃れようと死から避ける行動をすると
悪魔に直接命を狙われる
って流れです

これがほぼ「ファイナル・デスティネーション」と同じなので
ここがやっぱり面白味に欠ける

「ファイナル・デスティネーション」自体が何作も続いて完全にマンネリなのに
多少設定を変えてるだけで同じ事をやってしまってるのが…

この設定は別にいいけど
もう少し違う方向に話を持っていってはしかったかな

本作は死にかたも普通なので
死にかたが面白い「ファイナル・デスティネーション」の劣化版のようにも見えてしまいます


ただ、この映画の寿命がカウントダウンされていくという部分は面白くて
もっとそこに焦点を当てた展開にした方が面白くなったかもしれない

せっかくなら寿命をテーマに物語を進めればよかった
そうすれば他のホラーと差別化できたと思います

この映画は
寿命で死ぬのか悪魔のせいで死ぬのか
そこが曖昧で
いまいち方向性がブレてるんですよね

悪魔のせいで死ぬのなら
主人公たちがそれに抗うのは納得できるんです
でも、寿命で死ぬのなら
死の運命に抗うのがとても傲慢な行為に思えてしまう

で、本作はかなり寿命で死ぬということを強く感じさせられる
主人公は3日ですけど
他の人たちは60年猶予がある人もいたりする
単純にみんな実際の寿命が出てる感じなんです

その運命に逆らおうとするとから命を狙われる
という流れでもあるので

主人公たちがハッキングで寿命を伸ばしたり
自分たちの命のために他人を殺そうとしたり
ひたすら死から逃れようと奮闘する姿に
あまり好感が持てなかったりするんですよね

ただ死ぬのが嫌だからわがまま言ってるようにも見えてしまう


ここはもっと自分の運命に向き合うって方向性がよかったような気がします

死期が近いからこそ
主人公が家族や自分に向き合って
そこから解決法を見つけ出す展開なら
他のホラーとも違った印象になったはず

そっちの方がメッセージ性もあると思うし
いい映画にすることもできたかもしれない


実際のラストの
仮死状態で危機を乗り切るというのも
ちょっと強引なアメリカンな雰囲気の展開で悪くはないと思うけど
やっぱり普通すぎるオチですからね…

 

あと、利用規約を読まないという
今の時代だからこそのブラックユーモアは面白くて
そこを広げてくれてもよかったのにとも思います

どうせなら利用規約の中に生存のヒントを隠したり
利用規約の穴を見つけて生存する
みたいな展開でも面白くなったかもしれない

せっかく面白い設定なのに
そこを全然生かせてなかったのはもったいないです

 

基本的にそれなりに楽しめるホラーなので
そんなに悪い映画ではないと思います

とは言え
普段よくホラーを観る人なら物足りなく思うのは確実で
そんな人はもっとひねったホラーを観たいと思うはず

面白くなくはないけど
あまりに普通で少しいまいちな映画だと思わされました