何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ワイルド・ワイルド・ウエスト」感想 詰め込みすぎでいろいろ酷い もはや好き

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どうもきいつです


アクション映画「ワイルド・ワイルド・ウエスト」観ました

1960年代のテレビドラマ「0088/ワイルド・ウエスト」を映画化した1999年のアクション映画です
SF、西部劇、アクションなど様々な要素が含まれる作品
ゴールデンラズベリー賞では最低作品賞など
5部門を受賞しています

監督は「メン・イン・ブラック」などのバリー・ソネンフェルド
主演はウィル・スミスが務めています

 

あらすじ
南北戦争後のアメリカ西部
陸軍のジェームズ・ウエストは
戦争中に大虐殺を行ったマグラス将軍を追っていた
しかし、女装して潜入捜査をしていたゴードンのせいで取り逃がしてしまう
そんな2人は合衆国の命を受け
マグラスの背後に潜むラブレス博士を逮捕するためコンビを組むこととなる

 

感想
いろんな要素を詰め込んで結局バラバラになってる印象
全体的にレベルの低い映画だと思うけど
もはや、ここまでなら好きになる
真面目に観なければ楽しめる映画だと思いました

 

存在は知っていましたが
観たことなかったので観てみました


ラジー賞総なめの映画ということなんですが
実際に自分の目で観たところ
それは納得できる

確かに結構酷い映画だなとは思いました

でも、面白くないわけではないです
僕は普通に楽しんで観ることができました

クソ過ぎてどうしようもない映画なんかではなくて
愛すべきクソ映画だと思います
個人的にはそこまでクソとも思ってないですが


まず、本作はいろんな要素が詰め込まれています
ベースは西部劇だと思いますけど
SF、アクション、コメディーなど
とにかくいろいろごちゃ混ぜにしている

監督の前作「メン・イン・ブラック」がヒットしたので
それと同じようなノリで作ってる映画だと思う

西部劇とSFの組み合わせはなかなか面白くて
あり得ない設定ではありますけど
それがすごく魅力的で観ていて楽しくなってくる

ゴードンの様々な発明は役に立たないような
胡散臭い発明ばかりで
それがバカバカしくもちょっと好感が持てたりします


基本的に軽いノリの映画で
全編通してコミカルな作風
登場人物たちもどこかおちゃらけてると言うか
個性強めのギャグみたいなキャラが多いです

アクションシーンもそんな感じで
シリアスさよりもギャグ重視
ジャッキー・チェンのアクションみたいなノリ

そういうのが軽い気持ちで楽しめる要因だと思います

 

ただ、その詰め込みすぎの作風が
全体のバランスを崩しているのは否めません

結局、この映画は何を見せたいのか
いまいちわからないんですよね

どの要素も同じくらいの比重で描いていて
その上、向いている方向がバラバラなので
まとまりがすごく悪い

しかも、どれも描写が中途半端で
それぞれがあまり目立っていないように思います

例えば西部劇にしてみても
ベースの世界観は西部劇だけど
それ以外であまり西部劇っぽいことはしていません
多少、銃撃戦があるくらいですかね
西部劇を求めると全然西部劇じゃないな
と思わされてしまいます

かと言って
SFとしても微妙で
時代背景的にそこまでぶっ飛んだSF描写にはなっていません
でも、あり得ないことには間違いなくて
明らかにオーバーテクノロジーではあります
今の時代でも不可能な機械なんかが多いです

あり得そうなSF描写でもなく
やりすぎのSF描写に行ききってるわけでもなく
どっちつかずの中途半端な印象


アクションやコメディーも中途半端で終わってしまって少し物足りなかったりもする

アクションはもっとたくさん見せてほしかったけど思ったより多くなかったし
コメディーもそこまで笑えるわけでもない


全体的にこの映画はちょっと子供だましなんですよ

アクション、コメディー、発想
どれもが少しずつ幼稚
レベルが低いです

笑いなんて特にレベルが低くて
子供しか笑わんだろってくだらないものが多い
そのわりに下品な下ネタ表現がすごく多かったり
誰に向けてるんだよって思ってしまう


それにストーリーもかなり単純で
正義の味方が悪者をやっつける
ただそれだけの内容です

メッセージ性なんかも全くなくて
心になにも響かないようなバカなストーリー

ひねりも全然ないし特別記憶に残るようなストーリーにはなっていません

 

ここまですごく否定的なことばかりになりましたが

いろいろ詰め込みすぎの中途半端さや
バカすぎるストーリーなど
そんな酷い要素が合わさって
結果的にエンターテイメントとして成り立ってたりするんですよね

そこがこの映画が面白いと思えた理由だと思います

たぶん、この映画を子供の頃に観ていたら
普通に好きになってると思うんですよ
本作はバカバカしいけどなんか楽しい映画なんです

笑いのレベルが低くてくだらないと言いましたが
そのレベルの低さが1週回って面白い
下品で低レベルな下ネタもここまでレベルが低ければ面白い

中途半端なSFはどこか独特なセンスがあるし
なんか魅力を感じてしまいます

西部劇も雰囲気だけならやっぱりワクワクさせられるしカッコよくも感じれます

アクションに関しても
バカっぽい派手なシーンは所々に散りばめられてるしテンションを上げさせられる

なによりCGが時代のわりにかなり頑張ってて
普通に今の時代でも見れる映像になってたりします


最終的に何故か面白くなってしまってる
登場人物たちも魅力が溢れてるので
いつの間にかかの世界に引き込まれてしまっていることに気づきます


この詰め込みすぎなカオスな世界観も
今の時代ならそれなりに受け入れられるかもしれない

1999年には少しは少し早すぎたのかも

今思えばかなり攻めた映画だったような気がします

 

とは言え
やっぱ人間ドラマが薄すぎるな
とは思います

せめて主役コンビとヒロインだけでも
もう少し深堀りしてほしかったかも

さすがにこれじゃ感情移入があまりにできないです

軽さがこの映画の魅力でもあるけど
ちょっと軽すぎるのもどうかなと思いました

 

とても酷い映画ではありますけど
1週回ってそこが魅力になってたりもする変な映画
真剣に観ないで暇つぶしに頭カラッポで観れば
この映画は楽しめます

僕はこの映画が結構好き

 


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