どうもきいつです
ホラー映画「ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷」観ました
清水崇が生み出したJホラー「呪怨」を
アメリカで新たに映画化した作品
死霊が棲む屋敷で起こる怪奇現象が描かれます
ハリウッドで製作された「呪怨」シリーズとしては4作目
本作はシリーズをリブートする作品でもあります
「死霊のはらわた」「スパイダーマン」などのサム・ライミが製作
「ピアッシング」などのニコラス・ペッシェが監督を務めています
あらすじ
車に乗った変死体が森林地帯で発見され
刑事のマルドゥーンとグッドマンが現場に駆けつける
遺品から死体の生前の住所が発覚するが
そこはグッドマンが2年前に担当したランダース事件の現場だった
事件の関連を調べようと屋敷を訪れるマルドゥーンだったが
そこから彼女は恐怖に呑まれていく
感想
オリジナルの「呪怨」をリスペクトしつつ
アメリカらしいホラーに仕上がっている不思議な作品
批判的な意見も理解できるけど
個人的には好きな映画でした
「呪怨」のハリウッドでの再リメイクでサム・ライミが製作
ということで期待して観てきました
「呪怨」リメイクでサム・ライミ製作なのに全然話題になってないですね
その上、なんか評判もあまりよくない
公開されている劇場もなり少なめ
何故なんでしょう?
そんな感じなので観る前は少し不安も感じていましたが
実際に観てみると個人的には好きな内容でした
この映画に不満を抱く気持ちもかなり理解できるけど
本作は「呪怨」に真面目に向き合いつつ
ただのパクリにはなっていないアメリカらしいホラーに仕上がっていました
まず、なぜ本作が批判的な意見が多いのか考えてみると
この映画が「呪怨」のリメイクだと知らないで観てる人も多いからじゃないかと思います
全然宣伝されてないし
タイトルも「呪怨」じゃないし
そりゃ知らないで観に来る人も多いはず
知らなければ冒頭の場面で
え!?なにそれ!?って思うでしょうね
ちょっと混乱して置いてけぼりを食らうと思います
それと
伽椰子や俊雄が全然出てこなかったり
アメリカ的なホラー演出が多かったり
そんな要素が「呪怨」好きの人やJホラー好きの人は受け入れられない
というのもあるかもしれません
特に伽椰子や俊雄が出てこないのは大きいですよね
呪怨=伽椰子と俊雄
ってのが常識みたいなところがありますし…
そんな要素が重なって評判が悪さも理解できますが
僕は本作が結構好きです
「呪怨」っぽくないようで
かなり「呪怨」と真摯に向き合っている作品
そして、サム・ライミが製作なだけあって
アメリカらしいホラーにも仕上がっている作品
すごく不思議なバランスの映画だと思うんですよね
この映画
伽椰子と俊雄が出てこないし舞台はアメリカだし
全然「呪怨」っぽくないような気がしますけど
実はかなりオリジナルの「呪怨」をリスペクトしてる作品です
一応リメイクという位置付けですが
本編を観てみるとリメイクというより派生作品と言うほうがしっくりくると思います
日本の伽椰子の呪いがアメリカのとある家に持ち帰えられる
といった内容
それも、伽椰子を連れて帰ってくる
と言うわけではなくて
日本で呪いの家に踏み込んだ人がアメリカへ帰り狂ってしまい
そこで新たな呪いの家を生み出すんです
「呪怨」のマスコット的キャラクターの伽椰子と俊雄に頼らないで
新たな呪いの家を描いている作品
そこに潔さを感じるし
「呪怨」の本質的な呪いを表現できている
Netflixのドラマ「呪怨:呪いの家」でも
伽椰子と俊雄が登場せず
だからこそ呪いの本質を描けていたわけですが
本作も同じで
伽椰子と俊雄にこだわらないからこそ
伝染する呪いの恐怖を描けていると思うんです
本作は原点回帰的なこともやってるように思えました
伽椰子や俊雄が怖いのではなく
呪いによって狂っていく人間が怖い
という部分を感じることができる
そして、伽椰子が出てこない別物の作品になってはいますけども
かなりオマージュも多くて
舞台はアメリカでみんなアメリカ人だけど
ちゃんと「呪怨」になっているのも面白い
オリジナルのビデオ版や劇場版を観ている人なら
おっ!これあのシーンじゃん!!
みたいなのが結構多くてテンション上がります
お風呂場で頭捕まれるとか
ベッドの中にいるとか
「呪怨」と言えばこのトラウマシーンって場面も再現されてます
劇場版だけでなくビデオ版のオマージュも多くて好感が持てる
不動産屋の夫婦のエピソードなんて完全にビデオ版のオマージュです
他にも細かいところまでオリジナルのネタが散りばめられていて
それを探すだけでも楽しいかも
あと、伽椰子が出てこないと言ってますけど
実は冒頭にちょっとだけ登場します
そんなサービス精神もあるんですよね
恐怖演出に関しては
これはなかなか面白いと思います
ベタすぎるって意見もあるんですけど
ベタはベタで間違いはないんですが
Jホラー的なベタとアメリカのホラー的なベタを
両方やっているのはむしろ新鮮に思えた
普通はどっちかに片寄りそうなもんですけど
本作は両方やっているんですよ
アメリカ的な大きい音や怖いビジュアルなど
勢い任せの恐怖演出もありつつ
日本的な不穏で不気味な雰囲気で煽り
静かな気持ち悪さで恐怖を演出する方法も使ってる
ここでもオマージュがあって
窓からさりげなく幽霊が覗いているとか
誰もいない所におばあさんがいないいないばあをするとか
ちゃんとリスペクトしてるシーンも多いです
「呪怨」ならではの狂っていく人たちの姿にも恐怖を感じさせられます
それに全体的な雰囲気はすごくJホラーっぽく
派手さは全然ないけど終始なんか気持ち悪い
不安な気持ちがとても煽られていきます
で、アメリカ的な恐怖演出はと言うと
ビジュアルはもちろん完成度が高く怖くて
お化け屋敷的な演出が恐ろしくも楽しい
グロさもアメリカらしく行ききっていて苦手な人は見れないレベル
ラストのオチなんかも最高ですね
やっぱりホラーはバッドエンドでなくては
地味な部分と派手な部分のメリハリが効いていてより両方とも際立ってると思うんです
「呪怨」らしくあり「呪怨」らしくない
という不思議なバランスの映画だと思います
ストーリーは
時系列が入り乱れて少しややこしくはありますが
シンプルで難解さはあまりない内容なので普通に見やすいと思います
サスペンス的な要素もあるけど難しいわけではないですし
ホラーの邪魔をしていないちょうどいいストーリーだと思います
評判が悪いですけど
ちゃんとホラーとして形をなしてる良作ですよ
全然話題になってないけど
リメイクとしてはなかなか面白い形の作品だと思います
日本の「呪怨」の派生作品よりも
「呪怨」らしさのある作品かもしれない
「呪怨」だからできる映画だし
ハリウッドだからできる映画でもある
評判悪いけど僕は好き