どうもきいつです
アニメ映画「魔女見習いをさがして」観ました
1999年から4年間にわたって放送されたアニメ「おジャ魔女どれみ」の20周年を記念し
シリーズのスタッフが再終結し制作されたアニメ映画
「おジャ魔女どれみ」をきっかけに知り合った20代の女性たちが
作品にゆかりのある土地を旅しながら成長していく姿を描いています
監督はシリーズに監督、演出と携わってきた佐藤順一と
ブリキュアシリーズの演出などを担当してきた鎌田悠が共同で務めています
主人公3人の声を担当するのは森川葵、松井玲奈、百田夏菜子です
あらすじ
教師を目指す大学生の長瀬ソラ
一流企業で働く帰国子女の吉月ミレ
絵画修復士を目指すフリーター川谷レイカ
住んでいる場所も年齢も違う3人は
アニメ「おジャ魔女どれみ」をきっかけに出会い
「おジャ魔女どれみ」ゆかりの地を巡る旅に出る
感想
「おジャ魔女どれみ」を観ていたら懐かしさを感じれる映画
作風、世界観にはらしさが詰まっている
「おジャ魔女どれみ」を知らなくても
子どもの頃にアニメに熱中していた人なら
共感できる普遍的なものを感じれると思います
ただ、ストーリーがつまらない
僕は「おジャ魔女どれみ」をリアルタイムで観ていた世代
仮面ライダークウガからおジャ魔女どれみの流れで観ていた記憶があります
大人になってからもちょっと見返したりはしてますが
そこまで詳しいわけではありません
でも、印象に残るエピソードもありますし
好きなアニメの1つです
なので、本作も期待して観に行ってきました
本作はちょっと特殊で
「おジャ魔女どれみ」の続編というわけではありません
子どもの頃「おジャ魔女どれみ」を観ていた女性たちが
作品の聖地巡礼をしつつ自分達の人生に向き合っていく
という内容
なので
どれみちゃんたちの活躍を期待して観てしまうと期待はずれな映画になってしまいます
まあ、予告とかを見てればそんな期待はしないと思いますけど
本作はテレビアニメシリーズのようなファンタジーな物語ではなく
現実を描いたリアルな物語なんですよ
でも、作風や世界観などはテレビシリーズのような雰囲気をとても感じますし
「おジャ魔女どれみ」を観ているという気持ちにはさせられます
画風やギャグのノリなどはテレビシリーズそのままって感じです
BGMも同じものが使われてますし
「おジャ魔女どれみ」ファンならそれだけで満足できるかもしれません
で、本作で描いているメッセージは
アニメっていいよね
ってことだと思います
アニメってただの娯楽ってだけではなくて
人生にとって重要な糧になるものでもある
いい歳になってアニメを観てる人をバカにする人がいたり
アニメなんて見ても意味ないと言う人もいるでしょうし
特に子供向けアニメなんかは子供だましと思っている人はとても多いと思う
でも、子どもの頃に観ていたアニメって
大人になったときに
ふと大切なことに気づかせてくれたり
大事な局面で背中を押してくれたり
人生の道しるべになったりするんですよね
本作ではそういうものを描いている
「おジャ魔女どれみ」を子どもの頃に観ていたからこそ
ソラ、ミレ、レイカの3人は出会うことができたし
人間関係が上手くいかなかったり
人生につまずいてしまった時でも
希望を見い出して前に進むことができたんです
これはアニメにだけでなく
漫画、映画、小説など
子どもの頃にそんな娯楽に触れてきた人たちなら普遍的に感じれるものだと思います
ただの子供向けの作品だったとしても
そこから学ぶべきものはたくさんあって
大人になった時に生きるヒントを与えてくれたりする
娯楽作品とは人間にとっていかに重要なものなのか
それがこの映画から感じ取れるメッセージです
そんないいメッセージが込められた本作ですが
正直、ストーリーがつまらなかった
1番の問題は
主軸のストーリーがよくわからない
というところだと思う
結局、最後まで観てみても
この映画のメインストーリーってなんだったんだろう?
とモヤモヤしてしまいました
3人の主人公たちがそれぞれ問題を抱えていて
それを乗り越えて成長していく物語ではありますが
3人の物語が最後まで繋がっていかないし
物語のメインでもある旅にも繋がっていかない
最後までなんかバラバラな物語を交互にごちゃごちゃと見せられている感じ
ラストはMAHO堂を拠点にそれぞれの夢を叶えるため頑張る
という結末だけど
ちょっと唐突な気がして無理矢理まとめてるように思わされた
それに、個人のエピソードもちょっと唐突な展開が多いと思います
例えば教育実習生のソラに関しては
発達障害の子どもとどう向き合うのか
ってストーリーで進んできたのに
急に恋愛エピソードに切り替わる
今までと繋がりもないし
こんな恋愛エピソードどうでもいいわ
と思ってしまいました
ミレの最終的な夢なんかも
ラスト付近で急に輸入品を売る雑貨屋をやりたいとか言い出すし
もうちょっと伏線とかほしいですよね
確かに貿易会社でアフリカの人と取り引きしていましたけど
アフリカの物に対する愛着とか全然感じなかったし
てか、そもそも3人のエピソードがどれもテンプレすぎてつまらないというのが大きい
どれもよく見るようなありがちな悩みやエピソードで
今さら感がありますよね
もうちょい捻れなかったのかな…と思う
ミレとレイカが仲直りするエピソードは
アニメの「おジャ魔女どれみ」のエピソードと絡めて
すごくよかったんですよ
この映画だからこそできるエピソードだし
映画のテーマにもピッタリで素晴らしかったと思います
だから、このエピソードみたいに
テレビシリーズとリンクするようなエピソードをもっとたくさん入れてほしかったですよね
テレビシリーズは深い内容のエピソードもたくさんあるわけだし
なんでこの1つだけにしたんだろうと思う
そして、主人公たちの聖地巡礼
これはちょっと酷いかな…
90分程度の映画の中で
2回も旅行に行ってる…
ひたすら主人公たちが観光する場面をくどいくらい見せられます
多少、観光するシーンがあるくらいなら
日常感が感じれたりもするけど
本作の場合は観光メインになってる
しかも、一応アニメゆかりの土地を回ってはいるけど
飛騨や奈良とか
そんなに「おジャ魔女どれみ」感がない普通の観光スポットを巡ってるだけだったりしますし
観光のシーンはほんとに退屈でした
他人の旅行なんてどうでもいいんですよ
興味ない
何回も旅行に行くよりも 1つの旅をメインにして
その旅の中で成長していく物語のほうが絶対によかったと思う
そのほうがストーリーもブレずにまとまるだろうし
旅に出向く場所も実在の場所ではなくて
アニメのモデルになった場所が存在するという設定で
架空の町を巡る旅行でもよかったんじゃない?
いろんなスポットを巡り
アニメのシーンを思い出す
アニメとリンクした出来事が起きる
とか、そんな粋な演出もできると思うし
そうしたほうがより本作のテーマも引き立つと思いますし
とにかく、本作はテンプレなエピソードとただの観光地巡りだけになっている物語で
あまり面白いストーリーとは言えないと思います
90分が少し長く感じました
描かれているメッセージはとても素晴らしく
心に刺さるものがありました
だからこそストーリーも面白ければな…
と思わされます
ノスタルジーを感じるだけなら
感動もできるし微笑ましく観ることもできる
でも、そこから先を求めてしまうとちょっと微妙かな…