何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ルパン三世 THE FIRST」感想 普通すぎてつまらん オリジナリティが全くない

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どうもきいつです


アニメ映画「ルパン三世 THE FIRST」観ました

モンキー・パンチ原作の国民的アニメ「ルパン三世」の劇場版
「ルパン三世」では初の3DCGアニメーションの作品です
因縁のお宝獲得に乗り出すルパンたちの姿が描かれます

「STAND BY ME ドラえもん」「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」など
数々の3DCGアニメを手掛けてきた山崎貴が監督と脚本を務めています

 

あらすじ
ルパン一世が唯一盗むことができず
第2次世界大戦中にはナチスが追い求めたという
公庫学者ブレッソンが遺した伝説のお宝“ブレッソンダイアリー”
史上最高難度のお宝を手に入れるべくルパンたちが動き出す

 

感想
ライトな層ならそれなりに楽しめる映画なんじゃないかと思います
でも、普段から映画やアニメを観る人
ルパン三世が好きな人
そういう人が見れば既視感だらけでつまらない
オリジナリティが無さすぎて記憶に残らない映画

 

映画館で上映されているときは完全にスルーでしたが
テレビで放送されていたので観てみました

もともと僕はそんなに「ルパン三世」には思い入れがなく
原作に比べてどうとか
今までのテレビアニメや劇場版と比べてどうとか
そういうのは全くありません

それに、時代や監督によって作風が違って
「ルパン三世」と言えばこれ
みたいなのがないと思いますし

本作も
数多くある「ルパン三世」の中の1つ
と思えば全然ありなんじゃないでしょうか


とは言え
そんなのを抜きにして観ても
個人的にはそんなに好きではないです


まず、本作を見終えたとき
めちゃくちゃつまらない映画
とは思いませんでした

それなりに最後まで飽きずに観れましたし
普段、映画やアニメを観ない人たちなら
本作を面白いと思えるんじゃないかな
とも思った

でも、嫌いな部分は多かったし
何よりも
記憶に残らない映画だな…
と感じました

この映画は普通にそれなりに面白い映画
ただ、普通すぎてつまらない映画なんですよね


この映画がやってることって
ディズニーみたいなアニメ表現
「インディー・ジョーンズ」っぽいよくあるお宝アドベンチャー
宮崎駿リスペクトの「カリオストロの城」っぽいルパン

とにかく片っ端から既視感だらけの連続で
全く新鮮味がない

まあ、「ルパン三世」ってそもそもお約束ありきのシリーズでもありますが
本作はそれにしてもオリジナリティがない

オリジナリティがないのは百歩譲っていいとして
その全部がただの劣化版


どの要素もそれっぽいけど
本家に比べると全然及ばない微妙なもので
この映画を観る必要性を感じれません

これを観るなら「カリオストロの城」を観たほうが全然有意義な時間を過ごせると思う


で、僕が特に引っ掛かるのが
ディズニーっぽいアニメ表現

これが本当になんか無理です
観ていてとても気持ち悪く感じる

山崎貴監督がディズニーをすごく意識しているのは伝わってきます

3DCGアニメを作るにあたって
ディズニーアニメを目指し
ディズニーアニメのような作品を作りたい
という気持ちが大きいんだと思う

その志はとても素晴らしいとは思うんです

でも、意識しすぎて
ディズニーの偽物アニメみたくなってしまってる

ディズニーっぽいキャラデザだったり
ディズニーっぽいキャラの動きや表情

キャラに関しては特にディズニーっぽさが強くてオリジナリティなんて全くない

その上、完全なコピーにもなっていなくて
偽ディズニーアニメで終わってしまってます


中でも
キャラの表情や動きがホントに気持ち悪くて
これどうにかならんかったのかな…

ディズニーらしい大袈裟な表情や動きなんですけど
これが最初から最後までずっと続く

ディズニーもここまで終始大袈裟な表現ではないと思いますよ
本家は大袈裟な表現にもメリハリがある

本作のキャラクターは表情がとてもくどくて観ていて疲れてくる
常に表情が大きく変化してるんですよね…

体の動きも全部が演技臭い表現で気持ち悪い

あざといという言葉がしっくりくる
登場人物の全てが大袈裟であざといんですよ


ここまで大袈裟にされるとリアリティも全然感じれなくて
キャラの存在そのものが嘘っぽく見えてしまいます

一応ルパンという名前の付いたキャラクターですけど
それはルパンという名前の偽物の存在でしかない

ファンタジーでフィクションな存在のルパンで存在しないことが当たり前ですが
その存在しないキャラを存在するように描くから物語に没頭できる

本作の場合は
ルパンがただの作り物なので
ルパンが作り物ならストーリーも作り物
この作品自体が全て作り物

そう感じさせられて
作品の中に入り込めないんですよね

アニメの声優が棒演技とかよく言われることがありますけど
本作はアニメキャラクター自体が棒演技で
声優がどうこう以前の問題なんですよ

 

そして、アニメ表現が酷いだけではなく
キャラクター描写もなかなか酷い

描写が薄くてキャラクターの魅力が全然ありません

ルパンやその仲間たちは
描写が薄かろうが長い歴史の積み重ねで存在そのものに魅力があって
なにもしなくても結構ルパンとして成り立ってしまいます

ルパンってだけで魅力があるキャラクターなんです

でも、それは土台があるから生まれる魅力であって
決して山崎監督の力ではない


肝心なのは
本作オリジナルのキャラクター

本当にこれは魅力が全く無くて
敵も味方もみんな空気みたいな存在です

そもそもキャラ設定がテンプレでオリジナリティに欠けるし
インパクトのある見せ場もさほどない

ヒロインもぱっと見はなんか可愛い雰囲気があるけど
そこから先の描写は浅くしか描かれないから魅力を感じれず
ただそこにいるだけの存在で終わってしまう

敵の科学者やナチスの人とかも
最後までテンプレな存在で深堀りもされず
敵としてぱっとしない

特にナチスの人なんか
ただ立ってるだけの人ですからね
こいつ何もしてないよ

ただヒトラー崇拝するだけの人で
あっさり倒されて死んでしまう
ラスボスの位置なのにショボすぎる

終盤にはそんなオリジナルキャラ3人だけのドラマパートが用意されてるけど
あれは地獄ですよね

思い入れのない3人がいろいろとやりあって
謎の感動展開になってたけど
あんなの誰が興味あるの?

とにかくルパン一味以外のキャラクターは
ホントに酷かったです

 

あと気になったのは
派手なシーンがなんかショボい

これもやっぱりアニメ表現が悪いと思う

動きがとてもぬめっとしていて
メリハリが無いように感じました

五右衛門が斬鉄剣で飛行機を斬るシーンも
キレが無くてあまり格好よくない

ルパンがレーザーくぐり抜けるシーンも
一番の見せ場と思いますけどやっぱりキレが無いですよね

アクションシーンは基本キレが無くて
全部ショボく感じました

アニメの動きに関して
本作は全部メリハリが無かったです

 

それと、終盤の謎解きアドベンチャーは
本当にクソみたいでしたね
アホな謎解きを見せられ
ハラハラドキドキは全く無くてつまらん

最後なんて
ただ身体能力だけで切り抜けてるし

あのときの決めポーズはダサかったな…

 

めっちゃ文句言いましたけど
人生で初めて観る映画やアニメがこれなら面白く観れるんじゃない?

既視感だらけだけど
その元になるものがなければ
既視感なんて無いわけですし

普段からよく映画やアニメに触れてる人なら
本作は毒にも薬にもならないような作品だと思う

いや、毒にはなるかも

 


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