どうもきいつです
歴史ドラマ映画「天外者」観ました
近代日本経済の基礎を構築した実業家
五代友厚の生きざまを描いた歴史ドラマ
幕末という激動の時代の中で
薩摩藩士の五代が志を共にする者たちと新たな時代を切り開いていきます
「利休にたずねよ」などの監督の田中光敏と脚本の小松江里子が本作でもタッグを務め
主人公の五代友厚を演じるのは三浦春馬です
あらすじ
ペリー来航に衝撃を受ける江戸時代末期の日本
薩摩藩士の五代才助は新たな時代の到来を予感し世界に目を向ける
遊女のはるとの出会いをきっかけに
誰もが自由に夢を見ることのできる国を作るため
志を共にする者たちと日本を変えるために奔走する
感想
三浦春馬の最後の主演映画ということで感慨深い作品
彼の最後の演技を見せてくれただけでも観る価値のある作品だと思う
ただ、それを抜きにするとかなり微妙な映画です
全体的に幕末ドラマのダイジェストみたいで
全く気持ちが入っていかない映画
三浦春馬の最後の主演作品で評判もなかなか良い映画
気になったので観に行ってきました
五代友厚については勉強不足で全然知らず
映画を観る前に軽くネットで調べてから観ました
幕末はいろんな作品の題材になってるし
それなりに重要人物や歴史の流れは知っています
本作は学校の教科書で習うような
大まかな幕末の歴史の流れさえ知ってれば
大体理解できるしストーリーにはついていけると思います
逆に歴史について全然知らなければ
あまりよくわからないかもしれないですかね
最低限の知識さえあれば大丈夫だとは思いますが
まず、本作を観てみて
評判がいい理由ははっきりわかりました
三浦春馬が主演
ただそれだけだと思います
正直言って
主演の三浦春馬以外はかなり微妙な映画
三浦春馬が亡くなって本作が最後の主演映画ということと
三浦春馬の演技が魅力的だということ
それだけが本作の価値だと思います
三浦春馬の演技を見ることができるというだけで本作の存在価値はあるわけで
それだけで満足な人も多くいると思います
でも、それを抜きにしてしまうと
この映画は微妙すぎるかな…
とにかくストーリーがちょっと酷いような気がします
幕末ドラマのダイジェストのような作りで
最後まで感情移入もほぼできず
五代友厚とはどのような人物なのかも
さほど深く掘り下げられない
幕末のに活躍した人物1人にスポットを当てた映画なので
その人物を中心にこの時代を掘り下げるような作品を期待していたんですけど
その期待は裏切られたって感じです…
全体的な構成も悪くて
五代友厚の主要エピソードをぶつ切りにして繋ぎ合わせたような
ツギハギみたいな映画なんですよね
シーンが切り替わったと思ったら急に時間が経過していて
前のシーンとの繋がりが悪すぎる
急に逃げてたり
急に龍馬が死んだり
急に五代が結婚してたり
観ている側を放ったらかしで
どんどんと物語だけが進んでいく
何が起きたか理解できない間に
次の展開に切り替わってます
淡々と出来事だけを見せられて
圧倒的にドラマがありませんでした
登場人物の感情や思いが全然描かれていなくて
人間味を感じれない
感情移入があまりできないんですよね
五代もただ完璧な人でしかなくて
観ている側に入り込む余地がない
そして、登場人物の素性や関係性の説明もほぼないので
幕末についてある程度知識がないと本当についていけないと思います
とはいえ、常識レベルの知識さえあれば大丈夫だと思うので
わからないのは自業自得かもしれない
そんな中で描かれる五代友厚の姿は
日本の経済の発展のためいろいろ頑張って奔走した
くらいの描写でかなり薄め
具体的にどんな行動を起こして成し遂げたのか
その辺はそこまで詳しくわかりませんでした
現実的にどうやって人を引き付け動かしたのか
どんな方法論で船を安く入手できたのか
嫌われながらもどう日本経済を動かしたのか
そんな部分はあっさり流してしまってました
ただ熱血漢でカリスマ性があって天才肌
それだけで全部上手くいってるような見せ方なんですよね
だから、史実を基にした現実の話なのに
どこかファンタジーのように感じてしまう
日本の未来を憂い熱い気持ちで行動した人物というのは伝わりましたが
それ以上の深い部分は全く伝わってこなかった
何故そうなったのか
というところが全然描かれていなくて
あまり腑に落ちなかったですね
それと、他に気になったのが
キャストが微妙に合ってなかった気がします
三浦春馬が演じる五代友厚はかなりはまり役に思えましたけど
それ以外はちょっと違和感がありました
特にメインの登場人物でもある
坂本龍馬、岩崎弥太郎、伊藤博文は
みんなあまり合っていなかった感じがする
坂本龍馬はなんかエリートっぽい雰囲気がありすぎて違う
変に綺麗すぎると言うか…
泥臭さが足りなかったような…
三浦翔平がシュっとしすぎなんですかね?
西川貴教が演じる岩崎弥太郎は
少し面白いキャスティングで嫌いではないけど
やっぱり岩崎弥太郎ではないですよね
てか、西川貴教ですから
独特な雰囲気で悪くはないけど
歴史上の人物を演じるにはクセが強すぎたのかもしれません
伊藤博文は童顔すぎて子供みたい
森永悠希が可愛すぎる
終盤の髭を生やした姿が違和感ありまくりでした
声も若々しすぎて威厳が全然ない
そもそも、この4人が仲良くすき焼きの鍋をつついているのがすごく違和感
そんなに深い関係性なのか疑問に思った
あと、五代の恋愛描写は全部唐突で
全然ついていけなかった
なぜそんな関係性になったのかはすっ飛ばして
次のシーンになるといい仲になっていたり
結婚していたり
イベントだけを唐突に見せるだけで
肝心の中身は全くないので
気持ちがついていきませんでした
シーンが変わる度に
どういうこと?
って疑問が生まれる
心理描写をもっと丁寧に描いてほしかったです
三浦春馬の最後の姿を観れただけでも
価値を感じることができました
だからこそ
最後の映画がこれか…
という嫌な気持ちも生まれてしまった
歴史のダイジェストではなくて
もっと深い部分を見せてほしかったです
この映画では五代友厚の紹介にしかなってない
五代友厚を通して何を伝えたかったのかは全然わかりませんでした