何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

ドラマ「今際の国のアリス」感想 日本のドラマもやればできる

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どうもきいつです


サスペンスドラマ「今際の国のアリス」観ました

少年サンデーSと週間少年サンデーで連載されていた
麻生羽呂による漫画「今際の国のアリス」を実写化したドラマ
突如人々が消えてしまった東京23区を舞台に
謎の“げぇむ”に参加させられてしまう者たちの姿が描かれます
2020年12月よりNetflixにて全世界190ヶ国に
同時独占配信されている作品です

監督を務めるのは「キングダム」「いぬやしき」などを手掛けてきた佐藤信介
主人公を演じるのは「キングダム」でも主役を務めた山崎賢人です

 

あらすじ
人生に意味を見つけ出せず憂鬱な日々を過ごすアリスは
親友のチョータとカルベと共に渋谷に繰り出す
そこで突如渋谷の人間が全て消えてしまった
誰もいない街をさまよい
3人は謎の“げぇむ”にクリアするために命を懸けることになる

 

感想
ブッ飛んだB級ホラー映画みたいな内容だけど
チープに見えないクオリティになるようにかなり頑張ってる
日本のドラマでも頑張ればここまでできるんだ
と感心させられました
若干微妙なところもあったけど
最後まで楽しんで観ることができました

 


予告CMを見てすごく気になったので観てみました

原作の存在は知っていましたが
どんな内容なのかもほぼ知らない状態で観ました
なかなか面白くて最後まで一気に観てしまった

日本のドラマはチープな印象がとてもありましたが
本作はそんなイメージを覆すほど
かなり本格的に作られたドラマだと思います

ネット配信のドラマという自由度の高さがあるからこそ生まれたドラマだと思う

テレビドラマでは
こんな作品なかなかできないんじゃないですかね

表現方法もそうだし
時間の尺もそうだし
金銭的にもテレビよりお金をかけれるのかもしれない

原作漫画にしたって
話題の漫画や人気漫画というよりは
ちょっとサブカルよりな作品だし

この漫画を実写化したいという気持ちのもと
このドラマが作られてるような気もします

 

まず、本作の第1話の冒頭シーンがとてもよかった
これだけで一気にこのドラマの世界に引き込まれたし
面白いドラマを作ろうとする意気込みも感じられます
本気でやってやろう!!って気持ちを感じられる

アリスたち3人が渋谷の人混みの中で待ち合わせして
警察から逃げてトイレに隠れ外に出ると街から人が消えてしまっている
という一連の流れなんですけど
ここがホントにすごいなって映像になってます

警察から逃げ出してからトイレを出るまでワンカットの映像で
臨場感がとてもあり全ての人が消えてしまうという異様さがストレートに伝わってくる

日本のドラマでもこんな大規模なことができるんだと
ちょっと感動すらしました

渋谷から1人も人がいなくなるなんて異様な映像が観れただけでも満足度が高い

スクランブル交差点をまるまるセットで作ったとのことですが
それをやってしまうということは
本気でドラマを作ってるんだと思うんですよね

その意気込みだけでこのドラマに対する好感度はとても高いです

 

そして、本作はいわゆるデスゲーム系の作品で
主人公たちが命懸けのゲームに挑み生き残っていく
という内容

デスゲーム系としてはあるあるな話の流れで
そこまで斬新なわけではないんですけど
シンプルだからこそすごく見やすいドラマでもあります

基本的に1つのゲームが1話の中で完結する作りなので
軽い気持ちで観るにもちょうどいい尺です

その上、独特な世界観や設定なので
次の展開が気になり好奇心を掻き立てられて
1話が終わればその次もついつい観たくなってしまいます

最終話付近になってくると続きが気になって
続けて観てしまいました


個人的には
第3話の展開がとてもタイミングがよかったと感じた

ここは湿っぽくてちょっとお涙頂戴な展開ではありますが
第3話というのがちょうどよかった

1、2話でこれをやってたら思い入れが小さすぎるし
もう少し後にやってればあざとすぎる

感動的な演出でありつつ
この世界の残酷さの表現もできてるので
バランスがいいようにも思いました

それにデスゲームでこんなタイプの感動展開はあまり見たことないし
少し斬新にも感じました

 

それにキャストもよかったですね

主演の山崎賢人はよくも悪くも普通で無難な演技をする人ですけど
今回の場合はアリスというキャラクターに上手くその普通さがハマってたと思う

原作はどんなキャラなのかは知らないけど
ドラマではすごく普通で今時の若者って感じです
そんな今時の若者を演じるには山崎賢人がちょうどよかったと思います

いい意味でクセがないと言うか


土屋太鳳なんかも
生真面目そうな雰囲気がキャラとして生きていたと思います

村上虹朗が演じるチシヤもいい感じに鼻についてムカつくしよかった

他にも面白い感じの人たちがたくさんいたので
キャラクターも本作の魅力だと思う

 

そんな感じで
面白い要素がたくさんの
日本のドラマとしてはかなりクオリティの高いドラマだったんですが

だからこそもっと面白くできたんじゃないか?
と思ってしまうところもあります


特に“げぇむ”の内容に関してはちょっと不満
本作のメインでもあるデスゲームが
ちょっとあっさりしすぎで物足りない

もっとすごいどんでん返しがあるのかとか期待してたんですけど
どのゲームも想定内の結末でゲームが終了してしまいます

もう一捻りあればもっと面白くなりそうなのに
って毎回思ってしまってた

ギリギリの状況でスリルがあるのは確かなんですけど
もっと騙し合いとか意外なゲームの切り抜けかたとかを見せてほしかったです

主人公アリスのゲーム内での活躍も弱かった気がしますしね
もっとアリスが能力を発揮してゲーム攻略する姿を見せてほしかった

同じタイプの「カイジ」や「LIAR GAME」なんかの作品は
ゲームの内容でもとても楽しませてくれるので
そんな作品に比べると物足りないのは否めない


あと、もう1つとても気になったのが
回想シーンの多さ

結構どうでもいいような回想シーンが所々に挟まれていて
少しテンポの悪さを感じました

回想が始まる度に話が滞るし
その回想も
何故こいつの回想?
と思ってしまうようなのも多々ある
必要ない回想シーンが多かった印象です

同じような回想を何回も見せられるのもくどかったし

人間ドラマの部分を回想に頼りすぎかなと思いました
ゲームでの立ち振舞いやその時の言動などでも
キャラクターのバックボーンは掘り下げれるだろうし
そっちの方がスムーズにできたと思います


それと最終回
これがちょっとダラダラしてて
最後はあまりピシッと締まらなかった印象です

すごく説明臭くなってました

ここはバッサリと切って
シーズン2に持ち越してもよかったと思います
もっと謎めいたラストでも全然成立したと思います

むしろ、謎が多い方がシーズン2が気になるだろうし
次に引っ張れたでしょうし

唐突に新たなゲームが開催されますって終わりの方がよかったかも

 

そして、これは仕方ないと思いますけど
やっぱりCGはまだ海外の作品に比べるとチープかな…

特に動物はCGとまるわかりでした
夜の街並みもCGっぽかったりしましたし

 

まあ、多少文句も言っちゃいましたが
概ね満足な内容のドラマでした
日本のドラマでもここまでの規模で作れるんだ
と少し感動しました

続きも普通に気になりますし
シーズン2にも期待大です

 


今際の国のアリス(1) (少年サンデーコミックス)