何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「脳男」感想 面白かったけど もっとアクション見たかった

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どうもきいつです


サスペンス映画「脳男」観ました

第46回江戸川乱歩賞を受賞した首藤瓜於の小説「脳男」を原作に映画化した作品
人間らしい感情を持たない謎の男をめぐるサスペンスアクションです

監督は「犯人に告ぐ」などの瀧本智行
主演は生田斗真が務めています

 

あらすじ
都内近郊で無差別連続爆破事件が頻発する
正義感の強い刑事の茶屋は犯人のアジトを突き止めるが
確保できたのは身元不明の謎の男、鈴木一郎だった
共犯者とみなされた一郎は精神鑑定を受けることになる
担当となった精神科医の鷲谷は
感情を表さない一郎に興味を持ち
彼の過去を調べ始める

 

感想
ミステリアスな設定はとても魅力的で
アクションも派手で面白かった
でも、会話シーンや回想など説明的なシーンが多くてちょっと退屈
もっとアクションやミステリーを見せてほしかった

 

原作は読んだことありませんでしたが
設定が面白そうで気になり観てみました


そんなに期待して観たわけではありませんでしたが
設定、世界観やアクションシーンなんかは個人的にかなり好みで
思ったより楽しんで観れました

想像以上にかなりバイオレンスだったりグロかったり
爆発シーンが激しかったりもしたので
その点はとても好きです


冒頭の場面もなかなかショッキングで
それだけで映画の世界に引き込まれました

直接的にグロテスクなものを見せていないけど
間接的にめっちゃ痛々しさを感じましたし
どこか不潔で陰湿な雰囲気もとてもいい

そこからのバスの爆発シーンで
これめっちゃ好きなやつ
って思わされました


設定も面白くて
現実的に考えたらあり得ないような設定だけど
だからこそワクワクするというか
ちょっと中二病な設定なのが僕好みでもある

感情がないけど抜群の記憶力を誇るロボットのような主人公が
様々な知識や戦闘技術を叩き込まれ
悪人を抹殺するためのマシーンとして戦うダークヒーローって感じ

こういうのめっちゃ好きです


ストーリーやテーマに関しても面白いところは多くて

特に結末はとてもよかった
白黒をハッキリ着けない終わりかたは
いろいろ考えさせられます
絶望を感じさせられつつ希望も感じれるラストはカッコいい終わりかただと思う

何よりも鈴木一郎の今後の活躍も見たくなってしまう
続編があれば観たいと思わされるんですよ


他にも
鈴木一郎のターミネーターっぽい無表情のアクションもカッコいい
生田斗真の美しい出で立ちもあり
スタイリッシュで見映えがとてもいいんですよ

でも、やってることはバイオレンスで
容赦ない痛々しいアクションでもあって
そのギャップもまた魅力的に見える


そして、キャストもよくて
主演の生田斗真はもちろんのこと
松雪泰子、江口洋介、二階堂ふみ、染谷将太など
みんな個性的な上に役にもすごくハマってる
この人たちの存在だけで魅力的なキャラなんですよね

 

そんな感じの
とてもいいところがたくさんある作品で
だからこそ物足りなさを感じてしまう

そのいい部分をあまり生かせてないな
とも思わされました


この映画で一番ダメだと思う点は
映画の大半が鈴木一郎の説明になってるところ
ここが全体の足を引っ張りすぎてると思います

連続爆破事件を追うミステリーや
殺人マシーンの鈴木一郎のアクションが
本作のメインであるはずなのに

鈴木一郎がどんな人間か
どんな人生を歩んできたのか
みたいな設定をダラダラとひたすら説明するだけの作風は大失敗です

正直、そんな細かい設定や鈴木一郎の生い立ちなんてどうでもよくて
観たいのはミステリーとアクション

事件の真相やどう犯人を追い詰めるか
いかにカッコよく派手なアクションを見せてくれるか
それだけで十分なんですよね


基本的にこの映画のほとんどは
取り調べや精神鑑定のシーンばかり
鈴木一郎がこんな反応を示しましたみたいなのがずっと続き
後半になると鈴木一郎の過去はこうでした
みたいな回想シーンが続く

動きのないシーンばかりだしすごく退屈になってきます

しかも、その間は肝心の事件については停滞しっぱなしで
話が全然前に進まない
無駄に映画が長く感じてしまいました

そんなダラダラした要素が多いくせに
説明不足や描写不足が多かったりします

特にキャラクターの描写が薄いです
登場人物たちの行動原理や心の内がわかりづらい
なんでこんなことしてるんだよ
ってことが多いです

キャラ自体はみんな個性的で魅力はあるけど
みんな中身が空っぽって感じなんです
ストーリーを動かすためだけの装置みたいな…

事件の犯人なんかも
サイコパスだから人を殺しまくってました
ってだけで深みが全然ない

現実のサイコパスなら何も考えず人を殺す輩もいるだろうけど
これは映画ですからね
何かしら心理描写とかほしかった

親を殺したってのも
どんな気持ちで殺したのか
どんな感情だったのか
など、もっと知りたかったし


終盤の刑事が一郎を殺そうとするシーンだって
やりたいことはわかるんですけど
もうちょっと深く描写してほしかったですよね

心理がわかりづらいから
刑事が急に暴走しだしたようにも見える

 

そして、何よりももったいないのが
アクションシーンの少なさですよね

中盤はほぼアクションシーンはなし
そこがやっぱり物足りない

せっかくカッコよくて派手なアクションなのに
もっと見せてほしかったです

てか、アクションメインの映画にしてもよかったと思う

ひたすら鈴木一郎が戦い続けるだけでも
十分面白くできるはず

過去に何人も悪人を殺してきたって設定があるんだから
それを映像として見せればいいだけだし

アクションを見せつつ
鈴木一郎の生い立ちや内面を説明することもできる
そんなアクションを見せれば
鈴木一郎のキャラの深みも見せれると思いますしね

この映画は言葉だけで説明してしまってる堅苦しさがありました
ちょっと頭でっかちな感じがします
インテリな雰囲気出そうとしすぎかな…

B級映画のノリで作ればもっと面白くなったかも

 

せっかくの魅力的な要素をあまり生かしきれていなかった印象
なんかもったいなかったです

とは言え
好きな要素もとても多くて楽しめたのは間違いない
全然おもしろくない
というわけではないです

大作邦画の中ではかなりまともな方かも

 


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