何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ポゼッション」感想 なかなかキモくて好き

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どうもきいつです


ホラー映画「ポゼッション」観ました

呪いの箱にまつわる実話を基にした2012年のホラー映画
ある少女の身に降りかかる恐怖が描かれます

「死霊のはらわた」などのサム・ライミが製作を手掛け
監督を務めるのはオーレ・ボールネダルです

 

あらすじ
妻と離婚したクライドは
週末に2人の娘と過ごすのを楽しみにしていた
ある日、ガレージセールでアンティークの箱を購入する
それ以来、次女エミリーの様子が一変してしまった
徐々に凶暴になり異常な振る舞いがエスカレートするエミリーに
クライドは危機感を感じていく

 

感想
気持ち悪く不気味な演出に引き込まれていく
子役の演技も素晴らしい
終始、気持ち悪さのある映画でした
終盤のお祓いシーンはやり過ぎな気もするけど
サム・ライミらしさがあって嫌いじゃない

 

サム・ライミ製作ということで
気になったので観てみました

個人的にはとても好きなタイプのホラーで
最後まで楽しんで観ることができた


どちらかと言えばB級よりで
その上、サム・ライミ製作ということもあり
たぶん好き嫌いは別れるかも

すごく怖いホラーを求めるとちょっと違うし
実話を基にしてるからと真面目なホラーを求めるとかなり違う

そもそも、実話を基に~
とか言って実話で押してる作品ですけど
完全にフィクションなホラーです

こんなのあり得ないですから

呪いの箱っぽいものがあるらしい
ということから着想を得て作られた映画
くらいの軽い感じで観るのがいいと思う


そういうこともあり
観る側に若干マイナスなギャップが生まれてしまったので
この映画の評価もちょっと低めなのかもしれません

 

ただ、個人的には結構好きな作品で
ホラーとしての魅力をとても感じれました


まず、ストーリーですが
これはかなりシンプルで王道

いわゆる悪魔払い系のホラー
「エクソシスト」みたいなタイプの映画です

呪いの箱を手に入れることにより
主人公の娘の様子が段々とおかしくなり
最終的には悪魔払いをする
ってそれだけの話

そんなに捻りもなく
やってることはほぼ「エクソシスト」みたいなものです

だからこそシンプルでわかりやすく
観やすい映画ではあります

 

そんな映画なので
斬新なホラーではないんですけど
所々に散りばめられているホラー描写は
面白いものが多々あってそれなりに怖いし楽しめる内容です


蛾の使った描写なんかはなかなか気持ち悪くて
虫が苦手な人ならゾワゾワすると思う

口から蛾が出たり入ったりなんかは想像もしたくないくらいキモいし
単純に飛び交ってるのもなんか嫌

頭にとまってたりするのも
リアルにありそうな感じが妙に不快感を煽られます

部屋の中の大量の蛾なんて発狂ものですよね…

それに、あの蛾の大きさがちょうど嫌な大きさなんですよ
でかすぎればファンタジーだし
小さすぎると迫力に欠ける

あの大きさは絶妙に気持ち悪い大きさでしたね


それ以外にも

箱の中身の絶妙に気持ち悪い小物の数々
箱の鏡に移る少女の顔
喉の奥から指
狂っていく少女の姿
若干のグロ描写

などなど、気持ち悪くて不快な描写が多くて
キモ怖くてゾクゾクさせられます

 

そして、やっぱり子役の演技がとてもよかった

悪魔に取り憑かれるエイミーなんですが
如何にも子どもらしくとても可愛らしい女の子
でも、悪魔に取り憑かれた姿はマジで怖いし気持ちが悪い

それに、悪魔と少女の狭間の絶妙な演技も上手いですし

箱に魅了せれて徐々におかしくなっていく不安定な様子なんかも
とても心配な気持ちにさせられる

クラスの男の子が箱に触れてぶちギレたときは
完全に狂気の沙汰でしたし

こんな演技ができる子役に
単純にすごいなと思わされました


あとは、ちょっと笑ってしまうくらいの
やり過ぎな演出もサム・ライミ作品らしさがあって好きでした

母親の恋人の歯がボロボロ抜け落ちるのは
ちょっと笑ってしまった
しかも、この人狙われる理由がない
それに歯医者
可哀想です

部屋の中の蛾も
さすがに大量すぎて笑ってしまう
やりすぎ


で、ラストの悪魔払いシーン

ここはもうリアリティなんて全くなくて
完全にエンターテイメントでした

エミリーは完全に取り憑かれ白目を剥いて暴れまわるし
立ち位置や光の演出はあからさまだし
最後はなんか感動的だし

ちょっとブッ飛んだお祓い場面で
ここで冷めてしまう人もいるかもしれない

リアルさや静かな恐怖が好きな人は
このタイプのやつは苦手かも

ただ、このエンターテイメントな感じがサム・ライミらしくて個人的にはとても好き
僕はかなり満足できました

 

とは言え
基本的に大味なホラーでもあってツッコミどころも多い
だからこそB級っぽくもあって
良くも悪くもB級映画なホラーです


中でも
悪魔がストーリーの都合がよくなるように行動してるのが気になる

最初からこうすればいいのに
なんでこんなことするの?
みたいなことがとても多いです

はじめはエミリーの友達になる
ってあるあるな方法で誘惑してる感じなんですが
途中で唐突にエミリーの中に入るわけです

取り憑くための条件なんかもなかったし
それなら最初から取り憑けばいいのに
と思ってしまう


他にも
やたら人が死ぬんですけど
これも完全に悪魔のさじ加減で
主人公の家族は全然死なないのに
そんなに関係ない人はすぐに死んじゃたりする


何より
最後に主人公に取り憑くのは意味わからん

純粋な子どもを狙ってたからエミリーに取り憑いていたのに
なんで急におっさんに取り憑くの?

俺に取り憑け!!って言葉を素直に聞き入れたのかな?
意外と優しい悪魔ですね


アーーービーーーズーーー!!
って神父に名前呼ばれただけで箱に封印されてしまったりもするし

じゃあ神父
最初からそれやれよ
なに狼狽えてるんだよ


そんな感じの雑さも多いので
そこを好きになれない人も多いんじゃないでしょうか

僕はこの雑さ含めてこの映画は好きですけど


ただ、インパクトがあって印象に残るシーンはなかったかな
とも思いました

サム・ライミ作品でも「死霊のはらわた」や「スペル」なんかに比べると
おとなしいしあっさりしてた印象です

まあ、本作はサム・ライミが監督ではないですし
そこは仕方なかったのかな

 

実話が~とか言ってますが
全然リアルじゃない雑ホラー

そんなB級っぽさが個人的には好きだし
サム・ライミらしい描写も多くて楽しめました

好き嫌いは分かれそうですけど
サム・ライミが好きなら満足できる作品だと思います

 


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