何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「魔女の宅急便」(2014年)感想 世界観がブレすぎてる

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どうもきいつです


ファンタジー映画「魔女の宅急便」観ました

宮崎駿によってアニメ映画かもされた
角野栄子による児童文学「魔女の宅急便」を実写映画化した作品
一人前の魔女になるため
知らない町で生活することとなった少女キキの姿を描いた
2014年のファンタジー作品です

監督は「呪怨」シリーズなどを手掛ける清水崇
主人公のキキを演じるのはオーディションで選ばれた小芝風花です

 

あらすじ
魔女の血を引く少女キキは13歳になり
魔女になるため修行の旅に出る
そしてキキは黒猫ジジとともに見知らぬ町で1年間生活することになる
その町でパン屋のおソノの家で居候し宅急便屋を開業するキキは
空を飛ぶことを夢見る少年とんぼと出会う

 

感想
世界観がブレブレ
現代なのか昔なのか
ファンタジーなのか日本なのか
なんかよくわからない世界
それに、終始暗い雰囲気で観ていて楽しくない
CGのショボさはなかなかひどい
小芝風花は可愛かったかな

 

小芝風花が好きなんですが
本作はまだ観たことなくて観てみました


まず、勘違いしてる人がたまにいるんですが
本作はあの有名なスタジオジブリのアニメ映画「魔女の宅急便」の実写リメイクではありません

原作の児童文学「魔女の宅急便」の実写映画化作品です

なのでジブリのと全然違うのは当たり前で
ジブリと全然違うだろ!って批判はナンセンスだと思う

とは言え、比べてしまうのは仕方ありませんが…


で、ジブリと比べてどうとかは無しにして
この映画を一つの作品として純粋に観たところ
正直、ちょっと微妙だなって映画

なかなかクオリティは低いと思う

いろいろとツッコミどころがありますが

一番気になるのは
世界観があまりにもブレているところ

なんかすごく中途半端で
この映画の舞台は一体どこなのか?
そこがよくわからないです

空想の世界なのか現実的な世界なのか
現代の話なのか昔の話なのか
本作の映像を見るだけでは掴み所がない

キキの故郷はCGを使ってたりもするので
とてもファンタジーな雰囲気が漂っています

登場人物の名前も
どこの国というわけでもなく
どこか空想的な名前が多いですし

この映画の世界は空想なのは間違いないんです
完全にファンタジーな世界ではあるんですが

単純に詰めが甘いんですよね…

ファンタジーっぽく見せるために工夫してるのは十分伝わってきます
ただ、所々に現実の世界が見えてしまう詰めの甘さが目立ってる

キキが住むことになる島も
遠目に見える島の全貌はたぶんCGも使ってるでしょうし
栄えた島の街って感じに見えるんですよ

でも、ちょっと近づくだけで
普通の日本の小さい島の村って感じになります
港町なんて普通に田舎の漁村ですから

CGを使ってない実写のみの町並みは
いろいろと工夫してそれっぽくしようとはしてるけど
やっぱり現代の日本がにじみ出てしまってる

町に住む人たちや町の装飾なんかは
ちょっとレトロでオシャレな雰囲気のものが多くて
オシャレな昭和みたいな雰囲気を出そうとしていて
それ自体はとてもいいと思うんですけど

結局、徹底していないから
時代が現代なのか昔なのかよくわからない変な感じになってしまってます

動物園なんかは完全に現代の動物園にしか見えないし
学校なんて室外機は見えてるわ横の道にはガードレールが見えてるわで
世界観を崩しまくってるんですよね…


部屋の中などのセットで作ってるようなものは
それなりにファンタジーで悪くないんですが
外の風景になると
途端に現実的なものがたくさん見えてきて
それがホントにノイズで邪魔になる

それと、町を都会っぽくしようとしてるわりには
自然の景色があまりにも大自然すぎて
それも悪いギャップになっていたと思います

いろいろとブレすぎているので
この島が一体どんな島なのか全貌が全然見えてこない

ファンタジーをやるなら
とことん徹底したファンタジーな世界観を見せてほしかった

 

そして、ストーリーなんですが
これもちょっと微妙…

この作品って子ども向けに作られてるだろうと思いますが
なんか見ていて楽しくないストーリーです

基本的にネガティブで暗い雰囲気が最後まで続く上に
主人公キキの扱いが酷い

単純に最後までキキが可哀想だなって
暗い気持ちにさせられるストーリーなんですよね

キキの成長物語として
彼女に様々な試練を与えてるのはわかります

それを乗り越えることで
キキの成長を描こうとしている作品で
なんか最後は成長した感じにはなってます

でも、この映画の中でキキが直面する苦難って
ほとんどいじめみたいなもので
よくわからない魔女という存在だから
町の人間たちに迫害されてる感じ

そこを和解してお互いに認め合う話なのかと思いきや
結果的にキキが役に立つから島の人間たちが認めてくれる
という、すごく嫌な話なんですよ…

この映画が
こんな嫌な見えかたをしてしまうのは
キキが直面する問題が全く解決しないまま
解決した風で終わってしまうからだと思うんです

例えば
歌手の女性の家にパンを届けるエピソードだって
ただ邪険に扱われて
そこから先は全く話が進まない

呪いの手紙を届けさせられるエピソードも
モヤモヤしたものが残るだけで
解決しないまま終わってしまう

細かいエピソードが何も解決しないまま
最後のカバを届けるエピソードで
何故かそれまで険悪だった人たちが
途端に心を入れ換えてキキを応援し出すんですよ

風呂敷を広げたわりに
何も回収しないまま終盤まで進んで
最後に無理やりいい話に持っていこうとするのがちょっと気持ち悪い


結局、根本の部分でキキと町の人たちの繋がりが描かれてないから
キキが町のために頑張ってるのなら認めてやるよ
みたいな見えかたにしか見えない

この映画って
ホントにただいじめを見せられているようで
全然明るい気持ちで観ることができない

動物園の人とかまじで怖いですから

ひたすらキキが可哀想なだけのストーリーでした

あと、メインキャラであるとんぼがかなり空気な存在になってましたね
とんぼは何のためにいたんだろう…
って感じです

 

あと、CGはマジでショボいですね…
結構前の映画ではあるけど
言っても2014年

さすがにこのクオリティは…

猫のジジとか明らかに映像の中で浮いていて
すごく気持ち悪かったし
カバの子どももなかなかな酷さ

せめて猫は本物使うとかアニマトロニクスを使って
それにちょっとCGをプラスする
ってやり方のほうがいいような気がしますけど

空を飛んでるときの合成感も半端ないですね
「ネバー・エンディング・ストーリー」レベルの合成っぽさかもしれない…

まだ風景などの止まってるもののCGは さほど気になりませんでしたけども

CGのレベルは低すぎるかな
って印象です

 

いいところがあるとすれば
小芝風花は魅力的だったと思います

この時はまだ15歳くらいだと思いますけど
そんなに演技が下手にも思わなかったし
愛嬌があって可愛らしい
キキの役にハマってたんじゃないかと思います

あと、とんぼ役もハマってた気がする
せっかくハマってたのに
とんぼの存在感が薄いのがもったいないですよね

 

子ども向けのファンタジーだろうけど
子ども向けにしては暗すぎて楽しくないし
かなり微妙でした

世界観やCGもショボいし
見どころは小芝風花だけかも

 


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