何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ボス・ベイビー」感想 それなりに面白いけど なんか微妙

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どうもきいつです


アニメ映画「ボス・ベイビー」観ました

「怪盗グルー」シリーズなどのユニバーサルスタジオと
「シュレック」シリーズなどのドリームワークス・アニメーションが
初タッグを組んだ2017年の作品です
絵本「赤ちゃん社長がやってきた」を基に作られています
大人の知能を持った赤ちゃんが大騒動を巻き起こす物語

監督は「マダガスカル」シリーズなどのトム・マクグラス
日本語吹き替え版ではムロツヨシ、芳根京子などが演じています

 

あらすじ
両親と幸せに暮らす7歳の少年ティムのもとに
ある日突然、黒いスーツに黒いネクタイを締めた赤ちゃんがやってきた
そんな赤ちゃんにティムの両親は言いなり
その上、赤ちゃんは大人のように話すこともできるのだった
そんな赤ちゃんを不審に思うティムだったが
実は赤ちゃんには重要な任務があったのだ

 

感想
それなりに楽しめる内容だと思います
子どもはこういうのは好きかも
ただ、面白いアイデアだけで終わっていて
それだけかな…って印象
いろいろ雑な部分も多かったし
飛び抜けて面白い作品ってわけじゃない

 

前から気にはなっていましたが観ていなく
アマプラで配信されていたので観てみました


ドリームワークスのアニメ作品は「カンフー・パンダ」「ヒックとドラゴン」など
好きな作品が多いので本作も期待していました

ユニバーサルスタジオとタッグという事で
「怪盗グルー」シリーズなどの
イルミネーションのアニメ作品に対抗した作品を目指してるのなという印象で

実際に観てみても
子どもウケを重視して作られた作品なのかなと感じました


内容はそれなりに楽しめるアニメって感じで
別につまらない作品ではないと思います
子どもなら普通に楽しめるかなってアニメ

ただ、子ども騙しな気もして
大人ならちょっと微妙に思うかもしれません

正直、僕はかなり微妙でした
結構、雑な印象も強くて
詰めが甘い作品だとも思います

 

とは言え
いいところもあるので
まずは良かったと思ったところから

設定のアイデアはとても面白いと思います
見た目は赤ちゃん
中身はおっさん
このギャップは観ていて面白いです

それだけでこの作品はインパクトがある
実際に続編が作られているし
それなりに評判もよかったんだと思います

何より
スーツを着た赤ちゃん
このビジュアルだけで少し観たくなってしまう
面白そうな雰囲気はとても出ています

 

設定だけでなく内容もそれなりに楽しめます

ストーリーは少年の成長物語とわかりやすく
主人公のティムとボス・ベイビーとのバディものとしても楽しめる
2人のやり取りがコミカルで楽しいです

それに、基本的に動きのあるシーンが多いので
その点でも観ていて楽しい映画になっている
アクションシーンなんかも多くありますしね

面白く観れるポイントは押さえている作品なので
つまらない映画にはなっていないと思います
特に子どもなら楽しめるんじゃないかと思う

 

ただ、やっぱりアイデアだけで終わってる作品というのは否めなくて
そんなに捻ったストーリでもなく
かなり予定調和で面白味の無いストーリーだったりする

それを置いておいたとしても
ちょっと雑な部分が多すぎるかなって映画です

突っ込みどころは多すぎると思うし
メッセージやテーマもブレている気がします

なんとなく言いたいことは理解できるけど
話がそこへ繋がっていかないというか…

 

ツッコミどころは
いろいろと説明不足が多かったり
矛盾が多かったりと
観ていて引っかかる部分が多いですね
それがノイズになって集中できない

まず、ボス・ベイビーが働いてる会社なんですけど
何をやってるとこなのか全然わからん

ボス・ベイビーが来た理由はわかります
犬が可愛がられることにより赤ちゃんが可愛がられなくなることを阻止するミッション

でも、これは今回の件であって
今までは何してきたんだよ
これからは何をするんだよ
と全然想像ができない

会社で働くために選ばれた赤ちゃんは大人並みの頭脳を持ってるみたいですけど
ボス・ベイビーの部下たちはスゲー馬鹿なのも引っかかる

この部下たちは子どもみたいなんですよ
でも、赤ちゃんではないんです
このどっち付かずが中途半端なので設定がよくわからなくなってくる

敵のおっさんもよくわからなくて
結局、目的はなんなの?って感じです
子犬を大人気にして赤ちゃんの人気を落とすことを復讐として掲げてるけど
これの何が復讐なんだよと思ってしまう

そもそも、このおっさんの動機がよくわからんのですよね
クビにされたことに怒ってるのか
ちやほやされなくなったことにキレてるのか
説明はされるけどなんかよくわからん

赤ちゃんだけど歳をとってしまうからクビにされたとか言ってるけど
最後は赤ちゃんに戻ってたりするし
そこもよくわからん

こいつの計画もボス・ベイビーがやって来ること前提だったりするし
なんで来るの知ってるんだよって思ってしまった
この計画、都合よすぎるだろ

敵のおっさんに関しては設定がガバガバすぎると思うんですよね

こいつが登場してからはマジでわけがわからなくなります


他にもいろいろ強引なところはとても多くて
基本的に全部無理やりで都合がよすぎる印象

味方の行動にしろ敵の行動にしろ
リアリティが無さすぎると思いました

 

そして、主人公ティムの成長物語なんですが
これもなんかブレていて
ティムが何をもって成長したのか
どの部分の成長なのか
そのへんがとてもわかりづらい

甘えん坊のティムが少し大人になったのか?
兄として成長したのか?
冒険をして強くなったのか?

何がメインの物語なのかよくわからん
このどれでもであるようで
どれでもないような…

最後まで観てもちょっとモヤモヤしてしまいます

あと、ティムが空想しがちという設定も
いまいち生きていないという…

ティムがすごく空想する少年ということが
はじめから全面に押されているので
これが後の伏線なのか
メッセージとして意味があるのか
と思っていたんですけど

最後まで観てもあまりこれの意味がわからない

この要素が全然ストーリーと関わってないと思うんですけど

それに
ティムのありえない空想の世界を見せてるのに
現実の世界もありえないことが起きているので
この映画がとてもややこしくなってます

普通こういうのって
空想と現実のギャップでメリハリを見せるものだと思うけど
本作の場合は両方ありえないので
何が現実で何が空想なのかわからなくなります

これだとボス・ベイビーの存在自体がティムの妄想だと思ってしまう

ティムが妄想の世界から現実に向き合っていく話なのかと
変に深読みしてしまって無駄に頭を使わされてしまいました

結局はシンプルに子ども向けのファンタジーアニメなので
じゃあティムの妄想なんていらないですよね

子どもって想像力豊かで妄想しがちだよね
ってあるあるを見せたかったんでしょうが
無理やりブッ込んでるから邪魔でしかない

 

そして、本作ですごく気になったのは
子ども向けなのに
ちょっと暴力的だったり悪ノリがすぎるところ

これのせいで
子どもにはあまり見せたくないなと思わされた

笑いのためのブラックなコメディーシーンも多少ありますが
それが下品だったり暴力的だったり
しかも、それがユーモアというより
倫理的に嫌に感じてしまう…

お金でなんでも解決みたいなシーンとかもかなり嫌ですし
その時にお金を投げてお札がヒラヒラ
ってのも下品だなと思った

犬の扱いも酷くて
敵の会社だからといってもあまりに俗悪な印象が強すぎる

ティムたちを監視する敵の部下も気持ち悪すぎるかなと思います


さらっと観れば
ギャグ描写としてすまされそうな気もするけど
僕はそこにすごく引っ掛かってしまい悪い印象を感じてしまいました

 

最終的には上手くまとまってるようには見えますけど
細かいところで引っかかる箇所は多く
全体的にまとまりが悪いと思う

子ども向けアニメですが
それにしては子どもに見せたくないようなシーンが多々あって
ちょっと印象の悪いアニメ映画

本作より質の良いアニメはたくさんあるし
わざわざこの作品を観る必要は無いかも

 


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