どうもきいつです
アニメ映画「劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal」前編、後編観ました
武内直子によるコミックをアニメ化し1990年代に大人気となった
「美少女戦士セーラームーン」の25年ぶりとなる劇場版
原作コミックのデッドムーン編を映画化した前後編の2部作になっています
月と地球を支配しようと企む謎のサーカス団に
セーラームーンたちが立ち向かう姿が描かれます
原作者の武内直子を総監修に迎え
テレビアニメ「美少女戦士セーラームーンCrystal」の第3期に続いて今千秋が監督を務めています
あらすじ
今世紀最大の皆既日食に世間が沸く中
月野うさぎとちびうさはペガサスから助けを求められる
一方で街に謎のサーカス団“デッドムーンサーカス”が現れ世界を支配しようと企んでいた
それを阻止するためセーラー戦士たちは戦いを挑む
感想
全体的に中身が薄い
設定を説明されてるだけのような映画で全然面白味がありませんでした
アニメ映像も綺麗なだけで魅力はない
セーラームーンさえ見れればいいって人しか満足できないと思います
セーラームーンの旧アニメがとても好きなので
久々の劇場版ということで観に行ってきました
前編を観たのは1月だったんですが
前編があまりに中途半端に終わったので
後編を観た今のタイミングでの感想です
正直言って
ちょっと期待はずれな映画でした
これは前編を観た時点でも思っていて
この時点でかなり気持ちが冷めていました
もう後編を観るのやめようかと思ったくらい
でも、前編は観てるし
どうせなら観てしまおうと思って観ました
気持ちが冷めていたのもあり
後編を観たのは公開からかなり遅れてからです
そもそも
本作は少し前に放送されてた「美少女戦士セーラームーンCrystal」の続編的な位置付けで
昔やってたアニメとは別物
そこは重要だと思います
Crystalは原作を忠実にアニメ化したシリーズ
なので、昔のアニメ版とはちょっとノリも違います
で、僕はCrystalのほうも観てましたけど
あまりに面白くなかった印象でした
だから、あまりちゃんと観てません
その流れがあるわけで
じゃあ、この映画が面白くないのも納得できます
てか、僕は原作漫画は全く読んでいなくて
昔のテレビアニメ版しか見てないんです
だから、原作漫画がどうこうは言えないんですけど
忠実に再現したアニメがあまり面白くないということは
原作漫画もあまり面白くないんじゃないか?
と思ってしまう
この映画が面白くないと思った要因はいろいろあります
まず、基本的にストーリーを追ってるだけの内容で中身が全然無いんですよね
人間ドラマを深く描いてるわけでもないし
面白い展開があるわけでもないし
深いメッセージが込められてるわけでもないし
とにかく、すごく淡々としていて
ただ設定を説明しているだけのような映画
盛り上りもそんなにありませんでした
前後編に分けられてるけど
こんな内容なら分ける必要なんてないと思う
これくらいの薄い内容なら90分でもできるんじゃないでしょうかね…
前編のセーラームーン以外の4人が
それぞれの悩みや葛藤を乗り越え成長する
というのはまだマシだったと思います
とは言え
個々のエピソードが深いわけでもないし
同じ事を4回繰り返してるだけなので途中からは退屈です
そして、結局
前編ではそんなに印象に残るシーンもなく
あっさりと終わってしまう
前編のラストはピンチで終わるという
引きを持たせた終わりかたではありましたが
全然後編を観たいとは思わされなかった
前編だけではあまりに薄すぎて
感想を書けないなと思ってしまったほどですから
そして、後編なんですが
こっちは前編以上に退屈だったかもしれません
ほとんどか説明みたいなシーンばかりで
めっちゃ眠くなる
設定を説明してストーリーを追ってるだけなんですよね…
しかも、その設定やストーリーが面白いのかというと
全然面白くないというか…
昔ながらの…と言うより
昔の漫画やアニメって感じの古さで
新鮮味なんて全然なくてちょっと古くさい
そりゃ昔の漫画が原作なので仕方ないですけどね
ただ、僕は
内容が薄いからダメ
ストーリーが古くさいからダメ
なんてことは全然思ってなくて
この作品の1番ダメなところは
演出が壊滅的なところだと思うんです
そもそも、内容が薄かろうがストーリーが古かろうが
セーラームーンという存在だけで魅力は十分にあって
それさえあればいくらだって面白い作品は作れるはずなんですよ
長い年月を経て積み重なった重みがセーラームーンにはある
なのに本作はそこを全然生かせてない
てか、アニメとしてめちゃくちゃクオリティが低いと思う
絵が綺麗なのは間違いないです
でも、綺麗な絵でアニメ化しました
で終わってる作品
キャラをカッコよく見せたり可愛く見せたりはできてないし
構図や動きを魅力的に描くこともできていない
キャラの気持ちを表現することもできていない
背景にリアリティを生み出すこともできてない
ただ動いてるだけのアニメで命なんて吹き込まれてないです
ほとんど止まって喋ってるだけで
動きのある映像も全然無いんですよね
観ていて楽しくないんですよ
目玉でもある変身シーンやバトルシーンなんかも使い回しみたいなのばかりで
面白味が全然ないですよね
同じ変身シーンを繰り返すなら
違う演出で見せてみるとかあると思うし
それに、変身シーンは昔のアニメの変身シーンをCGアニメで綺麗にリメイクしました
って感じなんですけど
同じ事をやってるだけなので
やっぱりセルアニメのオリジナルの方が全然魅力的だなと思ってしまう
本作の変身はただ絵が綺麗になってるだけであっさりしすぎ
オリジナルを保ちつつも
もっとカッコよく見せる表現は絶対にあるはず
必殺技に関しても
同じ映像を何回も使うんだったら
別の角度から見せるとか
別のキャラの技を同時進行で見せるとか
やりようはいろいろとあると思う
1人が技を出して
次にまた1人が技を出す
みたいな順番待ちでやってるのとか
臨場感もないし画面に動きもないし
バトルシーンとして全然面白くない
昔ながらの様式美の重要さもわかります
これを見なきゃセーラームーンじゃない
ってのもあるので
定番は絶対に必要なんですけども
本作の場合は様式美に甘んじて
手抜きしてるようにしか思えない
本当はそこからさらに工夫して面白いものを作るべきだと思う
旧アニメの劇場版1作目はたった60分ほどしかなくて
ストーリーもかなりシンプル
変身や必殺技はテレビの使い回しではあるものの
これは本当に素晴らしい作品でとても面白い作品です
そこにはやっぱりアニメに対する思い入れや
面白いものを作るためのこだわりがあって
だからこそ感動するし胸が熱くなる作品に仕上がっていたんだと思う
本作はそれの3倍くらいの時間の長さがあるにも関わらず
中身は空っぽで映像の魅力も全然ない
最初から最後までずっと退屈
原作をとりあえずアニメ化しただけで
そこから先のこだわりが全くない作品だと思うわけです
「セーラームーンCrystal」の時点で
過去の遺産にすがった再アニメ化って感じはするし
あまり志の高いアニメではなかったのかなと思う
あと、これも演出の話ですが
旧アニメのOP曲「ムーンライト伝説」を使わなかったのは謎すぎますね
セーラームーンと言えばこの曲でしょ!?
後編のセーラームーンがエターナルセーラームーンになって敵を倒す場面
ここは絶対にこの曲でしょ
そうすればもっと盛り上がったと思いますよ
実際はこの場面で知らない曲が流れてました
この曲自体はそんなに悪くはないんですけど
こういうところがセンスないなって思う
エンドロールでは旧アニメのED曲のカバーが流れてたのに
1番セーラームーンらしい「ムーンライト伝説」が1度も流れないのは謎
昔からのファンをターゲット層にしてるだろうし
絶対に押さえなきゃならないところを外してるのは
ちょっとどうかしてますよね…
無条件にセーラームーンならなんでもいいと言うのなら
この映画でも満足できるのかもしれない
でも、普通に面白いものを見たいのなら
この映画は本当に駄作です
僕が思うセーラームーンのアニメの最大の魅力は
アニメに対する情熱やこだわりだと思うので
それがない本作は全く魅力のない映画だと思います
美少女戦士セーラームーン Blu-ray COLLECTION VOL.1