どうもきいつです
スリラー映画「ダウンレンジ」観ました
広野に取り残された若者たちが
見えない何者かに狙撃され追い詰められていく姿を描いたシチュエーションスリラー
監督はハリウッドでも作品を手掛ける「あずみ」などの北村龍平
あらすじ
6人の若者が相乗りした車が
山道を横断している途中にパンクしてしまう
タイヤ交換のため立ち往生していた6人だが
パンクの原因が銃撃を受けたせいだと気付く
6人は何者かの標的になっていたのだった
感想
スリリングなシチュエーションにドキドキする
サイコな殺人鬼がスナイパーというのは
少し斬新で面白かったです
終わり方はちょっと強引だったかも
Netflixで配信されているのを見つけて
気になったので観てみました
本作はあらすじにもある通り
若者6人が殺人鬼に狙撃されるという映画
それ以上でもなくそれ以下でもない
それだけの映画です
ワンシチュエーションでそんなにお金もかかっていないような映画ですけども
なかなか面白い映画だと思います
基本的には
若者がサイコな殺人気に命を狙われるという
スラッシャーホラーって感じの作品で
やってることはよくある流れ
ただ、その殺人鬼が
見えない場所からライフルで狙撃してくるスナイパー
そこがこの映画の面白いところです
そんなアイデアだけではなく
内容も面白くスリルがあって楽しめます
まず、冒頭の導入部分なんですけど
ここがテンポよくて早い段階で物語が展開する
こんな映画でありがちなのが
主人公などの登場人物のバックボーンを細かく見せたり
それぞれの関係性とか日常生活とか
主人公の悩みやトラウマなど
はじめにいろいろ詰め込んでるパターンが多いです
でも、本作はそんなのは抜きで
早い段階で6人が窮地に追い込まれ絶望的な状況に陥ります
6人の関係性なんかもなんとなくわかる程度
そんなに深くは描かれません
でも、こんなタイプのスリラーやホラーの作品に
もともと人間ドラマなんてさほど必要ないんじゃない?
とか思っていたりもしたので
早速、人が殺されてしまう展開には好感も持てます
で、その冒頭の流れの見せ方もなかなか良くて
一気に映画に引き込まれました
はじめは和気あいあいとお気楽ムードの若者たちのやり取りを見せて
急に仲間が1人死に
そして2人目も殺され
一体なにが起きているんだ!?
からの、どうやら銃撃されている
と発覚してからの緊張感の高まり
一気に絶望的な状況に追い込まれます
この一連の流れがとてもメリハリがあって
映画を観ている自分もすごく気持ちを揺さぶられた
画面に釘付けにさせられました
そこから先も緊張感が途切れることもなく
終始、絶望的な状況が続きます
車の影に隠れて命拾いをしますが
そこから1歩でも出てしまえば狙撃されてしまうという恐怖
圧倒的に不利な状況から
どうにか脱出を試みようとする姿には
ハラハラさせられて楽しんで観ることができました
映像的にも
なかなか残酷でグロい描写があって刺激的
そんな痛々しい表現があるからこそ
より一層、絶望感やスリルを味わえます
そんな映画なので
個人的にはかなり好きな内容でしたが
物語が進むにつれて尻すぼみになっていたのは否めないです
正直、序盤がピークで
その後はそこまで盛り上がらなかったと思う
後半あたりはちょっと大味な展開が多くて
映像的には派手だったりするけどあまり捻りがなかったかも
もう少し知的な駆け引きがあっても良かったと思う
それに、基本的に同じようなことの繰り返しにもなっていて
そこが物足りなかった
車のドアを開けて銃弾が当たらないようになにかをする
みたいなことをずっと繰り返します
目的は毎回違うけど
映像的には同じものばかり見せられてる
確かに
車の影から出たら狙撃されるので
車でなにかをするしかないんですけど
もう少し違ったものを見せてほしかったかな
なぜ毎回ドアをいちいち閉めるんだよ
ってツッコミどころもあるし…
あと、人間模様も単一で波風があまり立ちません
終盤になると
自分の命のために他人を犠牲にしたり
復讐心で暴走したり
多少は心の闇も描かれるんですが
そんなに深くは描かれていないです
あんな絶望的な状況なんだから
仲間同士でもっと険悪なムードになってもいいと思うし
疑心暗鬼とか裏切りとか
ダークな展開でメリハリをつけることもできたと思う
みんなどこか良い人でおとなしめな展開しかないから
ちょっと盛り上がりに欠けます
そして、ラストなんですが
ちょっと強引な終わり方ですかね…
力業で終わらせたって感じ
警察が出てきたあたりから
かなり大味な展開が続き
最後には車で木に突っ込みスナイパーを落としてブッ倒します
これはこれで嫌いじゃないけど
もう少しいい方法はなかったのかな?
と思ってしまいました
なんかバカっぽいラストと言うか…
知的さが足りない
とは言え
この映画をどう上手く終わらせるのかは
なかなか難しいとも思いますけどね…
それと、ここで気になってしまったのは
スナイパーなんでそんなにゆっくり動くんだよ!?
たぶん今までの流れ的にも
こいつはかなり凄腕の殺し屋なわけですよ
そんな奴がただの女子大生に銃を突きつけられて
それだけで負けてしまうもんなのか?
そもそもここでゆっくり動くのが滑稽で
ご都合主義を感じてしまいました
スナイパーの自業自得で不意に隙が生まれるとかやりようはあっただろうし
この辺ももう少し知的な展開を見せてほしかったですね
ツッコミどころはそれなりにあって
終わり方も若干いまいちな気もしましたが
アイデアは面白いですし
絶望的な緊張感をヒリヒリと味わえると思います
文句も言いたくなってしまう映画ですが
嫌いではない