何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ラーヤと龍の王国」感想 シンプルだけどとても良い物語

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どうもきいつです


ディズニーのアニメ映画「ラーヤと龍の王国」観ました

かつて龍に守られた王国を舞台に
平和を取り戻そうと立ち上がったヒロインの
戦いと成長を描いたファンタジーアニメ
2021年3月より劇場公開と同時にDisney+で配信もされています

監督は「ベイマックス」のドン・ホールと
実写映画「ブラインドスポッティング」のカルロス・ロペス・エストラーダが
共同で務めています

 

あらすじ
はるか昔
クマンドラと呼ばれる国に邪悪な魔物が襲いかかり
聖なる龍たちの犠牲により世界は救われた
しかし、人は信じる心を失い国は5つに分断してしまう
それから500年が経ち再び魔物が現れる
龍の石の守護者ラーヤは
姿を消した龍の力をよみがえらせる旅に出る

 

感想
シンプルな物語だけど
とても楽しめるエンターテイメント
映像のクオリティも高いです
そして、人を信じる気持ちの大切さを教えてもらえる
今の時代にはこの気持ちが必要なのかもしれない

 

ディズニーの新作映画ということで観てきました

なんか全然宣伝されてないし
公開されてる場所も少ないし
ディズニー映画のわりにかなりこじんまりとしてますよね

だからあまり話題に上がってなかったりもします

いつもならディズニーってだけで無駄に持ち上げられたりもしてますけど
本作はすごく地味な扱い

まあ、コロナの影響もあるかもしれませんが


そんな地味な扱いを受けている本作ですが
普通に面白かったです

個人的にもかなり好きなタイプの映画で
満足できる内容でした


全体的にとてもシンプルで
いつものディズニーらしく子どもがちゃんと楽しめる映画

その上、大人もちゃんと楽しめて
作品で描かれるメッセージには心を打たれると思います

そういった点では
安定したディズニーらしいアニメ映画と言えます


主人公のラーヤは一応プリンセスの位置付けだとは思うけど
これまでのプリンセス系の作品と比べると
ちょっと毛色が違います

王子さまとのラブストーリーはありませんし
ミュージカルもない
勧善懲悪の物語でもなかったりします

どちかと言うと
「ロード・オブ・ザ・リング」のような冒険物語で
ストーリー展開はちょっと少年漫画っぽくもある

バトルシーンも多くてかなりアクション重視
なかなか派手で見映えもいいです

女の子よりも男の子がハマるアニメかもしれません

 


世界観もなかなか良くて
それが本作の魅力でもあります

架空のファンタジー世界ではありますが
雰囲気は東南アジアって感じ

今までのディズニーアニメにはなかったような雰囲気で
少し新しさも感じれます

分断された国にはそれぞれ特色があって
砂漠だったり雪山だったり栄えた街があったりと
いろいろと景色がめまぐるしく変化するので
広い世界を冒険している気持ちをとても感じれる

映像だけでもなんかワクワクとさせられるんですよね

それに、やっぱりディズニーアニメなだけあって
映像のクオリティはすごく高い

この作り込まれた設定の世界観を
綺麗な映像が美しく彩っています

地域によっての地形や気候の違いなんかも
上手く表現されているし
映像から空気感が伝わってくる

映像に関しては
やっぱりさすがディズニーでしたね

 

そして、ストーリーはと言うと
これもすごく良かったです

シンプルに
ヒロインが世界を救うために戦うというだけの物語ではあるんですけど
この王道ストーリーが観ていてワクワクしますよね

割れて分裂してしまった龍の石を求めて世界を旅する
というのはちょっと「ドラゴンボール」っぽくもある

その旅の中で仲間と出会い絆を深め
個性豊かでバラバラな仲間だけど協力しながら目的を目指す
これもかなりベタだけど
こういうのでいいんだよ
って王道な流れがたまらん


そして、なによりも
本作は終盤の展開がとてもいい

悪い奴をやっつける話ではなくて
例え敵であっても信じることで道を切り開く
という物語の終着点は感動もできました

これが本作の一番のテーマでもあります


あと、世界を脅かす怪物の設定は
悪意のある敵ではなく
人類にとっての厄災という感じで
これは今の時代にピッタリだなと思わされた

これがあるから
よりこの映画のテーマが浮き彫りになったと思います

 

で、本作のテーマというのが
人を信じること
なんですよね


主人公のラーヤは
子供の頃に友達に裏切られ
それがきっかけで父親を失い
さらに世界に危機が訪れてしまうわけです

そこで憎しみや復讐にならず
人を信じた自分が悪いって思考に陥る
そこからラーヤは疑い深く人を信じなくなってしまう

そんなラーヤが
無条件で人を信じるシスーと出会い旅をすることで
信じることの大切さを学んでいきます

この映画でやってることは
正直、キレイごとと言われてしまうかもしれません
都合がいいと言えば都合がいい

でも、1人で太刀打ちできない強大なものに立ち向かうには
誰かと協力しなくてはならなくて

じゃあ、協力するのに何が大事なのかと言えば
お互い信じ合うことなわけです

そして、誰かに信じてもらうには
自分が信じなくてはならない

人を信じるということはとてもリスクが高くて
だからこそ難しくもあります

どんなに仲の良い家族や親友であっても
結局は他人であって心の中まではわかりません

絶対なんて答えは無くて
裏切られたり騙されたりする可能性だって大いにあります

だから簡単には人を信頼できないけど
そこを一歩踏み出してリスクを背負ってでも信じることに意味がある

てか、信じなきゃ結局なにも始まらなくて
全ては誰かを信じることから始まるんだと思います


この映画の終盤の展開もまさしくそれで
ラーヤがかつて裏切られたナマーリを信じるのは一か八かの賭けで
失敗すれば世界が終わる

ただ、信じることが最大の力でもあって
ラーヤがナマーリを信じたからこそ
世界が救われたんです

人を疑うことは
無難なことなのかもしれないけど
信じなければ何も始まらないし何も変わらない

この映画はそんなメッセージをストレートに描いた作品でした

今の時代には必要な考え方かもしれないですね

 

とてもいい映画で
個人的にも大好きな作品になったんですが
1つ言うとすると

良くも悪くもテンポがよすぎるかな
と思いました

テンポがよくて
サクサクとストレスなく観やすい映画ではあるんですけども
それ故にちょっと物足りない

この映画をもっとじっくりと堪能したいな
という気持ちが生まれていました

世界観、設定、ストーリーが
とても練られて作り込まれているだけあって
2時間以内の映画ではちょっと詰め込みすぎにも感じました

これならテレビアニメで12話くらいに分けてもいいんっじゃないかと思うほど

もっと
それぞれの国の風景を堪能したかったし
それぞれのキャラを掘り下げてほしかったし
ラーヤの心情や成長を深く見たかったというのもあります

冒険もののストーリーだし
長い時間をかけるほうが設定もストーリーもさらに生きるような気がしました

これは無いものねだりではあるんですけどね

 

最近のディズニー映画は微妙だなと
ずっと思ってましたけど
この映画はすごく良かった

ほぼ金の亡者みたいなディズニーですが
まだこんないい映画も作ってくれる

こんないい映画なのに
存在感が薄くて話題にもなっていないのがもったいない

 


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