何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「トロールズ」感想 不幸でも歌って踊ればハッピー

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どうもきいつです


アニメ映画「トロールズ」観ました

トロール人形をモチーフに
カラフルな妖精トロールたちの大冒険を描いた
ドリームワークス・アニメーションによる2016年のミュージカルアニメ
様々な名曲のカバーが本編を彩ります

監督は「シュレック フォーエバー」などのマイク・ミッチェルが務めています

 

あらすじ
歌と踊りとハグが大好きなトロールたちは森の中で楽しい日々を送っていた
ある日、トロール王の娘ポピーはパーティーを開催するが
それがきっかけで
トロールを食べるベルゲンに見つかり仲間がさらわれてしまう
ポピーはひねくれ者のブランチと共に仲間を助ける旅に出る

 

感想
細かいこと抜きで楽しい映画
カラフルで可愛い世界観が魅力的です
ポップで明るい映像と音楽は見てるだけで楽しい気分にさせられる
でも、意外と殺伐とした世界だったりもして
ギャップに戸惑いました

 

続編の「トロールズ ミュージック★パワー」を以前観てとても面白かったので
前作であるこの映画を観てみました

内容は続編も本作もそんなに変わらないので
感想も同じ感じになるかもしれません


まず、やっぱり映像のクオリティは高いです

「ヒックとドラゴン」など
素晴らしい作品を多く手掛けるドリームワークスらしいアニメ作品

ただリアルな映像なだけでなく
世界観や演出なども素晴らしくて
この作品ならではの1つの世界を作り上げています

本作はキャラクターや背景の舞台の質感が
全て布や毛糸やフェルトなど
衣料っぽい素材で表現されています
まるで人形劇や絵本のような世界観

色彩もとてもカラフルで
フワフワで色鮮やかな魅力的な映像になっています

ミュージカルシーンでの映像は
少しMVのような演出のように
視覚的な面白さや美しさの表現が重視されて
それがポップで見映えが良く
とても楽しい映像になっています

子どもだけでなく大人も楽しめる
可愛くカラフルでワクワクするような映像

リアルさ以上の
この作品だからこその表現がたくさんあります

それだけでこの映画は観る価値のある作品だと思う


映像と同じく
本作を彩る要素の音楽も素晴らしい

洋楽に詳しくなくても
どこかで聴いたことのある曲が多く
ノリノリの気分にさせてくれます

みんな歌も上手いですし
ミュージカルとしても普通にクオリティが高いです

それに、既存の曲のカバーということで
普通のミュージカルともちょっと違い
ミュージカルシーンはかなりポップな雰囲気になっています

テンポが早い曲やラップなどもあるので
音楽にノリノリになれる
ミュージカルと言うよりはパーティーって感じ

そこもやっぱり
この映画ならではの魅力じゃないのかな
と思います

 

そして、ストーリーですが
これはかなりシンプルな内容です

ポピーたちトロールの仲間が
トロールを食べるベルゲンにさらわれたから助けに行く
それだけの話です

結末もわかりやすくハッピーエンドで
子ども向けの内容ですかね

複雑な要素もないし
捻った展開も特にないし
単純な物語なので
子どもも簡単に理解できて楽しめると思います

むしろ、大人が観るとちょっと物足りないかな…
とは思います

ただ、登場人物もわかりやすいシンプルな性格で
そんなキャラたちが
友情を築いたり成長したり

そんな物語が可愛らしくあり
でも、ドラマをしっかりと描いてくれるので
薄っぺらさはないです


そんなストーリーには
所々コミカルなギャグ要素も散りばめられてますが
これは何故か若干大人目線のクセの強さや毒があって
妙なバランスになってる

個人的には
こんな笑いは嫌いじゃない
普通に笑えました

 

全体的にとても可愛らしい作風ではありますが
よく考えればなかなか殺伐とした設定で
「進撃の巨人」っぽさすらあるんですよね

トロールとベルゲンの関係性が
補食される者と補食する者で
これが子ども向けのわりには
ちょっと生々しく感じてしまいます

グロテスクなシーンなんか1つもないんですけど
食う食われるの関係性が怖すぎるというか…

で、こんな設定で
この物語をどう締め括るのかと
良くも悪くも先が見えない

最終的には
トロールもベルゲンも関係なく
みんな幸せでハッピーエンドなんですけども

いくらなんでも
これは強引すぎるんじゃないかと思ってしまいました

食う食われるの関係性から
みんな仲良くしましょうは
さすがに無理があるような…

そこにすごく引っ掛かってしまったのは否めません

 

でも、この作品のメッセージ性を考えると
この終わり方はよかったのかもしれません

この映画って
友情だとか幸せだとかを描いてはいますが

つまるところ本作の1番のメッセージは
どんなに不幸で辛くても
歌って踊ればハッピーじゃん!!
ってことだと思うんですよ

理屈だとかは関係なく
ウジウジするよりも
とにかく楽しく明るく生きれば
なんか幸せでしょ

という、かなり力任せでアホみたいなメッセージ

この映画のラストは
歌って踊ればどんな問題があろうが
とりあえずなんか幸せでしょ
ってアホみたいな結末

なので、メッセージと結末は
上手くかみ合ってると思うんですよ

このラストは
お気楽で都合が良すぎる


ただ、これはかなり重要なことなんじゃないかと思わされたりもします
特に今の時代だからこそ
それを感じたのかもしれません

今のコロナの影響で世界中が大変なことになってるこの時代
みんながマイナスな方向へ行ってるように思います

この映画を観ると
こんな時だからこそ
楽しむ気持ちは忘れちゃいけないんじゃないかと思うわけです

トロールたちみたいに
みんなで歌って踊ってハグすれば
クラスター発生で大惨事ですが
この映画で描かれている精神の部分は
こんな時だからこそ絶対に必要で

全ての元凶は
ポピーがパーティーを開き
歌って踊って騒ぐから
ベルゲンに見つかったわけです

歌って踊っていなければ
トロールたちはひっそりと平和に暮らせていたはず

でも、だからってブランチのように
ベルゲンに怯え何もせずにもしもの時に備えるだけの生き方は
なんか違うんじゃないかとも思う

多少リスクを負ってでも
自分のやりたいことをやって
楽しく生きることは大事なんじゃないかと思わされる


自粛しろと言われ
楽しみさえ奪われてしまうこの時代だからこそ
そこを強く感じたのかも

そりゃ、あまりに自分勝手な行動はダメだし
自分の身は最低限守らなければならないけど
だからって全部を我慢してちゃ
精神的にも不健康

マイナスな方向に行きすぎれば
幸せがどんどん遠ざかっていくような気もします


とにかく
この映画のポピーたちのように
歌って踊って楽しんでれば
どんなに悪い状況だとしても
そこにある幸せは真実で

そこから本当の幸せも見えてきて
いつか現状も良くなってくるんじゃないでしょうか

 

何年か前の映画ですが
今だからこそ刺さるメッセージがあったような気がします

シンプルな子ども向けの楽しい作品で
それだけでも面白い映画

そんな中から
幸せとはなにかを考えさせられたと思います

 


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