何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「アンフレンデッド:ダークウェブ」感想 面白くなりそうでならない

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どうもきいつです


ホラー映画「アンフレンデッド:ダークウェブ」観ました

全編がパソコンの画面上で展開する異色のホラー「アンフレンデッド」の2作目
拾ったパソコンを使うことから始まる恐怖を描いた2018年のホラーサスペンス映画

「パラノーマル・アクティビティ」など
多くのホラー作品をヒットさせてきたジェイソン・ブラムと
PC画面上で物語が展開する「search/サーチ」を手掛けたティムール・ベクマンベトフが
前作から続いてプロデュース
監督は「THE JUON 呪怨」の脚本を担当したスティーブン・サスコです

 

あらすじ
中古のパソコンを手に入れたマタイアスは
以前の使用者と思われるアカウント名を自分のアカウントに書き換え
友人たちとSkypeで会話を楽しんでいた
しかし、PCの中に監禁された女性の動画など
おぞましいファイルが保存されてるのを発見する
すると、PCを返さないとお前たちは死ぬ
というメッセージが謎のアカウントから届くのだった

 

感想
全編がパソコン画面というのは斬新な作風
ただ、それ以外は普通のホラーやサスペンスと同じなので
そんなに新しいさは感じませんでした
アイデアは面白いけど
いまいち、それを生かせてなかったと思う

 

これは2作目ということなんですが
前作は観ていません

ただ、前作と本作は全然繋がりが内容なので
配信されているのを観てみました

話によれば1作目は心霊もので
今回の2作目は人間が怖いってタイプのやつ
大きく作風が変わってるみたいです

なので、前作を観なくても
これだけ観ても理解できるし完結している作品

 

この映画の1番の売りは
やっぱりなんと言っても
全てがパソコンの画面上で展開する
という作風です

今となっては
そんな作品も増えてるかもしれないですが
とは言えまだそんなに無いと思う

現時点では
そこまで使われてる手法でもないので
2018年の映画ではありますが
まだ斬新さのある映画だと思います

1発ネタのような題材でもあるので
量産するのが難しいのかなとも思う

似たタイプの作品では
同じプロデューサーの作品「search/サーチ」は
かなり面白い作品でしたね


で、本作はと言うと
正直、ちょっと微妙

面白くなりそうな雰囲気はあるけど
雰囲気で終わってる映画でした

全編パソコン画面で作られた映画
と、表面的にはは斬新だけど
内容はそんなに斬新ではなくて
むしろ今までやりつくされたような…

演出なんかはPOVのホラーだし
テーマはネットの闇を描いた人間が怖い系の話だったり
ストーリーや展開はこんな作品ではよくある予定調和な作り

せっかくのパソコン画面だけの映像も
なんかあまり生かせてないような気がしました


ただ、いいところもあったので
まずはそこから

パソコンの画面だけでなく展開しますが
それを上手く利用して
設定や状況を説明してくれます

例えば
冒頭のパスワード入力画面では
何回も間違えたりアプリのアカウントを変更するところを見せて
主人公のパソコンではないことをさりげなく説明してます

SkypeしてるときにSNSの通知が来たり
みんなと会話をしながら別の操作をしたり

パソコン画面だからこその表現は面白いと思います

とは言え
「search/サーチ」と比べてしまうと
パソコン画面というのもそこまで生かされてないかな…


良いところはそれくらいで
あとは微妙なところばかり
って感じの映画です

 

具体的に言っていくと

まずは演出面
これはちょっと過剰かなと思いました
パソコン画面だけという
リアリティのある作風なのに

ちょくちょくやり過ぎな過剰な演出が入るので
リアリティが削がれてしまいます

映像のノイズなんかが特にそれで
パソコンの持ち主であろうヤバい奴が画面に映る度に
やたらと映像が乱れます

これの意味があまりわからないと言うか
何故そんなに乱れるんだよ
と無駄な疑問が生まれる

顔隠すために妨害電波でも出してるの?
でも、あっけなく顔が映るときもあるし

心霊ホラーじゃないのに
心霊ホラーっぽい恐怖演出を見せてくるので
そこに違和感があります

その上、この画像の乱れが
普通に映画を見づらくもしてしまってて
ちょっとストレスも感じてしまう


それと、敵からきたメッセージが何故か特殊

怖い色をしてたり
通知音が怖かったりと
細かいところでリアリティがない

怖がらせようとしてるのはわかるけど
必要以上の演出で逆にチープで怖くありません

ここは淡々としたメッセージのやり取りとか
乱れのない普通の映像にヤバい奴が映るとか
むしろ、そっちのほうが怖いんじゃないかと思うんですよね

 

終盤なんかは
とにかく人が死んでいく感じの
こんなタイプのホラーによくあるやつで
あまり面白くはないです

パソコン画面だけの映像も
終盤になればほぼ意味がなくなってくるし

唯一、ハッカーが動画をつぎはぎして
それを使って警察に殺させる
というのは面白かったですけど

それ以外はただ殺してるだけなので
そんなに面白いものはなかったですね

 

それと、ストーリーや展開は
シンプルでわかりやすくはあるけど
捻りがないかなと思う

特に意外な展開もなく
主人公たちが最後までやられっぱなしの
メリハリのないストーリーでした


いろいろ特殊な設定も用意されてるけど
そこもあまり活用されていなくて
その設定意味あった?
ってのが多い

主人公の彼女の耳が聞こえないという設定も
後々のなにか伏線なのかと思ったけど
何もなかったですよね

2人だけの合図があるとか
手話で会話するとか
それで敵を出し抜くみたいな展開があってもいいと思いますけど


レズのカップルとかも
何か意味あり気だったけど
結局は何もない

恋人と母親を選ばせる
ってのをやりたかっただけ?


そもそも、そんなに伏線とかもなく
行き当たりばったりな映画だったような気がする


終盤の
主人公たちが実は全部手のひらの上で転がされていた
って展開は
どんでん返しっぽく見せてるけど
全然上手くないです

せめて、この展開で驚かすなら
主人公が一矢報いていなければいけないでしょ

主人公が勝ったと思わせておいて
実は負けてました
なら、この展開にも納得できますけど

実際は最後まで負けっぱなしやられっぱなし
そこでこの展開をされても
なんか弱くないですか?

てか、そもそも
この映画って
主人公たちがひたすら追い詰められてるだけなので
物語に動きがないんですよ

もうちょっと敵と駆け引きがあったり
1回でも敵を出し抜いたりしてくれれば
終盤の展開も生きるだろうし
結末もそんなに悪くないと思うんです

怖さを見せるために
主人公をやられっぱなしにしてるとは思うんですけどね…

でも結局、主人公がやられっぱなしなだけの物語なので
ラストのシーンは
ドヤ顔を見せつけられてるみたいで
なにそれ?って終わり方になってたよね

 

そして、パソコン画面だけという作風のせいで
若干観づらい映画なのは否めません

英語を読み聞きできるなら問題ないと思うけど
この映画を字幕で観ると文字の情報量が多すぎる

登場人物の会話が翻訳され
画面上の文章が翻訳され
なにがなんだかわからなくことも多々ある

字幕以外にも映像内に情報がたくさんあるので
ついていくだけでもしんどいかも

これは吹き替えで観たほうがいいかもしれませんね

 

アイデアは斬新で面白い映画でしたが
内容はさほど練られてない

面白そうな雰囲気はあるし
もっと面白い展開にもできたと思います

同じ題材の「search/サーチ」のほうが格段に面白いので
そっちの方を観たほうがいいです

 


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