どうもきいつです
特撮映画「ゴジラVSビオランテ」観ました
大怪獣ゴジラとビオランテの戦いを描いた1989年の怪獣特撮映画
ゴジラシリーズ17作目
前作の1984年の「ゴジラ」の続編で
平成ゴジラシリーズの第1弾でもあります
監督、脚本は大森一樹
特技監督は川北紘一が務めています
あらすじ
ゴジラが新宿を襲撃した後
その現場からゴジラ細胞が盗み出される
サラジア国のエージェントに盗み出された細胞は白神博士により研究が行われていた
しかし、何者かにより研究所が破壊され
博士は1人娘を失ってしまう
それから5年
再びゴジラが目覚めるのだった
感想
とにかくビオランテの造形が素晴らしいので
それだけで最高
だからこそビオランテにはもっと活躍してほしかったかな…
あと、伝えたいことはわかるけど
なんかあまり伝わってこない
「ゴジラvsコング」が公開延期してしまったので
その欲を満たすため本作を観ました
ずいぶん前の映画で
内容も忘れていたので初見みたいなものです
平成ゴジラVSシリーズ1作目で
評判もそこそこいいのかなと思う本作
子どもの頃に観たきりで
初めて大人目線で観ましたが
この映画は結構大人向けだったかも
子どもは置いてけぼりになるかもしれない
それに、思ったよりビオランテは活躍しませんね
ビオランテの造形がかなりインパクトあるので
すごく活躍してた印象がありましたけど
実際に観てみると
ちょっと扱いが雑だな…と
見た目はめっちゃ凶悪だけど
意外とそんなに悪い奴でもなかったし
この映画が
昔に観た印象と全然違いました
勝手に自分で作り上げてたのかな?
やっぱり
子どもだった自分は置いてけぼりにされてたのでしょうか?
細かい感想を言っていくと
ストーリーはちょっと分かりにくいかな
と思いました
メインのストーリーは
復活したゴジラから日本を守るため自衛隊が奮闘する
という物語なんですけど
そこに
白神博士の話だったり
人間同士の争いだったり
ビオランテが現れたり
いろいろと詰め込まれています
なので、ちょっと全体的にまとまりは悪いです
最終的になんの話だったのかな?
となってしまう
その上、設定もいろいろぶち込まれてたりする
超能力少女とか
抗核エネルギーバクテリアとか
近未来兵器とか
ゴジラ細胞争奪戦とか
遺伝子操作とか
とにかくいろんな要素がてんこ盛り
それもあり余計にややこしくなってます
で、それらも結局上手くまとまってない
なんかごちゃごちゃした印象でした
そんな詰め込みすぎな映画なので
それぞれの掘り下げも中途半端だったりします
いろんなメッセージが込められた作品だとは思うけど
深く掘り下げられていないので
いまいちピンとこない
巨大な怪物が暴れて日本が崩壊するけど
それを生み出した人間が1番の怪物
という話だとは思います
実際に劇中でも言葉にされていますし
深いメッセージではあるんですが
ただ、やっぱり心に刺さってこない
この映画が表面的な部分しか描いてくれてないので
結局は自分で全部汲み取らないといけないんですよね
白神博士が遺伝子操作でビオランテという怪物を生み出し
放射能の影響で生まれたゴジラとビオランテが戦うことで
人間の業を表してるんだろうけど
そもそも劇中でゴジラの出自には触れてないし
ビオランテの立ち位置はすごく曖昧で
人間の味方なのか敵なのかもよくわからない
それに
ビオランテを生み出した白神博士に関しても
最期にはそれっぽい綺麗事を言ってまとめてる感じはするけど
自分のためにビオランテとかヤバい生物を作っておいて
ちょっと無責任すぎやしないか
ってくらい他人事のようにゴジラとビオランテの戦いを見てるし
ビオランテがそんなに悪者じゃないし
博士もさほど悪気を感じてる素振りもないし
博士の罪がすごく薄く感じます
ゴジラのを生み出した罪も
ビオランテを生み出した罪も
そんなに深堀はされていないので
言葉で人間が怪物だとか言われても
ちょっとうーん…って感じにはなってしまう
何よりも
ゴジラとビオランテがそんなに戦ってないという…
この映画は
ゴジラVSビオランテと言うよりも
ゴジラVS自衛隊withビオランテ
って感じ
ゴジラを止めるために戦う自衛隊がメインで
そこにちょっとビオランテが出てくるくらい
前作の「ゴジラ」とやってることは
ほぼ同じかなと思います
そういうのがあるから
ビオランテ関連のエピソードが宙に浮いてしまってるように思うんですよね
そんな要素が重なって
結果的に伝えたいことが伝わりづらい映画になっていると思いました
とは言え
ゴジラらしい魅力は満載で
特撮としてはすごく満足できる作品でもあります
やっぱりビオランテの造形は素晴らしい
デザインは歴代のゴジラ怪獣の中でも
トップクラスにカッコいいと思います
若干グロテスクな見た目だけど
ワニみたいな頭とか歯がめっちゃ多いとか
触手ウネウネ
ゴジラ超えのデザインセンスです
何よりも
ゴジラと薔薇と沢口靖子の細胞から作られた怪獣というのが
なかなかすごい怪獣ですよね
これぞ人間の業です
それに、かなり複雑な形をしてるけど
それをちゃんと動かして
撮影はめっちゃ大変だったはず
触手とかどうやってるんだろ?
と思います
ビオランテも素晴らしいけどゴジラのほうも負けてなくて
こだわりはとても感じる
定番の街をぶっ壊すゴジラ
これはやっぱり最高
しかも、本作では大阪がぶっ壊されます
馴染みのある場所がゴジラにぶっ壊されると興奮しますよね
あと、ゴジラの光線を倍増して跳ね返す謎兵器とゴジラのバトルも面白かった
光線がゴジラに全然効いてないのがシュール
ゴジラ強すぎ
他にも工夫を凝らされた映像が多くて
迫力はかなりありました
人間と怪獣を対比して大きさを表現する場面もたくさんあって
迫力を見せる表現はすごくよかったです
ほぼ災害みたいな存在ので
感情があるかどうかもわからないゴジラなんですが
絶妙な仕草でゴジラの感情を表現してるのも面白いですよね
着ぐるみなので表情の変化も全くないけど
動きの表現で怒ったり怯えたりするのが
なんとなくわかる
完全体ビオランテが登場したときなんて
あまりのキモさに引いてましたし
最終的にはビオランテにビビって逃げていくゴジラは可愛かった
てか、ゴジラは可愛いんですよ
こんなに可愛いゴジラをいじめる自衛隊はどうかしてる
ゴジラかわいそう
詰め込みすぎとか文句もちょっといいましたが
やっぱりゴジラが暴れまわるのは最高だし
ビオランテの造形も最高だし
十分楽しめる映画でした
ストーリーや設定を詰め込みすぎな一面がありますが
この時代の特撮の素晴らしさも詰め込みすぎな作品です
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