何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画を倍速で観るなんて愚の骨頂

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どうもきいつです


最近は映画を倍速で観る人が増えてるみたいです
映画に限らずアニメやドラマも倍速で観るらしい

そういうのがちょくちょく話題に上がり
賛否両論いろんな考えの人がいるようで

倍速で観るなんて作品への冒涜だとか
時間がないから倍速で観るほうが効率がいいとか

まあ、いろいろな考え方があるみたいです

 

僕の考えでは
他人が倍速で見ようが別にどうでもいい

作品への冒涜とか言う人もいるけど
そもそも、お金を払って見るんだから
見かたなんてその人の勝手で
他人がとやかく言う権利なんてないし

倍速で映画を観るのが善か悪か
なんて議論は不毛なだけで意味なんて何もないなと僕は思うんですよ


ただ、僕が言いたいのは

映画を倍速で観るなんて
そんな愚かな行為はない

 

僕は映画を絶対に倍速で観ないです

理由は至って単純で
完全な状態の作品を観たいから
それだけ

倍速で観る人たちの気持ちもわからんでもないですが

2時間の完全な状態の映画と
1時間の不完全な状態の映画
どちらを観たいか天秤にかけたときに
2時間の完全な状態の映画のほうが重いってだけ

それが全てです

 

そして、なぜ倍速で観るのが愚かなのか
という話をすると

そもそも、倍速で観る人たちの考えって
速いほうが時間短縮になる
より多くの作品が観れる
という思考だと思います

いわゆるコスパ重視ってやつです


ただ、個人的には
このコスパ重視の考えが矛盾してるようにしか思えない

この人たちって
とにかく無駄を削りたいわけですよ

2時間の映画を2倍速で観れば1時間得をする
その1時間でもう1本映画が観れる
そうすればより多くの映画が観れる

確かに時間を有効に使ってるようにも思えるけど


そもそも、映画を観ること自体が無駄な時間じゃないの?

そんなに時間を無駄にしたくなければ映画なんて観なければいいでしょ
と僕は思うわけです


映画に限らず
趣味の時間って
如何に無駄な時間を有意義に楽しむか
そこが本質だと思います

映画の2時間が長いと思うのなら
もはや映画を好きではないと思うし
不完全な状態の映画でいいと言うなら
それも映画を好きじゃないと思うんですよ

なら、そんな無駄な時間を過ごすくらいなら
仕事や勉強をしてるほうがよっぽどコスパがいいと思いますけど


映画を倍速で観るのは
一見すごく効率がいいようにも思えるけど
実は時間を無駄にしかしてないんですよ

目的が
映画を楽しむことから
映画を観ることになってしまってる
本末転倒です

 

とは言え
そこまでして映画、アニメ、ドラマを観たいという気持ちもわかります

倍速にしてまでそれらを観る理由はいったい何故なのか
それを考えてみると

観たという事実が欲しいから
だと思うんですよね

観てないのに観たと言うなら嘘になるけど
倍速でも観たのなら
観たという事実にはかわりないわけです

映画を観ていないよりは
観ているほうがすごい感じするじゃないですか

何者でもない人が映画さえ観れば
映画を観る人になれる
そして、数をこなせば映画オタクの称号を獲られるわけです

で、そこで出てくるのがコスパ重視

この人たちって
やっぱり時間は掛けたくないんです

如何に速くオタクの称号を獲られるかが大事で
数をこなすことが1番重要
中身なんてどうでもいいんですよ

Twitterとかで
年間映画◯◯本観てます!!
とか言いたいんです

だから、この人たちってやたらと数にこだわりますよね
多く映画を観てる人が偉い

数字で戦ってるんですよ
同じような人たちが

表面的にはそんな素振りは見せてないけど
数で優位に立ちたいのは明白


時間がないから倍速で観るって言う人もいるけど
本当に好きで映画を観るのなら
1日1時間、2日で1本の映画を観ればいいでしょ

でも、そうせずに倍速で観るのは
結局は数にこだわってるから

どんなに倍速で観ようが
この世の映画を全て観るなんて不可能で
そんな膨大な数の中では
100本も1000本も変わらないと思う

多くの映画を観ることで誰かに称賛され
何者かになれた気はするけども
そんなものは虚構でしかなくて
本当は魅力的な人間でも何でもない

例え1本の映画しか観ていなくても
その映画に思いを巡らせ
無駄な時間を有意義に過ごせている人のほうがよっぽど魅力的な人間だと追います

 

と、まあ
いろいろと言ってはきましたが
結局、どんな愚行であろうとも
選択するのは個人の自由で
赤の他人が愚かな選択をしたところで
僕の知ったこちゃない他人事

どうでもいい事ではあるんですけども

 

僕が不安に思うのは
このコスパ重視の考え方が当たり前になってしまうと
日本のエンタメや芸術文化が衰退してしまうかもしれない
ってところなんですよ


どんな時代になろうが
作品を生み出す人たちの気持ちは変わらないと思います

映画監督、漫画家、小説家、音楽家
こういう人たちは
例え世の中がコスパ重視で効率だけの世界になったとしても
無駄な時間を楽しみ無駄な時間を生み出す気持ちはなくならないはず

そこに関しては不安要素はありません


ただ、問題なのはその周り
配給会社、編集者、プロデューサーなど
こんな人たちは
たぶんそっちに流れるだろうなと思う

如何に効率よく金を稼ぐか
無駄を削るか
馬鹿でもわかるように作るか

そこを重視する人がほとんどになると思います

中身そっちのけで数をこなすことに必死になっていた人が
作品を発信する側になってまうので
全体の流れはそうなるでしょうね

作者は自分一人で作品を発信できるわけではないので
いろいろと制限されて好きなものは作れなくなる

無駄を愛する人たちから無駄を奪ってしまったら何も残らないですから
文化は衰退していくだろうと思う

ただでさえ現時点でもそんな流れなのに
拍車がかかるのは間違いないです


そこは本当に不安ですよね…


これに関しては
サブスクの存在も大きく関わってるでしょうが
サブスクの話までしたら長くなりそうなのでやめときます

サブスクの話はまた別の機会に書くかも


倍速で映画を観るのは人の勝手で
その行為に善悪はつけれないですけども
そんな考え方が主流になってしまえば
絶対に文化は衰退していくと思います

 

YouTubeの映画を短くまとめた動画なんかも同じで
2時間の映画をわざわざ観なくてもストーリーさえ知れればいい
って考えの人も増えてるでしょう

映画に時間をかけるなんて無駄なこと
と思う人が多いのかもしれません

ただ、その程度しか興味や愛が無いような映画に
2倍速の1時間やYouTubeのまとめ動画の5分
を費やすくらいなら

時間も労力も惜しまず
効率やコスパなんてそっちのけで没頭できるような本当に自分が好きなものを見つけて
そこに全力を注いだほうが
よっぽど有意義な時間を過ごせると思う

時間をかけず簡単にオタクになれるなんて考えは大間違いで
本当のオタクは無駄な時間を無駄だと思わず費やすほど愛がある

1番大事なのは好きという気持ちだと思います

映画の2時間が苦痛だったり
映画の2時間が無駄だと思うのなら
それは映画が好きではないと思うので
例え1秒でも映画に時間を費やせば
それは無駄な時間ですよ

コスパ悪いです