何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ファイナルガールズ 惨劇のシナリオ」感想 バカバカしいけどシンプルに楽しい

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どうもきいつです


ホラー映画「ファイナルガールズ 惨劇のシナリオ」観ました

ホラー映画の中に入ってしまった若者たちの運命を描いた2015年のホラーコメディ
1980年代のB級映画をモチーフに
その時代のホラー映画のオマージュやパロディが見られます

監督はドット・ストラウス=シュルソンが務めています

 

あらすじ
3年前に女優の母を交通事故で亡くしたマックスは
友人たちとかつて母が出演していたホラー映画を観に行くことになる
しかし、上映中に火事が発生してしまう
マックスたちは逃げ惑いながら脱出を試みる
そして、気がつくと彼女たちはホラー映画の中に入り込んでいたのだった

 

感想
ホラーあるあるをイジるメタ的な作風がバカバカしくも笑えます
ストーリー展開は意外と真面目でちゃんと作られている
笑えて泣ける作品だと思います
せっかくならもう少し怖さがあってもよかったかも

 

前から気になっていた映画だったので観てみました


この映画は
ジャンルで言えばホラーに分類されるでしょうけど
内容は完全にコメディで
怖さはほぼ無いと言っていいです

80年代のB級ホラーを題材に
ありがちなホラーの展開や演出などを
メタ的に茶化してるような映画

80年代のホラーというのも「13日の金曜日」まんまだったりもします

そんな内容なので
ホラーが好きな人なら笑える映画


メタ的な描写も面白いものが多くて
観ていて楽しいなと思わされます

例えば
映画の中に入り込んだ直後の
90分ごとに映画の登場人物たちがループして現れるのなんかは
なかなか面白い発想ですよね

抜け出そうとしてもループして戻って来てしまうとか
映画のパターンを利用して敵を倒そうとするとか

昔話を始めるとモノクロの回想シーンに飛ばされてしまうのも笑えました

昔話を始めようとすると
唐突にみんな立ち位置へ移動するのもアホらしくていいですよね


全部バカバカしくはありますけど
目のつけ所はすごくセンスがあると思うし
なんか笑えます

細かい部分でも
ホラーあるあるで笑わせにきたりもするので
隅々まで楽しめる要素がたくさんありました


笑える要素で言えば
人の命が軽すぎて最高でしたね
アホみたいなキャラは
みんなアホみたいな死にかたをしてました

 

そんなバカバカしい映画なんですけども
意外とストーリーはしっかりしていて
その点でも面白く観れる映画です

物語の流れはスムーズでテンポがいいですし
笑いばかりかと思いきや
主人公の成長や親子愛など
感動的なエピソードも用意されています

伏線もストーリーで上手く活用してたりもするので
最後まで飽きずに観れると思います

殺人鬼を倒すためのロジックも
無理矢理感は否めないものの
一応筋は通っていて納得できる作りですし


それに、終盤になると真面目に物語が盛り上がってくるのも
メリハリがあって引き込まれていきます

ただコメディをやってるだけでなく
物語でもちゃんと魅せることができている作品でした


オチも本当に素晴らしいと思います

ホラー映画の定番のような
ほっとしたと思ったところで絶望的なラスト
みたいな終わりかた

でも、すごく笑えるラストでもあって
この映画らしい終わりかたですごく好きです

勢いもあるし
このラストシーンで大満足かも

 

個人的にも好みな映画で
とても楽しめたことは間違いないですが
もうちょっと面白くできたんじゃない?
と少し思ってしまいました


特にルールのガバガバさはどうにかできなかったのかな?

映画の中に入ってからのルールが
なんかテキトーなんですよね

映画の世界がループしてるという設定も
きっかけは何なのか?
どの範囲までループするのか?
そのへんがすごく曖昧

最初だけループしてる描写があるけど
途中からそれが無かったかのように話が進んでいくし

そもそも、ループしている世界なら
映画を終らすことで映画の世界から出る
という理論がなんか矛盾してるような気も…

映画を終わらせてもまた一から始まるんじゃないの
と、揚げ足を取ってしまいたくなります


ホラー映画の中の登場人物たちに関しても
意思があるのか
あくまでも映画のキャラとして作られた存在なのか
どっちつかずな感じはしてしまいます

同じ事をループして繰り返していたりすれば
普通に意思を持って自分の感情で行動してたりもするし

なにかきっかけがあって感情が芽生える
みたいな描写もありませんし

そこを掘り下げていれば
笑いやストーリの深みがもっと生まれていたかもしれません


回想シーンに飛ばされるやつも
2回目のときは話してる本人が飛ばされてたりもして
ちょっとご都合主義かなと…

基本的にルールがその時の展開に合わせて
ちょうどいい感じに主人公たちに都合よく作用してるんですよね

このルールをもっと作り込んでくれてれば
余計なツッコミどころは無かったでしょうし
より完成度が高い映画になっていたと思う

 

あと、せっかくホラーを題材にしているのなら
もう少し怖くてもよかったですかね

コメディに全振りの映画なのは十分に理解してるんですけども

ただホラーを茶化すだけでなく
怖いところはちゃんと怖く作ってれば
メリハリで笑いの部分がもっと強調されて
さらに笑える映画になっていたと思います

特に殺人鬼が攻めてくる場面は
ことごとくただチープなだけであまり面白味がなかったかもしれません
殺人鬼が怖くもなければ笑えるわけでもなくて
ちょっと中途半端だったように感じました

殺人鬼や殺人シーンはガチで他はひたすらふざけてる
みたいなバランスの方が
気持ちが振り回されて頭がクラクラするような面白さが生まれていたかも

 

とは言え
おバカB級映画なのは間違いないので
些細な矛盾やルールの甘さにわざわざツッコむのは野暮なだけかもしれません

短くて単純な内容の映画なので
頭をカラッポにして楽しむにはちょうどいい映画だと思います

文句を言いつつも
個人的に面白おかしく楽しめた映画でした

 


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