何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ジェントルメン」感想 悪人たちの駆け引きにハラハラさせられる

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どうもきいつです


クライム映画「ジェントルメン」観ました

ロンドンの暗黒街を舞台に
500億円の大麻ビジネスの利権をめぐり
壮絶な駆け引きを繰り広げる悪党たちの姿を描いたクライムサスペンス

監督は「スナッチ」などのガイ・リッチーが務め
オスカー俳優のマシュー・マコノヒーやチャーリー・ハナム、ヘンリー・ゴールディングなど
豪華なキャストが顔を揃えています

 

あらすじ
ロンドンの暗黒街に一代で大麻王国を築き上げたミッキー
彼が500億円相当と言われる大麻ビジネスを
すべて売却し引退する噂が駆け巡る
その噂を耳にした
ユダヤ人大富豪、ゴシップ紙の編集長、ゲスな私立探偵、チャイニーズマフィアらが
巨額の利権を巡って動き出す

 

感想
悪党たちの駆け引きに先が読めず
最後までハラハラドキドキと楽しめる映画でした
ユーモアのセンスやキャラクターの個性にはガイ・リッチーらしさをとても感じる
ちょっと情報量やセリフが多いので
置いてけぼりになる可能性はあるかも


ガイ・リッチーの新作ということで観に行ってきました亜
予告でも面白そうだったので期待もしてた


全体的にそこまで派手な映画ではなかったけど
エンターテイメント的に楽しめる要素がたくさんあって
最後まで飽きずに楽しめる娯楽作品でした

個人的にもとても好きなタイプの映画
面白かったです


この映画はストーリー展開で魅せる映画だと思います

派手なアクションシーンなんてのはほとんどなくて
渋い悪人たちが騙し騙される駆け引きを最後まで見せられる

二転三転と登場人物たちの優劣が入れ替わり立ち替わりで
先の展開はなかなか読めないです

どんでん返しが何回も起きたりするので
サスペンスとしてもなかなか面白い
最後まで予測不能な展開にハラハラさせられます

主人公が第3者の目線から語られる
という見せ方も面白いです
この見せ方によって
より何が真実なのかが見えづらく
観客は物語に振り回されます

嘘も多く含まれてたりするから
観客からすれば
ややこしくて心を掻き乱されたりもする

いろいろと工夫を凝らして
最後まで観客に予測できない映画に作り上げられていると思います


ストーリー展開は二転三転と大きく変化します
しかし、そんなに無理はなくて
伏線なども散りばめられているので
物語が進むにつれて話が繋がっていくのも気持ちいいですね

追い込まれて逆転の繰り返しも
最終的にはカタルシスが生まれて気持ちがいい

そんな気持ちいい要素が多いので
最後まで観るとすっきり爽快な気持ちにさせられます


ただ、ストーリーの仕掛け重視の映画でもあるので
中身は薄いかなとは思います

人間ドラマなどもほぼなくて
基本的に駆け引きの応酬がメイン

登場人物が何を考えているのか
どんな人生を過ごしどんな人間なのか
というのはあまり描かれない

主人公のミッキーに関しては生い立ちや生き様は語られますが
それでも薄いことには間違いない

登場人物たちがパズルを埋めるためのピースのような存在でしかなくて
物語の仕掛けの一つでしかない
なので、感情移入はちょっとしづらいかなと思います

結果的にメッセージなどの深いものもないので
観終えたときに心に残るものは無いかもしれません


そんな欠点はあるんですが
娯楽エンターテイメントとしては
ストーリー展開重視の物語が観ていて楽しいのは確実で
だからこそ面白い映画でもあるわけです

さらに、キャラクターの内面の薄さを補うかのごとく
キャストたちの個性が濃い

演技も楽しみがらやってるんだろうな
とも感じますし
見た目だけでも個性的で記憶に残ります

登場人物がかなり多い映画ではあるけど
誰が誰なのか見分けはつきます

外国人って見分けつきにくかったりしますけど
本作の場合はその心配はいらないと思う

みんなそれぞれ個性を主張していて
存在感が溢れている
1度顔を見れば忘れないです


特に主人公のミッキーは本当にカッコよくて
悪人であることには違いないけど
一流の悪党で自分の信念を貫く潔さもある
立ち振舞いなどは粗暴だったりはするけど
タイトル通りある意味紳士的な人間

最終的には良いとこ全部持っていって
主人公補正じゃないか
ってほどの勝ちっぷりだけど

ミッキーならと
納得させられる格の違いを見せつけられます
これぞ一流と思わす説得力がある

悪人には変わりないけど
この勝ちっぷりには痺れました

 

で、この映画は基本会話がメイン
ほとんど登場人物が喋ってるだけのような作風です
なので地味に思ってしまうのは仕方がない

ただ、淡々と会話が続くだけの映画でもなくて
メリハリが効いているのとテンポがいいのとで
最後まで全然飽きずに観れます

会話メインではあるけども
所々にバイオレンスな銃撃シーンがあったり
運転中の大事故だったり
動きのある派手なシーンもそれなりにあるので
眠くなる映画ではない

刺激的ななシーンも多いので
心を掴まれるとどんどん映画の中に引き込まれていきます


会話のシーンに関しても
ただ登場人物が喋ってるだけでなくて
ガイ・リッチーらしいユーモアのある演出や会話のやり取が
ふんだんに盛り込まれているので
会話中も全然退屈にならない

結構笑える場面も多くって
登場人物のバカらしい会話のやり取りにはクスッとさせられます


それに、会話のテンポがいいし
物語が展開するテンポもめっちゃいい
次々と流れるように展開していくから目が離せなくて
より映画に集中させられる
気付けばどっぷりとこの世界に浸っています


映画全体に面白要素がたくさんあって
個人的にはかなり好きな映画
最後までとても楽しむことができました

でも、ちょっと思うのが
この映画は観る人を選ぶのかなとは感じます

すごく情報量やセリフの量が多くて
人によっては物語を追うのに必死になってしまうかも

特に普段あまり洋画を観ない人は
字幕を負うだけでもキツいかもしれません

その上、テンポがいいから
1度置いていかれるとなかなか追い付くのも大変ですよね

登場人物が多いから
会話中にいろんな名前が飛び交って
これ誰だっけ?ってなったり

ミッキーに関しては呼び方がいろいろと変わったりして余計にややこしいと思う


今誰が優勢で誰が劣性なのかも
そこがわからなくなると
それ以降は何が何だかわからなくなるだろうし

テンポがいいのは長所ではあるけど
このスピード感は万人ウケではないのかもしれませんね

まあ、でもそんなに複雑な話でもないし
そこそこ理解力があれば全然問題ないとは思いますが

 

登場人物はみんな魅力的でストーリーもすごく面白い
ガイ・リッチーらしいセンスも光っていて
同じガイ・リッチー監督作の「アラジン」実写版なんかより全然面白い
やっぱりガイ・リッチーはこんな作風でないと

これはかなり好きな映画です

 


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