どうもきいつです
コメディ映画「地獄の花園」観ました
OLたちが働く職場の裏で
拳による壮絶な派閥争いが繰り広げられるコメディ映画
主人公が働く職場に1人のカリスマヤンキーOLが中途採用され
全国のOLを巻き込む抗争が勃発します
お笑い芸人のバカリズムによるオリジナル脚本
監督を務めるのはPerfumeやサカナクションなどのMVを手掛けてきた関和亮
出演するのは永野芽郁、広瀬アリスなどです
あらすじ
普通のOL田中直子が働く職場は一見平和そうに見えるが
実は裏で覇権を争い日々OLたちが喧嘩に明け暮れていた
ある日、カリスマヤンキーの蘭が中途採用され
それがきっかけで彼女たちの会社が
全国のOLに目をつけられてしまうのだった
感想
バカリズムらしいセンスが光っている映画だと思います
でも、基本同じことの繰り返しが続くだけなので面白いのは最初だけ
そもそも、ストーリーが無いので
何の話なのかわからないです
予告を見て面白そうだったので
映画館まで観に行ってきました
実際に観てみると
発想や映画の雰囲気はとてもよくて
面白い映画になりそうな感じはするんですけど
正直、かなり微妙な映画
脚本がお笑い芸人のバカリズムというだけあり
所々にバカリズムらしいセンスが光っていて
面白い部分もあるんですが
映画として見てみると
やっぱり出来が悪いのは否めないと思う
まず、本作の入り口はとても良いと思うんです
OLが社内で武力抗争しているという
バカバカしくてブッ飛んでいる世界観
ビジュアル的にも面白いですしシュールな世界観が笑えます
レディース同士のヤンキー漫画みたいな描写と
それ以外の普通の会社員たちの対比も笑える要素だと思う
バカなことを真面目にしているという点で
ギャップの面白さは生まれてるんですよね
なので、映画が始まってからは
そんなシュールさに引き込まれて普通に笑ってしまいました
ただ、それだけで終わってるんですよ…
そこから先も同じことばかりで
早い段階で飽きてしまいます
この映画をダメだと思う部分はたくさんありますが
1番ダメだと思うのは
ストーリーが無いことですかね…
この映画って
設定だけでストーリーは無いと思うんですよ
だから、観ていて
この物語がどこへ進んでいるのか最後まで不明だし
一体何の話なのかもよくわかりません
基本的にバカリズムのネタを繋ぎ合わせたみたいな内容で
それぞれ切り取って見てみれば面白いと思うんです
でも、この映画の中心となる道筋がないので
物語が進むにつれて退屈になってきます
喧嘩シーンとバカリズムのネタを繰り返してるだけなので
そりゃ映画としてはつまらなくなりますよね
バカリズムのセンスは感じますが
それと映画が上手く噛み合っていない
細かい部分を言っていくと
主人公である直子の
普通のOLとして過ごしたい
というのがこの映画の核ではあると思います
ただ、それが全然意味を成してないのが問題
そんな主人公の設定はあるけど
そこから先は描かれていないんです
普通のOLでありたいというのは理解できるけど
じゃあそれが物語としてどう展開していくのか
と言うと
特にストーリーとしてはさほど広がっていかない
普通のOLだと思っていたら実は喧嘩がめっちゃ強い
ってことの前フリでしかないんです
それと同じで
蘭がヤンキー漫画が好きで格好をつけていただけという事実に関しても
めっちゃ強い主人公みたいなカリスマヤンキーという前フリに対するオチでしかない
直子と蘭が真逆の存在で対比にはなってるけど
そこが物語として面白くて展開していかない
そういう設定だから
で終わってしまってるんですよね
ヤンキー漫画がキーワードとしてよく出てきますが
これに関しても
ただのあるあるネタでしかなくて
ストーリーには全く生きてきませんでしたね
何回も言うので何かの伏線なのかな?
と思ったけど
実はヤンキー漫画を読んでいたから
とかしょうもない理由
大してストーリーの中では重要でなく
あるあるネタとしてただ言ってるだけでした
お笑いのネタとしては
前フリがあってオチがあるってのや
あるあるネタなんかは
笑いの定石で間違いはないけど
映画となるとやっぱりそれだけでは持たないです
設定を生かした展開や
登場人物の成長や関係性なども上手く見せなければならない
本作はそんな部分は蔑ろになっていました
で、ラストの結末なんですが
これは結構良いオチだなとは思います
この映画の一番の狙いは
喧嘩なんかしても意味無いだろ
と観客に心の中でツッコミを入れさせること
だと思うんですよ
だから、最後に観客の気持ちを代弁させるセリフがあって
そこから喧嘩で勝ったけど結局それに意味はなかったと終わらせる
全然悪くはない終わりかたなんですが
なんか弱い終わりかたでモヤモヤするんですよね
これもやはり
ストーリーが無いからこのオチが生きていない
ここに至るまでのプロセスがいまいちだから
ラストも弱くなってると思います
このオチを最大に盛り上げるためには
めちゃくちゃ真面目に喧嘩を中心にしたヤンキー映画として作り込むしかないんですよ
そうすれば
このラストのシーンになったときに
最後の男性社員の言葉が痛烈なツッコミになって
失恋で幕を閉じた瞬間にめっちゃ笑ってしまうと思う
実際はラストに至るまでも
ひたすらバカバカしく滑稽に喧嘩を描いていて
ストーリーも無いから
ただのギャグの詰め合わせ
最後のオチに対する前フリとしては弱くなってますよね
それ以外にも微妙な要素が多くて
基本、全部がワンパターンで飽きてきます
この映画は同じ演出が本当に多いです
笑いに関しても展開に関しても
ほとんど同じことの繰り返し
普通の会社員がいて
その裏でレディースみたいなOLが喧嘩してるのも
はじめは面白くて笑えるけど
それが続くと笑えなくなる
激しい喧嘩がシーンがあって
主人公のほのぼのOLシーンがある
それを交互に見せることでシュールさを表現している手法を何回も使うんですよ
これ最後の方は普通にスベってる感じになってしまってます
喧嘩が始まるパターンなんかも最初から最後までずっと同じ
全然面白味がありません
もうちょっと捻れないですかね?
これは喧嘩を滑稽に見せたかったからだとは思いますが
ただ滑稽に見せればいいってもんでもないし
全体的にメリハリがないなと思いました
それと、構成が下手な気がしました
今それする?
ってことが多々あります
特に蘭の修行シーン
こんなの終盤にやることじゃないでしょ
クライマックスを向かえた感じからのこの修行なので
正直、このへんから観るのがしんどくなります
まだ続くのかよ…って感じ
同じことの繰り返しも構成の下手さが故だと思いますし
他にはテレビっぽいことをしたりしますけど
これはマジで邪魔ですかね
テンポが悪くなりますし
普通に面白くなかったりもする
それに対していちいち顔面アップにしてツッコミをいれるのもチープで
なんか上手くないなと
やっぱりこの映画って
お笑いのネタ感覚で作られたのかなと感じさせられる
映画としては出来が悪いですよね
あと、喧嘩のアクションシーンなんですが
これもなかなか中途半端で
もっとどうにかならなかったのかなと思う
はじめは女性たちがボコボコになりながら喧嘩するシーンに
おっ!と思わされるんですけど
見れば見るほど
喧嘩シーンの微妙さが際立ってくる
基本的に殴ってるだけだし映像的な工夫もないので
それの繰り返しは面白くない
CGに関してもかなりショボくて
使うならもっとド派手に使えばいいし
リアルにするならCGを使わずに泥臭い戦いを見せてほしい
なんかCGがすごく中途半端ですよね
さっきも言ったけど
ラストのオチには真面目さが必要で
喧嘩のアクションに関しても本気で作り込むべきだと思います
「クローズZERO」や「HiGH&LOW」みたいなガチのヤンキー映画を観ていれば
本作の喧嘩シーンがどれだけショボいかわかると思う
でも、例えコメディと言えど
やるなら
これくらいとことんやるべきなんですよ
そこまで真剣にやるからこそ
笑える場面はめちゃくちゃ笑えると思う
それにスカートで戦うなら
1回くらい永野芽郁のパンツ見せろよ
そんなサービス精神も無いんですか?
終わってますね
とにかく喧嘩シーンは本作でも重要な位置だし
やるならガチのアクションを見せるべきでした
部分的に見れば
バカリズム的な面白さはたくさんあって
笑えるっちゃ笑えるけど
映画としては中途半端でつまらないのは間違いないですね
くだらないことをやってるんだから文句つけるのは野暮と言われそうですが
くだらないものほど真面目な本気さが必要だと思う