何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ロボコップ」(1987年)感想 思ったよりバイオレンス

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どうもきいつです


アクション映画「ロボコップ」観ました

機械化した警官がロボコップとして犯罪組織と戦う姿を描いた1987年のSFアクション映画
近未来のデトロイトを舞台にロボコップが活躍します

監督は「トータル・リコール」「氷の微笑」などのポール・バーホーベンが務めています

 


あらすじ
犯罪が多発する近未来のデトロイトでは
警察の経営は民間企業のオムニ社に委ねられ
凶悪犯罪を減らすため人間の警察に代わるロボットの開発を進めていた
そんな中、警官のマーフィは強盗一味を追跡しアジトに乗り込むが逆に惨殺されてしまう
しかし、彼の遺体はオムニ社に回収され
やがてロボコップとして復活するのだった

 

感想
昔の映画でチープさはあるものの
当時の特撮技術は観ていてとても面白い
いろいろ工夫が凝らされています
思ったよりもバイオレンスで残虐な描写が多くて驚かされましたが
むしろ、これが本作の魅力です
ストーリーはかなり薄い

 

子どもの頃にテレビで観て以来
久しぶりに本作を観てみました

正直、内容はほぼ忘れてていて
もしかしたら観ていたのは2か3だったかもしれない
なので、ほとんど初見みたいなものです


まず、ロボコップって普通のヒーロー映画のようなイメージでしたけど
思ったよりバイオレンス
かなり残虐でグロい描写も多い

今思えば普通にこれがテレビで放映されていたんですね


そんな、残酷な描写は観る人を選ぶと思います
苦手な人には結構キツい描写ですし
子どもには刺激が強いかも

まあ、R指定を受けてる作品ですしね
そんなもんだろうけど


個人的にはそんな残酷な描写はかなり好みで
それだけでもなかなか楽しめました

序盤で主人公が殺されてしまいますけど
そのシーンもかなり残酷で
こんな酷い死にかたをする主人公なんて
そうはいないと思います

腕はブッ飛ばされるし
全身蜂の巣にされますし
頭も撃ち抜かれますから
とにかく血の量がすごい

主人公の死に様にはちょっと引きました

それ以外にも残酷でグロい描写は多くて
かなり人の命も軽かったりする
いろいろとショッキングな映画なのは間違いありません

銃で撃たれた時の血の量は他の映画よりも多いと思う
実際に銃で撃たれたらどうなるのかはわからないけど
なんかこの描写は生々しくて
死の恐怖すら感じさせられました

 

そして、魅力なのは残酷な描写だけではなく
当時ならではの工夫を凝らした特撮も本作の魅力

今観ればかなりチープで古くさい映像なのは否めないですけども
だからこその面白さというものがこの映画にはあると思います

今のようにCG技術が発達した映像のようなリアルさはないものの
逆にCGを使わずにここまでできる素晴らしさ

作り物感はありますけども
合成や特殊メイクやストップモーション
様々な技術を使って作られている本作は
観ていてワクワクしてきます

当時だからこその知恵や工夫が存分に込められていて
それが映画に対する情熱としても感じられる


ロボコップの造形やデザインなんかもすごく良いと思います

今見るとちょっとダサいような気もするけど
かなりしっかりと作られていて
ちゃんとロボっぽく見えるんですよ
安っぽさがあまりない

頭のヘルメットみたいなのを取った時の
サイボーグな顔面もかなり作り込まれています

逆にこのデザインが一周回ってカッコいいな
とさえ思わさる

これはやっぱり
本気で本物のサイボーグに見えるように
ロボコップを作っているからなんでしょうね


他には
オムニ社がロボコップ以前に開発したロボットもいろんな意味で面白くて
これも魅力的ですよね

これは実写の映像にストップモーションアニメを合成していて
動きには滑らかさもなく
合成というのはまるわかりです

でも、実写の映像にはどことなく馴染んでいて
ロボットがその場にいる感じは表現されてます

さらに、このロボットには
恐怖を感じることもあれば愛嬌を感じることもある
妙なセンスがあって変な面白さがあります

シンプルに造形がカッコよくて
それだけで個人的には好きなんですけど
無惨に人を銃撃してしまう怖さがありつつ
階段で転んでバタバタとする可愛さもある

ロボコップを語るには
このロボットの存在が欠かせないほどの
謎の存在感に溢れています

そもそも
こんな危険なロボットを人前で発表して
想像通り人が殺されてしまう展開には笑ってしまいました


特殊メイクでは
廃液で体が溶けてしまうのとかインパクト大きかったし
いろいろと面白い描写がたくさんあって

デザインや造形に注目して観るとより楽しめる映画なんだと思います

 

ストーリーや人間ドラマに関しては
かなり薄いです

メインはロボコップの復讐の物語なんですけど
いまいち感情移入できなくて
ストーリーに気持ちが乗っていかない

基本的に人物描写がかなり薄くて
ただストーリーが流れていっているだけの映画です


主人公のロボコップことマーフィも
さほどバックボーンは描かれず
早い段階で殺されてしまいます

そもそも、マーフィが主人公がどうかも曖昧なままストーリーが進んでいきます

マーフィがロボコップに改造されることで
やっと主人公だと納得できるくらい

ロボコップになってからの物語も
人間の記憶を取り戻すことで復讐の話にはなっていくけど

生前のエピソードが弱くてあまり気持ちが乗らないし
復讐にしても
ロボコップがあくまで感情のないロボットのスタンスを貫いてるから
あまり気持ちも伝わってこないんですよね

ロボコップの原動力が
復讐からなのか使命からなのか
ちょっとわかりづらかったりします


マーフィの相棒の女性警官にしても
マーフィとそんなに長い付き合いでもなく
関係性もさほど築けてないのに
ヒロイン的な立ち位置で活躍するので
ちょっと違和感あります

彼女の気持ちがよくわからないので
感情移入はできないですよね


敵はみんな一貫して悪者なので
そこはブレていなくて良かったですが

全体的にストーリーはとても薄くて
展開もベタなものが多い
ツッコミどころもそれなりにあって
設定がガバガバだったりする

特別面白い物語ではなかったと思います


とは言え
この映画ってストーリーで魅せる作品ではないと感じましたし
むしろ、この薄いストーリーが良かったような気もします

監督の趣味や勢いがメインで
それを見せつけるような作品
そして、それがちゃんと魅力的なんです

監督が見せたかったのは
ロボコップやロボットの造形で生み出された世界観だろうし
残酷描写によるバイオレンスな近未来のディストピアだろうと思う

そこは十分に表現できていて
観ている側にも伝わってきました

 

チープな古い映画ではあるけれど
監督の持ち味が存分に発揮されていて
とても面白い作品だったと思います

当時の映像を楽しむのにももってこい

僕もすごく楽しんで観ることができました

 


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