何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「バクラウ 地図から消された村」感想 独特で掴み所がない映画 つまらなくはないけど

f:id:kiitsu01:20210721223141p:plain

どうもきいつです


スリラー?映画「バクラウ 地図から消された村」観ました

村の長老の死後から
不可解な出来事が起き始める村を描いたスリラー
第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した作品

監督は「アクエリアス」で注目を集めた
ブラジルのクレベール・メンドンサ・フィリオが務めています

 

あらすじ
村の長老カルメリーナが亡くなり
テレサは故郷の村バクラウへ戻ってきた
しかし、その日から村で不可解な出来事が次々と発生しだす
インターネットの地図からは村が消え
村の上空には謎の飛行物体が現れ
給水車のタンクが銃撃された
やがて、村外れで村人が殺害されてしまう

 

感想
淡々と進む謎めいたストーリーには掴み所がなくて
正直、ちょっと戸惑ってしまう
終盤はカタルシスのある展開で盛り上がりはあります
なんか不思議な映画

 

前から気になっていたので観てみました
Netflixで配信されています


あらすじを読んだだけでは内容がよくわからず
そして、実際に観てみてもよくわからん

一応、ジャンルはスリラーという風に書きましたが
正直、ジャンルもよくわかりません

社会風刺が描かれたりもしてるんだろうけど
その部分もあまりピンと来なかった

かと言って
難しい難解な映画でもないと思います
結構ストレートに描かれた映画のようにも感じます

監督にやりたいことが多くあったのかな
とも思いました
なんかいろいろと詰め込んでる感じ

そして、面白くないわけではない
でも、面白くもなかった

序盤はかなり掴み所がなく退屈な気持ちがありましたけど
ラストに近づくとカタルシスを感じるし
爽快感もありました

評判はとても良いみたいですし
賞も取っています

大絶賛のレビューもちょくちょく見かけるけど
独特な作風にはハマった人が多いのか
インテリ気取りでわかった風の人たちに目をつけられたのか
そのへんもよくわからん

全てにおいて掴み所のない映画

 

まあ、後から考えてみると
この映画って

なめてた奴が実はヤバい奴でした
ってタイプの映画だったと思う

この映画に感じたカタルシスも
弱いと思ってた人たちが実は最強で
悪い奴らを打ちのめすところ
だったりします

そこをメインに描いている


そう思えば
掴み所がなく退屈な前半は
ラストの展開のための前フリですよね

バクラウという村と村人がどのような存在なのかを説明する部分です

都会から遠く離れた田舎で
そんなに裕福とは思えない村
村特有の風習や価値観もあったりして
僕からすればかなり居心地が悪そうに感じてしまいます

どうやら水がせき止められているようで
立場的には弱いのかなと思える

村に来た市長とのやりとりでも
村人たちが完全になめられているのがわかりますし

村の外の人たちからはド田舎だと見下されているのかな
とか想像もできる


途中から現れる謎の戦闘集団も
こいつら急に出て来て一体なに?
って思ってしまいますけど

これも結局はラストへの前フリですよね

UFOみたいなドローンを使ってたり
仲間ですら躊躇なく殺したり
地図から村を消してしまったり

かなり大がかりに作戦を練って
只者ではない集団というのが伝わってきます

この集団の個人の描写も多くて
リーダーのクレイジーさや
子供を躊躇なく殺してしまうメンバーもいる
殺しが成功し興奮して野外セックスはじめちゃったり

やってることは突拍子がなくて
それをやって何のメリットがあるかも謎ですけど
とにかくヤベー奴らというのは表現されています

そんな描写が
ラストの展開にかなり生きているなと思いました

バクラウの立場の弱さや田舎の閉鎖感
戦闘集団の圧倒的強さや狂気

この対比があるから
終盤はかなり盛り上がってとても気持ちよくもあります

弱者の反撃と弱者の圧倒的な強さによる逆転に
気持ち良さを感じているということは
自分もまた弱者なのかな
とか思ったりもしました

ここに格差社会や貧困に対する皮肉が込められてるんだと思う

はじめはバクラウに少し哀れみの念を抱かされていましたけど
そこを逆手にとって
この映画を観ている自分たちの浅はかさを突きつけられた気もします


いろいろ詰め込まれた映画だけど
監督の狙いは成功してるじゃないでしょうか
最後まで観るとつまらない映画には思えませんでしたし

観た直後には
ふわっとした印象しか残らなかったけど
思考すればメッセージ性や面白さにも気付けると思います

観る人によって感じかたが違ってくる映画でもあるのかも

悪い映画ではないとは思いました

 

ただ、前半がもう少し面白くできなかったのかな
とは思ってしまいます

前半の退屈さと後半の盛り上がりで
結果的にプラマイゼロくらいですよね

やっぱりプラスで終わってほしかったかな…


主人公が誰だかかわからない状態が続きますし
これと言った定まった物語もないので
やっぱりなんか集中できなかったです

その上、いろんな要素を詰め込んでいたりもするので
すごく散漫な印象でした

何か軸になるものがあれば良かったような気がします


終盤の展開に関しても
盛り上がりはありますけれど
インパクトは弱いかなと思う

バイオレンスで刺激的な映像があるし
前半とのギャップでカタルシスも生まれていますが
派手さには欠けるというか

もう1つ派手な何かが欲しかったですかね

それは映像なのか展開なのかはわからないけど
最後にもう1発派手に何かをぶちかまして欲しかった

そうすればとても印象に残る映画にもなったと思います

まあ、エンタメ映画にするつもりはなかったかもしれないし
今の形が正解だったのかもしれないですけど

 

独特な作風で悪くはない映画ですかね

絶賛してる人も多いですが
個人的にはあまりハマれず印象にも残らなかったので
時間が経てば記憶から消えてしまいそう

興味があれば観てみて損はないかなとは思います

 


バクラウ 地図から消された村(字幕版)