どうもきいつです
青春映画「砕け散るところを見せてあげる」観ました
竹宮ゆゆこによる同名小説を実写映画化した作品
正義感の強い男子高校性といじめを受ける女子高校生の交流を描いた青春ドラマ
監督は「うさぎドロップ」などのSABU
出演するのは中川大志、石井杏奈などです
あらすじ
高校3年生の濱田清澄は
1年生の蔵本玻璃がいじめられている現場を目撃する
正義感の強い清澄は玻璃に救いの手を差しのべ
それをきっかけに2人は惹かれ合っていく
しかし、玻璃には誰にも言えない秘密があったのだった
感想
前半の青春ドラマは良かったけど
途中から方向性がおかしくなってくる
唐突な点も多くて少し置いてけぼり
最終的には何を言いたいのかよくわからない映画になっていました
映画館で公開されている時に気になってはいたんですが観れていなく
最近、Netflixで配信されていたので観てみました
原作は全く知らなくて
この映画だけの印象ですけど
正直、最後まで観ても
なんかよくわからない意味のわからん映画でした
つまらなかったわけではなく
好きなところもあるにはありますが
終盤辺りから
何したいんだろう?
って方向に物語が進んでいき
結果、意味のわからん映画で終わってしまった印象
この映画を観てそう思った人は多いんじゃないでしょうか
まず、この映画の前半部分は結構好きです
2人が出会ってから交流して絆が深まっていく過程はすごくいいと思う
シンプルな青春ラブストーリーではあるけど
変に劇的にしてるわけでもなく
無駄に甘いわけでもなく
淡々としているけど微笑ましくて
この2人を見ていて少しほっこりする
少女漫画のような妄想の恋愛ではなく
どこかリアルな恋愛描写が
個人的にはすっと入ってきてとても観やすかったです
清澄や玻璃を取り巻く高校での環境も誇張されていなくて
あくまで現実にありそうな高校生活でキラキラ感は無いけれど
だからこそ
かけがえのない輝く瞬間が見えてくるんですよね
清澄と玻璃が幸せそうに笑顔で会話するシーンが本当に輝いていて
ちょっと泣けてくると言うか
青春の微かな輝きというものが
この映画から伝わってきます
そんな青春ラブストーリーがすごく好きだな
と、思わされるんですけども
だから後半の展開が
うーん…って感じで
なんでそんな方向に進んでしまうのかな…
と少しガッカリしてしまいました
言ってしまえば
前半の青春ラブストーリーから
急にサスペンススリラーに変わって
最後にはなんかスピリチュアルな話になってしまいます
この流れが本当に意味不明で
完全に観てる側は置いてけぼり
ただ、ストーリー的には
途中からサスペンススリラーに変わるのはありだと思うんですよ
この映画の問題点は
ストーリーの変化とともに軸も一緒にブレてくるところにあると思うんです
サスペンススリラーになったら
途端に今までの青春ラブストーリーがなかったかのように
ただ怖いだけのサイコな映画になってしまう
そして、その後の展開は
清澄と玻璃が結婚して子供が生まれる前に清澄が死んでしまい
死んでいなくなっても繋がってるよ
みたいなスピリチュアルな話になってしまう
最初のラブストーリーはどこに行ったんですか?
って思ってしまうほど
変な方向にどんどんと進んでいってしまう
どんな展開になろうとも
2人が愛を貫くという部分はブレずに保っていてくれないと
観てる側からすればなんのこっちゃわからなくなりますよ
で、この映画は変な唐突さが多くて
そこが繋がりの悪さになってると思います
さっき言ったスピリチュアルなのもそれで
今まで全くそんな話になっていないのに
急にスピリチュアルになるから
これは何の話だよ?
と思ってしまう
清澄が息子を見守ってるってのも
全然繋がりがなくて理解しがたい
そこに至るまでに2人が
子供が生まれた時の話をしてるとかならわかるけど
そんな描写は全然無いですし
清澄が氾濫する川で人助けする場面でも
玻璃と沈んでいく子供を重ね合わせてたけど
これ全然関係なくない?
これはさすがに無理矢理すぎると思います
UFOに関しても扱いが本当におかしくて
はじめは玻璃が父親やいじめなど
外から受ける攻撃のことをUFOだと言っていたのに
途中からはUFOが心のモヤモヤみたいな扱いになっていきます
これは統一感が無くて
UFOって何のことだっけ?
って観ていて意味不明なんですよね…
この映画って
繋がっていないものを無理矢理繋げてることが多くて
全然ついていけないんですよ
そもそも、青春ラブストーリーとサスペンススリラーとスピリチュアルを無理矢理繋げてるわけだから
まとまりの悪さは根本からある
でも、雰囲気はそれっぽくて
なんとなく文句を言っちゃいけない空気感があったりします
深いこと言ってそうで実は中身の無い意味不明なポエム
みたいな映画です
なら、ある意味成功してるのかな
とか思ったり
それと、人物描写は雑だなと思いました
例えば主人公の清澄ですが
正義感が原動力で行動するキャラ
でも、その正義感の説得力が無いんですよ
なぜそんなにヒーローに憧れてるのかは不明で
リアリティに欠けますし感情移入もしづらい
ここは仮面ライダーに憧れてるから
くらいのアホな理由でも納得できると思いますが
そういう描写は全くありません
玻璃はというと
キャラクターが安定してなくて
そこがとても引っ掛かります
吃りながら話していたと思ったら
次のシーンでは普通に明るく喋っていたり
急に奇声をあげたりするけど
普段の会話でその片鱗を見せることは全く無い
シーンごとにキャラクターが全然違って別人みたいになってるんですよね
情緒不安定だったとしても
こんな変化の仕方はしないと思うし
玻璃のキャラクターに一貫性がなくて
観ていてすごく気持ち悪い
それが余計なノイズになっています
他の登場人物もやっぱり描写が雑で
言動が唐突なんですよね
なんでこんなこと急に言うの?
ってシーンがすごく多い
もう少し繊細にキャラクターを描いてほしかったですかね…
あと、もう1つすごく気になったのが
会話のテンポの悪さ
無駄話がすごく多いです
おしるこの餅のくだりとか
まあ、これはなんとなく意図はわかるんです
高校生活のリアリティや
青春のかけがえのない時間なんかを
どうでもいい会話を通して表現してるんだと思います
とは言え
せめて面白い会話にしてくれよ
どうでもいい話が本当にどうでもいい話になってるから
無駄話の長さが苦痛に思えてくる
タランティーノ映画とかも
どうでもいい話をダラダラしてる作品が多いですけど
これはユーモアがあって
どうでもいい話だけど聞いてて面白いんですよ
だから退屈せず観ることができるんです
本作の場合はマジでどうでもいい話を長くダラダラするので
マイナスにしかなってない
こんなことになるのなら
テンポよく会話を終わらせていったほうがよかったと思います
なんとなく深い映画っぽい雰囲気は出ていて
誤魔化せているような気はします
でも、意味不明なのは間違いなくて
雑な部分もすごく多い
前半の青春ラブストーリーはすごく好きだし
最後までラブストーリーで貫くべき映画だったと思います
この映画を観て意味がわからなかっても
それはあなたのせいではない
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