何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

特撮「仮面ライダーセイバー」感想 仲間割れをひたすら見せられるのは さすがにしんどい

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どうもきいつです


特撮ヒーロードラマ「仮面ライダーセイバー」観ました

2020年9月から全48話放送された特撮テレビドラマ作品
本と剣をテーマに
世界の均衡を守るため戦う仮面ライダーセイバーの姿を描いています
複数の仮面ライダーが登場するのも本作の特徴

 

あらすじ
神山飛羽真は
異世界に吸い込まれる少女の夢を繰り返し見ていた
そんな中、街に異世界が現れる謎の現象が発生し
それに巻き込まれた飛羽真は
手にした剣と本により仮面ライダーセイバーへと変身し戦うことになる
そして、本を守るソードオブロゴスと世界を脅かすメギドとの戦いに身を投じていく

 

感想
全体を通してなかなか酷い内容だったと思う
ほぼ毎週のように見せられる仲間割れには嫌気がさした
終盤の展開は悪くなかったけど
それだけじゃさすがに巻き返せない…

 

仮面ライダーは毎年観ていて
感想も毎年書いているんですけど

今回の「仮面ライダーセイバー」には
仮面ライダーシリーズ存続の危機を感じてしまいました

「仮面ライダーゼロワン」が
令和ライダーの新たなスタートだとすると
スタートダッシュで失敗して
本作「仮面ライダーセイバー」で完全にずっ転けてしまった感じ

これはかなりヤバい状況だと思う

 

まずはこの作品の何がダメだったのかの話をします

本作は単純に脚本が酷いと言うのもありますが
それと同時に
近年の仮面ライダー作品の悪いところが
これでもかと出ています

結果的に救いようのない作品になっていました


ストーリーの酷いところを言い出したらきりがないけど
僕が1番嫌だと思ったのは
仲間割れをひたすら見せられるところです

これが本当に最悪で
観ていて不快だし毎週観てると本当にしんどくなってくる
腹立たしくて日曜の朝から気分が悪くなるんですよね

ただ、最後まで観れば
仲間割れを通してやりたかったことはわかる
雨降って地固まるで仲間の絆を描きたかったんだと思うんですよ

でも、やり方が間違ってるんですよね…

本作でやってるのは
前置きなくただ仲間同士を喧嘩させてるだけ
しかも、それを何回も繰り返す

糞みたいな喧嘩を毎週見せられるわけです


仲間割れでドラマを作るにしても
そこに至るまでの人物描写は大事で

本作の場合なら
ソードオブロゴスに属する仮面ライダーたちの
それぞれ個人のエピソードや
お互いの交流や絆の深まりを
主人公の飛羽真中心に描くべきなんですよね

なのに、そんな描写は全くなく
かなり早い段階から仲間割れの展開が始まる

なんとなく仲間っぽくなったメンバーが
急に飛羽真に不信感を抱いてハブるという
いじめみたいな話になってしまいます

この構図がシンプルに気持ち悪いし
不快でしかないですよね

飛羽真は全うに信念を貫き戦っているのに
他のライダーたちは聞く耳持たずコミュニケーションを取ることもなく
やたらと飛羽真に突っ掛かっていくという
何がヒーローだよという言動ばかり

子どもたちも
こんな喧嘩ばかりの仮面ライダーなんて見たくないんじゃないですかね…


てか、この物語全体が
ソードオブロゴスの仲間割れなんです
最初から最後まで…

こいつらがいなければ
そもそも世界が脅かされることもないし

セイバーが戦ってる理由も
身内の尻拭いみたいなもんですし

誰かを救うために戦うヒーローじゃない
もう何のために戦ってるのかもわからん…

てか、一般市民を守るエピソードなんて最初だけで
途中からは自分たちだけの狭い世界の話になってしまう
助けるのは仲間だけだし
戦うのも身内だけだし

一言で言えば“茶番”ですよね

1年間この茶番に付き合わされれば
観てるほうも嫌になりますよ…


終盤の展開は悪くないけど
やっぱりここに至るまでがあまりに酷く
カタルシスもさほど生まれず
ちょっとましになったかな
ってくらいの印象で終わってしまいました


あと思うのは
死ぬかも、消えるかも
で引っ張りすぎですかね

それで引っ張って
結局助かるってパターンばかり

最終話での
仲間みんなが死んだっぽいけどユーリのお陰で助かった
でも、それと引き換えにユーリが死んだっぽい
でも、なんか最後はユーリも生き返る
この展開はさすがに酷すぎる

その前にも賢人が死んだっぽいけど実は生きてたってのをやってるし
ラストでは倒した奴らですら復活してたり

あまりに命を軽く扱いすぎていて
子どもが観るヒーローものとしても
ちょっと倫理的にどうかなと疑問に思う

確かに
仲間が死ぬかも、死んだかも
で、物語を引っ張れば興味は持続して引き付けられはするけど
安易に乱用すれば不快にすら思えてしまう

何より
命の大切さというものを蔑ろにしてしまってます
子ども向け作品ならなおさら考えもの

仮面ライダーとして
最悪な描きかただと思いました


その上、登場人物たちのキャラも薄くて
そこもかなりマイナス
薄っぺらい奴らがレベルの低い喧嘩をしてるだけになってる

主人公の飛羽真にしたって魅力が弱く
印象が薄くなってます
これといった特徴がないキャラです

小説家というのもストーリーでほぼ生かされないですしね

仲間の個々のエピソードも微妙なのばかりで
ストーリー上でキャラが全然生き生きしてこない

唯一、終盤の蓮とデザストのエピソードは良かったけど

 


そして、近年の仮面ライダーの悪いところもてんこ盛りです

これは毎回言ってますけど
フォームチェンジの扱いが雑だし下手
とりあえずピンチになれば新しい強いフォームを出して解決
その繰り返しです

基本的に以前のフォームは使い捨て
たまに思い立ったら意味もなく弱いフォームで戦ったり

フォームチェンジがおもちゃの販促でしかありません


それともう1つ
毎週アクションシーンが単調
同じことの繰り返し

最近の仮面ライダーに多いのが
途中から怪人が出てこなくなり
仮面ライダー同士がひたすら戦う

しかも、同じ仮面ライダーと4、5週ずっと戦ってたりする
これはマジでそろそろやめてほしい

ボス的な強い敵とも毎週何回も戦わすから
敵の強さの価値が落ちてくるし
決着つかずに次回に持ち越しなパターンをひたすら繰り返す

さすがにちょっと視聴者をなめてますよね
こんなの大人だけでなく子どもも退屈でしょ

戦闘の内容も毎回代わり映えなく
工夫の無い戦いが繰り返されます

これはセイバーだけでなく
最近の仮面ライダーの問題点です

これはどうにかしないと
そろそろ本当にヤバいと思いますよ


セイバーの終盤では
アクションシーン頑張ってたけど
これを最後だけでなく毎回するべき

最後だけ派手にやったからってオールオッケーにはならない


坂本監督の週はカッコいいアクションになってるんですけどね
結局そのときカッコいいだけで
全体を通して見るとあまりにムラが酷いですよね

 

いろいろと言ってきましたが
「仮面ライダーセイバー」を1年間観て感じたのは
仮面ライダーシリーズ存続の危機です

去年のゼロワンもなかなか酷かったので
仮面ライダーファンたちは離れそうになったと思うんですよ
もう、そろそろ卒業かなって

ただ、もう1年様子を見ようとなった人も多かったと思う

セイバーが面白ければ
そこで繋ぎ止めれたファンは多かったはず
でも、実際はこれですから…

仮面ライダーの人気フィギュアシリーズのS.H.Figuartsなんて
いつも主役ライダーは即売り切れで転売ヤーの餌食になってたのに
セイバーはめちゃくちゃ売れ残ってましたからね

これが現実なんです

今回のセイバーで仮面ライダーを卒業した大きいお友達はかなりいたんじゃないでしょうか

子どもにしたって
調子のいいスーパー戦隊やウルトラマンに流れてると思う
買ってもらえるおもちゃが1つなら
わざわざ仮面ライダーを選ばないでしょうし

次作の「仮面ライダーリバイス」が名作級の面白さじゃない限り
ファンを繋ぎ止めるのは難しいんじゃないかな…

 

今回の「仮面ライダーセイバー」は
仮面ライダー史上最低の作品だったと思う
さすがにこれは擁護できない

次の仮面ライダーに期待
なんてことも簡単に言えないです
次からもこれが続くようなら仮面ライダーに未来は無いかも…

悲しいけどこれが現実

 


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