何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「死霊高校」感想 盛り上がりに欠ける 素材はいいと思うけど

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どうもきいつです


ホラー映画「死霊高校」観ました


いわくつきの演劇を再演することになった高校生たちが
夜の学校に忍び込むことで恐怖に見舞われるホラー
2015年のPOVホラー映画

「パラノーマル・アクティビティ」シリーズのプロデューサーであるジェイソン・ブラムが製作を手掛け
クリス・ロフィングとトラヴィス・クラフの2人が監督を務めます

 

あらすじ
1993年、高校演劇で上演された「絞首台」で
主役のチャーリーに大惨事が起きた
それから20年
同じ高校で「絞首台」を演じることになった高校生の男女4人が
本番前夜に夜の学校に忍び込む
しかし、潜入した校舎に閉じ込められ
彼らの身に想像を絶する恐怖が忍び寄るのだった

 

感想
よくあるPOVホラーって感じ
そこまで新しいアイデアもなく普通なホラー
出し惜しみが多いのでなかなか気分も乗ってきません
素材は悪くないと思うけど…

 

アマプラで見つけ
なんとなく観てみました

邦題がなんかアジア圏のホラーな感じしますが
アメリカのホラー映画です


2015年と少し前の映画ではありますが
その時代にしても今さら感のあるPOVホラーで
あまり面白味がなかった印象

POVという要素を抜きにすれば
やり尽くされたようなホラーだし
新しさは全然ないかなと思います


この映画で気になったのは
前置きの長さと出し惜しみの多さですかね

80分ほどの短い映画だけど
テンポが悪くて長く感じました

盛り上がってくるのは終盤からだし
その盛り上がりは弱いし
最後まで気持ちが乗ってこなかった

最後のどんでん返しもいまいち
あまり上手くないですよね

 

特に前置きの部分なんですけど
ここは観てるのがつらくなってくるレベル

登場人物や設定などの説明部分としてこの前置きがあるわけです
 でも、長さのわりに中身はさほどなく
どうでもいい学園生活を長々と見せられる

夜の学校に忍び込むまでもなかなか長いですよね…

実際はそんなに長くないと思うけど
体感時間はかなり長いです


ただでさえ前置きに無駄が多いんですけど
さらに問題なのが
カメラ撮影をしているライアンのウザさ
これが観ていて不快でしかない

あえてこんなキャラクターとして描いているのはわかるけど
あまりそこに意味がなかったし
無駄にウザいだけだったように思います

学生時代に1人はいるような
真面目にやってる人間を馬鹿にするタイプの奴で

主人公リースのことはやたらと小馬鹿にしてる
リースがファイファーのことが好きだと発覚すれば
こんな女どこがいいんだよ
と見下したりもします

でも、こいつの彼女あんまり可愛くないし性格悪いし
何でこんな上から目線なんだよと思ってしまった
どう考えてもファイファーのほうが可愛いし

真面目に演劇に取り組んでる人の邪魔するのは普通に腹立ちますしね

ライアンの存在がとにかくウザくて
観る側の気分を害すという支障をきたしている


ホラー展開が始まってからも
ライアンの言動は基本ムカつくものばかり

かと言って
なかなかしぶとく生き残るから
こいつが死ぬ気持ち良さもないんですよ

結果的にライアンは死ぬけど
大した殺され方もしないし
その時の展開も盛り上がらず
カタルシスは全然ありませんでした

 

そして、出し惜しみの多さも
やっぱりすごく気になります

徐々に盛り上げるために順序よく見せているとは思うけど
いまいちそれが上手く機能していないですよね

焦らしすぎで興味が持続しない
音が聞こえるとかポルターガイスト的なことが起こるとかでやたらと引っ張って

最後に出てくるのがよくわからん怪人みたいなのも微妙ですよね
全貌を現してもこの程度か…くらいのビジュアルだったりもするし

こんなことなら
最初から謎の怪人に追い回されるほうが
スリルがあって面白かったかも

リアル感を出したいからか地味な心霊現象をやたらと見せるけど
正直、こういうの退屈なんですよ
もっと激しいのを見せてくれよ

 

あと、心霊とスラッシャーの中間なのが中途半端でした
どっち付かずになってます

はじめは「パラノーマル・アクティビティ」みたいな心霊現象メインなのに
終盤になるとジェイソンやレザーフェイスみたいな怪人に追いかけ回されます

この2つがあまり合致してないので
どういう世界観なのかよくわからん

怪人が消えたり出てきたりするのもすごく見づらくて
ただのノイズでしかない
逆に緊張感を削いでる気がしてしまう

やるのなら心霊系かスラッシャー系か
どっちかに絞ってほしかったです
この映画は観客をどう怖がらせたいのかブレてる


怪人に襲われるタイプのスラッシャーホラーをPOVで撮影する
というのはいいと思います

POVってリアル重視だから心霊系が多いし
「13日の金曜日」みたいなのをPOVにするというアイデアは悪くない

でも、なら心霊描写なんてなくてよかったんですよ
最初から最後まで出し惜しみせず
怪人に追いかけ回されてればよかったんです

素材はいいのに料理はいまいちでしたね

 

それと、もう1つ気になったのが
カメラです

本作はメインのカメラ映像とスマホの映像で構成されてるけど
カメラは1つでよかったよな
と思いました

そもそも、僕はPOVはカメラ1つであるべきだと思っているので
2つ以上使った時点でPOVの価値が下がってしまうと思うんです

今やPOVも飽和して手を変え品を変えで
複数カメラを使うことで面白さを出してる作品もありますが

本作の場合はそういう良さも全くなく
カメラを複数使うことがマイナスにしかなってません


最も問題だと思うのは
作り手側の都合でカメラを切り替えれるというところです

設定上では
個人が撮影した映像を繋ぎ合わせてます
ということになってます

ただ、映画を観ていると
明らかにカット割りしてるように見えて
そこから作り手の都合が見え透いてくる

POVの長所って本当にあったように思える臨場感で
そこにハラハラドキドキさせられる

でも、作り手の思惑が見えてしまった時点で
それは損なわれてしまうわけです

カメラが複数使われてると
少なくとも編集されているということは絶対に感じてしまう


で、それだけじゃなく
カメラが切り替わると見づらいですよ

ただでさえ素人感を出すために手ブレだらけの映像です

その上、それがしょっちゅう切り替わると
状況すら把握できなくなってくる

今どこで誰が映ってるの?
みたいに無駄に難解になってしまう


カメラを複数使うのなら
それなりに考えて作り込まなければ
マイナスにしか機能しないと思うんですよね

 

首吊り怪人とか学校が舞台とか
面白そうな要素はあるけど
あまり上手く扱えていませんでした

それに捻りもあまりなく
よくあるPOVなで終わってたかな…

王道のPOVをやるならカメラ1台にしてほしい
本物のような臨場感が大切です

 


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