何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ」感想 余計なことを考えたら負け 変な日本を楽しむ映画

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どうもきいつです


アクション映画「G.I.ジョー 漆黒のスネークアイズ」観ました

戦闘エキスパートチーム“G.I.ジョー”と悪の組織“コブラ”との戦いを描いた
「G.I.ジョー」シリーズの3作目
シリーズ人気キャラクターの忍者スネークアイズを主人公に
謎に包まれた彼の過去が描かれます

監督は「RED レッド」などのロベルト・シュヴェンケ
主演はヘンリー・ゴールディングです

 

あらすじ
日本の闇組織に狙われる男トミーを救ったスネークアイズは
秘密忍者組織“嵐影”への入門を許可される
彼は嵐影の3つの試練を乗り越え真の忍者を目指す
一方、世界を揺るがしかねない忍者大戦が勃発しようとしていた

 

感想
日本の描写がとち狂っている
そのわりに
大規模な日本ロケも行われているので謎のリアリティもあったりします
ある意味センスのある日本描写で
そこはなかなか面白い
ストーリーは小学生が考えたみたいな感じ

 

「G.I.ジョー」シリーズは特に好きでもなく思い入れも全くないけど
日本が舞台ということに興味を惹かれ観てきました

まず、はじめに
この映画は細かいことを気にしたら終わりです

本作の最大の魅力であり最大のツッコミどころである日本描写
ここをどう取るかでこの映画の見かたは180°変わると思う

こんな日本ありえない!
けしからん!
と思ってしまう人は
この映画は嫌いだろうし

変な日本に爆笑できてしまう人は
結構楽しんで観れると思います

僕はツッコミながらも大いに楽しめました
もはや、ちょっとこの映画の日本が好きでもある
なかなか面白い世界観です

 

本作はG.I.ジョーの3作目と言いましたけど
完全なリブート作品

前作との繋がりは全然ないし
設定も全然違います
キャストも変わってる

なので、過去2作を観ていなくても全く問題ない

さらに、本作はスネークアイズ主役のスピンオフということで
スピンオフでリブートという謎の映画

この時点で変な映画なのは確定です


で、やってる内容はというと
これはいつものG.I.ジョー

悪い奴らと戦って派手にぶっ倒すみたいな
王道のヒーローものですね
アメコミと同じです
知らない人にならマーベル映画と言っても信用します

アクションも派手で
派手なアクションが好きなら十分に楽しめる

ただ、本作は今までのG.I.ジョーに比べると肉弾戦が多いです
ハイテク武器とかハイテク乗り物は出てこなくて
刀で戦う殺陣がかなり多め
しかも、本格的

「るろうに剣心」のアクションを手掛けた方がアクション監督を務めているのもあり
なかなかちゃんと刀で戦っています


ストーリーはと言うと
これもいつものG.I.ジョーと同じく
小学生が考えたようなストーリー

今回は復讐劇というダークな内容ではあるものの
結局は単細胞なストーリーなので
さほど重さもなくすっきり観れる

しょうもない内容だけど
それが面白いというか

いや、面白くはないかな…

まあ、でも悪くはないかと思います


もはや、いつものG.I.ジョーなので
リブートとか言ってるけどリブートじゃなくても納得できる

 

そして、やはり本作の魅力と言えば
日本の描写
良くも悪くもこれが全てです

本作の日本描写を酷いと言う人もいるでしょうが
前2作のG.I.ジョーを観たことあれば
全然まともに日本を描写していると思えるはず

前2作でもスネークアイズはかなり優遇されたキャラで
回想シーンがあったり
東京に帰ったりする場面がありました
その時の日本描写がなかなかすごくて

東京の街並みはサイバーパンクだし
日本なのか中国なのかわからんし
ストームシャドーはなぜか韓国人だし
アジアごちゃまぜになってました

それに比べれば
本作はかなりちゃんと日本です


このタイプの映画にしては
ちゃんと日本でロケをしていて本物の日本の風景もたくさん使われています

個人的にロケ地になった大阪の京橋や岸和田城は馴染みのある場所だし
姫路城は2年前くらいに行ったから記憶に新しい

知ってる場所が出てくると
それだけで贔屓してしまいそうになる


ちゃんと本物の日本の城でロケしてたり
京橋という絶妙な場所のチョイスだったり
監督はそれなりに日本のことは好きなのかなと思えます

意外と映像的には不自然な日本は少なくて
日本が舞台ということは納得させられます

バックの鉄橋でガタンゴトン電車が走っている寂れた河川敷でのシリアスなシーンは
なんかで邦画っぽくもあって独特な空気を醸し出していてました

背景としての日本はリアリティがあるんですよ


その反面
世界観は完全におかしいというか
これ日本のどこだよ!
とツッコミたくなってくる

本作の舞台は東京じゃなくてトーキョーです
架空の都市と思ってください

ニンジャ、カタナ、ヤクザ、フジヤマって感じの映画です

まず、1番ツッコミたくなるのは
嵐影一族という忍者の住処が巨大な城という…
全然忍んでいないニンジャたち

スネークアイズが城に招かれたシーンでもう笑ってしまいます

城のそばには城下町もあるし
なかなか大規模なちょっとした町になってる
こんなに広ければGoogle Earthですぐに見つけれるよ


富士山の位置関係も明らかにおかしい
東京から富士山がこうは見えない
トーキョーでは富士山はあの位置なんですね

銭湯もなんかすごく変
今どきあんな木造の銭湯なかなかないよ
しかもめっちゃ広いし
その上、ゴテゴテの服を着てあんな場所でシリアスな話してたらギャグです

試練に出てくる古代のアナコンダとか意味わからん
日本にアナコンダはいない


城、富士山、忍者、ヤクザ、江戸、昭和、未来、渋谷、京橋
時間や空間をも超え全ての日本が混在するカオスの街
それがトーキョー

外国人が好きそうな日本の詰め合わせ
って感じで
これはこれでなんか面白い世界観になってました

ちゃんとした日本の風景に
とち狂った日本の世界観というギャップが
ギャグ映画としては秀逸です

そんな変な日本の中で派手に暴れまわるアクションも
なかなか味わいがあって楽しめました

 

あと、やっぱりストームシャドーはイ・ビョンホンがいい

前2作のイ・ビョンホンがカッコよすぎて
今回のストームシャドーはちょっと地味でした
あまり華がないというか…

映画の中での活躍も微妙で
かなりダサいキャラになってしまっていましたしね…

戦ってるときはそれなりにカッコよかったけど
イ・ビョンホンに比べると劣ります

てか、キャラクターはみんな地味だったかも
あまり印象に残るキャラはいなかった
スネークアイズも最後までスーツみたいなの着なかったですね

これがこの映画がぱっとしない一因かと思います

 

アクションは全体的にスピード感があってスタイリッシュな感じがしたし
音楽もなかなか良かったし
B級映画としては僕はそこそこ好きかもしれない

ツッコミながら観るのが楽しい映画でもあります

まあ、もう一度この映画を観たいかと言うと
そんなことはない
もう二度と観ないと思う

 


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