どうもきいつです
アクション映画「キングスマン ファースト・エージェント」観ました
英国紳士が過激なアクションを繰り広げるスパイアクション「キングスマン」シリーズの第3作
第1次世界大戦の時代を舞台に
スパイ組織“キングスマン”の誕生秘話が描かれます
監督は前2作と同じくマシュー・ボーンが務め
出演するのはレイフ・ファインズ、ハリス・ディキンソンなどです
あらすじ
1914年
イギリス、ロシア、ドイツの思惑が渦巻き
第1次世界大戦が勃発しようとしていた
そんな中、世界大戦を裏で操る闇の組織に対し
英国貴族のオックスフォード公と息子のコンラッドが
仲間と共に世界の危機を回避すべく動き出す
感想
つまらなくはないけど…
「キングスマン」に求めてるのはこれじゃない
シリーズの個性である悪ノリや低俗な面白さが完全に消えていました
やたらと重くて湿っぽい物語は観ていてしんどかった
「キングスマン」はかなり好きな作品で
そのシリーズの新作ということで期待して観てきました
本作はいろんな事情で公開延期を繰り返し
やっと公開されました
予告だけならずいぶん前から流れてましたけど
おそらく本来の公開日から2年以上は経ってますよね?
みんな待ちに待って
待ち望んでいたんじゃないでしょうか?
僕の場合はは
あまりにも延期続きだったので
もはや、気持ちがちょっと冷めてましたけども…
まあ、期待はしていた作品だったので
楽しみにはしていました
で、満を持して観てきましたが
うーん… って感じの
なんとも言えない映画
それなりに面白いとは思いましたけど
めっちゃ面白かったわけではないし
てか、これ「キングスマン」なのか?
思ってたのと違いすぎました
これを言っちゃあれなんですが…
予告の時点でちょっとズレはありましたよね
前日譚らしいけど
これはさすがに前すぎない…?
キャスト一新なんだ…
みたいなのは前から思ってたけど
なんか口に出しちゃいけない空気感があったりね
で、実際に観てみても
そこは全然拭えなかった
とは言え
「キングスマン」らしささえ見せてくれれば
そんなの些細なことで
十分楽しめるんだろうなと思っていました
でも、その部分さえも
期待していたものは見せてくれなかった
「キングスマン」と言えば
スタイリッシュで多彩なスパイアクション
命を軽く扱いすぎな低俗な描写
下らないブラックジョーク
テンポとノリの良さ
そんなのが「キングスマン」の特徴で
そこが個性であり魅力でした
ただ、本作は
そんな「キングスマン」らしさがほぼ無くて
もはや、別の何かになっていると思いました
べつに「キングスマン」でなくていい映画
でも、「キングスマン」の前日譚という部分にしか魅力がない映画
だったと思います
そもそも、本作は
めっちゃ重苦しく湿っぽい物語です
それはやはり
戦争という舞台背景があったり
中盤のあの展開であったり
基本的に少し物悲しいんですよね
こんな作風の作品自体はあっていいんですけど
「キングスマン」となると
やはり相性が悪いのかなと思う
このシリーズの面白さって
人の命を軽く扱って
死でさえ軽く笑い飛ばしてくれるところだったりします
そんな低俗でバカバカしい作風が魅力的なシリーズでした
ただ、本作はとにかく人の死がとても重く
誰かが死んでも笑っちゃいけない空気が常に漂っています
敵の死に方とかは少しコミカルに見せてたりはするけど
全体の重い空気があるから全然笑えないんですよね
むしろ、命を軽く扱っている描写に不快感すら感じてしまう
他にも軽いジョークやコミカルな場面とかもあるけど
やっぱり笑えないんですよ
悲しいストーリーと時代背景が
完全に「キングスマン」の良さを相殺してしまってます
それと、テンポもなんか悪かった気がする
特に序盤あたりは退屈
なかなかエンジンがかかってこず
父親と息子がひたすら
戦争に行きたい
戦争に行くな
の押し問答を繰り返してるだけ
ラスプーチンとの戦いまで
全然盛り上がりもなくダラダラと進んでいきます
ラスプーチンとの戦いが終わると
またテンポが悪くなり
ひたすら重い空気が流れてしまう
シリーズ特有の軽さやノリが全く無くて
ちょっとしんどいんですよね…
テンポも悪いからスカッとしない
2時間超えの映画でもあるし
すごく長く感じてしまいました
アクションに関しては
「キングスマン」らしいスタイリッシュでユーモアに富んだ戦いは見せてくれます
ラスプーチンとの戦いは軽快だったし
カッコいい戦闘シーンになっていたと思います
終盤のラスボスとの戦いも盛り上がっていました
ただ、やっぱり
スパイガジェットがほぼ無いのは物足りないですよね
普通の武器で普通に戦ってるだけなので…
特殊な武器はラスボスが使ってる銃の着いたサーベルくらいじゃないでしょうか
昔の話だから技術が発達してない
ということで
特殊なアイテムが登場してないんだろうと思うけど
それを言ったら
現代が舞台の前作で使ってるアイテムとか
明らかにオーバーテクノロジーで
あり得ないアイテムだらけだったわけですよ
過去の話だからって変にリアリティにこだわる必要は無かったのでは?
時代に合わせたリアリティとか今さらやられても…
って感じですよね
アナログだけどブッ飛んだスパイガジェット
みたいなのを出してくれれば
それはそれで面白かったと思う
あと、ラスボスに「マナーが人を作る」って言わせてたけど
これ主人公に言わせたほうが良くない?
これの意図がよくわからなかった
ここまで「キングスマン」らしさがない
ということを言ってきましたが
じゃあ、それ抜きで本作を観るとどうなのか?
という話をすると
べつに面白くないわけではないけど
結局は「キングスマン」ありきの映画なのは否めません
だから、やはり中途半端なんですよね
「キングスマン」という付加価値がなければさほど魅力もない
特別な面白さがあるストーリーではないし
史実と絡めている部分は中途半端だし
リアルっぽくはしてるけどあり得ないことには間違いない
それを勢いで押しきれてない映画だったりします
特にストーリーはとっ散らかっていて
前半は息子コンラッドの成長物語のように進んでいくけど
後半は父親オックスフォード公の戦いの物語りに急展開します
やたらとコンラッドが主人公っぽい立ち回りをしていただけに
コンラッドが死ぬ展開はいろんな意味で衝撃的
この展開はメリットもあると思うけど
全体的に見れば話がまとまってないんですよね
この急展開があるせいで
ストーリーの軸を見失ってしまう
正直、敵と戦ってる理由もよくわからんと言うか…
実在の人物や史実との絡め方も
あまり上手くないような気がします
この話なら全部架空でも問題なくない?
と思ってしまいました
実は歴史の裏側でこんな戦いがありました
ってのもやりつくされてると思いますし
今さら感は否めない
史実と絡めることで
リアリティを損なってはならない
という脅迫感も感じてしまいましたし
もともとブッ飛んだシリーズだし
全部が作り物でもよかったと思います
本作は「キングスマン」じゃない映画だけど
「キングスマン」じゃないと魅力がないという
すごく中途半端な映画だと思う
てか、こんな昔の話である必要があったのかな?
僕が見たかったのは
人の命が軽くてバカバカしい
スタイリッシュでブッ飛んだスパイアクションの「キングスマン」
この「キングスマン」ではない
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