何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」感想 これぞスパイダーマン祭り

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どうもきいつです


アメコミアクション映画「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」観ました

MCUスパイダーマンの第3弾
前作「スパイダーマン ファー・フロム・ホーム」の直後から始まるスパイダーマンの活躍を描いています

監督は前2作と同じくジョン・ワッツが務め
スパイダーマンことピーター・パーカーを演じるのは前作同様トム・ホランドです

 

あらすじ
ミステリオの策略で
全世界にスパイダーマンだと正体を明かされてしまったピーター・パーカー
追い詰められた彼は
かつて共に戦ったドクター・ストレンジに助けを求める
スパイダーマンの正体の記憶を世界中から消すためストレンジは呪文を行使するが失敗し
それが原因でスパイダーマンを狙う様々な敵を呼び寄せてしまうのだった

 

感想
スパイダーマンだからこそ生まれた映画
スパイダーマンが好きなら興奮できる作品だと思います
スパイダーマンファンに捧げるとても粋な映画でした

 

MCUスパイダーマンは個人的にも好きなシリーズで
新作公開ということで今回も期待して観てきました


本作はとにかく
スパイダーマンが好きな人は観に行って欲しい

余計な前情報なんかは全部シャットアウトして映画館まで観に行ってください
スパイダーマンファンなら十分楽しめる映画だと思います

 

ここからはネタバレも含むので
観るつもりの人は読まないのが得策です

 

まず、本作のマイナス部分から言うと

スパイダーマンに思い入れが無ければ
たぶん、あまり面白い映画ではない

もちろん、MCUスパイダーマンの過去2作を観ていなければ理解し難い内容なのは否めません

その上、完全に理解しようと思えば
スパイダーマン以外のMCU作品を観ていなければならない敷居の高さもあります

さらに、本作は
MCUスパイダーマン以前の
サム・ライミ版「スパイダーマン」
マーク・ウェブ版「アメイジング・スパイダーマン」
この2シリーズも深く関わってくると言う…

正直、この映画は
みんなのために作られた映画ではなくて
スパイダーマン好きのオタクのために作られた映画です

なので、本作で初めてスパイダーマンを観てしまった人からすれば
意味不明で何が面白いのかもわからないと思います

だから、スパイダーマンに興味がなければ
この映画を観る必要はないです
違う映画を観た方が有意義

本作は万人ウケの映画ではなく
一部のコアな人に向けられた映画
やはり、その点はこの映画の最大のマイナス要因だと思います

 

ただ、逆に言えば
そんなコアなファンに向けた作風は
スパイダーマンファンを楽しませることに特化している

それ故に
スパイダーマンが好きな人は
最高に楽しいし
最高にワクワクするし
最高に感動できる

そんな素晴らしい作品に仕上がっていました


スパイダーマン好きと言っても
サム・ライミ版「スパイダーマン」からリアルタイムで追い続けてる人もいれば
MCUスパイダーマンしか観ていない人もいる
本作が公開されることによって過去のスパイダーマン作品に初めて触れた人もいるでしょう

人によってテンションや思い入れは違って
本作に対する感じ方も違ってくると思います

僕はサム・ライミ版「スパイダーマン」から
リアルタイムで全てのスパイダーマンを追って観てきたし
MCU作品も全て観ています
スパイダーマン関連の「ヴェノム」も観てるし
そして、昔からスパイダーマンが大好き

万全なコンディションで観ることができたわけです

だからこそか
この映画を最高に楽しめたし
感動できたし興奮もできた

スパイダーマンを好きでよかったな
と思えました

 

細かい話をしていくと

そもそも本作は
かなりブッ飛んだことをやっていて
強引だしめちゃくちゃだし
ほぼ反則みたいな…
こんなのあり?
って映画です

その上、いろんな作品が絡んでいるので
かなり複雑な映画でもある

しかし、そんな無茶を上手くまとめ上げていて
多少無理なこともあるけど
それを勢いで誤魔化せてしまってたりもする

1つの作品として成立してないはずなんだけど
何故か成立してしまっているという
すごく変な映画


実はストーリーはかなりしょうもなくて
ドジを踏んじゃったスパイダーマンとドクター・ストレンジがそれの尻拭いをする
ってだけの話だったりします

でも、そんなしょうもないストーリーの中で
主人公ピーター・パーカーの成長が描かれ
歴代シリーズのヴィランが大暴れ
スパイダーマンとストレンジの能力全開のバトル
歴代スパイダーマンの歴史から感じれる深み重み
などなどが盛り込まれていて

しょうもないストーリーだけど
とても重厚なものに感じれます


これができてしまうのは
やはりスパイダーマンだからこそであって
他の作品やシリーズではこんな作品はなかなか生まれないと思います

これまで打ち切られては新しいシリーズが作られてきたスパイダーマン
MCUの1作品として展開している現在のスパイダーマン
そんな立ち位置があるからこそ
この絶妙なバランスの映画が成立してしまったんだと思うんですよね

 

で、やっぱりこの映画の面白さと言えば
全く別物だった過去のシリーズ
サム・ライミ版「スパイダーマン」とマーク・ウェブ版「アメイジング・スパイダーマン」から
スパイダーマンを苦しめた数々の悪役が再登場する
という部分です

本来は繋がっていない世界だけど
ドクター・ストレンジのなんでもありのブッ飛び能力のお陰で
これが実現してしまいます

グリーンゴブリン、Dr.オクトパス、エレクトロなど過去の強敵がただ登場するだけでなく
その敵たちをちゃんとオリジナルキャストが演じています

それだけで昔からスパイダーマンを観てきた人にとってはテンションが上がるわけですよ


さらに本作の最大の目玉であり最大のサプライズ
歴代のスパイダーマンまで登場してしまいます

演じるのはもちろん
サム・ライミ版のトビー・マグワイアとアメイジングのアンドリュー・ガーフィールド

この2人が登場したときは
正直、鳥肌が立ちました
まさかこの3人のスパイダーマンが揃うとは…

ラストバトルで3人揃っての決めポーズには
マジで興奮してしまいました


そして、本作は
ただ歴代のスパイダーマンやヴィランを再登場させているだけでなく

過去作の登場人物たちによってMCUスパイダーマンが成長する物語になっており
さらに
過去シリーズを上手く昇華しているんですよね

過去のスパイダーマンシリーズは面白い反面
どこかモヤモヤが残るシリーズでもありました

特に「アメイジング・スパイダーマン」は2作目で打ち切られ
かなり消化不良な不遇の作品でもある

そこを本作では
粋な演出を交えて解消してくれました

アメイジングのスパイダーマンがMJを助ける場面はまさしくそれで
あまりにも悲しすぎるラストで幕を閉じてしまった「アメイジング・スパイダーマン」に
救いの手を差しのべてくれたような演出になっています

ここは本当に泣きそうになりましたよね
たぶん泣いてる人は多いと思う


メイおばさんが死んでしまい心が折れてしまったピーターの前に2人のピーターが現れる場面

ここではMCUのピーターを過去作のピーターが救う場面ではあるけど
逆にこのシーンで
多くのものを失い孤独に戦ってきた過去作のスパイダーマンたちも同時に救われたようにも思います

作品としても打ち切られたり中途半端だったりするけど
そんな過去の作品があるからこそ
今のスパイダーマンが存在する
そんなメタ的な見かたもできるシーンでした


最終的に全ての敵を救うという本作の結末も
過去作では敵を救いたくても救えなかった悲しい結末からの解放で
そこにカタルシスを感じます

だからこそ過去シリーズを観てない人にとっては何のこっちゃわからんわけですが…


とにかく、本作はただ大集合のお祭り騒ぎ
ってだけではなく
過去のスパイダーマンへの感謝やリスペクトが込められている作品

そして、この映画が生まれたからこそ
過去のシリーズがより魅力的なものに感じることができる

 

あと、本作の結末は
今までのMCUスパイダーマンにしては
かなり暗いし悲しい結末になっています

この結末に納得いかない人もいると思う

前作までは明るくコミカルな楽しい作風だったので
ちょっと温度差が激しいんですよね

でも、僕はこのラストは結構好きです

確かに前作までの明るい雰囲気は面白かったけど
軽すぎると言うか
子供っぽすぎるんですよ

個人的にヒーローは
孤独を背負い人知れず平和を守るために戦う漢
という方がしっくり来る

本作ラストのスパイダーマンは
僕が好きなそんなヒーローに変貌する
哀愁漂う姿がめちゃくちゃカッコよかった

孤独で寂しい結末だけど
過去作のスパイダーマンたちの意思も受け継ぎ
最後のピーターの姿は力強くも感じます

この物語を経て
MCUスパイダーマンが本物のヒーローになったように思え
そこにグッと来て感動させられました

 


それと
ドクター・ストレンジやヴェノムの扱いもよかった

ストレンジの不思議空間での戦いは
やっぱり映像的にすごく面白いし
この中でのスパイダーマンのアクションは最高に楽しいシーンになっている

あらためてドクター・ストレンジの映像的な面白さを再確認させられました

頑固なストレンジと子供なスパイダーマンを対立させることで
無理なくストレンジを退場させるのも上手かったし

最強キャラのストレンジを
自然にでしゃばらないように持っていく脚本はすごく良かったですね


ヴェノムに関しては完全にギャグ要員で
それがあのヴェノムの扱いとしては完璧だと思いました

あの扱いにすることで
「ヴェノム」という作品はこんな作品だよ
と、キッパリ明言してるようで
あの作品のヴェノムは凶悪ではなく可愛い存在なんだと確信を持てた

今まで「ヴェノム」に不満爆発してたけど
「ヴェノム」のあの作風はこれはこれでありかな
と思えてしまいました

この映画はドクター・ストレンジやヴェノムの株まで上げてしまうという
全方面に良い影響しか与えていないすごい映画ですよね

 

本作はスパイダーマンの歴史があるから生まれた唯一無二の作品でした

昔からスパイダーマンを追ってきた人なら
感動して泣けるしワクワクして興奮できるし
素晴らしい映画体験ができるんじゃないかと思います

僕はこのお祭り騒ぎに乗っかれて幸せ
スパイダーマンが好きでよかった 

 


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