どうもきいつです
ホラー映画「バイオハザード ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ」観ました
実写映画化もされた人気ゲーム「バイオハザード」を新たなキャストとスタッフで映画化
巨大企業アンブレラ社の拠点がある町を舞台に
主人公たちがゾンビと化した人々と戦いを繰り広げるホラーアクション
監督は「海底47m」などのヨハネス・ロバーツ
出演するのはカヤ・スコデラーリオ、ロビーアメルなどです
あらすじ
製薬会社のアンブレラ社の本拠地だったラクーンシティは
今では衰退しつつある町だった
この町の施設で育ったクレアはアンブレラ社の秘密を知り兄のクリスのもとへ訪れる
そんな中、町の人々が異形の姿に変貌していくのだった
感想
たぶん監督はバイオハザードが好きなのかなとは思います
ただ、あまりにもいろいろ詰め込みすぎてて
正直、意味不明な映画
そして内容はすごく薄いです
原作に対する愛が必ずしも作品の良さに繋がるわけではないのか
と思わされた
「バイオハザード」実写化映画のリブート
ということで観てきました
予告を見る限り
前シリーズよりも原作ゲームを忠実に再現しているようで
かなり期待していたんですが…
もともと期待しすぎていたわけではなかったけど
想像以上に期待値を下回ってました
原作愛は感じるし
良い部分もたくさんあるだけに
なんかもったいないな
という印象
そもそも、僕は
ゲームの「バイオハザード」シリーズに関しては
正直、そんなにやってなかったりします
好きなのは好きなんですが
自分でプレイするより
弟がやっているのを横から見ていたって感じ
自分でやってるのも多少あるけど
思い入れはあまりないかもしれないです
とは言え
ゲームのストーリー、登場人物、世界観などは
それなりに理解しています
なので、本作と原作の共通点や違いなどは
なんとなくはわかりました
小ネタなんかもちょくちょく気づけましたし
で、映画の内容の話をすると
序盤はかなりいいんですよね
特に導入部分は雰囲気もすごくいいし
映画には引き込まれるほどの魅力を感じる
クレアの幼少期から物語が始まりますが
ここの場面が王道なホラー演出ってのもあり
怖さを感じるし興味も惹かれる
そして、時が進み
ラクーンシティの町全体が舞台になり
物語の本題が始まります
ここもなかなか良くて
普通にワクワクさせられるんですよね
トラックで轢いた人間が突然消えたりとか
町の人たちの様子がおかしかったりとか
徐々に人々がゾンビに変貌していく様子とか
こういうのもホラーとして上手く見せてました
ベタと言えばベタだけど
ホラー映画には
やはりこんな王道なものを求めてますし
見たいものはちゃんと見せてくれてるんですよ
前シリーズでは
ちょっとアクションメインでホラー要素が薄かった印象でしたが
今回のリブートはかなりホラーを意識した作りになっていたと思います
ここまではいいんですよ
かなり僕好みの作風でもあって
序盤で完全に心を掴まれ
この先にも期待が膨らんでいました
しかし、だんだん雲行きが怪しくなってきます
面白くなりそうな雰囲気だけで進んでいき
なかなか盛り上がらない
そして、終盤に近づくにつれ
いろいろと怒濤の展開になっていくけど
なんか意味がわからない
主人公が何をしたいのかもわからない
てか、主人公が誰かなのかすらもよくわからん
この映画の欠点は
原作の要素を詰め込みすぎているところだと思う
ゲームを知っている人なら
なんとなく着いていけるんですけど
これ、知らない人は
なんのこっちゃ
って映画だと思うんですよ
まず、登場人物なんですけど
すごくごちゃごちゃしてます
そんなに登場人物が多いというわけではないんですけど
それぞれのキャラに設定を背負わせすぎて
めっちゃとっ散らかってます
原作では主役級のクレア、クリス、レオン、ジルが
本作では4人とも登場していて
その上、全員かなり重要なキャラになっています
しかも、それだけでなく
ウェスカー、シェリー、リサ・トレヴァーなんかも登場してる
そんなに重要キャラを多く出してる上に
それぞれにスポットを当ててしまってるから
結局、全員薄くなってます
誰にも感情移入できないまま物語が進んでいき
説明不足もめちゃくちゃ多い
それぞれのキャラの目的も違うから
どこへ向かって話が進んでるのかも不明
誰目線で物語が進んでいるのかもわかりません
メイン主人公っぽいのはクレアですが
そもそも彼女の行動原理がよくわからないんですよね
真実を知ったからラクーンシティに戻ってきたらしいけど
何をどうしたいのかわからない
一体、クレアは町に何をしに来たのか?
他のキャラも目的がよくわからんまま
ダラダラとなんとなく話が進んでいきます
最終的に町から脱出することが目的になってるけど
いつの間に?
って感じです
てか、町の崩壊を知っているのが
裏切り者のウェスカーだけですからね…
終盤で唐突に町の崩壊を知らされて
みんなで一致団結って感じになるけど
全然着いていけないというか…
今までバラバラだったものを終盤で強引にまとめて終わらしてるんですよね
そして、設定も詰め込みすぎの説明不足で
かなりぐちゃぐちゃになってます
説明しなくちゃわからないことを説明せず強引に押し進めている
例えば
町の人たちゾンビ化ですら謎な状況で
リッカーが出てきて
さらにそのリッカーをリサ・トレヴァーが出てきて倒すという
唐突に出てきた謎モンスターを
唐突に出てきた謎モンスターが倒すって
なにがなんだかわからん状況
その後も全く説明なしだし
僕はバイオハザードの世界観を知ってるから
リッカーやリサ・トレヴァーが出てきても
なんとなく受け入れることができるけど
知らない人からすれば
マジで意味不明だと思うんですよね
他にも
ウェスカーが裏切るのだって
ゲームでのウェスカーの立ち位置を知ってるから
この展開は納得できるけど
知らない人からすれば
こいつ何なん?って感じだと思います
ラスボスなんかも本当に唐突で
Tウィルスの説明もないままGウィルスまで出して
説明不足が渋滞してるんですよ
結局、リサ・トレヴァーもなんだかわからんまま有耶無耶で終わって
何もかもが解決しないままで
なんか脱出して終わりの映画になってました
この映画の何がダメなのか考えると
とにかく設定だけを積み重ねてることにつきると思うんですよね
正直言って
この映画にはストーリーがない
原作の設定をいろいろぶち込んで終わりの映画です
たぶん、監督はバイオハザードが好きなんだろうと思います
この映画を観ていると
原作に対する愛は感じれるんですよね
好きだからこそ
いろんなキャラを登場させたかったんだろうし
原作の世界観を全部持ってきたかったんだろうと思う
でも、やり過ぎちゃったって感じ
本作はゲームの1作目と2作目を合わせた内容になっていて
さすがに詰め込みすぎですよ
詰め込むのなら
ゲーム1作目の館だけを舞台にして
評判がよければ続編
みたいな形でよかったと思う
欲張りすぎなのかリスペクトしすぎなのか
愛が暴走してしまったが故に
1つの映画作品としては残念な結果に終わってしまった
でも、良い部分も多いんですよ
やはり、ホラー演出は全体的に悪くない
館でのゾンビとの戦いとかはめっちゃ良かったです
ライターがついたり消えたりの場面なんてハラハラさせられましたし
ゾンビとの戦いもギリギリな感じでスリルがあります
原作愛があるので
原作オマージュなどもとても気が利いてるな
と思わされました
武器なんかもバイオハザードって感じで
最後にはロケットランチャーまで出てきましたし
こういうのはテンション上がります
ピアノをひくと隠し通路が…
とかも
ついニヤけてしまった
基本的に「バイオハザード」の雰囲気は上手く作れてるんですよね
この映画って
断片的に見るとめっちゃ良いシーンが多くて
クオリティは全然低くないと思うんですよ
ゾンビやクリーチャーの造形も頑張っていて再現度はすごく高い
これを上手く繋げてさえいれば
「バイオハザード」の映画として名作にすらなれていたんじゃないかと思う
そう思うと
本当にすごくもったいない
主軸となるストーリーが存在すれば…
取捨選択をもっとストイックにやっていれば…
なんか残念な気持ちでいっぱいです
前シリーズの「バイオハザード」は
原作とはかけ離れた作品になっていきましたが
ある意味、この愛の無さが面白さに繋がっていたのかもしれない
本作はオリジナルのゲームに対する愛や熱意はすごく感じて
そこに好感は持てました
ただ、好きなだけでは面白い作品は作れないのかな
とも思わされた
続編やる気満々だったけど
たぶん打ち切りでしょうね…
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