何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「真・事故物件 本当に怖い住民たち」感想 ホラー要素がてんこ盛り

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どうもきいつです


ホラー映画「真・事故物件 本当に怖い住民たち」観ました

とある企画で事故物件に住むことになった女性たちの恐怖を描いたホラー
曰く付きアパートを舞台に彼女たちが次々と恐怖に襲われます

監督を務めるのは佐々木勝巳
出演するのは海老野心、小野健斗などです

 

あらすじ
「事故物件に住み込み、幽霊をカメラに収めるまで帰れない」という企画に
無理やり参加させられた3人の女性たち
この業界で売れることを夢みる3人は
かつて凄惨な殺人事件が起きたというアパートへ向かう
そこで襲いかかるのは想像を絶する恐怖だった

 

感想
低予算でチープな映画ではあるものの
面白いホラー映画を作ろうという気概を感じられる
さまざまなホラー要素がてんこ盛りで
最後まで飽きずに楽しめました

 

なんとなく気になっていたので観てきました

タイトルもちょっとチープだし
あまり期待はしていなかったんですけど
観てみるとなかなか面白い映画でした


正直、賛否はわかれそうな作品です

真面目にホラーを観たいと思っていると
終盤は置いていかれるかもしれない
大してストーリーもありませんしね

それに、グロい描写もそれなりにあるので
耐性の無い人はキツいかもしれません

まあ、好きな人は好きな映画だと思います

僕は最近観た日本のホラーの中では
本作が1番楽しめました

 

本作はよくある日本のホラーでは終わってなくて
もちろん日本的なホラー描写はあるけど
海外ホラーのようなハイテンションな要素も含まれています

てか、この映画
ホラーでやれることを全部詰め込んだんじゃないかと思うほど
とにかくホラー要素がてんこ盛りな作品になっている

それが本作の面白さで
ホラーと真摯に向き合い楽しみながら作ってるんだろうな
というのも感じることができます

 

冒頭は人体解体というショッキングな場面から始まり
この時点で期待が膨らみます

こんな場面から始まるので
スプラッター系の映画なのかなと思わされるんですが

次はネットで出回っているという動画の場面
ここはPOVホラーって感じなんですよ
これもなかなか不気味で気持ち悪く
普通に怖い


そして、主人公たちがアパートで暮らすことになってからは
これぞ日本のホラー
って描写をたくさん見せてくれます

心霊映像や心霊写真みたいな見せ方もあるし
ふすまが勝手に開くみたいな
そこに何かがいそうでいない表現とか

主人公が見る悪夢のシーンも怖かったです
普通にビビらされましたし

幽霊のメイクもクオリティ高くて
ビジュアルだけでも結構怖い


幽霊だけでなく
主人公が部屋の前で出会う子供を探してる金髪の女性なんかも
めっちゃ嫌な怖さでしたよね
なんかゾクゾクしました


そして、後半になると
心霊ホラーから「悪魔のいけにえ」みたいなスラッシャー系のホラーに一転します

ここで置いてけぼりにされる人もいるだろうけど
この展開はハラハラさせられましたし
僕はかなり好きです

口から内臓引き出しシーンはすごく面白かったですね
痛々しいけど面白さや魅力を感じます

終盤の怒濤の展開もめっちゃよかったです
もはやホラーではないテンションですが
ラストにかけては疾走感があって気持ちよさすら感じました

結末は笑ってしまうと言うか
これはギャグですよね
でも、この終わりかたはすごく好き

THE ENDの文字が最高ですね
これがあるのと無いのではキレが違うと思います

この結末でクソ映画と言う人もいるだろうけど
このラストは
ただ怖がらせるだけではなく
楽しませようという気持ちの表れだと思うんですよ

気持ち悪く不穏に終わるホラーもいいけど
本作のようなカタルシスを感じる気持ちのいい終わりのホラーも全然いいと思う

最後には笑えますし
すっきり爽快な映画

 

で、本作を観て思ったのは
この映画ってストーリーを見せる作品ではないですよね

たぶん、こんな場面を撮りたい
というのが最優先で
そんな場面の繋ぎ合わせがこの映画だと思う

なので、ストーリーなんてほぼなくて
最後まで観ても
何かが解決するわけでもなく
謎が解き明かされるわけでもない

てか、そもそも本作には深いものなんて何もなくて
意味なんて不要なんです


例えば
最初の方で島田秀平が怪談話する場面があるけど
こんなの無くてもいいわけですよ

ここは、ただ島田秀平の怪談話を見せたかっただけだろうし
怪談話を聞く女の子たちのリアクションの演技を見せたかっただけ
それだけの場面です


マネージャーが本性を現してぶちギレる場面に関しても
ストーリー上では大して意味は無いけど
こんなキャラを出したかったんだろうなって感じ

この時のマネージャーの言葉は
監督の思いなのかなとちょっと思ったり…


伏線回収とかもあったけど
これもストーリーを上手く繋げるためのものではなくて
単純に伏線回収の気持ち良さだけのための伏線回収なわけです
この伏線回収に意味なんて全く無い


終盤の場面なんてやりたいことを全部ぶち込んだ
みたいな


とにかくこの映画は
怖さやインパクト重視で
ストーリーなんてそっちのけです

ストーリーを重視する人からすれば
つまらない映画なのかもしれないけど

そもそも、ホラーなんてストーリーなんてどうでもいい
怖くてインパクトがありゃいいんです


本作は場面ごとへのこだわりを強く感じたし
怖い場面はちゃんと怖く
インパクトのあるシーンは記憶に残って

それだけでこの映画は面白いホラー映画だと思います


それと、構図が意外とカッコよかったり
音楽の使い方が独特だったりとか

こんなタイプの日本のB級ホラーにしては
ちょっとオシャレな感じもして
B級ホラー特有のチープさが薄れていたようにも思う

あと、タイトルのダサさも狙ってますよね
あえて量産型のパクりホラーみたいなタイトルにしてるような気がします

 

最近の日本のホラーにはがっかりさせられることが多かったですが
だからこそこんな映画に出会えてワクワクさせられた

これでもかと押し寄せる様々なホラー要素に最高に楽しませてもらいました

最近のお金をかけた大作ホラーや
昔からあるシリーズものなんかよりも
本作の方が断然面白い

本当に怖いのは幽霊より人間
ではなく
ぶちギレた幽霊