何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

特撮「機界戦隊ゼンカイジャー」感想 最後までふざけ続けたクレイジーな戦隊

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どうもきいつです


特撮ドラマ「機界戦隊ゼンカイジャー」観ました

2021年3月から2022年2月まで
テレビ朝日系列で毎週日曜日に放送されていた特撮ドラマ
スーパー戦隊シリーズ第45作品目となる作品です
45周年の記念作で
過去のスーパー戦隊の力を使うゼンカイジャーたちが
悪の組織トジテンドと戦いを繰り広げます

 

あらすじ
スーパー戦隊が活躍する世界をはじめ無数に存在する平行世界が
悪の王朝トジテンドの仕業で消えてしまった
しかし、最後に残った世界だけがトジテンドの支配するキカイトピアと融合する
そんな世界で暮らす五色田介人はゼンカイザーに変身しトジテンドと戦うことを決意し
仲間と共にゼンカイジャーとして戦いを繰り広げるのだった

 

感想
新しいことに挑戦しているので好き嫌いは分かれそう
でも、ブレないスーパー戦隊も見せてくれます
クレイジーなギャグ路線には最後まで楽しませてもらえました

 

先日放送が終了した「機界戦隊ゼンカイジャー 」
毎年、スーパー戦隊の感想を書いているので今年も書きます

本作はスーパー戦隊45周年の記念作品でありながら
なかなか形を崩してきたな
って作品です

それ故に賛否が分かれそうな作品です
てか、否が多めですかね…

正直、ちょっと評判が悪いですね

ゼンカイジャーを批判する気持ちもわかるんですけど
僕は1年間最後まで楽しんで観れました

個人的にこういう作風が好きってのもあるんですけどね


まず、本作が今までのシリーズと大きく違うのは
リーダーが赤じゃない
5人のうち人間が1人しかいない
ここだと思います

主人公の五色田介人以外は4人とも着ぐるみです
変身後も変身前も特撮スーツ
追加戦士は人間だったりするけど
基本的に登場人物は生身の人間が少ないです

これは新しさを狙っただけでなく
コロナ感染対策も兼ねてるのかなとは思います

ゼンカイジャーのリーダーのゼンカイザー
これのデザインは
ゴレンジャーのアカレンジャーとジャッカー電撃隊のビッグワンをミックスしたような感じ

これは過去作へのリスペクトですね

リーダーが赤じゃなく人間が1人という
今まで以上に伝統を崩してきた本作ですが
内容もかなり攻めています

だからこそ評判が悪いわけです


評判が悪い理由の1つは
ストーリーがほぼ無いという部分かと思います

本作はとにかくストーリーが薄っぺらく
そして、すごくコミカルな作風です

前作のキラメイジャーもなかなかコミカルな作風でしたが
終盤はシリアスだったし
各エピソードでキャラが深掘りされたりと
ストーリー性はちゃんとあったわけです

しかし、本作の場合は
ベースとして悪の組織とゼンカイジャーの戦いというものはあるものの
基本的に毎回ふざけてるだけ
最後までふざけ続けたかなりコミカルな作風でした

多少、数人のキャラは深掘りされるけど
それも本当にたまにあるだけで
ほとんど頭のおかしいギャグ回ばかりなんですよね
味方も敵もずっとふざけてるのがゼンカイジャーです

そこを気に入らない人は多いんじゃないでしょうか

仮面ライダーみたいなのを求めてしまうと
この作風を受け付けないだろうし
スーパー戦隊でもストーリー性がしっかりした作品はたくさんあるので
真面目に観てしまうとこのバカバカしさに腹が立つ人もいるかもしれない

とは言え
見かたを変えればゼンカイジャーは面白いです

本作は同じスーパー戦隊ならカーレンジャー
他の特撮で言えばロボコンとかに近いと思う
基本、1話完結でしょうもないことをやってる
みたいな

だから戦闘もちょっとふざけ気味なんですよね
真面目に戦う回は少ないです
むしろ、ほぼ戦ってない回とかもありますし

そういう面でも評判の悪さに繋がってるんでしょうね

ただ、スーパー戦隊を土台としたコメディーとして見れば
戦いでふざけるとか
ほぼ戦わないとかが
ギャグとして面白いんですよ

敵とゼンカイジャーがひたすら遊んでる回
テニスだけやってる回
スーパー戦隊としては頭おかしいことやってますけど
めっちゃ笑いましたしね


結構シュールなギャグ回が多くて
イカれてるなと思わされることも多々ありました
無限あけおめとか学校の回とか
発想が斜め上と言うか…
こういうギャグすごく好きなんですよね

 

あと、本作は45周年のお祭り作品でもありますが
お祭り作品としてもちょっと異質

お祭り作品と言えば35周年のゴーカイジャー
これはガッツリ過去作をリスペクトし
かなり深く過去の作品と絡んだ作品に仕上がっていました

仮面ライダーもディケイドやジオウなど
お祭り作品があって
それなりに真面目に過去作をリスペクトしてる作品でした

一方、今回のゼンカイジャーでは
過去作との絡みはかなり軽めです
ゴーカイジャーは全ての戦隊に変身できたけど
ゼンカイジャーはそういうわけでもなく
過去のスーパー戦隊の力をちょっと使える
みたいな感じ

それも少し変な方向性ですかね

印象に残ってるのはジェットマンで
ジェットマンの力を召還すると
ジェットマンの最終回を再現するという
頭のおかしいことをしちゃいます

基本的に本作の過去スーパー戦隊の扱いは
オマージュと言うよりパロディで
過去作品をイジったり茶化したりしてる

なので、戦闘中の過去作の扱いはふざけた方向に広がっていくことが多かったです

知ってれば笑えるようなパロディが多く
チョイスも絶妙だったりして
こういう方向性には普通に笑わされました

ゴーカイジャーと差別化もできてますし
こういうお祭り作品も全然ありだと思う
僕はかなり好きです


それ以外にも
スーパー戦隊のパロディだけじゃなくて
いろんなとこからパロディしまくってますね
漫画、アニメ、ドラマ
ちょっと異常です
やりたい放題

細かいセリフとかまで入れれば
毎週、なにかしらブッ込んでたと思う

ゴジラからテニスの王子さままで
パロディのバリエーションの多さに全部を網羅できる視聴者はいなかったのでは


本作は
とにかくギャグ、コメディを貫いていて
そこが評判の悪さの原因であり
逆に本作の強みでもある


そんなコミカルな作風を最後まで貫けたのは
キャラクター魅力がってのことで
本作は登場人物がみんな生き生きしていて
観ていて楽しいですよね

介人以外のゼンカイジャーのメンバーは
みんな着ぐるみで声優が声を当ててるんですが
それがあるから2次元キャラのように
多少変なことを言っててもマイルドになってましたし

あと、唯一の真面目な登場人物
ステイシーはめちゃくちゃ良いキャラです
真面目といってもそこそこふざけてますが

このステイシーが
ほぼ無い物語の部分を引っ張っていて
メリハリを作る役を担っていました

エピソードも最終的にはとてもほっこりさせられ
ゼンカイジャーで1番好きなキャラクターかも

踊らなけりゃ変身できないツーカイザーも面白かったですね

 

評判が悪いのは確かで
その理由も理解できますけども
決してゼンカイジャーはつまらない作品ではないです
むしろ、僕の中ではかなり上位に食い込むくらい好きな作品になりました

新しいことに挑戦して面白く作れているのは
やはりブレないことが大きな要因ですかね

ゼンカイジャーは少し変なことはしてるけど
根本の子供を楽しませるという部分はブレていないです

スーパー戦隊のお約束は踏襲してるし
明るく楽しく正義を貫くヒーローなら
子供は楽しく観ることができると思う


最近の仮面ライダーが微妙なのは
大人ウケのため無駄に暗く複雑なストーリーにして
そのわりに子供ウケの中途半端なギャグをブッ込んで
おもちゃ販促でフォームチェンジ乱発

結局、これは誰に向けてるのかな?
って中途半端な状態です

それに比べると
ゼンカイジャーは変なことはしてるけど
芯の部分はブレずにしっかりしてるんですよ

スーパー戦隊は子供向けと下に見られることが多いけど
子供向けを貫いてるからこそ
面白い作品が生まれていくわけです

 

批判的な人も
見かたを変えればゼンカイジャーを面白く観れると思います
僕は毎週シュール全開のバカバカしいゼンカイジャーには1年間楽しませてもらいました

こんな作風のスーパー戦隊も悪くないと思います

 


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