何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「シン・ウルトラマン」感想 ウルトラマン好きでなければ敷居が高いかも

どうもきいつです


SF特撮映画「シン・ウルトラマン」観ました

1966年に放送された特撮テレビドラマ「ウルトラマン」を
現代を舞台に再構築したリブート作品
謎の巨人ウルトラマンと日本を脅かす巨大生物“禍威獣”との戦いが描かれます

企画、脚本を務めるのは「シン・ゴジラ」などの庵野秀明
監督は樋口真嗣
出演するのは斎藤工、長澤まさみ、西島秀俊などです

 

あらすじ
次々と現れる巨大生物“禍威獣”に日本は脅かされていた
通常兵器が通用しない禍威獣に対抗するため
政府は禍威獣対策専門の通称“禍特隊”を設立する
神永新二ら様々なスペシャリストからなるメンバーたちが任務にあたる日々だったが
ある日、銀色の巨人が出現し禍威獣を倒してしまうのだった

 

感想
オリジナルをリスペクトしてるであろう作風は独特な表現が多くて
それだけで面白いと思わされました
ただ、ストーリーは散漫で登場人物は描写不足
いまいちに思う部分も多かった
ウルトラマンを知らなければあまり乗れない映画かもしれません

 

僕は特撮が好きですけども
ウルトラマンシリーズに関してはあまり触れてきませんでした

最初から最後まで全部観た作品はありません
初代ウルトラマンに至ってはおそらく全く観たことがないと思います
そんな僕が「シン・ウルトラマン」を観てきました

 

本作は庵野秀明が監督ではないけど
深く携わっている作品なだけあって
らしい作品だなと思わされました

ウルトラマン大好きなオタクが本気でウルトラマンを作っちゃいました
みたいな

僕はウルトラマンを全然知らないけど
この映画を観るとウルトラマンを大好きな人が作ったんだろうな
というのはめちゃくちゃ伝わってきます

漠然とだけどオリジナルへの愛は感じれて
そこにはとても好感が持てる

オマージュや小ネタなどは満載なのかなと思います
正直、僕はその辺が全くわからないので
そこにテンションを上げられたりはしなかったですが

知識の無い僕からすれば
明らかにチープだったり変だなってシーンがあったり
なにこの表現…?
ってのが多かったですね

庵野秀明のことだから
おそらくオマージュや引用してるんだなというのは理解できます


ウルトラマンを知らない人からすれば
その辺がどう目に映るのか差が出そうですね

僕の場合はそんな独特な表現が斬新にも思えて
観ていてとても楽しかったです
特撮の面白さにみたいなものは表現できていたと思う

ウルトラマンが高速でグルグル回るのとか
めっちゃ変なシーンだったけどインパクト抜群で記憶に残りますよね

飛んでる敵と平行してウルトラマンも飛びながらビーム出すのも面白かった

すごく巨大なウルトラマンが全く重みを感じないのもとてもシュールですね
禍威獣はドシンドシン音が鳴ってるのにウルトラマンはめっちゃ静か

他にも外星人との駆け引きなんかはワクワクさせられたし
ゾーフィの出てきかたが独特だったり
なんか面白い

ウルトラマンとメフィラスがブランコや居酒屋で会話する場面とかすごく好きです


あと、禍特隊の超早口の会話シーン
何を言ってるのか聞き取りづらいし内容も難解で全然理解できないけど

ウルトラマンを現実的に本気で考察したオタクの会話を映画にぶち込んだ
って感じで面白く観れました

例えこの会話を理解したところで意味ないだろうし
この無駄な感じがちょっと笑える


個人的にも面白いと思える場面はたくさんありました

 

ただ、やはりウルトラマンを知っている人が楽しめる作品というのは否めないですかね…

面白いと思えた反面
なんか乗り切れないなという気持ちもありました

本作を絶賛している人のほとんどがリスペクトやオマージュの部分を誉めていて
実際に本作の1番の魅力はその部分だと思う

だから、ウルトラマンを知らない人からすれば疎外感があります
1番の魅力の部分は楽しめないわけです

オタクからオタクに向けたような作品なので
その外側の人が取っ付きにくいのは間違いないです

ウルトラマンどころか特撮にすら造詣が無い人なら
あえてのチープさをただショボいとしか思えないかもしれないし
ウルトラマンと禍威獣とのバトルにもテンションが上がらないかもしれない

より乗れない可能性は高いです

一見さんにはちょっと敷居が高いのかなと思いました

 

それと、ファン以外が乗れない理由として
ストーリーがちょっと掴み所ないですかね…

複数のエピソードを一つにまとめたような構成なんですが
そのせいでかなりストーリーが散漫としています

中心となる軸のストーリーが無いので
この物語がどこに向かっているのかよくわからなくなってくる


それと同時に登場人物の描写も薄いなと感じました

ウルトラマンが人類のために戦う理由はそんなに理解できなかったし

禍特隊の面々は個性的ではあるけど
バックボーンは全く描かれずちょっとハリボテ感が強かった

外星人の目的は理解できるけど
あまりにも淡々と物語が進むので作業的にエピソードを処理してるようにも感じてしまいました

何よりも
主人公の神永の人物像が不明なまま早い段階でウルトラマンになってしまうので
結局、彼の存在感が薄すぎる気がしました

最後はウルトラマンの力を神永が受け継いで幕を閉じましたが
神永がどんな人間なのか不明なので
このオチがすごく弱くなってましたよね

終盤はあまりカタルシスを感じれず置いてけぼりになった感覚でした


こういう部分に関しても
ウルトラマンが好きなら脳内で補正できるのかもしれないけど
知らなければちょっとついていけないかな
って感じです

 

断片的に面白い場面やエピソードはたくさんあったけど
全体を通して見るととてもフワッとした印象でしたかね

ウルトラマンと禍威獣のバトルは大画面で見ると迫力があって
特撮好きとしては十分に楽しめたし
禍威獣の造形も良かったし
ちゃんとヒーローをやってたので全然嫌いな映画ではないんですけど

やはり、ウルトラマンを知らない自分には
大きな壁を感じてしまったのは事実です

ウルトラマンを好きになってから観れば印象が変わるのかもしれない

 


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