何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち」感想 興味深い話だけどちょっと退屈

どうもきいつです


ドキュメンタリー映画「クリーチャー・デザイナーズ ハリウッド特殊効果の魔術師たち」観ました

様々な映画に登場するクリーチャーを生み出したクリエイターたちを追ったドキュメンタリー
「ターミネーター2」「ジュラシックパーク」「スターウォーズ」などのクリーチャーの誕生秘話が明かされます
2015年フランスの作品

監督を務めるのはジル・パンソとアレクサンドル・ポンセです

 

あらすじ
映画史に残る数々の名作に登場するクリーチャーやモンスター
彼らを生み出したクリエイターたちの姿に迫っていく
想像上の生物をスクリーンに映し出す特撮、特殊効果、特殊造形や近年のデジタル技術などが
著名なアーティストやクリエイターたちのインタビューをもとに紐解かれていく

 

感想
クリーチャーを生み出してきた人々の話はとても興味深い内容
ただ、言葉による情報量の多さと淡々としたインタビュー映像の連続には
さすがに退屈になってしまう
少しつまらないドキュメンタリーだったかも

 

以前から気になっていた映画だったので観てきました

僕はホラーやSFはとても好きで
それに登場するクリーチャーもすごく好き

そんなクリーチャーたちが生み出される過程にスポットを当てた作品
ということで楽しみにしていました


本作はクリーチャーがどう作られているかの制作過程ではなく
クリエイターたちの思い出話を中心に
特殊メイクや特殊造形などの歴史がメイン

なので技術的な裏側みたいなものはあまり見せてくれなかったですかね

あくまでクリーチャー制作の歴史の大まかな流れが語られる映画です


特殊メイクの先駆者について語られ
コマ撮りからアニマトロニクスなど
時代による技術の移り変わりなんかも知ることができます

そして、有名な作品についても数々と語られます
個人的には知ってる作品も多かったので
とても興味深く話を聞くことができました

「ターミネーター2」「ジュラシックパーク」「ロボコップ」「グレムリン」「遊星からの物体X」「パシフィック・リム」などなど
好きな映画についても触れられていたので
そこは満足

いろんな作品に携わってきた方々の当時の思い出話は
知らないことも多くて楽しんで観ることができたと思います


そして、近年のCGの発展による映像技術の大幅な進歩について
今までアナログでやってきた人たちの本音は
少し物悲しさを感じました

古き良き特撮映像が好きな僕は
近年のCGの発達によりなんでもリアルに表現できてしまうことに寂しさを感じていましたが
作っている人たちも同じくそこに寂しさを感じ
そこに危機感を感じていることを知れました

時間や予算に追われ
アナログで手間のかかる特撮はどんどんと蔑ろにされていく

特撮クリエイターたちの肩身は狭くなり
仕事へのやりがいや誇りが薄れていっていることには残念な気持ちにさせられました


自分の知らないことやクリエイターの思いなどを感じることができ
本作を観て損はなかったと思います

 

ただ、この映画
ドキュメンタリーとしてちょっとつまらなかったですかね


そもそも、本作は7年前の作品ということで
なぜ今さら日本で公開されたのだろう
という疑問はあります

7年の間には更にこの世界に変化があっただろうし
アップデートされていない情報に少し乗り切れていない自分がいるのも事実

まあ、これに関しては仕方のないことですが


で、昔の作品ということを差し引いても
このドキュメンタリーがつまらないのは否めないと思います

本作はとても情報量が多い作品です
そんな多い情報を上手くまとめれてなかった印象

情報がとっ散らかってるんですよね
だから、ちょっと話についていくのがしんどいです

特にわかりづらかったのが時系列
初めは時代に沿って技術の変化が語られていくのかなと思ってたんですけど

過去から現代に話が進んでいると思ったら
急に昔の話に戻ったりします
なので、時代の流れが掴みづらい

その上、技術の話をしていたと思えば
クリエイターの人物像や経歴に話が移ったり
それぞれのクリエイターの思い出話になったり

話が飛び飛びになって少し混乱する
今なんの話してるんだっけ?
みたいな箇所が多々ありました


そして、インタビューされている人が目まぐるしく入れ替わりすぎなのも
とても観づらかったですかね

一応、テーマごとにそれぞれの人の話を聞いてはいるんですけども
それにしても次から次へと人物が変わりすぎて
頭の整理が追い付かないんですよ

もう少し1人の話をじっくり聞くスタイルにできなかったんでしょうか

これに関してもやっぱり
今なんの話をしてるんだっけ?
って状況に陥ってしまう

 

さらに、なによりも本作が退屈に思えてしまった要因は
ひたすら言葉で情報を伝えてくるというところ

クリーチャーが登場する作品の映像やメイキングなどはほとんど見せてくれず
インタビューが中心です

要所的には作品の映像やメイキングも見せてくれますが
圧倒的に少ないです

これに関しては著作権の問題なんかもあるんだろうけど
やはり様々な映画の名シーンや
それがどのように作られていたのかを見たかったですよね

淡々とインタビューだけを見せられていると眠くもなってきますし…

インタビューの言葉だけだと
頭の中の整理も追い付かなくなって
観ていると段々と疲れてきます


あとは、ナレーションがないのも痛いですかね…
ナレーションを入れてくれれば
多少、情報量が多くてもすっと頭に入ってくると思うんですよ

ただでさえ本作は
時系列がわかりづらかったり
話がとっ散らかってたりするので
そこをナレーションで上手くまとめて観客を導いてほしかったです

ナレーションがあるのとないのでは全然違うと思います

 

目の付け所や内容自体はとても興味深いドキュメンタリーでしたけど
観客には不親切だったように思います

多少このような話に詳しい人ならば
ややこしい内容にもついていけるでしょうが
あまり詳しくなければ
なんのこっちゃわからず置いてけぼりかもしれません

もう少しみんなが理解できる作りにするべきでしたよね

 


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