何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「バズ・ライトイヤー」感想 ガッツリとSFアクション

どうもきいつです


アニメ映画「バズ・ライトイヤー」観ました

「トイ・ストーリー」シリーズに登場するおもちゃバズ・ライトイヤーのルーツを描いたアニメ映画
「トイ・ストーリー」などのピクサー・アニメーション・スタジオが手掛けています

監督は長編映画デビュー作となるアンガス・マクレーン
主人公バズの声を担当するのは「キャプテン・アメリカ」などのクリス・エヴァンス
日本語吹き替え版では俳優の鈴木亮平が務めています

 

あらすじ
スペース・レンジャーのバズ・ライトイヤーは1200人の乗組員たちとともに危険な惑星へと不時着してしまう
仲間たちを全員帰還させるため
バズは超高速のハイパースペース燃料のテストに挑む
しかし、テストを繰り返すことでバズ以外は64年もの年月を経ていたのだった

 

感想
少しピクサーらしくない作風
SF設定が練られているぶん子供は置いてけぼりかも
そして、「トイ・ストーリー」だけが好きな人は
この作風はハマらないかもしれません
正直、地味な映画
ただ個人的には結構好き

 

ピクサーの新作ということで
期待して観てきました

本作はちょっと特殊な作りで
「トイ・ストーリー」のバズが主役の作品ですが
「トイ・ストーリー」のスピンオフというわけではなく

「トイ・ストーリー」の世界でおもちゃのバズの元となった映画
という体の作品

なんか複雑ですけど

「トイ・ストーリー」の劇中に存在する作品を実際に映画にしました
って感じの作品なんですよね

なので、「トイ・ストーリー」を求めてこの映画を観ても
そこに「トイ・ストーリー」はありません

本作は「バズ・ライトイヤー」であって「トイ・ストーリー」とは別物だと思ってください

 

そういうこともあるので
若干、賛否が割れそうな映画ではあります

特に今までのピクサー映画とは毛色が違うので
そこで好き嫌いが別れると思う

本作は少し大人向け…
と言うか、オタク向けな映画になってます

めちゃくちゃSFなんですよ
ちょっと子供は置いてけぼりだと思うし
ディズニー好き女子なんかも置いてけぼりかもしれませんね

まあ、子供でも男の子ならこういうのは好きかも

「トイ・ストーリー」だからと本作を観てしまうと温度差がすごいです


世界観はいかにもSFな世界観で設定もかなり凝ってます

雑なSF映画とかだと設定に矛盾があったりツッコミどころが多いけど
本作は時間を扱ったSFですが目立った矛盾もなく
複雑ではあるけどわかりやすさもあります

SFの設定はかなりしっかり作り込まれていて完成度が高いと思います

 

その反面、ストーリーはかなりシンプルで
そんなに捻りはないですかね

主人公バズの目的は終盤まで惑星から脱出することで
それを阻む敵と仲間たちと絆を深めつつ戦っていく
というようなストーリー

その上、すごく盛り上がるような展開もなく
結末ものカタルシスも薄いような気がするし

なので、本作には地味な印象を受けると思います
色彩もちょっと無彩色な感じかな

同じピクサー作品の「トイ・ストーリー」や「モンスターズ・インク」みたいな華やかさがちょっと弱いかなと思う


でも、それはつまらないわけではなく
渋いって感じなんですよ

だからこそ子供はちょっと置いてけぼり

本作で描かれているメッセージや
バズの葛藤や立ち向かうべきものは
大人だからこそ噛み締めれると言うか

辛酸を嘗めてきた大人が共感できるような作品で
僕はそこにとても惹かれました


本作のテーマは後悔だと思います
過去に過ちを犯して後悔に縛られた大人たちへのエールのような映画になってる

僕は本作を観て勇気づけられたし救われたような気もしました


バズは自分のミスのせいで多くの人を危険な惑星に止めてしまうことになり
脱出のためにミッションを繰り返すけど成功に至らず
ついには相棒を失ってしまう
そこに後悔の念を抱いて縛られています

ただ、その失敗から生まれたかけがえのない存在もまたあって
過去の過ちを肯定してくれる物語になっている

あの時ああしてればと思うけど
あの時こうしていたから今がある
という、シンプルで当たり前なメッセージではあるけれど
このメッセージがとても心に刺さりました

さらに、このテーマがSFの設定ともすごくマッチしてますよね

バズ以外の時間だけが経過していったり
終盤に過去を変えるチャンスが訪れたり
未来の自分との対峙なんかもテーマが深まる要素になっていたと思います

地味だけど綿密に作り込まれてるな
と感じさせられる映画でした


SFの設定が凝っているぶん
ストーリーがシンプルになっているので
無駄に複雑になりすぎない絶妙なバランスにもなっていたと思いました

 

あとは、毎度の事だけど映像のクオリティは抜群です
本作はいつも以上に気合いが入っていたようにも思えました

アニメのクオリティを誉めるのは今さらですね


今回のアクションシーンに関しては
これも少しいつもと違う感じがしました

いつものピクサーなら可愛らしくて楽しいアクションで
子供が好きそうな感じなんですが
本作はアクションもオタク向けって感じですね
SFっぽいアクションが多く
本格的なバトルみたいな場面も多かった
殺伐としてたりもするし

こういうのをピクサーに求めてない人もいるかもしれませんが
僕はツボにハマって最高でした

 

それと、今回は日本語吹き替え版で観たんですが
キャストがハマってましたね
まあ、ピクサー作品は毎回吹き替え版のキャスティング良いですけど

中でも猫ロボットのソックス
これがすごく良かった

お笑い芸人のかまいたち山内が演じていましたけど
彼の人間味の無さがめちゃくちゃハマってましたよね

ロボットらしさを感じれる
でも、どこか可愛らしさもあって
とても魅力的なキャラになってました

バズ役の鈴木亮平もめっちゃ良かったです
もし、本作のバズも所ジョージが声をやってたら
逆に違和感すごくあったと思う

 

ピクサーらしいクオリティの高さは保ちつつ
今までと違う作風に新鮮味を感じれました

いつもの可愛らしい作風が好きな人からすれば本作はどう目に映るのかな
と、少し興味が湧く

SF好きな大人なら本作は刺さるんじゃないでしょうか

 


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