どうもきいつです
ホラー映画「ブラック・フォン」観ました
ジョー・ヒルの短編小説「黒電話」を映画化した作品
誘拐犯により密室に監禁された少年が
黒電話から聞こえる謎の声に導かれ脱出を試みるサイコスリラー
「ゲット・アウト」などのジェイソン・ブラムが制作を手掛け
監督を務めるのは「エミリー・ローズ」などのスコット・デリクソン
連続誘拐犯を演じるのはイーサン・ホークです
あらすじ
子供の失踪事件が相次ぐコロラド州のとある町
気弱な少年フィニーは学校から帰る途中に
マジシャンだと言う男に声を掛けられそのまま誘拐されしまう
気が付くとフィニー地下室に閉じ込められいた
頑丈な壁と鉄格子の窓により脱出不可能なその部屋には断線した黒電話があったが
その電話が突如鳴り響く
電話越しに聞こえてきた声は死者からのメッセージだった
感想
いろいろ詰め込んだ大雑把な映画だったけど
全体的に上手くまとまっていて楽しめた
脱出劇やホラー映画としてもとても面白い作品でした
結末のカタルシスが気持ちいい
ポスターのインパクトに惹かれ観てきました
なんとなく
誘拐された少年を描いたシリアスなサスペンススリラーだと想像してましたが
良い意味で予想を裏切られたような作品でしたね
本作は良くも悪くもB級な映画で大雑把な印象も受けますが
アイデアやら力業やらで最終的には面白く思わされる
個人的にはこんな映画は大好物
楽しく観れるエンターテイメントだと思いました
僕の場合は前情報なしで予告も見ずに観に行ってきたんですが
それもあって序盤は掴み所がなく
この先面白くなるのかな?
と、少し不安も感じました
作品の方向性がなかなか見えてこない上に
結構、淡々と物語が進んでいったりもします
序盤は若干退屈にも思えてしまいました
一体、今何を見せられてるのかな…?みたいな
まあ、良く言えば予測のつかない映画ではあるんですけどね
ただ、主人公のフィニーが誘拐されてからは
一気に物語が加速していきます
そして、この映画の方向性も見えてきます
だから、ここからはシンプルに楽しめる映画になっている
余計なことを考えず
気づいたらラストになっています
誘拐されてからは
監禁された地下室からフィニーが脱出を試みる脱出劇です
それがこの映画のメインなわけです
で、ただ脱出するだけではなく
タイトルにもなっている黒電話が面白く機能していて
それが本作の個性でもある
この黒電話からかつて誘拐犯に殺された少年たちから電話が掛かってきて
その電話の助言をヒントにフィニーが脱出を試みます
このアイデアがやっぱり面白いですよね
脱出劇のサスペンススリラーみたいなのはよくあるけど
それにオカルト要素をぶち込んでくる作品はあまり観たことないので
なんか新鮮さも感じれましたし
さらに、少年が主人公というのもこの作品の面白さ
脱出劇のハラハラドキドキだけでなく
少年の成長物語にもなっていて
ジュブナイルものの面白さもあるんですよね
終盤にかけて
少年の成長、友情、兄妹愛など
このタイプの映画では味わえないような熱さや感動を味わうことができました
ホラー要素はちょっと薄めだけど
要所的にホラーな場面もあって怖さも感じれる
ホラー要素が良いエッセンスになっていたと思います
そんな面白さを基盤に
最終的には結末のカタルシスがすごく気持ちいい映画なんですよ
そもそも、力では大人に到底及ばない子供が
ヤバい誘拐犯のもとから逃げ出す
ってだけでもカタルシスがあるわけですが
本作はそれに上乗せするようにいろいろ用意されていて
より結末が気持ちよく仕上げられています
脱出するに至るまで
電話の声に従いフィニーはいろいろと試みます
地面に穴を掘るだとか窓の格子を外すだとか
でもそれらは上手くいかず失敗に終わる
ただ、無駄だと思っていたその失敗が
最終的に集束して脱出するための手助けになるんですよね
これがめっちゃ気持ちいい
フィニーの成長も終盤の盛り上がりには欠かせない
はじめは弱々しかった少年が
最後には誘拐犯に立ち向かうほど心が強くなります
ここもカタルシスを盛り上げる要素です
強くなるきっかけの
殺された友達からの電話の場面
ここが最高でしたね
誘拐犯を殴る練習をするシーンがすごく熱い
ここだけなんかジャンルが違ってました
さらに本作は
脱出劇でありながら復讐劇でもある
ここも重要ポイント
普通なら逃げ出して終わりじゃないですか
しかし、この映画はそれでは終わらないんですよ
最後にはフィニーが誘拐犯を倒します
ここもやっぱりカタルシスですよね
しかも、ただ倒すだけじゃなくてしっかり殺す
誘拐犯に殺された少年たちの意思を受け継いだフィニーが
大人と子供の力の差をいいことに好き勝手やってた誘拐犯をぶっ殺します
ちゃんと全員ぶんの捨て台詞を浴びせて殺す
これが最高に気持ちいいラストでした
少年が人を殺すラストって倫理的にどうなんだ?
と思いつつも
こんな酷いおっさん殺されても文句ないし
気持ちいいから最高です
いろんな要因で終盤がすごく盛り上がる映画でした
序盤が退屈だったのを忘れるくらい
終わり良ければ全て良しですね
あとは
主人公の妹がとても良い存在感を放っていましたね
正直、この妹はあんまり役に立ってないし
予知能力も説明不足で唐突な気もする
この妹必要ないんじゃないのか?
とかも思いましたが
彼女がいることで感動が生まれてましたし
ドラマに深みが出てたようにも思えます
何よりも妹が可愛らしく
そして健気で
すごく良いキャラになってましたよね
この映画の中で一番存在感が溢れていたかも
妹の存在が本作の味にもなっていました
雑な部分や説明不足な点なども多く
ちょっと大雑把な映画で
誘拐犯の目的がよくわからないだとか
フィニーたちと父親との関係性の描写が中途半端だったりだとか
ツッコミどころが多々あるのは否めない
とは言え
全体的に勢いがあって
雑な部分はそんなに気にならなかったかも
むしろ、雑な部分でさえ本作の魅力のようにも思えます
意外と気楽に観れるエンタメ映画でした
B級映画が好きな人にはハマると思います
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