何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ソー ラブ&サンダー」感想 ソー単体映画は相変わらず微妙

どうもきいつです


アメコミアクション映画「ソー ラブ&サンダー」観ました

雷神ソーの活躍を描いた「マイティ・ソー」シリーズの第4作目
「アベンジャーズ エンドゲーム」後の世界で
ソーの前に新たな敵ゴアが立ちはだかります

監督は前作「マイティ・ソー バトルロイヤル」も手掛けたタイカ・ワイティティ
ソーを演じるのはこれまでと同じくクリス・ヘムズワースです

 

あらすじ
サノスとの壮絶な戦いの後
ソーはガーディアンズ・オブ・ギャラクシーたちと宇宙に旅立った
これまでの戦いで多くを失ったソーは自分を見つめ直す日々を送っていた
そんな中、神々を滅ぼそうと企てる神殺しのゴアがソーに狙いを定める
ゴアとの戦いに苦戦を強いられるソーだったが
彼の前に元恋人ジェーンがムジョルニアを手にして現れるのだった

 

感想
極端につまらなかったわけではないけど
あさっりしすぎの内容にすぐ記憶から消えてしまいそうな映画
淡々と進む物語に淡々と繰り返されるギャグの応酬
気付けばいまいち盛り上がることもなく終わっていた

 

MCUの最新作という事で観てきました

予告を見る限り
結構、面白そうでしたし期待してたんですけどね

なんかすごく薄い映画だったなという印象
すぐに記憶から消えてしまうやつです

まあ、「マイティ・ソー」シリーズは
これまでもずっと微妙続きだったので
ある意味安定してるのか…?

 

まず、ストーリーがすごく薄いです

簡単に言えば
悪者に誘拐された子供たちをソーが助け出す
ただそれだけの映画

一応、ソーとジェーンのラブストーリーや敵のゴアのバックボーンなども描かれますが
それもさほど深い内容ではありません

シンプルでわかりやすい物語と言えばそうなんですが
あまりに捻りが無さすぎるし
MCUシリーズで今さらやるようなストーリーなのか?
とも思ってしまいました

愛をテーマにした物語は悪くなくて
良い路線だとは思います
結末も良いと思う

ただ、やっぱり軽すぎますかね
出来事は人が死んだりするし重めではあるんですが
全体を通してみるとその命も軽く感じてしまいます

終盤にドラマチックな展開を詰め込んでますけど
そこに至るまでがあまりにも薄いので
終盤にいろいろ起きるわりにカタルシスは感じれませんでした

 

で、本作が薄くなっている理由は
ストーリーがシンプルってだけではなく
やはりギャグ中心の作風が大きな原因だと思います

本作は「マイティ・ソー」シリーズだけではなく
他のMCU作品と比べても
かなりギャグ要素の強い作品になっています

これは他作品と差別化を図ってのことだとは思うんです
その狙い自体は悪くないですよね

とは言え、ギャグとシリアスのメリハリが無く
ちょっとバランスが悪い

基本的にはギャグ連発が続き
唐突にシリアスな場面がやって来るので
あまり気持ちがついていかない
シリアスな場面がシリアスに見えないんですよ

空気の作り方が上手くいってないんでしょうかね

真面目な場面って
やっぱりそこに至るまでの空気作りが大事で
感動させるにしても熱い気持ちにさせるにしても
そこに至るまでのプロセスは重要です

しかし、本作の場合は
観客の気持ちを盛り上げるための積み重ねがあまりできていなくて
急に記号的に良さげな場面を見せられても
こっちとしては全然気持ちが昂りません

その上、本作のギャグは小学生レベルなものがめっちゃ多くて
それも本作が軽くなってしまう要因ですかね

ギャグ単体で言えば笑えて好きなものもあったんですけど…
うるさすぎるヤギとかは笑えましたし結構好きです

 

それ以外にも雑な部分が多かったりして
本作の薄さに繋がっています

例えばジェーンが強くなった理由なんかはかなり雑
なんかよくわからないけどムジョルニアを手にすることで強くなってます
そして、なんかわからないけどムジョルニアの副作用で死にそうになっています

ジェーンが一時的にガンを克服しますが
その理由も取って付けたようなものですごくテキトー


他にもソーとジェーンの恋愛描写もかなり雑でしたね

過去の話なんてナレーションであっさり流してほぼギャグ扱いでしたし
この2人の恋愛は本作でも中心に位置するだけに
この扱いはさすがに酷すぎるんじゃないかと思いました


あとはキャラ描写ですかね
全体的にみんなギャグ要因になっていて軽い扱いがされています

主人公のソーも今まで以上にギャグ扱い
面白くて悪くないけど
やっぱりキャラが軽くなってますよね

ジェーンはナタリー・ポートマンが魅力的だからそれなりに魅力を感じれましたが
それ抜きだと薄っぺらいキャラのように思います

ゼウス役のラッセル・クロウはあまりにギャグ扱い過ぎてさすがに可哀想かな…


そんな中で今回のヴィランでもあるゴアなんですけども
こいつだけ逆に真面目すぎて浮いてるんですよ…
これが本作ではマイナスになってます

ゴアを演じるクリスチャン・ベールが怖すぎ
背負ってるものも1人だけやたら重いし
1人だけなんか違う

こういう点でもバランスが悪いなと思わされました

本作のコミカルな作風ならヴィランもある程度コミカルで個性的な方が絶対に良いと思います


それと、単にゴアのキャラが微妙だったりも…

クリスチャン・ベールの存在感や演技力でゴアがなんとなく魅力的に見えるけど
ゴア自体はあまり魅力が無いと言うか

呪いの剣に操られてるだけのキャラですからね
彼自身に敵としての思想がないんです
自分を裏切った神も最初に殺して目的を達成してしまってるし
あとは惰性で神を殺しまくってるだけの人です

呪いの剣が意思を持って目的のため神を殺してるとかなら
それがキャラクター性にもなりえたけど
この剣自体も特に意思は無く
神を殺すロボットみたいなもんだし

キャラクターに関しても全体的に掘り下げが甘くて
本作が薄くなってしまう要因になっていました

 

あと、本作を観て強く思ったのは
やはりロキがいて欲しい

ロキがいない本作を観ると
「マイティ・ソー」シリーズにおけるロキの存在がいかに大きかったのかを再確認させられました

ロキがいてこその「マイティ・ソー」でしたね
彼がいないとシリーズがパワーダウンしてしまう結果になっていました

 

コメディにするのなら
思い切ってシリアスさを完全に捨ててしまえば
ライトな笑えるギャグ映画になっていたかも

ちょっと期待していただけに落差があった本作
よく考えれば「マイティ・ソー」シリーズなので期待は禁物だったのかもしれません

さらなる続編も作られるっぽいけど
期待はしない方がいいですね

 


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