何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「大脱出」感想 脳筋アクションかと思ったら意外と知的

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どうもきいつです


アクション映画「大脱出」観ました

最新のセキュリティで固められた脱出不可能な巨大監獄から
脱出を試みる男たちの姿を描いた
2013年のサスペンスアクション映画

監督は「シャンハイ」などのミカエル・ハフストローム
シルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガーの
2大アクション俳優がW主演を務めています

 

あらすじ
自ら刑務所へ収監され
その刑務所の盲点を突いて脱獄する
セキュリティコンサルタントのレイ・ブレスリンは
CIAから来た女性ジェシカより新たな依頼を受け
脱出不可能とされる非合法の監獄へ投獄される
ブレスリンは監獄で出会ったロットマイヤーとともに
難攻不落の監獄から脱獄を試みる

 

感想
この2人が主演ということで
力任せなド派手アクションと思いきや
意外と知的な脱出映画だった
とは言えアクションもしっかり見せてくれるし
とても楽しめる映画でした

 

スタローンとシュワルツェネッガーが共演してるということで
とても気になっていたけど後回しにしてました

最近、この2人が出ている映画をよく観ていたので
このタイミングだなと思い観てみました


2大アクションスターが共演ってだけでも
なかなかテンションの上がる映画ではあるんですが

ただこの2人が共演してるだけでなく
内容も結構面白かった

出オチになってなくて
ストーリーも一応ちゃんと作られている

基本はかなり単純なストーリーではあります
脱獄するだけ物語ですから
特に難しい要素なんて全く無く
如何にして脱獄を成功させるかの映画

その中でアクションや敵との駆け引きなどが描かれていきます

シンプルなストーリーの上にテンポも良くて
かなり観やすい映画でした

ちょっとしたどんでん返し的な展開があったり
伏線などもほどよく散りばめられていたりして
最後まで楽しめる内容

名作級のすごい映画とまではいかないものの
普通に楽しめるエンターテイメントです

 

この映画で特に面白かったのは
筋肉質な明らかに体育会系なおじさんたちが
見た目とは裏腹に知的に立ち回るというギャップ

スタローンもシュワちゃんも
体を張ってボコボコに敵を倒すような映画によく出ているし
頭なんて使わず体だけで敵をぶっ飛ばす
みたいなイメージが強いから
本作のような頭を使った知的なアクション映画は
新鮮で面白いですね

 

物語の導入の掴みも良かった

スタローン演じるブレスリンが刑務所から脱獄する場面から始まるんですが

この冒頭のシーンからとてもハラハラするし
設定の面白さに引き込まれていく

この場面だけでもブレスリンが
頭の良いただ者ではない人間と言うのが伝わってくる

ここから先どうなるのかを期待させて
観る側を引き込みつつ
キャラクターや設定の説明にもなっていて
なかなか無駄のないすごくいいスタートで物語が始まるんです

 

その後に難攻不落の監獄にブレスリンが投獄されてからも
テンポがよくサクサクと進む

ロットマイヤーとの出会いから絆が生まれて行くまでも
結構スムーズにいきます

とは言っても
その過程もしっかりと描かれていたりもする

はじめは信用していないブレスリンが
1人では脱出不可能だと悟りとりあえず協力することになりますが

その後、困難を共に乗り越えて行くことによって
徐々に絆が深まっていきます

単純な描き方だけど
だからこそわかりやすくて感情移入もできる


そして、はじめ観ていると
ロットマイヤーが友好的だったり協力的だったりするのが
すごく違和感に思うんですけど

最後まで観ればなるほどと思わされ
そこに納得できる展開が用意されていたりもする

最後に2人が握手するシーンは
なんかちょっと感動した


2大スター共演でW主演ということなんですが

基本はブレスリン中心の物語になっていたので
話がとっ散らからずに綺麗にまとまっています

かと言って
シュワちゃんのほうにも見せ場はしっかりとあって
シュワちゃんファンでも満足できる内容

バランスもちょうどいいんですよね

 

そして、脱獄するまでの過程も面白く観れます
これもなかなかテンポ良くて

これの見せ方もシンプルなんですけども
ちゃんとハラハラしてスリルを感じる作りになっています

上手くいったと思ったら新たな障害が現れて
みたいな王道な展開の繰り返しで
それがわかりやすいし単純に楽しめる

それに、計画を練って脱獄に挑み
一応、理屈もそれなりに見せてくれるから
ぶっ飛んだとんでも脱走劇にはなっていなくて
それなりにリアリティも感じました

まあ、強引なことには違いないですが
これくらいなら許容範囲です

 

あと、終盤はアクションメインになっていきます

肉弾戦、銃撃戦と盛りだくさん

これを見たかったんだよ
ってものもちゃんと見せてくれる

2人とも年老いてはいますが
結構、体を張って頑張ってくれている

てか、この作品から数年たった今でも
ランボーやターミネーターをやってるわけで
この2人はほんとにすごいおじいちゃんですよ

本作でも
ガンガン人を殺してガンガン追い込まれて

この2人は年老いても
やっぱりアクションスターなんだな
と思わされる

渋くてカッコいい2人でした

 

全体的に満足な作品でしたけど
若干不満もあったりします


まずは
敵にあまり魅力が無かった

ブレスリンとロットマイヤーは最高のキャラなんですけど
その前に立ちふさがる敵がちょっと小物過ぎかな…

ただの刑務所の所長で終わっていて
魅力があまり無い

もう少し彼に悪人的な思想とか
許しがたい所業を行っているとか
悪者としてのインパクトが欲しかったですね

スタローンとシュワちゃんの存在感が大きすぎて
敵をどうするかというのは難しいとは思いますが
やっぱり敵としての存在感は必要だったと思います


それと
ブレスリンの過去や
義賊のマンハイムと言う人物については
もっと掘り下げてほしかったです

これってかなり重要な部分だと思う
特にマンハイムについては

でも説明不足だしサラッと流されるし
これについて理解できていないまま次々に物語が進んでいき
ちょっと引っかかりがある

そして、最後にはマンハイムの正体は…
って展開になるけど
マンハイム自体に具体性が無いから
正体がわかっても驚きが弱いんですよね

このへんはもっと理解できるように見せたほうが
いいと思いました

 

あともう1つ

監獄内の緊張感が薄かったです

脱出不可能の非合法な監獄って設定の割に
なんかゆるい雰囲気が漂っていた

もっと壮絶な地獄絵図みたいな監獄のほうが
緊張感が生まれて
脱出によるカタルシスは格段に上がったと思う

この映画を観る限りでは
みんな快適に過ごしているようにも見えてしまった

 

とは言え、全体的には面白い内容でしたし
不満だと思った部分もそこまでは気になりませんでした

シンプルでライトな作風のアクション映画で
ラストも爽快
気晴らしに観るのならうってつけの映画です

スタローンとシュワちゃんの共演というのも
めっちゃテンションが上がりますし
個人的にも好きな作品でした

 


大脱出 [Blu-ray]

 

 

映画「レディ・プレイヤー1」感想 みんな大絶賛なので あえて文句を言う

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どうもきいつです


SFアクション映画「レディ・プレイヤー1」観ました

アーネスト・クラインによる小説「ゲームウォーズ」を映画化したSFアクション
2045年の近未来を舞台にVRゲームの世界の中で
ゲーム内に隠された3つの鍵を手に入れるための争奪戦を描いています
作中のゲームの世界にはアメリカの映画や
日本のアニメ、ゲームに由来するキャラクターやアイテムが多数登場します

監督は「E.T」「ジュラシック・パーク」などの
スティーブン・スピルバーグが務めています

 


あらすじ
2045年、貧富の差が激化し多くの人が荒廃した街に暮らす中
人々はオアシスというVR世界に入り浸っていた
ある日、オアシスの創設者の遺言が発表される
その内容は、オアシスの3つの謎を解明した者には
莫大な遺産とオアシスの運営権を明け渡すというものだった
17歳の青年ウェイドもその謎を解き明かすため
日々、オアシスの世界で奮闘していた

 

感想
みんな大絶賛するのもわかる
僕もとても楽しめた
でも、最高と思う部分もあればなんか嫌いな部分もある
僕は大絶賛できない映画
みんなの評価は高いけど
ここはあえてこの映画の文句を言いたい

 

前に観たことはありましたが
テレビで放送していたので久しぶりに観てみました

まず

大前提として
エンターテイメントととしてとても楽しめる映画だと思います
難しい内容でもないのでライトな気持ちで楽しめる
いろんな作品のオマージュやパロディがあるのも面白い
僕も普通に楽しめたし面白い映画だと思っています

そんな感じで
面白い映画だというのは否定しません


ただ、世間の大絶賛の声に対しては
そんな言うほどか?
と疑問に思う部分もある

てか、みんな大絶賛で褒め称えているし
良いとこなんてみんな言ってますよね
どうせ「俺はガンダムで行く!!」でしょ?

なので、ここはあえて文句ばかり言おうと思う

 

まず、ストーリーは大したことないですよね
むしろ、ちょっと稚拙
子供だましなストーリー

派手な演出やお祭り騒ぎな雰囲気で誤魔化されているけど
実は結構ひどいストーリーだとも思っています

世界観や設定をあまり生かせていない
謎解きがクソみたいにつまらん
主人公がいまいち成長してない
登場人物が基本的にバカ
メッセージ性がさほどなく深みもない

ストーリーの気に食わないところはたくさんあります


細かく言っていくと

世界観や設定はとても魅力的です
VRのゲームの世界で理想の自分として活躍することができる

でも、それだけで終わってる
ゲームの中で主人公が活躍して終わりの映画なんですよね

貧富の差が激しいディストピアな現実世界や
オンラインゲームだからこそ互いの本当の姿がわからないとか
主人公の家庭の事情とか

その辺が全然生きてないストーリーです
こんな設定必要ある?と思ってしまう

特にオンラインだから相手の顔がわからない
という部分は
活用すればいろんな方向に話が広がると思う

恋愛や友情でも面白く展開できるだろうし
敵の正体を隠すこともできる
ゲームと現実の世界のギャップでサスペンス的な展開にも広げれそう
それを通してドラマをいろいろと生み出せるはず

でも、実際はあまりそこは広げられない
ただゲームの世界でいろいろやってるだけで終わってしまいます

主人公のウェイドとサマンサの恋だって薄すぎるんですよ

ウェイドがゲーム内でサマンサことアルテミスと出会いますが
あってすぐに一目惚れなのはアホすぎるし
現実で出会ったサマンサも普通に可愛いという

なにそれ?って感じですよね

この設定で恋愛を描くなら
見た目のコンプレックスを絡めるべきですよ

ウェイドには大してコンプレックスが無いように思うし
サマンサは顔にアザがあるくらいで普通に可愛いし

これだけ見てると
ゲーム内で出会った可愛いかもと思ってた女の子が
現実でも可愛かったから好き
みたいな薄っぺらすぎる恋愛にしか見えない

ここは
ウェイド自身にも見た目にコンプレックスがあって
だからこそサマンサを受け入れる
みたいなのは必要だと思いますけど


ウェイドと仲間たちが実際に会う時も同じで
全く驚きが無いというか…
みんな年齢が近いしあまりギャップが無いし

エイチが実は女性だったのは
唯一ギャップありましたけど
そんなこともあるだろと思えますし

実はこんな人が仲間だったの!?
みたいなのがあった方が盛り上がっただろうと思う

 

そして
ウェイドの成長も薄いですよね

というかウェイドがなんかバカすぎる
ゲームの中で恋をして自分の本名ばらすのとか
さすがにアホすぎる

まあ、そこまではいいんですよ
それで物語が展開するんだから
その後ですよね…

自分が個人情報を漏らしたせいで
叔母たちが殺されてしまったのに
そこを後悔したり反省したりせずに
全部敵のせいにしてるんですよ

これがあるからウェイドに対する好感度が
がた落ちですよ

そして、その後も
ただゲームの謎解きやミッションをこなすだけで
彼自身の成長は全然感じられない

ゲームをクリアしてハッピーエンドってだけなので
なにそれって感じです

 

それに、ウェイドの成長だけでなく
なぜウェイドじゃないとダメなのか
と言う描写も全く無い

映画の中ではウェイドが選ばれし人間
みたいな見せ方をしてるけど
別にウェイドに特別なものなんて全く無い

ゲームをクリアしていく過程も
別に誰でもクリアできるだろって内容のミッションをクリアしていくだけ

ウェイドがオタクで知識量が豊富だからクリアできてるけど
じゃあウェイドじゃなくてもオタクなら誰でもクリアできるわけで
そこにいまいち説得力を感じれない


精神面でも技術面でもいいから
ウェイドじゃないとダメな理由がいると思う


この映画を観ていると
なんか他人のゲームのプレイを横から見ているだけのようで
映画の中に入り込む余地が無い
自分もこの世界に入って楽しんでいる感覚が無いんですよ

感情移入がそんなにできないし
臨場感もそんなに無いし
物語に引き込まれるような要素も無い

 

で、僕がこの映画で一番嫌いなのは
ラストの展開

これはホントに嫌いです

この映画ってオタクのために作られたような映画ですよね
いままでそんな要素で散々煽って
オタクの味方ですよって顔で
こちら側の気持ちを持ち上げていたわけです

それがなんですか?
あのラスト

自分は彼女ができてリアルで上手くいき
オアシスの運営権も手に入れて
そして、みんなもリアルを大事にしてねって
オアシスを火曜と木曜をお休みにしてしまう

なんだよそれ
俺がこの世界の住人なら暴動起こすよ

余計なお世話なんですよね
自分がリアルの世界で幸せを手に入れたからって
他の人も同じだろうとその価値観を押し付ける
この独善的な感じがちょっと気持ち悪くもある


せめて、ラストまでにウェイドが現実と向き合い
ゲームの世界を必死に生き抜いていく描写があれば
このラストに納得はできる

でも実際は薄っぺらくゲームをこなしてるだけの映画ですからね…

それでこのラストはムカつきますよね

 

あと、もう一つ文句を言うと

既存のキャラが登場したり
様々な作品のオマージュ満載の映画ですけど

で?

って思う

一見リスペクトしてるようで
ただ出してるだけですからね

特に日本のアニメ、ゲームは
とりあえず出しとけばオタクご満悦だろ
くらいの意識しか感じませんよ


そこに必然性があればもっと気持ちが上がるんですけどね

ウェイドが最後の方で波動拳を使ったりするけど
そこには別に意味が無い

みんな大好きガンダムのシーンも
なぜダイトウがガンダムで行くの?
イデオンじゃダメなの?

その他も特に意味は感じられない

オマケみたいなモブキャラとかに意味は必要ないけど
重要なシーンとか重要なアイテムとかは
主人公が思い入れがあるからとか
その時に使えば効果的だからとか

主人公がオタクなんだから
そういうのを引き出すのにはうってつけのキャラだと思うけど


タランティーノやギレルモ・デル・トロなんかは
自分の趣味を詰め込んだオタクな映画を撮ってますけど
ただ出すだけでは終わっておらず
そこからより先に行ってる

だからこそそんなオタク要素には深みがあって
素晴らしい作品になってるんですよ

そんな作品に比べると
本作はいろいろ詰め込んではいるけど
ちょっと薄っぺらい


まあ、知識が豊富な人にとっては
これも出てるあれも出てるってだけで
気持ち良くなれるとは思うんですけどね

 

文句ばっかり言ってきましたけど
僕もこの映画好きですからね
ライトな気持ちで観ればとても楽しめるエンターテイメントですから

でも、褒めはもうみんなしてるでしょ
だから短所だけ晒し上げました

良いところはもう言いません

オタクのために作った映画なんだったら
ゲームは年中無休でやらせろ!!
それだけは声を大にして叫びたい

 


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映画「ランボー ラスト・ブラッド」感想 舐めてたジジイがジョン・ランボーだったという悲劇

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どうもきいつです


アクション映画「ランボー ラスト・ブラッド」観ました

1982年に1作目が製作された人気アクション
「ランボー」シリーズの第5作目にして完結編
ランボーが
人身売買カルテルに誘拐された友人の孫娘を
救い出すために奮闘する姿を描いています

監督は「キック・オーバー」などのエイドリアン・グランバーグが務め
主演は「ロッキー」シリーズなどのシルヴェスター・スタローンです

 

あらすじ
数々の戦いを終え故郷のアリゾナに戻ったジョン・ランボーは
牧場で友人のマリアとその孫娘ガブリエラとともに
平穏な毎日を過ごしていた
しかしある日
ガブリエラがメキシコの人身売買カルテルに誘拐されてしまう
娘同様に育ててきた彼女を救うため
ランボーは再び戦いの中に身を投じていく

 

感想
ランボーの生きざまに心を打たれた
ガチギレしたランボーはマジで怖い…
残虐すぎるほどの痛々しい描写からは
戦うことの痛み、辛さがひしひしと伝わってきます
切なすぎる物語がランボーらしくもある

 

ランボーの最新作で完結編
ということで観に行ってきました

僕はそこまでランボーに思い入れがあるというわけではありませんでしたが

子供の頃はテレビでやっていたのを観てましたし
本作を観るにあたって
前4作を通して観ていたので気持ちは昂っていました


そして、本作を観てみると
なんかランボーらしくない作風に思えた
でも、ランボーらしい映画でもあった

ランボーの哀愁漂う生きざまを描きつつも
ランボーの戦いがいつもと違うような気がしました

前作までは
基本的にランボーが戦いに巻き込まれた上で
それに立ち向かう姿が描かれていたわけですが

本作はかなり能動的にランボー自ら戦いに赴いていくんですよ

きっかけはガブリエラが誘拐されることで
巻き込まれたと言えば巻き込まれた形ではあるんですが
ただ、その後のランボーの行動は明らかに攻めの姿勢
終盤なんて敵をおびき寄せてのランボー無双ですからね

そこに少し違和感を感じたのは否めない

今までランボーを追ってきた人の中には
その違和感を受け入れられない人もいるかもしれないです

でも、そんないつもと少し違う戦いの中にも
ブレないランボーらしさはしっかりとあります
今までどおりランボーの生きざまを描いた映画です


まず、本作と今までの作品には大きな違いがあって
それがランボーの戦いの変化にも繋がっていると思う

前作までは孤独だったランボーですけど
本作のランボーには家族がいる
これが大きな変化だと思います

今までと違い
今回は大切な人を守るため、救うためにランボーは戦い
そして、奪われてしまったときには心のそこから憤怒して
怒りに任せて相手を徹底的に痛め付けて殲滅する

特に終盤のぶちギレたランボーが残虐に敵を倒していく姿には
とても違和感を感じる人が多いと思います

いつもと戦う理由が違ったり
激怒して敵を惨殺するランボーだったり
なんか変な感じもしてしまいますが

戦いの中でしか生きれないランボー
という点では
過去の作品同様にブレずに描かれている

そして、本作では
大切な人を守るために戦うランボー
怒りに任せて戦うランボーを描くことで
ランボーの悲しき生きざまがより浮き彫りにされていると思うんですよね

僕はそこに心を打たれた

ランボーと言えばやっぱり
彼の苦悩や心の痛み
抜け出そうとしても抜け出せない戦場

そんな悲しいものを背負う男の生きざまに
心を打たれるわけです

本作でもそこはきっちりと描かれている

例えば
家族を手に入れ平穏な日々を送っているはずのランボーですが
牧場の地下には迷路のような穴を掘り
その中にはずらりと武器が並び
日々、その場所で武器を鍛えている

平和な日常を手に入れても
ランボーの頭の中には常に戦いというものが根付いている

こんな平和な日々の中でも
いつ敵に襲撃されてもいいように備えてしまってるんですよ

この時点で
ランボーはいまだに戦場に縛られてしまっているのが伝わってきます


これがただの備えで終わってしまえば
幸せを手に入れてハッピーエンドですけども
この映画はランボー

そんな甘っちょろく終わるわけもなく
その備えが存分に生かされてしまう

結局、ランボーは壮絶な戦いの中に身を投じてしまう
むしろ、ランボー自身が自らそこへ向かっていっているようにも思えます


もはや、彼は呪われた境遇を課せられてるようで
こんな悲しい人生は可哀想すぎる
もうそろそろ許してやれよとも思うけど

そんな中だからこそ
ランボーが輝いて生きているようにも見えて
結局、ランボーにはこの道しかないのか…
と納得もさせられてしまう

この悲しさと痛みを背負うランボーの姿には
哀愁を感じてカッコよくも思えます

 

そして、本作のアクションシーンはかなり残虐
下手なスプラッター映画よりもスプラッターです

終盤のアクションシーンなんてほんとに残虐で
ぶちギレたランボーが怖すぎます

敵組織からすれば悲劇ですよね

舐めてたジジイが
実はあのジョン・ランボーだったとは…
同情します


この過激でグロい描写には驚く人もいると思いますが
前作の「ランボー 最後の戦場」もかなり過激でグロい
この残虐描写は前作からの流れを汲んでるのかなと思います

で、そのアクションシーンが
悪い奴を倒してすっきり爽快なのかと言うと
全然そうでもない

グロいアクション映画でも
観ていて爽快感がある作品はたくさんあります
でも、本作はそんな映画とはちょっと違う

観ていて目を覆いたくなる
いくら悪い奴らを倒してるからと言っても
痛々しくて見てられないんですよ


とてもグロくて痛々しいこのアクションシーンの数々には
こだわりも感じる

あえて痛々しくエンタメ性の少ない過激な描写にしてると思うんですよね

前作でも感じたことですが
この映画は戦うことの痛みを表現している作品だと思う

傷つけられるほう、殺されるほうに痛みがあるのは当たり前のことだけど
「ランボー」シリーズは
傷つけるほう、命を奪うほうの心の痛みを感じることができる

本作の残虐なアクションシーンを観ることで
戦えば戦うほど傷つき悲しみを背負い続けていくランボーが伝わってきます

人を殺すことの重みが
このグロい表現で伝わってくる
悪人であろうと殺してしまうことの業の深さ
命を奪うことの痛さを感じる


それがランボーの生きざまにも繋がってくるわけです

ランボーは今まで奪った全ての命を背負って生きている
救えなかった命も奪ってしまった命も
彼は全て罪として背負っているんですよ

だからランボーは幸せを掴むことができないのかもしれない
死ぬまで戦いの中で生き続けなければならないのかも

でも、その姿がカッコよくもあり
これはこれでいい人生なのかもしれない

バッドエンドのようで
そんなにバッドではないようにも思えました

 

シリーズに対する思い入れや
観る人によって捉え方が違ってくるように思える作品でした

これでランボーシリーズは完結ですが
彼の戦いはまだ続く
彼は死ぬまで戦い続けるんでしょうね

 


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映画「スモール・ソルジャーズ」感想 子供向けだけど悪ノリが過ぎる でも、それがいい

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どうもきいつです


アクション映画「スモール・ソルジャーズ」観ました
軍事用マイクロチップ搭載したアクションフィギュアたちが
人間たちを巻き込み戦争を始めます
1998年のファンタジーアクション映画

「グレムリン」などのジョー・ダンテが監督を務めています

 

あらすじ
とある玩具メーカーが大企業グループに買収され
コマンドー・エリートという正義の兵隊と
社長の一声で悪役にされたゴーゴーナイトというモンスターとの
2種類の人形を発売した
ある日、おもちゃ屋の息子アランはその人形を手に入れる
しかし、実はその人形には軍事用のチップが埋め込まれており
コマンドー・エリートの人形たちが暴走を始める

 

感想
子供向けでそんなに深くない内容の映画
でも、毒のある悪ノリが面白かったです
思ったよりグロかったり痛々しかったり
こういう映画は好き
時代のわりにCGの違和感も少ない

 

Netflixで配信されているのを見つけ
懐かしかったので観てみました

子供の頃に観たことはありましたが
かなり内容を忘れていました
断片的には多少覚えてた

あとコロコロコミックでこれの漫画やってましたよね

僕にとっては
そんな懐かしい映画なんですけど
あらためて観てみても面白かったです

所詮、子供向けの映画ではありますけども
楽しめる要素もたくさんありました
逆に微妙な要素も多いてすけど

 

まず、ストーリーですけど
すごく単純です

何かが暴走しだして
それに主人公が巻き込まれていき
最後にはなんだかんだで解決する
みたいなよくあるタイプの話

同監督作の「グレムリン」ともすごく似てる
というか、やってることがほぼ同じです
登場するのがグレムリンから人工知能搭載の人形に変わっただけ

なので、マンネリで大して新鮮味のない物語なんですけど
なんか楽しめる映画ではあるんですよね


この映画の何が面白かったのかというと
ちょっと低俗にも思えるような悪ノリ
これがなかなか楽しめた

これも結局は「グレムリン」とやってることは変わらない
でも、こういう悪ノリは観ていてとても面白い

ストーリーやテーマからしても
明らかに子供に向けられている作品なんですけど

若干グロく見えるような描写があったり
気持ち悪いホラーっぽい演出があったり
痛々しく思えるような残虐性があったり
簡単に言えば暴力的

テレビで放送すれば
今の時代ならクレームが来るかも

ただ、この悪ノリが刺激的でクセになる
「グレムリン」が好きな人はこの映画も好きになると思う

たぶん、子供もこういうちょっと暴力的なものは
嫌いじゃないと思いますよ


敵であるコマンドー・エリートたちの使う武器なんて
ちょうど嫌な武器なんですよね

カッターの刃を飛ばしてきたり
五寸釘を飛ばしてきたり
大怪我はしないけど地味にめっちゃ痛そうな攻撃をしてくる

ギリギリ子供がマネできそうな
言ってしまえば教育に悪い描写

確かにこれは教育に悪い描写ではあるけど
でも、こういうのこそ子供に見せるべきでもあると
僕は思うので全然ありです

最近は臭いものには蓋をする精神で
こんな作品がすっかり無くなりましたが
きれいなものばかり見せるというのも
それはそれで教育に悪いと思う

こんな低俗で暴力的な子供向けの作品も絶対必要

それプラス親のしつけですよ

こんなバカらしい映画を楽しみつつ
親が何が悪いのかを教える
倫理観を教えるんです
そうやって子供が成長していくんですよ


そう考えると
本作のような映画は貴重ですね
後世にも残していきたいです

 

そういう低俗さがありつつ

低俗だけどユーモアも備わってる
ただ嫌な暴力ではなくて
なんか面白い暴力になってるのもこの映画のいい部分だと思う

敵のコマンドー・エリートたちにしても
ただ暴力的なだけでなくてコミカルさがあります

そもそも人間よりも小さいおもちゃが暴れまわって
惨劇みたいになってるのがどこか滑稽で
真剣に怖い映画になってない
コマンドー・エリートたちもちょっと愛嬌を感じるし

だから、暴力的でもなんか面白い

 

それ以外にも
キャラクター造形もなかなかよかったです
特にゴーゴーナイトたちのデザインがすごく良くて
普通にこのフィギュア欲しいなと思ってました

いい感じにアメリカのアニメキャラって感じで
独特の魅力がある
ちょっとキモいのも魅力的です


コマンドー・エリートもみんな面白い見た目をしてます
顔なんて絶妙に嫌な顔してる
設定上は正義の味方なのに
なにあの顔


その上、CGも妙にリアルなんですよね
この時代のわりには全然違和感ない

本物の人形を使いつつ
CGも駆使してるって作りだと思うけど
人形のチープさとCGのチープさが上手くマッチしてる

だから、とても実写にも溶け込んでるんです
実写の人間と同じ画面に映っていてもいい感じに馴染んでる


それに、人形たちそれぞれのキャラクターには
個性もしっかりと備わっていて
観ていて楽しいし
みんな好感が持てて好きになってくる

特にゴーゴーナイトは
モンスター的でちょっと怖さのあるデザインだけど
みんな可愛いんですよね

みんな戦闘を嫌いすぐに隠れてしまうような
臆病でおっとりとした性格です

だからこそ、終盤にコマンドー・エリートに
立ち向かう姿にはグッとくる

いつの間にかゴーゴーナイトたちをすごく好きになっていました

 

そんな面白い要素がたくさんあるけど
やっぱり内容は薄い
ドラマ性はほとんど無いです

物語の軸は少年の成長物語ですが
そこもいまいちぱっとしない
何がきっかけでアランが成長したのかわからない

ここはもっとアランとゴーゴーナイトのアーチャーとの絆を深く描くべきですよ

さほどこの2人の絆が深まってないのに
アランが必死にゴーゴーナイトたちを助けようとするのは
あまり納得できないし

ここをしっかり描けば
アランの成長にも繋がってくると思う

全体的にドラマがフワッとしてました


ゴーゴーナイトに関しても
みんな個性的なのにあまり活躍しない
そこがちょっと不満ですね

もっとキャラクターを掘り下げたり
それぞれの特性を見せたり

ゴーゴーナイトたちの魅力的な個性を生かすような
展開を見たかったです

それがあるだけでも
この映画がもっと面白くなったと思います

 

ありがちな展開で
中身空っぽの子供向け映画でしたけど
毒のある悪ノリは楽しめました
こういう映画も必要だと思います
それに、このバカらしい悪ノリは個人的に好きだし

こんな教育に悪そうな子供向け映画が減ってしまっているのは残念にも思います

 


スモール・ソルジャーズ [DVD]

 

 

映画「エジソンズ・ゲーム」感想 盛り上がりに欠ける ちょっと眠くなった

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どうもきいつです


伝記映画「エジソンズ・ゲーム」観ました

発明家トーマス・エジソンと実業家ジョージ・ウェスティングハウスが繰り広げる
電力送電システムをめぐる電流戦争の様子を描いた作品

マーティン・スコセッシが製作総指揮を務め
監督は「ぼくとアールと彼女のさよなら」のアルフォンソ・ゴメス=レホン
出演するのはベネディクト・カンバーバッチ、マイケル・シャノンなどです

 

あらすじ
19世紀のアメリカ
白熱電球の事業化を成功させた発明家エジソンは
大規模な送電には直流が適していると考えていた
しかし、実業家のジョージ・ウェスティングハウスは
交流式送電の実演会を開いて成功させる
それを知ったエジソンはネガティブキャンペーンで世論を誘導し
事態は世紀のビジネスバトルへ発展していく

 

感想
小難しいやり取りがひたすら続く
その上、盛り上がりに欠け面白い展開もさほどない
史実だから結末も知ってるしワクワク感も少ない
なんかすごく眠くなった
邦題と内容のギャップもちょっと気になる

 

予告を見て面白そうだったので
映画館まで観に行ってきました

この映画、アメリカでは2017年に公開されてるんですね
なかなかタイムラグがありますが

 

予告を見ただけでは
とても面白そうで期待していたんですが
実際に本編を観てみると
正直、すごく眠い映画でした

基本的に会話メインの内容で
その内容もちょっと小難しいので
なかなか会話の内容が頭に入ってきませんでした

僕が電気に関する知識やこの時代の歴史の知識が足りていない
というのも存分にあると思いますが…

それを抜きにしても
あまりに淡々として盛り上がりも無いので
眠くなる映画というのは間違いないと思います

 

そもそも、この映画
主人公は誰なの?
と思ってしまう

邦題がエジソンズ・ゲームと言うだけあって
エジソンが主人公なのかと思いきや
意外とエジソンが悪役みたいな描き方をされている

かと言って、エジソンが完全に敵というわけでもなく
エジソンの良心も描かれていたりエジソン側の事情も見せてくれるので
エジソンが主人公と言えなくもない


そんなエジソンと敵対するジョージ・ウェスティングハウスなんですが

こっちはかなりいい人間として描かれていて
この人が主人公と言っても過言ではない
最終的に戦いに勝つのもウェスティングハウスですしね

堅実なウェスティングハウスが
エジソンという嫌な奴を打ち負かすという構図は
王道の主人公の姿だと思う


で、こんな2人を同じ比重で最後まで見せられるので
結局、主人公どっちなんだよ!?
って状態に陥ってしまうんですよ

どっち目線で観ればいいのか
誰に感情移入すればいいのか
何が中心なの?って散漫な気持ちになってしまう

これがこの映画に一番乗り切れなかった理由
だと思います

どちらが戦いに勝つのか
という勝負を描いている作品なので
勝つにしろ負けるにしろ
どちらかに比重を重くしないと
戦いの面では全然盛り上がらないと思うんですよ

人間ドラマとしては両方とも同じように描くのは
効果的かもしれないけど
本作に関してはマイナスだと思うんですよね


例えばエジソンをメインで描けば
如何にして相手を陥れるか
自分の不正がバレるんじゃないか
そういう部分にスリルが生まれると思う

逆にウェスティングハウスをメインにすれば
卑怯な手を使うエジソンにどう立ち向かうのか
どんな方法で逆転するのか
そこに面白さを見いだせると思う


本作はその両方ともをやってるんですけども
2人ともを同じ比重で描いているから
どちらかを応援するという気持ちが生まれない

だから、勝負に対するハラハラドキドキの感情が全然湧いてこない

電流戦争の結末も知ってるので
どうせウェスティングハウスが勝つからな…
みたいに
いつの間にか冷めた目で観てしまってる

しかも、戦いの内容が足の引っ張り合いみ
たいなことばかりが続いて単調だし

メインである戦いの部分がいまいち面白味に欠けてるんですよね…

 

そして、人間ドラマ的な要素は要らなかったように思います

エジソン、ウェスティングハウスともに
妻や家族の描写がとても多くて
両者の人間味のようなものを描こうとしています

でも、この映画に関しては
こんな描写は邪魔なような気がする

正直、この辺はどうでもいい話でしかないですよね
こんな部分に時間を割くなら
もっと2人の勝負にスポットを当てるべきでしょ

2人の思惑が入り交じった激しい駆け引きの真剣勝負
そんなのが観たかったんですけどね


本作ではウェスティングハウスが善人みたいな描かれ方をしてますが
こんな地位まで上り詰めてるわけだから
たぶん実際はもっと狡猾な人だろうし

この勝負を如何にして出し抜くか
相手を蹴落とすか
みたいにお互いをつぶし合うような
知的で激しいバトルをやった方が絶対に盛り上がったと思う

 

あと、電流戦争のキーパーソンでもある
ニコラ・テスラの扱い方がかなり微妙です

彼はこの戦いの切り札的な存在なわけですが
なんか存在感が薄いんですよ
テスラはこの戦いを完全にひっくり返してしまうようなかなりの重要人物

ただ、本作では
フワッと登場してフワッと活躍して
なんとなくすごそうな人で終わってしまう

テスラを知らない人がこの映画を観ると
テスラがどれだけすごい人なのかというのが
全く伝わらないと思いますよ

この映画だと要領の悪い幸薄い男にしか見えない

彼によって世界が変わるわけですから
テスラをもっと天才的な人物に見せるべきだったと思う
多少過剰になったとしても
テスラがヤバい奴、天才的と思えるような演出は必要だったと思います

 

それと、小難しい専門的な部分は
言葉だけでなく視覚的に説明してくれれば
多少わかりやすくなったはず

言葉だけでややこしいことを言ってるから
眠くなってしまうので
そこを工夫して見せてくれるだけで全然違ったと思う

映像で見せつつ言葉で説明すれば理解しやすいのは間違いないし

映像をカッコよく見せるようにこだわってたけど
あまり気の利いた見せ方は全然してなくて
そこはすごくもったいなかった

 

題材は面白くなりそうなのに
全体的に中途半端になっていた

知的で激しい頭脳戦を期待していただけに
ちょっと期待はずれな映画に思ってしまいました

それと、やっぱりこの邦題はなんかズレてますよね
もっといいのはなかったのか…

 

 

映画「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」感想 美しいファンタジーと残酷な現実

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どうもきいつです


ファンタジー映画「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」観ました

カナダ人作家ヤン・マーテルが2001年に発表した
世界的ベストセラー小説「パイの物語」映画化した作品
家族と渡航中に嵐に襲われ
獰猛なトラと共に救命ボートで大海原を漂流することになった少年の運命を描いています

「ブローバック・マウンテン」などのアン・リーが監督を務めています

 

あらすじ
インドで動物園を経営する父親のもとで育ったパイは
ある日、家族と共にカナダに移住することになる
そして、カナダへの渡航中に嵐に襲われ船が難破してしまった
唯一生き残ったパイは命かながら救命ボートに乗り込むが
そこには獰猛なベンガルトラも乗っていた

 

感想
少年とトラの友情ファンタジーと思っていたら…
ただの美しいファンタジー映画ではなく
深い意味が込められている作品でした
宗教、物語はなんのためにあるのか?
そこを考えさせられる

 

とても好きな映画ですが
前に観たのはもう何年も前で
あらためて久しぶりに観てみました


この映画の第一印象は
少年とトラが漂流しながら友情を深めていくファンタジーアドベンチャー
みたいに思う人が多いと思います

実際にそんな感じの映画です
ただ、最後まで観るといろいろと覆されてしまう

今まで観てたのは何なの?
どういうこと?
と、頭が混乱して
ちょっと恐怖すら感じる

そして、今まで感じていた違和感に
納得もさせられる

この映画は娯楽エンターテイメントのようで
実は哲学的、芸術的な作品だと思います

で、いろいろと意味が込められている映画だけど
考察が難しい…

 

この映画で重要なのは
宗教や物語とは人間にとって何なのか?
という部分だと思います

この映画のメッセージは言葉で説明するよりも
実際に映画を観るのが手っ取り早い
この作品自体が感覚に訴えかけてるものがあるし
人によって解釈や捉え方が変わってくるとも思う


この映画を普通に観ると
必要以上に美しく描かれた
ちょっと嘘っぽいファンタジー映画に感じてしまいます

特に終盤の展開なんて明らかにリアリティが無い
起きていることも都合がよすぎたりする

そもそも、トラとボートの上で一緒に漂流する
ということ自体があり得ないですしね

そんな
ぶっ飛んだファンタジーな作品が苦手な人が観ると
この映画を単純につまらないと感じるかもしれません

ただ、最後まで観ると納得させられます
この必要以上に美しい映像
こ都合主義のように上手くいく展開
なんか嘘みたいな話

この映画はそこに意味があるんですよ

終盤になるとパイの口から
トラとの漂流とは違う残酷な物語が語られます

そして、最終的に
嘘みたいな美しい話と現実的な残酷な話どちらがいい?
と質問を投げ掛けられる

この質問に真理が込められています


僕の解釈としては
パイとトラの美しい漂流物語はパイが作り上げた創作物
現実は最後に語られる残酷な漂流物語

ただ、この2つの物語は全く別物ではなくて
リンクしている部分がある
はじめボートに乗り込んできた動物たちは人間の比喩になってるし
パイ=トラという見方もできる

意味深なシーンもたくさんあって
それらが空想と現実を繋げている部分だと思う

パイとトラの物語は
残酷な現実と戦うパイの心の中を映し出したものに思えるし
残酷な現実から逃避するために
パイが作り出した妄想の世界のようにも思える

作中でも言われている通り これは神話なんだと思います
残酷な現実を生き抜くために作り出された物語は
パイにとっての唯一の救いだったのかもしれない

 

そして、そこから
宗教とは何か?
物語とは何か?
それは人間にとって必要あるのか?
という話に繋がってくる


この映画を観ると
人々が信仰している宗教や神話なんかは
所詮誰かが尾ひれをつけて作り出した作り物
映画、小説、漫画などの創作物は所詮嘘っぱち
と、否定的しているように感じる

でも、逆に
そんな宗教や嘘の物語に人間は救われて
人生を豊かにすることができる
と、肯定しているようにも思えます


神を信仰する人を見て
神なんていないのにと否定したり
映画を観て泣いている人を見て
あんなの嘘の話なのにと馬鹿にしたり
ゲームに没頭する人を見て
あんな不毛なこと続けて何になるんだよと見下したり

そんな人も多いと思う

実際にそういうものは必要ないようにも思える
だからその気持ちもわかるけど

ただ、そんな宗教や嘘の創作物の裏側には
確実に現実が存在して
それがあるから生み出されている
嘘のようだけど嘘ではない

だから、そんなものには学ぶべき事が込められているし
人生を豊かにする糧になると思う


神話にしたって
とんでもないようなことが綴られているけど
そんな物語が生み出された背景には
本作のような残酷な現実があったのかもしれない

そんな現実に尾ひれがつけられて生まれた嘘の物語は
もはや嘘ではなく本当だと僕は思う
だからこそそこには教訓があり
人間を導いてくれる道しるべがあると思うんです

神なんていない
神話なんて嘘
それも間違った考え方ではないけども

僕は現実的な残酷な物語よりも嘘みたいな美しい物語を選ぶ

 

あと、この映画はエンターテイメントとしても
普通に楽しめる映画です

トラとの漂流はこの先どうなるのかとワクワクさせられるし
何よりも映像が美しくて引き込まれる

この映像美を目の当たりにするだけで
良いのも観たな
って気持ちにさせられます

映像表現も面白いですしね

違和感を感じるほど
必要以上に美しく描かれている映像で
船が沈没する絶望的な場面まで美しい

パイの髪の毛や髭が全然伸びていなかったりもする
動物の死体もいつのまにか消えてたり

そして、それがある意味伏線になっていて
最後の展開に生きてくる

こんな表現はこの映画くらいでしか見れないと思います
なかなか面白い表現ですよね


たくましく生き抜こうとするパイを
いつのまにか応援してしまうし
トラもだんだん可愛く見えてくるし

普通に映画の中に自分も引き込まれてしまっていました

ラストの展開は必要ですけど
それ無しでも見れる作品にはなってると思う

 

ちょっと特殊な内容で
考察するのもなかなか難しかったですけど
個人的にはとても好きな作品

ラストを知った上でもう一度観ると見え方が変わってきて
また違った面白さを味わうこともできます

なかなか素晴らしい映画だと思います

 


ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日(3枚組)[4K ULTRA HD + 3D + Blu-ray]

 

 

映画「ドクター・ドリトル」(2020年)感想 子供なら多少楽しめるかも 大人なら微妙

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どうもきいつです

ファンタジー映画「ドクター・ドリトル」観ました

ヒュー・ロフティングによる児童文学作品で
過去にもエディ・マーフィー主演で映画化もされた
「ドリトル先生」シリーズを新たに映画化した作品
動物と会話ができるドリトル先生が
動物たちとともに冒険に繰り出すアクションアドベンチャーです

「トラフィック」でアカデミー脚色賞を受賞したスティーブン・ギャガンが監督を務め
主演は「アイアンマン」などのロバート・ダウニー・Jr.です

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
動物と会話ができる名医ドリトル先生は
世間から遠ざかり様々な動物とひっそり暮らしていた
しかし、女王が重い病に倒れたことを知った彼は
女王を救う方法を求めて個性豊かな動物たちと
伝説の島へ向けて旅立つ

 

感想
子供なら楽しめるファンタジーだと思う
でも、内容が薄い
急ぎ足のストーリーにはなかなか気持ちがついていかないです
大人が観ればたぶんつまらないでしょう
子供でもこの映画を特別面白いとは思わないかも

 

前からずっと気になっていたので観てきました
公開延期で結構待たされ
その間に期待値も上がってました

そして、本作を観てみると
ちょっと期待しすぎてたかな?
って感じです

そもそも、子供向けの映画だと思うし
こんなもんだろうな
とは思いますが…

まあ、大人が観れば少し子供騙しな内容なので
ちょっと退屈な映画かもしれません


まず、僕は世代的にも
エディ・マーフィーの「ドクター・ドリトル」のイメージがすごく強い
「ドクター・ドリトル」と言えばエディ・マーフィー
って感じに
完全にこれが自分の中での「ドクター・ドリトル」

だから、本作の予告映像を見たときはすごく違和感がありました
俺の知ってるドクター・ドリトルじゃない…
みたいな

でも、本当は本作の方が原作に忠実で
エディ・マーフィーの方が邪道なんですよね

エディ・マーフィーの「ドクター・ドリトル」に
こだわりの強い人もいるかもしれませんけど

そんな固定概念を取っ払えば
本作の「ドクター・ドリトル」も全然ありだと思えます
全く別物だと思えば大丈夫です
やってることも全然違うし


それは前提の話で
ここから先は映画の内容についての感想


率直に言うと
あまり面白くありませんでした
めっちゃつまらなかったのかと言うと
そうでもなくて
ちょっとつまらなかった

とは言え、子供なら楽しめるだろうな
って内容でもあります
休日にファミリーで観に行く娯楽映画としては
そんなに悪くないかなとは思う


ただ、世の中には
子供向けだけど大人が観ても楽しめたり
大人の心に刺さるメッセージが込められてたりする
素晴らしい子供向けの映画もたくさんあるので

それに比べると
本作は劣っていると言わざるを得ない

そして、本作のような薄っぺらい子供向け映画は
子供の心にもあまり刺さらないと思うので
結局、忘れ去られていくような映画だと思う


この映画の何が微妙なのかと言うと
基本的に全ての印象が薄いです
これといった強みが無い映画

世界観が独創的なのかと言うとそうでもなく
映像のクオリティもそんなに高くない
ストーリーもよくある冒険アドベンチャーって感じ
キャラクターの印象もちょっと薄い
メッセージ性もさほどない

この映画の何が良かったのかを聞かれると
ちょっと困ってしまいますよね
特別ダメなところがあるわけではないけど
全体の平均値が低い


そんな中で特に気になったのは
ストーリー展開の速さ
気づけば物語が進んでいる

テンポがいいと言うよりも
急ぎ足で話を進めている感じ

次から次へと展開していくけどスムーズじゃないんですよね
なんか繋がりが悪いし説明も少なくて
観ていて全然気持ちが乗って来ない

感情移入ができない
ハラハラドキドキのスリルがない
冒険しているワクワク感もない

節操なく次々に展開して
そしていろいろと詰め込みすぎている
なので、ちょっと置いてけぼりをくらってる感じがします
観ていてあまり楽しくないんですよ…


そんなのがあるから
描写不足が多いしキャラクターも掘り下げられていなくて
すごく薄っぺらい映画になってる


薄っぺらいから
登場人物や動物たちなどのキャラクターが
とてもたくさん登場しますけど
目立ったキャラがいない

みんな魅力的なキャラっぽく作られているけど
それは表面的な部分だけで深くは掘り下げられません

ドリトルですら上辺だけの過去のエピソードが説明されるだけで
内面の描写とかは薄すぎる

この人はいったい何がしたいんだよ?
何を考えてるの?
って疑問が最後までついて回るんですよね
最初から最後まで掴み所のないキャラで終わってしまう


ドリトルに弟子入りする少年も
全ての言動の原動力が“やさしいから”ってだけなので
いまいち彼の行動には納得できない

なぜそうなのかとか
それによる心の葛藤の描写とかは
全部すっ飛ばしているんですよ


その他の個性豊かな動物たちに関しても
みんながでしゃばりすぎなんです
ただでさえ多い動物たちが
余計にごちゃごちゃして見える

ここは、中心になる2、3匹にスポットを当てて
後はおまけ程度の活躍でよかったんじゃないか?

そうした方が個々のキャラクターも際立つし
キャラが成長するエピソードやその過程を
丁寧に描くことができると思いますよ
何よりもそっちの方がすっきりして観やすいし

動物たちはみんな個性的に描かれているけど
誰が印象に残ったのかを聞かれると
別に誰も印象に残ってない
動物たちみんな可愛かったね
って感想くらいしか浮かびません

 

それと
唯一、動物たちと会話ができるドクター・ドリトル
という設定が全く生きていないストーリーも
どうかと思います

この映画でやってることって
ただのファンタジーアドベンチャーで
別にドクター・ドリトルじゃなくてもいいじゃん
って内容
キャラクターを入れ換えればパイレーツ・オブ・カリビアンでも成り立ってしまうと思いますよ

まだ、エディ・マーフィー版は
ちゃんと医者として活躍してたし
動物と話せることにも意味を感じれたけど

本作は医者として活躍する場面はほぼ無く
動物と話せることも当たり前になっていて
動物と話せることの特別感は全く感じれない


動物と話せるのがドリトルだけかと思ってたら
動物と話す方法が動物の鳴き声を理解する
って描写があって
ドリトルの弟子も普通に話せるようになってくる

こんな子供でも普通にできるのなら
別にドリトルじゃなくても動物と話せるだろ
とか思ってしまいます

この動物と話せる能力は
なんか不思議な魔法みたいな能力
で良かったと思うんですけどね…

練習すれば誰でもできるような感じがして
能力の価値が下がってると思う


しかも、動物とコミュニケーションを取れることが
ストーリー上でもあまり生きてこない
話せることで危機を乗り越えたり
動物の手術や病気の発見とかに活用されることも無い
ただ動物と喋れるだけなんです

原作ではどれくらいドリトルが医者として活躍するのかは知らないけど

「ドクター・ドリトル」という作品の強みって
動物と話せる医者
という部分だと思うので
この設定をもっと活用すれば
作品としての個性が際立つと思うんです

その点はエディ・マーフィー版の方がちゃんとしてましたよね
動物の言葉がわかるから医者としての能力も発揮してましたし

本作は
動物と話せることも医者であることも
ファンタジー映画のおまけ要素でしかない


本作ならではの要素があるのにそれを全く活用せず
安易な子供向けのファンタジー映画で終わってしまってるのが
この映画が印象に残らない理由だと思います

 

子供なら多少楽しめる映画にはなってるけど
たぶん、子供たちの記憶にも残らないだろうな
って思う

エディ・マーフィー版もそんなに誉められた作品ではないけど
印象に残る作品ではありました

本作はその他大勢のファンタジー映画の1つ
って感じで
数ある映画の中に埋もれていくんでしょうね

 


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