何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ゾンビーバー」感想 これはクソ映画 ここまでアホなら好き

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どうもきいつです


ホラー映画「ゾンビーバー」観ました

ビーバーが汚染廃棄物によりゾンビ化し
キャンプにやって来た若者たちに襲いかかるパニックホラー
「ハングオーバー」シリーズの製作スタッフが名を連ねる作品です

監督はジョーダン・ルービンが務めています

 

あらすじ
トラックにつまれた汚染廃棄物がビーバーが住む湖に落下する
その近くの小屋にやって来たメアリー、ゾーイ、ジェンの女子3人はキャンプを楽しんでいた
そこへ彼氏たちも乱入し能天気に騒いでいたが
狂暴なビーバーたちが現れ彼女たちに襲いかかる

 

感想
ホラーではなくコメディー
アホなことをひたすらやってるクソ映画です
ここまでアホなら好きになる
明らかに作り物なビーバーたちがかわいい

 

前から気になっていたクソ映画
アマプラで配信されていたのを見つけて観てみました


タイトル通りB級以下のB級映画でした
全てがチープだしツッコミどころしかないし
こんなのに金を払って観る気にはなれん
ってほどのクソ映画です

でも好き

もうここまでアホなことをやってくれれば好きです

そりゃ否定的な人の気持ちもわかります
だってクソB級映画ですからね

ただ、ここまで酷ければ笑うしかない
と言うか笑わされてしまいました


基本的に低俗だし下品だし中身が空っぽのどうしようもない映画です

なので、受け付けない人は全く受け付けないと思う

それにホラーだけど全然怖くないし
リアリティも全然ないし
最初から最後までめっちゃチープ

観客をバカにしてるような映画です


やってることは定番のホラーあるあるで

調子に乗った若者たちがキャンプに来て湖で水着になり遊んで
夜は彼氏とセックス三昧
そんなクソな若者たちがゾンビーバーに教われて絶望の縁に追いやられる
という流れ

ストーリーの流れもチープでアホ丸出し
でも、それさえも笑える要素です


そして、ツッコミどころが満載で
常に心の中でツッコミながら観てしまう

まず、ゾンビーバーです
完全に作り物
人形です

リアリティなんて全く無くてチープな造形
もはやかわいいです

動きなんてなんじゃそりゃって思うほど雑で変な動き
手動ですか?

鳴き声もやたらとギャーギャー鳴いてるけど変な声だし

人間とゾンビーバーの戦いも
包丁でサクサク刺しまくるというチープな光景
女の子がビーバーの人形と戯れているようにしか見えない

グロい場面もたくさんありますが
やっぱり偽物っぽくてとてもチープ
気持ち悪さより面白さが勝ってますよね

ゾンビーバーが登場する度になんか微笑ましいし笑ってしまう
何とも言えない暖かい気持ちにさせられます

ハートウォーミングな映画ですね

 

そして、ゾンビーバーに噛まれた人たち

ゾンビじゃなくてビーバーになるんかい

化学廃棄物的なものでビーバーがゾンビになったんだから
それに噛まれたらゾンビになるんじゃないの?

いや、そもそもゾンビに噛まれてゾンビになるという発想がおかしいのか?

ビーバーに噛まれたからビーバーになるのか?

変異ウイルスかなんかですか?

そんなのどうでもいいわ
そんなことよりクマのゾンビーバーかわいい


それと、噛まれた人たちがゾンビーバーになる時間差もテキトー過ぎて笑える
最初に噛まれた奴とかなかなかゾンビーバーにならないのに
後に噛まれた奴はすぐにゾンビーバーになるやん

ストーリーの都合に合わせてゾンビーバー化する人たち

テキトー過ぎて笑ってしまいます


あと、犬ぶん投げシーン
犬を殺すのはご法度でしょ
かわいそうでしょ

ほんとに最低なクソ映画だな
と思ったけど

最後のNGシーンでゾンビーバーと楽しく泳ぐ犬が見れたから許す

 

他にもいい要素はたくさんあって

女の子たちが可愛くて
しかも、おっぱいも見せてくれる

それだけで十分でしょ
それ以上に望むもの何であります?


調子に乗ってる奴らが次々に死んでいくのも爽快感があって気持ちいい
ちんこに噛みつかれたのは最高

あんなタイミングでヤろうとするのが悪い
てか、あのタイミングでよくヤろうとするよな
頭イッちゃってるでしょ


薄っぺらいドラマと薄っぺらい関係性の6人なんて感情移入も全くできないし
死んでもなんとも思わない
むしろ、死んでくれと思ってました

みんな死んでくれるので気持ちいいです

 

他は
意外な展開とかもあってそれが予想外でよかったですね

お前が生き残るんかい!!と
結局死ぬんかい!!
これも笑わされました

ラストなんて
面倒くさくなったのかよって終わりかたで
あまりにバカバカしくて笑えます

しかも、ある意味伏線回収してるし
しょうもないけど


主人公っぽい女の子は一番最初にゾンビーバー化するという…
じゃあ誰が生き残るんだよ
と思ったら

一番性格の悪いクソ女が生き残る
コイツはソッコーで死ぬと思ってただけに予想外

まあ、一番可愛かったし生き残ってくれて嬉しい

結局、死ぬけどね

 

セリフの掛け合いなんかは
常に下品でくだらなくて下ネタばっかりの会話だけど
ここまで徹底してりゃ面白いですよね

個人的には洋画の下ネタのノリはあまり笑えないけど
本作に関してはちょっと笑ってしまいました

最初から最後まで徹底した悪ノリは
哲学を感じてしまうレベルです

 

とにかくクソみたいなB級映画でした
こんなのを観るなんて時間の無駄だし
ましてやお金を払ってまで観る価値なんてない

でも、それくらいクソだからこそこの映画は面白い
しょうもないことを楽しみながら本気で作った映画だと思います

時間ない人は
エンディング曲さえ聞けば全部わかりますよ

次はゾン“ビー”ですか?
ダジャレのセンスもクソ

 


ゾンビーバー [Blu-ray]

 

 

映画「おとなの事情 スマホをのぞいたら」感想 いちいち演出がダサい いい話に持っていくのも気持ち悪い

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どうもきいつです


コメディー映画「おとなの事情 スマホをのぞいたら」観ました

世界18ヵ国でリメイクされたイタリアの映画
「おとなの事情」の日本版リメイク
集まった男女7人がお互いのスマホを見せ合うゲームを始めたことから
それぞれの秘密が暴かれていきます

監督は「ヒーローインタビュー」などの光野道夫
脚本は「世界から猫が消えたなら」などの岡田恵和が務めています

 

あらすじ
1年ぶりに再会した3組の夫婦と1人の独身男性
7人はパーティーを楽しむ中
1人の提案でスマホに届く電話やメールを全員に公開し合うゲームを始める
隠し事はないと言いながら全員秘密を抱えており
着信がある度にパーティーは修羅場と化していく

 

感想
とにかく演出がダサい
そして、いい話にしようとするのも鼻につく
最後の展開はさすがに気持ち悪かったです
オリジナルの本質からも完全にズレてるし
改悪としか言いようがない

 


評判がいいみたいなので観に行ってきました

せっかくなのでオリジナルのイタリア版も観たんですが
それもあってか日本版の本作はかなり微妙に思えました

いろいろ言いたいことはありますけど
一言で言えば
オリジナルの改悪

オリジナルのいい要素や作品の本質は無視して
悪い意味で邦画らしいコメディーになってました

ただ、作品の骨組みはオリジナルと全く同じなので
全然面白くないというわけではないです

そもそもアイデア自体が面白い作品なので
そこは安定してるんじゃないかなと思う

とは言え
やっぱり本作はオリジナルの劣化版になっている
正直、邦画のレベルの低さを思い知らされてしまいました
オリジナルと比べると全然つまらない


まず、一番この作品で気になったのは
半端ないダサさ

演出が本当にダサいです

冒頭の登場人物紹介なんかも酷くて
登場人物のプロフィールを文字で見せる時の演出も古くさいと言うか…
結婚指輪キラーンとかもかなりキツイ

それと、全体的に舞台の芝居っぽかったです
あえてそれっぽくやってるかもしれないけど
映画だとちょっとチープかなと思う
なんか嘘っぽく見えるんですよね…


あと、安っぽいCGを使ってたりするのも見映えが悪いです
月も違和感しかないですし

こんなCGじゃ映画全体がチープに見えるだけ
こんなことならCGなんて使わなくていいのに
てか、このタイプの映画で使う必要ある?

何よりタイトルの出るシーンがダサすぎでしょ
映画の顔でもあるんですよ
これは酷すぎる

基本的に90年代くらいのテレビドラマのノリを感じてしまう
全部が古くさいんですよね
ノスタルジーではなく古くさい


それと、もう1つすごく気になったのが音楽

BGMがマジでうるさいです

音楽流さないと不安なんですか?
って思ってしまうほど
ひっきりなしにBGMが流れてる
しかもチープな音楽がひたすらです

感動っぽいシーンに感動っぽい音楽を流すのも
本当にダサいし下品だし辞めてほしかった
しかもそれが何回もある
うるさくて仕方がない

本作のBGMはストレスを感じるレベルでした
音楽が不快

 


そして、オリジナルの本質からズレ過ぎている
ここもこの映画の問題点です

イタリアのオリジナルも
基本的にリメイクの本作とやってることは同じなんですが
そこにはメッセージ性がしっかり込められていて
それが作品の重要な要素でもあります

オリジナルも本作と同じく
遊び半分で始めた携帯電話の着信やメールを公開することで
お互いの秘密を知っていき関係性が崩れていく

ただ、大きく違うのはラストの展開
オリジナルは完全に修復不可能なほど人間関係が壊れてしまう
そして、まさかのあのオチ

そんなオリジナルに込められているメッセージは
友人、夫婦だからといって秘密や嘘を全てひけらかしていいものなのか?
あなたに秘密を知る覚悟はありますか?
という問いかけだと思うんです

この作品が反面教師になってるんですよね


しかし、リメイクである本作は
それとは真逆の
いろいろあったけどみんな仲良くしましょう
みたいな結末になってます

そんな考え方も平和的でいいとは思うけど
この映画に関しては気持ち悪いだけ

それに本作のメッセージがよくわからん
どんな悪事も広い心を持って許しましょう
ってこと?
全然納得できん

このリメイクはとにかくいい話に持っていこうとします
ことあるごとに感動的な音楽を流し
感動的なセリフを登場人物たちに言わす
で、なんか解決した風

これがやっぱり気持ち悪い

みんなやってることがゲスいだけに
観てる側としては
全然解決してないのに感動的に丸く収まってる感じが気持ち悪くて仕方がない

終盤とかすごくいい話にみたいになってるじゃないですか?
あれはマジで反吐が出そうなほど気持ち悪かった

そもそも、命がけで災害を乗り切った7人が
グループの中で浮気してたり
別の女を妊娠させてたり
自分の過ちを仲間に押し付けたり
新婚なのに全く夫を信頼してなかったり
みたいなドロドロしたドラマを見せる

普通以上に絆が強いはずなの人たちなのにこんな関係性
単純にキモすぎないですか?

オリジナルにはない設定をこじつけて
無理やりいい話にしようとしてるから
めちゃくちゃ気持ち悪くなってるんですよね

人間関係をブチ壊すために作られたプロットをそのまま使って
いい話にしようとしてるから無理が生じてると思うんです


最終的にみんなお互い様みたいになってるのも納得いかない

明らかに被害者でしかない人もいるし
ゲスい奴はとことんゲスい

最後は楽しく思い出話をしてましたけど
浮気してた奴らはどのツラ下げて談笑してんだよ
と思ってしまいます


そんなのがあるからコミカルなギャグシーンは
笑えるとこもあるけど不快に思うものも多かった

完全な加害者がギャグみたいなセリフを吐くと
笑いなんかより不快感が大きく上回っています
ただただ気色悪い


それと、オリジナルと比べるとテンポも悪かったですかね

オリジナルは1つ真実が明らかになると
解決する暇もなく
次々と畳み掛けるように新たな真実が発覚する
最終的には収集がつかず人間関係がぶっ壊れる
というスピーディーな流れで
それが作品の重みにもなっていたわけですが

リメイクの本作は
一つ一つ問題を感動的に解決して
その度にスピード感が損なわれる

それに解決してしまうからそんなに人間関係も崩れない
最終的にはこれからもみんな毎年集まろうってオチです

これはやっぱりいい話にしたいからだろうけど
結局はやってることがちょっとズレてる

生きていることを確認するためにみんな集まろう
とか言って理由付けはしてるけど
この理論が意味不明だし

そもそも、この作品の設定でいい話にしようとするのが間違ってると思います

泣ける映画=いい映画
みたいな邦画の悪いところがめっちゃ出てました


いいところがあるとすれば
オリジナルよりも登場人物の個性が際立っていて
それぞれのキャラが立っていた

キャラ設定もわかりやすくなってたし
感情移入はしやすいと思う

あと、笑いに関しては
リメイクのほうが日本人には伝わると思う
オリジナルはちょっとブラック過ぎて伝わりづらいところも多かったですし

まあ、よかったのはそれくらいで
到底オリジナルの良さには及んでいません

 

オリジナルと比べなければ見えかたも変わったかもしれません
でも、気持ち悪いことには間違いなく
安っぽい演出、安っぽい感動、安っぽいCGによって
まあ安っぽい映画に仕上がっている

これを作った人はオリジナルの何を面白いと思ったんでしょうか?

この映画はただの改悪ですよね

 


おとなの事情 [DVD]

 

 

映画「イレイザーヘッド」感想 いくらなんでもシュールすぎる まるで悪夢のよう

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どうもきいつです


ホラー?映画「イレイザーヘッド」観ました

印刷屋の主人公の周辺で起こる不可解な出来事を描いた1977年の作品
シュールで難解なストーリーが不気味なモノクロ映像で表現されています

「エレファント・マン」などの鬼才デヴィッド・リンチのデビュー作です

 


あらすじ
フィラデルフィアの工業地域で働く印刷屋のヘンリーは
彼女のメアリーから子供が産まれたことを告げられる
しかし、その赤ん坊は異様な姿だった
やがて、生活に耐えれなくなりメアリーは家を飛び出してしまう
そして、残されたヘンリーは一人で赤ん坊を育てることになった

 

感想
正直言って意味がわからない
どういうこと?の連続です
ただ、シュールで独創的な映像は魅力的で
意味がわからないながらも伝わってくるものは確かにある
気持ち悪いし難解なので好き嫌いは極端に分かれそう

 

カルト映画の金字塔
ということで前から気になっていた作品
Netflixで配信されていたので観てみました

 

なんとなくヤバそうな雰囲気を感じていましたが
実際に観てみてもやっぱりヤバい映画

どんな気持ちで観ればいいのかな?って内容
不思議で独特で難解で
そして、めちゃくちゃ気持ち悪い

この映画が面白かったのかと言うと
面白い映画ではないと思う

この映画面白いから観てみて!!
とおすすめはできないですよね…

でも、つまらない映画かと言うとそうでもなくて
つまらないようで興味深い
なんだかわからないけど
なんかすごい映画なのかな?とも思わされる

結果的に最後まで観てもよくわからん意味不明な映画ではあるけど
ただ意味不明なだけの映画ではないとも思わされるんです

支離滅裂な映像の繋ぎ合わせのようで
この映画の芯のようなものはしっかりあって
伝わってくるものは間違いなくある

 

そもそも、この映画はストーリーが明確にあるわけではなく
一応、大まかな道筋はありますけども
ドラマが描かれるわけでもなくわかりやすいオチがあるわけでもない
なんとなく主人公が子育てに悪戦苦闘してるのかな?くらいのことしかわかりません

なぜこんなことが起きてるのか?や
今どんな状況なのか?など
そういうのは正直全然わからないと思います

基本的に
悪夢のような異様な世界を
淡々と気味の悪い映像で見せられるだけ

最後まで観ても全然すっきりしません
むしろ、モヤモヤする
今まで何を見せられてたんだよ
って気持ちになってしまう

 

そして、この映画で見せられる映像は
陰湿で気持ちが悪く
さらにやっぱり意味不明

よくわからない映像がずっと続きます
整合性もあまり感じれなくて
場面と場面の繋がりも唐突な時が結構あります
急に場所が変わったけどどういうこと?
みたいなことが多い

ほんとに悪夢を映像化したような作品なんですよね
終始、嫌な夢を見せられてるような不安感を感じてしまいます
恐怖というよりかは不安なんです

赤ん坊の風貌や気持ち悪い造形
グロい描写や暗めの映像
そんなものが多いけど怖さはそんなに感じない

ただ、居心地の悪さはすごく感じて
常に嫌な気持ちにさせられます

でも、そんな気味の悪い映像ですが
どこかセンスも感じれる

こんな映像を撮ってしまう発想力はすごくて
気持ち悪いけど引き込まれてしまう魅力がとてもあります

こんな悪夢みたいなものを映画として撮ってしまうのも変態的で嫌いになれないですし
それが映画として成り立っていますし
最後まで見せられてしまうのは魅力のある作品だということ

赤ん坊の風貌はキモいけどどこか可愛さがあったり
主人公の髪型が特徴的だったり
ほっぺたが腫れた女性、生首から消しゴムえんぴつを作る、暗めのモノクロ映像、不気味な効果音
インパクトのある映像満載で頭に焼き付いて離れない

狂った映像だけどそこがクセになってしまいます
また見たくなってしまう

 

で、散々意味不明と言ってきましたけども
テーマはなんとなくわかります

それはおそらく
男性の父親になる不安感や赤ん坊に対する恐怖心
そんなものを
この不気味な映像で表現しているんだと思う

実際、僕は父親でもないしまだ結婚もしてないですけども
なんとなくその気持ちはわかります

赤ん坊の扱いなんか
どうすればいいのかわからず
ちょっと怖いですし
自分が子供を育てられるのかを想像すると
とても不安に感じてしまう

本作の主人公は急に自分の子供ができたと知り
その不安は計り知れないもの

そんな不安や恐怖をこの映像で表していると思えば
支離滅裂で異常な本作に納得できる

むしろ、それを視覚的に上手く表現されている作品だと思うわけです

父親として自覚しそれを受け入れることができる状態なら
赤ん坊は可愛くて仕方のない存在だろうけど
そんな準備もできず理解もままならない状態ならば
赤ん坊を本作のような異様な存在に感じてしまうかもしれない

他にも意味深な要素はたくさんあって
全部は理解できませんでしたけど
でも、やっぱり意味は込められていると思う

その中心にあるのは
男性の不安定な気持ちなんだろうなと思います


それらを直接的にわかりやすく描かないのが
この映画の魅力です

やってることはシュルレアリスムの絵画と同じ

一見、現実離れした世界が広がっているけど
現実を超えた現実はもはやより現実的
無意識の中にある人間の本質的なものを描いている

悪夢を形にした夢の中の無意識を映像化したような作品だし
デヴィッド・リンチもシュルレアリスムを意識してこの映画を撮ったんじゃないでしょうかね

意味不明な映画のように感じるけど
実は深いものを描いた作品だと思います

 

意味がわからなくても
その独創的で気味の悪い映像は魅力的で
そのセンスに触れることができただけで
この映画を観た価値はあるかも

ちょっと深く考えてみればこの映画の意味にも気づけるだろうし
とても興味深い映画でした

 


イレイザーヘッド デイヴィッド・リンチ リストア版 [Blu-ray]

 

 

映画「私をくいとめて」感想 主人公に共感できすぎて辛い

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どうもきいつです


恋愛映画「私をくいとめて」観ました

芥川賞作家である綿矢りさによる小説を実写映画化した作品
アラサー独身女性と年下の男性との不器用な恋愛が描かれるラブストーリー

監督は「勝手にふるえてろ」などの大九朋子
出演するのはのん、林遣都などです

 

あらすじ
31歳の黒田みつ子は
脳内にいるもう一人の自分“A”に相談しながら
独り身でも楽しい日々を過ごしていた
そんなある日、年下の営業マンの多田に恋をしてしまう
独身生活に慣れてしまったみつ子は戸惑いながらも
両思いに違いないと自分の意思で一歩踏み出す

 

感想
女性の主人公だけど
男の自分でもめちゃくちゃ共感できた
もはや、この主人公は自分じゃないのか?と思ってしまうほど
孤独を楽しめてる人ほど
この辛さが心に刺さるかも

 

「勝手にふるえてろ」の原作と監督のタッグということで気になっていた作品
楽しみにして観に行ってきました

原作者、監督は女性で主人公も女性の作品なんですけども
男の自分でもとても共感できた

と言うか
この映画は男女関係なく
共感できる人はめっちゃ共感できるけど
できない人は全然できないと思う

「勝手にふるえてろ」もそんな映画でしたよね
こっちも個人的にとても共感できましたが
本作はまた別の角度から共感できた作品だと思う

主人公のみつ子を見てると
まるで自分を見ているよう
それほど自分に重なる部分が多かった


本作は恋愛映画ですが
男女が両思いになるため四苦八苦しながら距離を縮めていく甘いラブストーリー
なんかでは全然なくて

むしろ、はじめから両思いで障害なんて何もない
問題なのは主人公のみつ子の心の中
心のモヤモヤを描いたような作品です


みつ子はいわゆる“お一人様”を楽しめる人間
一人で出掛けて遊んで食事をして
というのが苦にならず
逆に一人のほうが気楽でいいと思っている人間です

僕も完全にこっち側の人間なので
その気持ちはすごく理解できる

でも、孤独が苦手な人はみつ子の気持ちが全く理解できないかもしれません


恋愛なんかしなくても
一人のほうが気楽で楽しいから全然構わない
と思っているタイプの女性で

なら、恋愛なんかなくても全然幸せそうな人生を送ってるよな
と思いますけども

問題は彼女の心の中で
本当は恋愛をしたいしこのままではダメだとも思っています

そこを紛らわすのが“A”の存在
“A”はみつ子に的確なアドバイスを与え彼女を肯定する心の中のもう一人の自分なわけです

ここが完全にみつ子が拗らせているポイントで
“A”がいるから自分と向き合えていないし他人とも向き合えていない

今の現状に納得してなくても
言い訳して自分を肯定している状態なんですよ


こんなところもやっぱり自分に重なる部分が大きくて
痛いとこ突かれてるなって気持ちにさせられる


みつ子みたいに心の中でもう一人の自分が喋っているって人は少ないかもしれないけど
こんな精神状態の人はたくさんいると思う

恋愛なんてしなくても楽しく生きてるし必要ない!!
一生一人で生きていく!!
って強く思ってる人も
恋愛を諦めたことが格好悪いから、寂しいから
というのを隠すために
それを言い聞かせて自分に嘘をついてる人は絶対いると思う

僕自身もそんな一面は少なからずあるから
この映画を観てると自分の嫌な部分を見せられてる気分になりました


みつ子が一人で
食品サンプルを作りにいったり
お店で焼き肉を食べていたり
温泉旅行にいったり
そんな、お一人様を楽しむシーンが数々あります

一見楽しそうだし作風も明るい雰囲気なので
そんなにネガティブな雰囲気はないんですが

どこか少し切なくも感じてしまう

それは、もしかしたら自分も同じタイプの人間だから
どことなく孤独の悲しさを感じ取っていたのかもしれません

終盤のホテルでみつ子が逃げ出してしまう場面
これはすごく心に刺さった

好きだし求めているけど逃げたくなってしまう
この気持ちがすごくわかる
久しぶりに人と深く関わる時の怖さったらないですよね

このシーンはなんか痛かったです

 

ただ、一人の人間の厄介な精神状態を描いた映画ですが
そんなに暗い映画にはなっていません

むしろ、コミカルで笑える映画

みつ子と“A”との会話のやり取りは小気味良くて笑える場面が多いですし
他の登場人物も個性豊かで面白い

ちょっと狙いすぎな気もしてしまいますが
これくらいならアリかなって思えます

カフェでのお姉さま方の会話とか笑えました
あの絶妙な空気感はそりゃ吹き出してしまう

あと、カーターは登場する度に面白かったです
少し笑いを狙いすぎてるけど
あの音楽とカーターの存在感はちょっとクセになります

 

個人的に心に刺さって
とても面白い映画ではありましたが
ちょっと長くてテンポが悪いなとも思いました

特に中盤あたりのイタリア旅行
これは無駄に長すぎませんかね?

イタリア旅行してる間は
みつ子と多田の恋愛は滞ってしまいますし
そこまでじっくり描く必要があったのかな?
と少し疑問を感じた

序盤のユルくてコミカルなみつ子の生活描写は
そんなにテンポが悪くもないし楽しく観れたんですけどね

イタリア旅行はちょっと眠くなってしまった
今なに見てるんだろ?って感じです


あと、現在、過去、妄想の区別がちょっとわかりづらかったのが気になった
今どんな状況なんだろう?と無駄に混乱してしまいました

もう少しメリハリがあったほうがよかったかもしれません

 

ちょっと気になるところもありましたが
全体的に楽しめる映画でした
主演ののんや相手役の林遣都の演技もよくて
より感情移入できた

過去に拗らせていた人や現代進行形で拗らせてる人も
この映画が心に刺さると思います

 


勝手にふるえてろ [Blu-ray]

 

 

映画「新感染半島 ファイナル・ステージ」感想 もはやゾンビ映画ではない 最高!!

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どうもきいつです


ゾンビ映画「新感染半島 ファイナル・ステージ」 観ました

韓国で大ヒットを記録したゾンビパニック映画
「新感染 ファイナル・エクスプレス」の4年後を描いた続編
パンデミックを逃れ香港に渡った元軍人の男が
ゾンビの蔓延る半島でサバイバルを繰り広げます

監督は前作を手掛けたヨン・サンホが続投し
「華麗なるリベンジ」などのカン・ドンウォンが主人公を演じます

 

あらすじ
半島を襲ったパンデミックから4年後
香港に逃れた元軍人のジョンソクは
3日以内に大金を積んだトラックを回収するという任務を受け
ウイルスによって凶暴化した人間が蔓延る半島に戻ることとなる
トラックを回収し任務は順調だったが
謎の集団が現れトラックを奪われてしまう

 

感想
前作のゾンビパニックから方向性が変わってる
アクション満載の展開にテンションがめっちゃ上がる
ストーリーや人間ドラマもなかなか面白い
ゾンビ映画だけどエンターテイメントな作品でした

 

前作の「新感染 ファイナル・エクスプレス」がそこそこ面白かったので
本作も期待して観に行ってきました


本作は続編ですけど
正直、前作を観なくても全然大丈夫

一応、世界観や設定に繋がりはありますが
ストーリーは完全に独立していますし
背景に前作のような事件があった
くらいの薄い繋がり

そして、何よりも
前作の真面目に作られたゾンビ映画とは全く別物のような作風になっています

ゾンビ映画ですけども
もはやゾンビはおまけ程度

この作風の大幅な変化に賛否分かれるかもしれないですけど
僕は前作よりもこっちのほうが好き

こんなのゾンビ映画じゃないとか
ハリウッドの真似事だとか
そんな意見もありますけど

面白けりゃいいじゃん
って思います

面白かったし
それで十分満足


前作は王道のゾンビ映画を本気で作りました
って感じの映画で
だからこそそこが魅力でもありました

そして、ゾンビだけど万人ウケを狙ってる映画でもあって
B級をB級に見せないような作風だったんです
感動的な泣ける演出も多かったりします

そこが個人的にはあまりハマらなかった部分でもあって
ちょっと微妙かな…とも思いました


しかし、本作は
逆にB級に振りきってしまった映画になってる
ちょっとアホな映画でもあります

形はゾンビ映画ですけど
マッドマックスやワイルド・スピードみたいな内容になっています

もうゾンビが怖いとかは全然思わない
ゾンビを使った恐怖演出なんかも全然なく
ゾンビを驚異とは感じません
ゾンビが人と人との戦いの道具扱いですらある

前作みたいなゾンビ映画を求めていれば
なんじゃこりゃって映画ですが
ここまでブッ飛んだらもう面白いですよね

全力でバカをやってる映画って感じなので
好感もすごく持てる


でも、ただアホなだけの映画ではなく
世界観の作り込みはなかなかすごくて
この映画の世界が確立しています

ゾンビの蔓延により荒廃した韓国の街が
とてもリアルに作り込まれていて
他のゾンビ映画に比べてもレベルが高いと思います
かなりお金が掛けられているというのが伺える

それだけでも引き込まれる要素で
荒廃した街で繰り広げられるサバイバルにワクワクさせられる
世紀末感を出すのがとても上手くて
マッドマックスのようなワクワクがあるんですよね

 

ストーリーに関しても
あまりゾンビ映画っぽくないです

ゾンビ映画って大抵パンデミックが発生して
如何にして脱出するかや
ゾンビから世界を救うか
みたいな話になりがちですけど

本作の場合は
荒廃した街にある大金を手に入れるため自らゾンビの中へ入っていくという
ちょっと珍しいタイプの導入

最終的には脱出するという流れにはなるけど
人間VS人間というストーリーになるし
ゾンビはそっちのけ

そして、お約束のお涙頂戴の感動演出


さすがにてんこ盛り過ぎる内容だけど
ここまで詰め込んでくれるとむしろテンションが上がってくる


その上、アクションもド派手でたまらないんですよね
激しい肉弾戦やガンアクションはありますし
あり得ないブッ飛びカーアクションもある

やり過ぎててお腹いっぱいで吐きそうなほど

でも、やっぱりテンションが上がるんですよ


で、ゾンビがおまけ程度とは言いましたが
前作同様に大量のゾンビが登場するので圧巻です

なだれ込むほどのゾンビの数には笑ってしまうほど

ゾンビなんで車で轢き殺せばいいじゃん
って楽観的なことを思っても
それが通用しないほどの多さですから

あんなに大量にゾンビがいれば
車なんて赤子同然
どんなにスピードを出したところで止められてしまう

ゾンビの多さにもテンションをあげられてしまうんです

 

前作で感じていた狙いすぎの感動演出
これは本作でもあって
終盤の親子愛の感動シーンなんて完全に泣かそうとしているのが見え透いている

前作はそこに臭さを感じてしまい
なんか好きにはなれませんでしたが

今回の場合は何故か普通に見れてしまいました
狙ってるとは感じますけど
そんなに嫌な感じはしなかった

これはたぶん
全部がブッ飛んでるから感動シーンだけが浮いてなかったからだと思う

前作は感動シーンが妙に浮いてて
だからこそ気になってしまってました

ただ、本作は感動シーン以外にも濃い要素が多いから
これくらいの臭い感動シーンもありかな
と思わされてしまいます


同じくカーチェイスのシーンなんかも
あり得ない動きをしてたりCG丸出しだったりするけれど
この映画ならそれも全然ありに思えてしまう

大袈裟な演出やCGだとまるわかりののCG映像
都合がよすぎる伏線回収など
本家のハリウッド映画に比べるとチープかもしれませんが
ここまで振り切っていれば魅力的でもあって
エンターテイメントとして楽しんで観ることができました


最初から最後までハイテンションで楽しめる映画でした
好き嫌いは分かれるかもしれないけど
個人的にはめっちゃ好きなタイプの映画

 


新感染 ファイナル・エクスプレス [Blu-ray]

 

 

映画「ティム・バートンのコープスブライド」感想 ホラーな世界観が魅力的

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どうもきいつです


アニメ映画「ティム・バートンのコープスブライド」観ました

人間と死者との奇妙な恋愛を描いたラブストーリー
ロシアの民話に着想を得て作られたホラーファンタジーです
全編を通してコマ撮りで撮影されたストップモーションアニメ作品

「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」で原案と制作を手掛けたティム・バートンと
アニメーターのマイク・ジョンソンが共同監督を務めます

 

あらすじ
19世紀ヨーロッパの小さな村
成金の魚屋夫妻の息子ヴィクターは
破産した没落貴族の夫婦の娘ヴィクトリアと結婚することに
不安がっていた2人だが前日のリハーサルで出会い結婚に前向きになる
しかし、ヴィクターはふとした間違いから死体の花嫁に指輪をはめてしまい
死者の世界に連れ去られてしまった

 

感想
ティム・バートンらしいホラーでファンタジーな世界観に引き込まれる
ストーリーはシンプルでわかりやすく
ストップモーションアニメはさすがのクオリティ
面白い作品でした

 

前から観ようと思っていたけど観れていなかった作品
Netflixで配信されていたので観てみました


ティム・バートンが手掛けた「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」もとても好きで
本作はティム・バートンが監督も務めているということで
期待を抱きながら観ました


やっぱりティム・バートン作品は
世界観やキャラクターが独特で魅力があります

ちょっとホラーで気持ち悪い雰囲気がありつつ
ファンタジーで可愛らしくもある
そこはティム・バートンならではの作風ですよね

本作もそれを存分に味わうことができる

最後まで楽しんで観れました


キャラクターデザインがなかなか絶妙

死体の花嫁コープスブライドは
死んでるのでゾンビみたいなもんなので
骨が見えていたり腐っていたり
かなりホラーな表現がされたデザイン

でも、気持ち悪くはなくて
むしろ美しさや可愛らしさも感じれる
セクシーですらあります

普通に美しい花嫁に見えるんですよね


他の死者のキャラも骸骨や生首みたいなキャラばかりなんですけども
おどろおどろしいどころか
みんなちょっと可愛く微笑ましかったりします

キャラがみんな生き生きしていて
死者なのに全然死んでない


町の雰囲気や世界観なんかも
暗い色彩でじめっとしてるんですが
どこか怖さだけでなくファンタジーな美しさがあります

死者の住む世界なんか楽しそうですもんね

ホラーな世界なのにマイナスな印象が全然なくて怖さなんて全くない
ティム・バートンならではの独特な世界観が生み出されています

 

そして、ストーリーですが
これはかなりシンプルで
そんなに奇をてらった内容でもありません

世界観やキャラは独特なのに
ストーリーはとてもわかりやすいラブストーリー

主人公がどちらか2人の女性を選ばなければならないという
よくある感じのやつです

先の展開なんかも読めてしまいますし
驚くようなどんでん返しがあるわけでもない

そんなありがちなストーリーではあるけれど
全然つまらないわけではありません

むしろ、素晴らしいストーリー
最後は感動もできます

これはやはり人物描写がしっかりとされてるからだと思う

人形を動かしたアニメだけど
人形に命が吹き込まれています

これは感情移入できる見せ方や
声を演じる人たちの能力の賜物
丁寧に作られている作品です

主人公のヴィクターとコープスブライドの交流がメインの物語で
この2人の描写が細かいのはもちろんですが

あまり出番のない
ヴィクターと結婚するはずのヴィクトリアの
描写もしっかりとされています

ヴィクトリアの気持ちや感情もしっかり表現されているから
彼女にも感情移入できます

だから、ヴィクターとコープスブライドが結ばれてほしいと思う反面
ヴィクトリアとも結ばれてほしいと思ってしまうんですよね

気づけば2人とも応援してしまっている
両方とも幸せになってほしいと思ってるんです


それにヴィクターもすごくいいキャラで
ちょっと変わり者だけどすごく優しい
そんな性格です
そのキャラにジョニー・デップがとてもハマってる

ジョニー・デップはこんなキャラを演じさせると能力を発揮しますよね

ヴィクターをすごく好きになれて
こっちもやっぱり応援したくなってくる
幸せになってほしいんですよ


そんな要素があるから
ラストのシーンが本当に切なくて
でも、とても美しく感じることができます
そして、ハッピーエンドなんです

この映画のラストシーンはめっちゃ好きになりました
こんないい終わりかたなかなかない


「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」もとても好きな作品ですが
ストーリーに関しては本作のほうが完成度が高いと思います

ナイトメアーのほうは
キャラはサイコだし物語は強引でなかなかカオスでした
これはこれでありですけど

本作はしっかりとしたストーリーで安定感があり
最終的には気持ちが暖かくなるような作品でした

 

不満と言うほどではないですが
一つ言うとすれば
歌の印象がちょっと薄いです

本作はミュージカルでもあって
劇中で様々な歌も披露されます

ただ、そのどれもがあまり記憶に残らない
美しい音楽ではあるんですが
インパクトが弱いかなと思う
あまり耳に残らないんですよね

この点に関しては
ナイトメアーのほうが魅力的で印象に残る曲が多かったです


同じストップモーションアニメ
「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」も好きな作品ですけども
本作もかなり好きな作品になりました
ティム・バートン監督作品もいくつか観てますが
その中でもかなり好きな作品かもしれない

77分と短い映画で観やすさもありますし
暇なときにでも是非観てほしい
とてもいい映画でした

 


ティム・バートンのコープスブライド [Blu-ray]

 

 

映画「サニー/32」感想 カオスな面白さがあった 最後のほうはよくわからんけど

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どうもきいつです


サスペンス映画「サニー/32」観ました

ネット上で神格化された殺人犯の少女サニーを信奉する男たちに誘拐された女性の運命を描いたサスペンス

「凶悪」でタッグを組んだ2人
監督を白石和彌、脚本を高橋泉が手掛け
出演するのは北原里英、ピエール瀧、リリー・フランキーなどです

 

あらすじ
冬の新潟のとある町
中学校教師の藤井赤理は謎の男2人に誘拐される
2人は「犯罪史上、最も可愛い殺人犯」と世間を騒がせた少女サニーの信者で
赤理をサニーと呼んで監禁するのだった

 

感想
めちゃくちゃでカオスな作風がわりと面白かった
笑えたりショッキングだったり面白い部分がたくさんあります
ただ、終盤になるにつれて
それだけが続くからちょっと飽きてくる
結局、何を言いたかった映画なのか…

 

白石和彌監督の作品ということで
前から気になっていたので観てみました

後から知りましたけど
この映画
まあまあ評判悪いんですね…

個人的には
そんなに悪い映画だとは思わなかったです
文句を言いたくなる気持ちもわからんでもないですが

「凶悪」の監督と脚本のタッグの作品なので
そんなタイプの映画を求めて観てしまってる人が多いのかも

それに実際の事件をモデルにしている作品でもあるので
重くて深い真面目な映画を求めているのもあると思う

だから
なにこの映画?
みたいに思ってしまうんじゃないでしょうか


でも、この映画って
そんなに真面目な映画じゃないですよ

アホなノリと勢いで作られたような
B級ブラックコメディーだと思う

とにかく
くだらない映画なのは間違いない
そこに皮肉やメッセージも込められているけど
基本的におバカな映画です


とは言え
やってることはバイオレンスだったり
ネットのノリだったり
意味不明な展開だったり
かなりカオスで観る人を選ぶ
万人ウケではないですよね

僕もついていけないところはたくさんあったし
なにこれ?とも思っています

ただ、そんなカオスな作風こそ
この映画の魅力でもあると思う

この異常な世界観にいつの間にか引き込まれてしまっていたのは否めないですね


はじめは監禁された女性がヤバい2人に理不尽な目に合わされる
バイオレンスな胸くそ映画だと思っていたんですが

サニーに会いたいという人が集めらたあたりから
なんか変な感じになってくる

それぞれの思惑が入り乱れ
ドタバタとカオスな状況になってきます
そしてやってることがとても滑稽

ここでシリアスな映画てはないんだな
と気付かされます

人が死ぬ度に
享年◯◯歳
とでかでかとテロップが出るのには笑わされた

登場人物たちもみんな勢い任せの行動で
真面目にこの映画を観ると
バカな登場人物たちにイライラさせられるかもしれませんけど
ギャグだと思えばバカらしくて笑えてくる

この映画に「凶悪」みたいなのを求めてしまうと
そりゃ思ったのと違うから腹が立つのもわかります

でも、これは「凶悪」ではないですからね
この映画は真面目に見ちゃ負けです


映画の折り返し地点あたりの
監禁されている赤理が覚醒する場面は
めちゃくちゃ盛り上がって最高でした

今まで弱い立場だった赤理が
自分勝手に振る舞っていた奴らへの説教シーン
最高に気持ちがいい
カタルシスがヤバいです

ここは監督が言いたかったことを
赤理に代弁させてるのかな
とも思わされる

自分勝手な奴らを怒鳴り散らし
最後は優しく抱き締める
素晴らしいシーン

このシーンを見れただけでこの映画を観た価値があったと思いますし

 

個人的にもかなり好きな要素が多くて
楽しめる映画ではありましたが

正直、終盤に近づくにつれて勢いが落ちてくるのも感じました

結局、最後の方まで同じようなカオスなものを見せ続けられるので
ちょっと飽きてくるんですよね

あまりメリハリがなかったのかな…

終盤はシリアスになりますけど
なんかちょっと弱くて盛り上がりに欠ける

最高に盛り上がった赤理の説教シーン以降が
ダラダラして長く感じてしまいました
あれより盛り上がるシーンもありませんでしたしね

赤理が教祖みたいな感じになってからは
いまいちぱっとしないんですよ
ラストまで特に大きい展開もないし
ラストの展開もちょっと意味不明気味だし

メッセージが込められてるのもわかるけど
いまいち何が言いたいのかもわかりづらい


赤理の説教シーンで終わってたらめちゃめちゃ面白い映画になってましたよ

後半が蛇足な気がしてなりません


それと、もっとキャラクターを掘り下げてほしいなとも思いました

みんな個性豊かっぽい
で終わってしまってるんですよ

それぞれ何かを背負っているようですし
クセの強そうな個性も感じさせられる
でも、そこから先を見せてくれない

赤理を誘拐した2人にしたって
結局、最後までふわっとしていて掴み所がない
目的も気持ちもよくわからないままで
この人たちの行動にあまり納得できません

他の人物たちも
いろいろと行動は起こすけど
行動原理がいまいちわからないから
観ている側がなんか乗り切れないんです

そんなのが相まって
結果的にみんなキャラが薄く感じてしまう
もう少しで魅力的になりそうなんですけどね

「凶悪」でのピエール瀧とリリー・フランキーは
迫力と深みがあってめっちゃよかったんですけどね

そんなキャラクターが本作にいれば全然違ったと思います

 

評判の悪さは理解できます
でも、見方を変えればバカらしくて笑える映画だと思う

明らかにこの映画は
真面目な映画ではなくてふざけた映画

どんな作品なのかを決めつけずに観れば
アホでカオスな世界に引き込まれると思います

 


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