何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」感想 みんな個性豊かで観ていて楽しくなる

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どうもきいつです


コメディー映画「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」観ました

優等生の女子高生2人が
高校生活最後の夜に繰り広げる大騒動を描いた青春コメディー

女優オリヴィア・ワイルド長編初監督作品
「俺たち」シリーズなどのウィル・フェレルとアダム・マッケイが
製作総指揮を務めています

 

あらすじ
成績優秀な女子高生エイミーとモリーは
優等生であることを誇りに思っていた
しかし、卒業目前にモリーは
遊んでばかりいた同級生たちが
レベルの高い進路を決めていることを知り
ショックを受ける
2人は残り少ない高校生活を謳歌するため
卒業パーティーに繰り出すことを決意する

 

感想
みんな個性豊か過ぎて
それだけですごく面白かった
主人公の2人にはすごく感情移入できたし
可愛らしくて好感が持てる
こんな親友が1人いるだけで全然イケてる学園生活だよ

 

なかなか評判が良かったので
気になって観に行ってきました


最初から最後まで軽いノリのコメディー
って感じで面白く観ることができました

正直、爆笑とまではいかなかったけど
それなりに笑えるシーンは多かったし
登場人物たちがみんな個性豊かで
観ていて楽しくなる映画だと思う

特に主人公の2人は可愛くもあって
なんかすごく好きになれます


僕はかなり主人公の2人には感情移入できました
だからこそ2人が好きなのかもしれない

楽しむことをなげうって勉強ばかりして
いい大学に合格して優越感に浸っていたところ
バカみたいに遊び呆けてたやつらも
自分と変わらないくらいいい進路に進んでる

そんなの知ったら
今まで自分がやってきたことは何だったんだろう…?
と絶望してしまう気持ちが痛いほどわかる

僕はガリ勉ってわけではなく
何かを捨ててまで努力をするってことはしてこなかったけど
何でこんな奴らが…って気持ちはすごく理解できます


そこから
たった一晩で高校生活の楽しみを取り戻そうとする
って発想はすごく面白くてバカバカしい

この発想ができて即行動に移せるような奴らが
今までの高校生活を陰で過ごしてきたとは思えないってツッコミどころもあるけど

このアホで軽いノリが観ていてとても楽しくなってくる

その中で出会って交流する同級生たちも
みんな変な奴らばかりで
物語をより盛り上げてくれるんですよね


とにかくみんな個性的で
そこがこの映画の魅力かなと思います

特にイカれた女子のジジなんかは存在感がありすぎましたね
こいつが出てくる度に笑わされます

主人公を食ってしまうほどのインパクトの持ち主でした


でも、主人公の2人も全然負けてなくて

見た目のデコボコ感もすごくいいし
真面目といいながらも
やたら下ネタばかりの会話のやり取りがインパクトある

僕は下ネタの応酬はそんなに好きではないけど
本作の場合はそんなに不快に感じなかった

これは可愛らしい女の子たちがアホみたいな下ネタを言いまくる
というギャップがよかったのかも

エイミーもモリーも
アホなノリや下ネタばかりなんですが
下品さがあまりなくてなんか見てられるんですよ

それに2人とも見た目もすごく可愛いですしね
純朴な雰囲気もとてもあるし
そんな2人がしょうもないことをひたすら言ってるのは微笑ましくもある

あと、この2人がイケてないみたいな感じだけど
こんな最高の友達が1人いるだけで全然イケてますから
学生時代にこんな友達がいれば最高の青春だと思う

 

そして、本作は学生時代の青春を描いている作品ですけど
実はそんなにノスタルジーな映画ではないです

青春映画って
郷愁的で現実を見せるような作品が最近多いですけど
本作の場合は非現実的で理想の世界って感じがします

例えば
嫌なやつだと思っていた同級生が
ちゃんと話してみると実はいい奴だったとか

現実的にあり得ることではあるけど
最終的にはみんなわかりあえて仲良くなる
というのは理想論かと思うし


多様性に関しても
モリーは太っていたりエイミーはLGBTだったり
本作ではそんなのも当たり前に存在して
普通に受け入れられています

これもやっぱり理想的な世界で
現実ではここまで当たり前のように受け入れられてはないと思う

こういうのってただの綺麗事のようにも見えるけど
この映画を観ていると
この理想的な世界がすごくいいなと思わされてしまう
現実世界もこうあるべきだよなと思わされてしまうんですよね

この映画ってすごく優しいし平和的なんですよ
悪人なんて全然いなくて
変な人ばかりでみんな個性的だけど
誰もそれを否定しないし
むしろ尊重してる

この理想的で綺麗事のような世界観が
この作品の魅力で良い部分だと感じました

 

面白くて笑える映画ではあったけど
正直、ちょっと勢い任せの力わざって映画でもあります
少し雑なところも多いです

特にそれを感じるのはストーリーですね

基本的に勢いとテンポだけで押し進めていて
演出とか人物描写などはおざなりな気がしてしまいます

人間ドラマはかなり薄くて
エイミーとモリーの友情に関してはわかりやすく描写されていて
そこまで薄くは感じないですが

それ以外の人間関係の描きかたはかなり薄い

恋愛描写なんてあまりにも唐突で置いてけぼりです
最後にはカップル成立してますけども
いやいや…って感じ
あんたら数分会話したくらいじゃないのか?

会話してみると実は思ってるような人ではなかった
というのは全然理解できるけど
そこから先が急すぎるというか…

もう少し繊細な感情の変化とかを見せてほしかったかも


他にも
ストーリーの流れとかも微妙に思う

パーティー会場を探す件では
同じ事を繰り返してる感は否めない
この辺りは結構中だるみしていたように感じました

もう少し奇をてらった展開やブッ飛んだ展開があったほうが盛り上がった気がする

ラストの卒業式に向かう場面もちょっとあっさりだったかな…
ラストにしてはそんなに盛り上がらなかった印象です
もう1つくらい試練があってもよかったのかなと思いました

 

少し粗削りではありましたが
勢いと魅力的なキャラクターで最後まで楽しむことができました

平和的で優しさに溢れるほっこりする映画だと思う
主人公2人の可愛らしさも相まって
この映画自体も可愛い作品になっていました

 

 

映画「クライモリ」感想 つまらなくはないけど没個性

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どうもきいつです


ホラー映画「クライモリ」観ました

森に入り込んだ若者たちが
森に住む謎の男たちに命を狙われる姿を描いた
2003年のアメリカとドイツ合作のスプラッターホラー
スティーブン・キングがその年の年間ベスト1の映画に挙げた話題作

監督はロブ・シュミットが務めています

 

あらすじ
車で道に迷った医学生のクリスは
キャンプ旅行中のジェシーたちの車に衝突してしまう
移動手段を失くしてしまった若者たちは
公衆電話を探すために歩き始めるが
森の中で想像を絶する恐怖に見舞われる

 

感想
わかりやすく定番のホラーでそれなりに楽しめる内容でした
でも、こんなホラーは山ほどあるし
印象に残るシーンもさほどなく
記憶に残らないような映画だったかも

 

以前から存在は知ってましたけど
全然手をつけていませんでした

続編も多く出てるみたいですが
今回初めて観てみました


期待していたわけではないですが
ありがちなホラーって感じで
最後までそれなりに楽しんで観ることができた


単純に殺人鬼から逃げる若者たちを描いたスラッシャーホラーって感じです
頭を空っぽにして観れば楽しめるアホな映画

異形の男たちが襲いかかり
お決まりのパニック
お決まりのグロ
定番のホラー演出はライトに楽しめると思う

正直言うと
グロい描写はそこまでエグくはなくて
いろんなホラーを観てきた人からすれば
ちょっと物足りない

人を殺すパターンも特に目に留まるものはなく
よくあるような見慣れた演出

ストーリーに関しても
森に迷い込んだ若者たちが
謎の殺人鬼たちに狙われる
ってだけの内容で

そんなに深いものは描かれないし
特に面白い展開があるわけではありません

ただ、お決まりのホラーな展開には
それなりにハラハラはさせられるし
そこまで悪くはないんですけどね

とは言え
新鮮さは全然なくて
面白味に欠けるのは否めません


終盤の主人公たちと殺人鬼たちとの戦いは
なかなか派手で盛り上がります
爆発とかすごいし

敵が全然死なないのはツッコミどころではあるけど
死なないからこそ最後までハラハラさせられる

ラストの実は殺人鬼が生きてたってオチも
ホラーらしいオチですよね


マンネリでありがちな微妙なホラーではあるけど
定番な事をちゃんとやってはくれてるから
そこまでつまらないって印象もないんですよね

2003年とまあまあ昔の映画ですし
こんなもんかなとも思いますが

でも、それよりずっと前に「13日の金曜日」や「悪魔のいけにえ」など
定番のスラッシャーホラーは存在するし

そんな作品の何年も後に作られた作品にしては
さすがに進化が無さすぎる気がする

それに、過去の同じような作品に比べても
明らかに印象に残る場面は少なくて
この映画だからこその個性ってのが見当たらないんですよ

奇形の殺人鬼の風貌なんかはかなりこだわられていて
普通にクオリティの高い造形ではあるけど
それでもちょっと記憶に残りづらいと言うか…

ただの奇形で終わっていてインパクトが薄い

ジェイソンやレザーフェイスのように
キャラクターとして後世に残る個性は全然無いと思います

そもそも、この殺人鬼たちが何が目的で殺してるのかも不明

人間を食べてるのか
人体をコレクションしているのか

目的が不明だし
この殺人鬼たちがただの猛獣のように見えて
サイコな恐怖感も感じれないんですよ

人体を切断したりはしてるけど
人間を食べるみたいな
ヤバいと思える場面がなくて
鮮烈に印象に残る事もないんです

とにかく、本作の殺人鬼たちには魅力が全くない

 

まあ、そういうのを含めて
ツッコミながら観れば楽しいかもしれないですね

結構ツッコミどころも多いので
友達とかとそこをイジりながら観るのもいいかも

例えば主人公の男ですけども
こいつがなかなかすごいですよね

かなり最初の方に脚を銃で撃ち抜かれたにも関わらず
普通にアクションをこなしてますから

普通あんなに大怪我を負ってたら
歩くことすらままならないと思います

でも、そんなの関係なくすごくアクロバティックです

めっちゃ高い小屋から隣の木に飛び移ったり
木から木へ渡ったり
車の底にしがみついて移動したり
最後は殺人鬼たちと普通にバトルしてるし

途中からは
怪我してることなんて無かったことになってるのか
ってくらい活躍します


後は基本的に登場人物がみんなバカ
ってのも、お楽しみポイントですね
みんな漏れなくバカですから

殺す方も殺される方も全員バカ
ホラーはやっぱりバカじゃないとね

なんでそんな事するんだよ
ってところにいちいちツッコむの楽しいです


他に印象に残ったのは
女の子が可愛いとかですかね

登場する女の子がみんな可愛いです
一番可愛い女の子が最後まで生き残るのもよかったですね
可愛い子を最後まで見れます
しかも、みんなちょっとエロい格好してます

それに主人公もなかなかイケメンでカッコよかったですね

イケメンと美女が映ってるだけてで画面映えしてました

 

もうこれ以上言う事はないかも
この映画は特別語れるものがない
ここまでも無理やり絞り出しました

全然つまらないわけでもなく
すごく面白いわけでもない
なかなか感想に困る映画

やってることは普通の定番ホラーだし
深く考察できる要素もない
なんの変哲もないB級ホラー

わかりやすいホラーで
グロすぎず怖すぎずの作品だから
ホラー映画の入り口としてはいいかもしれません

 


クライモリ デラックス版 [DVD]

 

 

映画「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」感想 とてもクオリティの高いアニメ ただ、ちょっと期待しすぎたかも

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どうもきいつです


アニメ映画「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」観ました
2018年にテレビで放送されていた
京都アニメーションによる人気アニメ
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の完全新作劇場版アニメ
テレビアニメのその後の物語が描かれます

監督はテレビシリーズに引き続き石立太一が務めています

 

www.nanimokamogakokkei.com

 

あらすじ
戦争が終わってから数年後
世界は少しずつ平穏を取り戻し
新しい技術の開発により人々の生活も変わり始めていた
「自動手記人形」と呼ばれる手紙の代筆業を務めるヴァイオレットも大切な人への思いを抱え
その人がいない世界を生き抜こうとしていた
そんなある日、1通の手紙が見つかる

 

感想
いつも通りクオリティの高い映像がとても素晴らしかった
感動できるアニメに仕上がっていると思います
ただ、期待以上のものは見れなかった印象
ただの泣ける感動アニメで終わっていて
それ以上の深みは無かったように思う

 

テレビアニメが好きだったので
劇場版の本作も楽しみに観てきました

泣けるアニメと話題になっていた本作ですが
劇場版もブレずに泣ける感動アニメになっています

かなり評判もいいみたいで
泣いたって感想で溢れかえってますよね
僕が観た回でも泣いてる人が結構いました

そんなみんなが大号泣の中
僕は全く泣きませんでしたけど

これはただ斜に構えてるわけではなくて
ちゃんと理由があります

以前に外伝を観たときにも感想を書きましたが
本作の感想はそれと被るところも多いです

良い部分も悪い部分もほとんど同じです
と言うか、テレビシリーズを通しても同じかもしれない

 

まず、本作を観るに当たっては
テレビシリーズを全部観ている必要があります
本作は「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の最終章という位置付けだと思います

個人的にはアニメシリーズで完結してるように思っているので
本作はファンに向けたおまけ作品って感じもする

なので、この映画が初見だと
たぶんさほど感動も涙もないんじゃないでしょうか


正直言って

誉める部分は外伝の感想と全く同じで
アニメ映像が素晴らしい
泣かせる演出がすごく上手い
みたいなほとんど同じ内容で今さら言うことがありません

確実に言えるのは
映像に関しては他のアニメ作品に比べても
ダントツに水準が高い素晴らしいクオリティのアニメ
そこだけは誰もが納得できると思います


そして、悪い部分はと言うと
これも外伝と同じで

簡単に言えば
ただ泣けるだけのアニメ
だと思うんですよね

テレビシリーズにも言えることですが
この作品が泣けるのは
泣かせる演出がすごく上手いからなんだと思うんですよ

美しい映像表現
音楽の使い方
登場人物の表情などの描写
それらを使って泣かす空気を作るのがすごく上手い

こんな作風はお涙頂戴と言われてしまうかもしれないですけど
ここまで貫けば天晴れと思わされるレベルです

ただ、これが通用するのはテレビアニメの尺だからだとも思っていて
本作のような劇場版作品になると話は別だと思うんです

本作はアニメ映画としてもかなり長い作品で
2時間以上もあります

 

で、僕が本作を観て率直に思った感想は
すごく物足りない

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の集大成であり
2時間以上もある映画なので
もっと感動できると思ったし
もっと深いものを見れると思ってました

でも、実際に観終えてみると
ほとんど感情が昂らなかったし
あっさり薄っぺらくも感じてしまいました

この映画は2時間以上もあるのに
人物描写がすごく薄くて
詰め込みすぎなようにも感じた


細かいことを言っていくと

本作の構成がいまいちだと思います

大きく3つのエピソードに分かれる作りになっていて

本編よりも未来の時代の女の子のパート
余命わずかな病気の男の子のパート
ヴァイオレットとギルベルトのパート
この3つが交互に描かれていきます

3つのエピソードを1つの作品で描くのは全然悪くはないと思うんですが
本作の場合はこの3つのエピソードがなんかバラバラなんですよね

大切な人に言葉を伝えるという一貫したテーマはあるものの
物語としてはさほど繋がっていなくて
場面が変わる度に物語がブレてくるんですよ

これってオムニバスで別々に描いても全然伝わるような内容で
それを無理やり絡めて描いてるんです

それぞれのエピソードが作用して
物語の核心に近づいていく作りならこれもありですけど

本作は特にそういうのもなく
単にエピソードを交互に見せてるだけなので
無駄にややこしくもなってるし
それぞれの人物描写も薄まってる気がします


この映画はヴァイオレットとギルベルトの物語の結末を描いた作品で
他のエピソードを描いたとしても
最終的にはそこに繋がるべきだと思うんです

でも、他2つのエピソードはそれぞれ独立しているので
結局、メインのストーリーに良い影響を与えてない
テンポが悪く見えるだけになってました

特に未来の女の子のエピソードなんかは普通にいらないと思います
このエピソード自体がすごく薄いし
メインのエピソードと全く関わりがない

はじめは最終的にこの未来のエピソードに話が繋がっていくのかと思っていたんですが
女の子が歴史を辿ってるだけのエピソードで終わってしまったので拍子抜けでした

この未来のパートって
ただテレビシリーズ10話の感動エピソードをもう一度見せるためだけの役割なんですよ…


もう1つの病気の男の子のエピソードは
メインエピソードと同時進行なので
それなりに繋がってるようには見えますけど

このエピソードを経てヴァイオレットやギルベルトになにか変化を与えたのかと言うと
さほどそうでもなくて

手紙は手紙で良いところがあるし
電話は電話で良いところがある
みたいなよくわからんメッセージを伝えて終わり

ここで言いたいことはわかるんですが
このメッセージ自体がメインエピソードに関わりがないので
結局何を伝えたいんだろう?
と思ってしまう


つまるところ
こんな小手先でエピソードを詰め込むなら
ヴァイオレットとギルベルトのストーリーに絞って
もっとそこを深く掘り下げてほしかったと思うわけです

実際にこの映画を観ていても
肝心のヴァイオレットとギルベルトの内面や想いが
しっかりと描かれていない印象を感じました


ギルベルトなんてただの面倒くさい男にしか見えなくて
全然好感が持てなかったりします

あまりにも身勝手にヴァイオレットを遠ざけようとするわけですが
その理由はなぜ今さら感が否めない
そしてどこかフワッとしていて掴み所もありません

ギルベルトをもっと深く描写すれば
その部分にも納得できただろうし
感情移入もできたと思う


ヴァイオレットに関しても
最後までミステリアスで掴み所がなく
最後に感情をあらわにして涙を流したりもするけど
そこまでの積み重ねが薄い気がします

この2人の関係性や想いにもっと焦点を当て深掘りすれば
本当の意味で感動もできたと思う

表情や映像表現でそれらを伝えようとはしてますけど
それだけじゃやっぱり弱いですよね


テレビシリーズに関しては短い時間の中でも
人物描写を繊細に描いて感情移入できましたし
本作のような薄さはさほど感じなかったんですけどね…

 

とは言え
泣ける映画であることは間違いなくて
泣けるポイントはたくさん用意されている

泣きたい人が観れば
最初から最後まで大号泣じゃないでしょうか

ただ、それも結局は記号的なものでしかなく
本当の意味で感動してるのかと言えばそうではないと思う

泣くためのスイッチって感じですよね


個人的には泣ければいいって思いがそもそもなくて
本当に感動させてほしいって気持ちが強いです
本作だけでなくどんな作品に触れるときも
そう思っているので

本作のような記号的なものに泣けるだけの映画はやっぱり物足りなく感じます


「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」は素晴らしいアニメだと思いつつも
どこか自分の中では突き抜けた作品ではない

そう思ってしまうのは
この作品に深みが足りなからなのかもしれない

 

否定的な意見ばかりになりましたが
それはこの作品にとても期待していたから
もっとすごいものを見せてくれるんじゃないのかと思っていたからです

数あるアニメの中でもかなりレベルが高いのは間違いなくて
ここまでのアニメ映像はなかなか見れないと思う

だからこそ、ただの泣けるアニメでは終わってほしくなかった
本当の意味で感動できる作品が観たかったです

 


ヴァイオレット・エヴァーガーデン1 [Blu-ray]

 

 

映画「回路」感想 普通のホラーと思ってたら終盤はすごい展開に…

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どうもきいつです


ホラー映画「回路」観ました

インターネットを介して奇妙な現象が巻き起こる恐怖を描いた2001年のホラー映画
謎のサイトにアクセスした人たちが
次々と姿を消していきます

監督は「カリスマ」などの黒沢清が務め
出演するのは加藤晴彦、麻生久美子などです

 

あらすじ
一人暮らしのOLミチは平凡な日々を過ごしていた
ある日、同僚が自殺してしまう
それからも他の同僚や勤め先の社長が姿を消していく
一方、大学生の亮介にはインターネットを介して奇妙な現象が起き始める
やがて2人は迫り来る恐怖に飲まれていく

 

感想
普通のホラーだと思ってたら
かなりすごい展開へと発展していき
ちょっと置いてけぼりをくらった
見ようによっては面白いけど
ここは賛否が分かれそう
でもホラー描写はちゃんと怖かった

 

前からずっと気になっていた映画で
最近になりやっと観ました

評判や内容など全然知らない状態で観たので
良くも悪くも予想を裏切られた気持ちです

観る前は普通のよくあるホラーかな
くらいの気持ちだったので
終盤のブッ飛んだ展開には驚かされました

本作は最後まで観ると
ホラーというよりSFのような印象を受けました

それでも、やっぱりホラーでもある
少し不思議な作風だと思います
しかも、かなり説明が少なくて難解な内容になっています
これはたぶん万人受けしないだろうなって映画

特に「リング」や「呪怨」みたいな
いかにもジャパニーズホラーって作品を求めている人は
本作をあまり受け入れられないかもしれません


本作と普通のホラーが大きく違うのは
幽霊の存在だと思います

ほとんどのホラーは
個人の幽霊単体が怨念や呪いで人間に襲いかかるわけですが

本作の場合は
幽霊の存在そのものが人類に襲いかかるという
なかなか突拍子のない話だったりします

ここがやっぱりSFっぽくも思えて
地球侵略にやって来たエイリアンとかにちょっと似てるんですよね

得体の知れない存在が人類の驚異になる
というあまりホラーっぽくない設定です

このホラーっぽくなさに驚かされる人も多いと思います

 

さらに、本作はなかなか意味不明で
そこが万人受けしない一番の要因だとも思う

これはあえて説明を少なくして
未知への恐怖を表現しているんだと思います

本作においての幽霊とは何なのか?
幽霊の目的は?
死んだ人間や消えた人間はどうなるのか?
てか、結局なにが起きてるのか?

よくわからないことがかなり多いです
最後まで観ても全然解決しませんし

そもそも、ストーリー自体もどこかフワッとしていて掴み所がなかったりもします

ただ、その意味不明さが恐怖に繋がってるのも確かで
この映画はいろいろ説明されて謎が解けてしまっては
怖さが全然なくなってしまうように思う

掴み所のない未知の恐怖を上手く表現できている映画でした

 

そして、掴み所のない意味不明な作風でありながら
意外とテーマは明確に示されていて
孤独と人の繋がりについて描かれている映画なんですよ

ここだけは
とてもはっきりとしていて分かりやすい

死んでしまう人や消えてしまう人と
最後まで生き残る主人公のミチ
この2つの違いもテーマから考えると
かなり分かりやすくなります

幽霊に狙われ消えてしまう人たちは
孤独や人の繋がりに対して考え方が違えど
孤独に怯える一方で人と繋がることにも怯えている人たちです

その心の隙を幽霊に狙われているように思えます
そして、おそらく幽霊にたちも孤独を感じていて
だからこそ孤独な者を引き込んで
お互いに繋がりを得ようとしてるように感じました


で、主人公のミチはと言うと
彼女は孤独に強い人なんだと思います
だから最後まで消えずにすんだ

一人暮らしで特別仲の良い人がいるわけではないけど
そこに不安を抱いているような様子はなく

でも、本作の中でも人一倍誰かを助けようという気持ちは強くて
そこを考えると人との繋がりを大切にしている人でもある


他の登場人物は
孤独を恐れどこか現実逃避をしています

もう1人の主人公の亮介は
人と繋がること望んでいるけど
馬鹿で夢見がちな
いつか人間は死ななくなるんじゃないか
みたいなことを本気で言っている

これは死という永遠の孤独に対する恐怖の表れだと思います

さらに、人と繋がりたいと思っているわりには
人に寄り添うことは全然しなくて
自分から孤独に向かっている人にも思える

亮介が消えた理由はそこにあると思うんですよね
孤独を恐れるあまりそこにつけ込まれたんじゃないでしょうか


でも、これも少ない説明からの考察で
結局、本当のところはよくわからない映画です

 


そんな、ホラーとしては少し変わった作風の本作ですけども
ホラー演出や映像の見せ方などは
なかなか怖かったりします

特に幽霊の動きは気持ち悪くてゾッとさせられました

ミチの同僚の男性があかずの間で出会う幽霊は
ほんとにすごく怖いですよね

特別怖いメイクをしてるわけでもない幽霊ですけど
あの独特な動きが異様で
そこにものすごい恐怖感を抱かされてしまいました

途中でカクッとこけるような動きとか
ゾッとさせられる

他にもシミの場所に人が現れる描写も
奇妙で気持ち悪さを感じたし

音の使い方もとても不安な気持ちを掻き立てられます
耳元で囁くような声もめっちゃ気持ち悪かったですし

死の描写もとても嫌な表現
飛び降り自殺の場面は妙にリアルで
かなりゾクゾクさせられました


そもそも、この映画の映像すべてが
陰湿で不穏な雰囲気を漂わしていて
それだけで常にちょっと気持ち悪いんですよね

色彩が少なく白黒に近いような色調で
さらに、全体的にとても暗い
影で登場人物の表情がわからないようなシーンも多くて
最初から最後までずっと不気味なんです

正直、終盤はやってることに映像が追いついてないようにも感じて
若干チープな映像になってしまってますが
頑張ってる方だとは思います

ホラー演出に関しては普通に怖さを感じましたし
突飛な発想の映画だけど
ちゃんとホラー映画としても成り立っていると思います

 

普通のよくあるホラーとは異なる作風なので
賛否が別れそうな作品です
僕はこの独特な設定は結構好きでした

考察するのが楽しいですし
ホラーとしても怖かったし
なかなか面白い映画だと思います

 


回路 デラックス版 [DVD]

 

 

映画「グリーンマイル」感想 長い映画だけど最後まで引き込まれる ラストはちょっと怖い?

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どうもきいつです


ドラマ映画「グリーンマイル」観ました

スティーブン・キングのよる同名小説を映画化した1999年の作品
1935年大恐慌時代の死刑囚が収容されている刑務所を舞台に
不思議な力を持つ囚人と看守たちとの交流が描かれます

監督は「ショーシャンクの空に」のフランク・ダラボンが務め
主演はトム・ハンクスです

 

あらすじ
大恐慌時代の1935年
刑務所の看守主任を務めていたポールの元に
黒人の大男の死刑囚ジョン・コーフィが送られてきた
ジョンは不思議な力を持っており
その力でポールの病気を治してしまう
それから看守たちはジョンと交流を深めていく

 

感想
長い映画だけど最後まで引き込まれる内容でした
罪とはなにか
命とはなにか
を考えさせられる
いい話のようでラストはちょっと怖かった

 

言わずと知れた名作
久しぶりに観てみました

以前にも観たことありましたけど
かなり昔なのでほとんど内容を忘れてたし
たぶん前に観たのはテレビ放送のような気もするので
フルで観たのは初めてかもしれない

断片的に覚えてるシーンもありましたが
ほぼ初見と言ってもいいと思います

ラストの展開も見終わるまで忘れてました

 

世間では泣ける映画とよく言われていますけど
あらためて観てみて
正直、そんな泣ける映画には思えなかった

確かに泣かそうとしてる演出もありますが
むしろ、そこに若干冷めてしまったり…

個人的には腑に落ちない部分もあったので
感動して涙を流すには至らないです

てか、この映画で泣く人は
最後の処刑シーンをスイッチにして涙を流してるだけで
映画全体を通してはそんなに泣ける映画ではないと思いました


かと言って
つまらないと言ってるわけではなく

3時間もある映画だけど最後まで飽きずに観れましたし
本作のテーマも面白いと思う

本作はかなり単純な物語で
わかりやすく勧善懲悪な話になっています

良い人は救われて
悪い人は痛い目に遭う

唯一ジョン・コーフィだけが例外ですけども
それが本作のテーマにも繋がってきます

そんなわかりやすい勧善懲悪なストーリーなので
エンターテイメント的に楽しめる内容です

本作の悪役のパーシーとウォートンは
それぞれめちゃくちゃ嫌な奴ですけど

だからこそ、最後に痛い目に遭うからすっきりします

そこに至るまでの前フリも完璧と言ってもいいです

パーシーは馬鹿な上に冷酷で卑劣
そして卑怯
こいつが登場する度にいちいちイライラさせられる
偉い人のコネがあるから好き勝手やってもお咎めなしだし
手が付けられないほどのクズ

ウォートンはと言うと
こっちはこっちで救いようの無い悪人
死刑囚だけど全く反省する気配もなく
看守に逆らってばかり
その上、終始ヘラヘラしてるのがやたらと癇に障ります

この2人には登場人物たちだけではなく
観ているこちら側もほんとにイラつかされるんですよね

このイライラが完璧な前フリになって
最後の展開はすごく気持ちがいい


悪い人間は懲らしめられて
良い人間は助けられる
なので、観ていてかなり爽やかな気持ちになれます

そして、刑務所を舞台にした看守と囚人を描いた作品ですが
意外と殺伐とはしていなくて
どこかほっこりした映画でもあります

看守と囚人の関係性には優しさがあり
死刑囚だからと蔑ろにするのではなく
1人の人間として命を尊重している

ちょっとしたエピソードもコミカルに描かれていて
ちょっと笑えたりもします

そういうのもあって
生死や罪をテーマにしてるわりに
そんなに重苦しくないのが本作のいいところこもしれません


ただ、ジョン・コーフィだけは別で
彼だけは善人にも関わらず
最後には悲しい結末を迎えてしまいます

本作はバッドエンドなわけです

この終盤の展開が嫌いな人もいると思います

良い人間な上に無実の罪で処刑されてしまうんですから
納得いかない人もいるでしょうね

でも、こんな結末にしているのには絶対に意味があって
ただバッドエンドだからこの映画が嫌い
となってしまうのはちょっともったいなくも思います

本作はかなり宗教的な意味合いもあって
ジョンの最期はイエス・キリストをモチーフにしてると思います

と言うか、この映画そのものが聖書をモチーフにしてる作品です

僕はキリスト教には全然詳しくないので
あまり深くはわかりませんけど
軽く知っている程度でも
本作を観ればなんとなくそれはわかると思う

そんなのがわからなくても
本作が描いているのは人間の愚かさ
だということはなんとなく理解できる

奇跡の力を持ち
人間を救うことができるであろう人物を殺してしまうんですから
それはとてつもなく愚かなことで大きな罪なんですよね

そんな人間の愚かさという罪を背負ってジョン・コーフィが死を受け入れる物語

この物語を通して
罪とはなにか?
赦しとはなにか?
を感じることができます

それに、刑務所が舞台でもあるので
死刑は必要あるのか?というところも考えさせられる

人間はどんなに酷い悪行を働いても
罪を償えば赦されるべきで
それを他人が勝手に判断して命を奪ってしまうのは
それもまた罪ではないのかと思わされる

死刑という制度や
人間が人間を裁くという行為自体も
人間の愚かさなのかなと感じました

そして、ラストのポールの境遇は
人間の愚かさ故に与えられた罰なのかと思える
ポールのこの先を想像すると少し怖くもあります

感動のラストのようで
実はなかなか怖くてちょっとしたホラーのようなオチですよね

 

すごくいい映画だとは思うけど
どうにも腑に落ちない部分があって
そこが素直に感動できなかった要因でもあります

それは、ジョンがパーシーをおかしくしてしまいウォートンを殺してしまうというところ
ここがどうも納得できない

ジョンが口から虫みたいなのをパーシーに移し
おかしくなったパーシーがウォートンを銃で撃つ
って展開なんですけど

直接的に殺してはないけど
ジョンの意思でそうなってるわけで

ここが終盤のジョンの処刑の場面から考えても
なんか納得できないんです

ジョンは本作の中では聖人のような位置付けです
イエス・キリストのような奇跡の人
そして、最期には罪を背負って死んでいくわけですが

いくら極悪人だからって
ジョンが人を殺してしまったらダメじゃないですか?

ジョンがやってることは完全に独断で裁きを与えていて
これってやってることは愚かな人間と同じなんですよね

映画的にはパーシーとウォートンが痛い目に遭えば
カタルシスがあってエンターテイメント的にすごく盛り上がるけど

本作のテーマを考えると
この展開はちょっと安易な気がします

処刑の場面でジョンが罪の意識を感じているのなら
この展開もわからんでもないんですけど

処刑のシーンもただの感動シーンで終わってしまってます
なぜ善人のジョンが死ななければならないんだ
って空気なんですよ

ジョン自身も人間の愚かさに嘆いてるだけで
自分のことは棚に上げてるんです

正直ここで
お前も人殺してるだろ
って思ってしまった

メッセージやテーマとやっていることが
ちょっとずれてるんですよね

ここって大事な所なだけに
すごく引っ掛かってしまった

 

あと、ちょっと長すぎるかなとも思った
もうちょいカットできたんじゃないですかね

原作にできるだけ忠実にしたのかもしれませんけども…

 

結果的に面白い映画にはなってると思います
感動して泣ける人もいるでしょうし

でも、テーマが少しブレてる気もして
個人的には素直に感動することはできませんでした

まあ、悪い映画ではないとは思いますけど

 


グリーンマイル [Blu-ray]

 

 

映画「人数の町」感想 設定は面白いけどなんか中途半端

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どうもきいつです


ミステリー映画「人数の町」観ました

衣食住を保証され自由を手に入れることのをできる謎の町を舞台に
そこにやって来た主人公の姿を描いたミステリー映画
第1回木下グループ新人監督賞の準グランプリ作品を映画化した作品です

監督は本作が長編映画の初監督となる荒木伸二
主演は「水曜日が消えた」などの中村倫也が勤めています

 

あらすじ
借金取りに袋叩きにされていた蒼山は
黄色いつなぎを着た謎の男に助けられる
居場所を用意してやると言われた蒼山はとある町に連れてこられる
そこは離れることはできないが衣食住を保証された自由な町だった

 

感想
設定やメッセージ性は面白くて
世界観が魅力的な映画でした
でも、ちょっと詰めが甘くて全体的に雑な印象の映画
特に終盤はいろいろ唐突で
結局、何がしたかったのかあまりわからなかった

 

前からちょっと気になっていた映画だったので
見に行ってきました

ダークな雰囲気に魅力を感じていましたが
まさしくダークなミステリーって感じ
現代社会に対する皮肉的なメッセージも込められていて
なかなか興味深い映画だったと思います

ただ、ちょっと物足りなかったというか…
なんか中途半端な映画だったのも否めない

目の付け所やテーマは面白いけど
だからこそ惜しい映画でもありました


まず、設定の話をすると

衣食住が保証されセックスするのも自由
この町から出ずに命じられた作業をこなしていれば
何の不自由もなく生きて行ける世界

その町で生きていく中で
生きるとは何か?
自由とは何か?
を描いている作品です

思考停止して楽な生活を送ることははたして自由なのか
という問題提起をしていて
そこに主人公が向き合っていく

この町で生きている人々がただの数としての存在という描写は
現代社会に対する皮肉でもあったりします

そんな数に左右される社会の曖昧さ
例えばTwitterでバズるとか
テレビが言う世間の声とか
行列のできるお店
選挙

数字で表されるそれらは本当に信憑性があるのか?
と疑問を感じさせられる映画です


そんな独特な世界観に引き込まれて
そこが魅力的な作品で

この町は一体なんなのか?
主人公はどうなってしまうのか?
本当の自由とは?

謎だらけで先が気になる設定に
興味をそそられてどんどんこの世界に入り込んでいく

ミステリアスな雰囲気がとてもいい映画なんですけど

最後まで観ると
結局それだけだった

最後に大きい何かを期待していたけど
大して何もなくて
雰囲気だけで終わってしまった印象


そもそも、よく考えると
この映画はほとんどストーリーがなくて

主人公の蒼山がこの町にやって来て
そこからはこの町がどんな町なのかの説明ばかりなんですよね

終盤に差し掛かると少し物語が展開しますけど
そこに至るまではほとんどなにも起きてません

町で生活する蒼山や町の住人たちが
何をやって過ごしているのか
ただそれをひたすら見せられるだけ

蒼山がなぜこの生活を受け入れてるのか
何を考えているのか
そんな描写はほぼ描かれません


まあ、そんな生活の中で
風刺や皮肉のメッセージを見せてはくれます

なので別につまらなくはないんですよ

この町自体が興味深い存在なので
町の説明だけでも結構面白く観れる

この町にはどんな人間が住んでいるとか
ネットで何かを絶賛したりディスったり
他人の選挙券で選挙に行ったり

そんな描写はとてもユーモアがあって
この映画の魅力でもあると思います


でも、そこはやっぱり掴みの部分であって
観ている側はそこから先にも期待している

この町は何のためにあるのか?
そんなシステムに歪みはないのか?
主人公はこの先どんな答えに行き着くのか?
次の展開がどうなるのかを観たいわけです

で、本作はと言うと
そういう部分がすごく薄いです

この町ではこんなことをしている
って部分を見せるだけで
物語やキャラクターが全然描かれてない

さすがに町の説明だけでは飽きてきます
最初はワクワクしながら観てたけど
途中からは別にワクワクもなくなってくる

町でやってることに関しても
内容は違うけど基本的に同じようなことの繰り返しだったりするし

そして、次第に
この物語はどこに向かってるの?
主人公は何がしたいの?
てか、全然なにも進んでないよな…
みたいな気持ちになってくる

人間ドラマもさほどないし
スリルや謎解き要素もないし
すごく薄っぺらいことに気付いてくるんですよ


得体の知れない異常な集団の恐怖を描いてるにしてもちょっと弱いと思うし

この町で暮らす人たちは普通の人たちよりかなり良識あります

欲望に関してはセックスばかりでちょっと頭が悪くも見える

「ミッドサマー」みたいにしたかったのかもしれないけど
あれに比べると異様さもなくて
気持ち悪さや恐怖を感じることも全くありませんでした

 


そして、後半になってくると
妹を探しに町にやって来る紅子が登場しますが
彼女が登場してからは
さらに雑で唐突な展開が始まります

正直、ここから先はなかなか酷いと思わされてしまった

紅子の目的は
妹の緑とその娘を町から連れ出すことなんですけども
紅子の筋が通ってないからすごくイライラさせられるんですよね

紅子が感情だけで暴走してるようにしか見えない

そもそも、この町で暮らすことの何がダメなのか
って部分が全然ないんですよ

僕はこの映画を観て
普通にこの町で暮らすの便利だし楽だしいいな
と思わされてしまった

で、そのあとも全然問題もなく
みんな楽しそうに暮らしてるんですよね

むしろ、後から急に来た紅子がその和を掻き乱すようで
すごくこいつウザいなって印象しか受けない

ここは、外から来た紅子に
この町がいかに異常なのかを語らせなきゃならないと思うんですけどね

でも、肝心の紅子は
なんの哲学も思想もなく
ただ行き当たりばったりで
他人の気持ちも考えず
自分の感情だけで突っ走っていく

しかも、その感情がどこから来たのかの原動力も謎だし
結局こいつは何したいんだよって状況が最後まで続きます


蒼山も紅子が来てから急に馬鹿になってしまい
目的も気持ちもよくわからんまま
強引に脱走しようとしだす始末

蒼山と紅子の恋愛も唐突すぎて全然ついていけませんでした
こいつらいつそんな関係になったんだよ

そんな無計画で行き当たりばったりの2人が
最終的に脱走を成功させるけど
そのあともあまりに無計画すぎてイライラしっぱなしです

子供ができたのとかさすがにアホすぎると思う

どの状況で子供作ってるんだよ

町であんなに避妊具が用意されてたんだから少しくらい持っていけよ
車で生活してたんならセックスのときは妹の娘を外に追い出してたのか
みたいなツッコミどころがめっちゃある

 

で、結局この映画は何を伝えたかったんでしょうか

途中まではなんとなくいい感じのメッセージがあるような気がしてたけど
終盤の強引な展開を見せられたら
なんかよくわからなくなりました

あの町の何がダメなのか言及してないし
ラストに主人公が自由になったのかどうかも説明不足だし
てか、主人公の内面が空っぽすぎて何をしてるのかわからなかったし

いろいろ中途半端で結局なにを言いたかったのかわからないんですけど

戸籍がなくなってて外の世界でまともに暮らせないってのも
やりたいことはなんとなくわかるけど
それでなんなんだよ

その先がないからメッセージが伝わってこない

いろいろと伝えたいことがあるのは理解できるんですが
具体性が無いと言うか…

それでなに?
の部分が描かれてないから
問題について考えるにしても
何を考えればいいんだよって状態なんです

町のシステムや主人公の言動など
どれも核心をついてないから全部フワッとしたまま終わってしまいました

観る側に答えを委ねるような作品にしたのかもしれないけど
いくらなんでも説明不足すぎるし描写不足すぎる
いろいろと投げっぱなしで終わっちゃうので

最後まで観ても
居心地良さそうだからこの町で暮らしたいな
って思ってしまいますよね

 

入り口が興味をそそるし
世界観はとても魅力的でしたが
それだけかな…って映画でした

この映画は設定を見せてるだけのように感じました
もう少し人物描写をしっかり描くべきだったんじゃないかと思う

もっとストーリーやキャラクターを深く描けば
もっと面白くなったかも

 

 

映画「もう終わりにしよう。」感想 哲学的で独特で難解な映画 正直、面白くはない

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どうもきいつです


スリラー映画「もう終わりにしよう。」観ました

イアン・リードが2016年に発表した同名小説を原作としたスリラー映画
恋人との将来に不安を抱きつつ
恋人の両親に会いにいく女性が描かれます
2020年よりNetflixで配信されている作品です

監督を務めるのは「エターナル・サンシャイン」の脚本などを手掛けてきたチャーリー・カウフマン

 

あらすじ
ある冬、ジェイクは恋人を両親に紹介するため
彼女を連れて車で実家に向かっていた
彼女は何かを終わらせたがっていたが
気持ちを押し殺して彼についていく
そして、ジェイクの実家に到着するが
不思議な感覚に見舞われていき
何が現実なのかもわからなくなっていく

 

感想
終始ややこしくて
何を言ってるのか何をやってるのか
全くわからない映画でした
考察ありきの知識ありきでやっと理解できるインテリ映画
正直言って自分には全く面白いとは思えないし
この映画について深く考えようとする気持ちは湧かなかった

 

Netflixで配信されてるのを見つけ
気になったので観てみました

最初から最後までどういうこと?
って感じの映画でした

いろいろ意味が込められてる作品なんだろうな
というのはなんとなく理解できるし
哲学的なこと言ってるな
というのも伝わってきます

こんな作風の映画を好きな人もいるんだろうな
ってのはわかる
好きな人は好きだと思います

ただ、僕はこの映画を観るのが
かなりしんどかった

深い内容の作品なのはわかりつつ
つまらなかったという印象がすごく大きいです


まず、この映画は
終始、登場人物たちの会話がなに言ってるかわからないです

何の話してるの?
って状況が最後までずっと続く

深そうことを言ってるんだろうな
とは思うけど
会話のやり取りが不毛すぎてなかなか頭に入ってこない

そもそも、ストーリーもほぼ無いような作品で
大まかな流れは

結婚をしようとする男女が
男側の両親に彼女を紹介しに行く
という内容

ただ、最後までこの物語がどこを目指しているのか全く掴み所がなく

所々に伏線らしい意味深なシーンがたくさんあるけど
最終的にわかりやすく解決するわけでもなく
観る者に答えが委ねられる結末だったりもする

だから、ラストもかなり曖昧な終わりかたで
どういうこと?って感じで幕を閉じます

基本的にこの映画は深く考えて考察しなければ理解できない映画で
それありきの作品になってます

なんとなく観てるだけじゃ絶対に理解できない


さらに本作は
様々な作品が引用されている映画でもあって
それがオマージュの域ではなくて
そんな作品を知っている前提で作られている

特にミュージカル「オクラマホ!」を知っていないとこの映画は理解できないらしい…

僕はそんな知識は全く無いし
正直、全然理解できなかった

後から考察などを読んでやっと意味がなんとなくわかったくらい
とは言ってもまだよく意味はわかってなかったりします

ただ難解なだけではなく知識も必要な映画なんですよね

この映画の意味を詳しく知りたいなら
考察している人のサイトを見れば詳しく書いてくれています

 

本作は批評家からの評判がとてもいいらしくて
すごい映画なんだろうとは思うけど

ただのインテリ映画で
個人的には全然好きにはなれない

単純に面白くないんですもん

難しくて理論的で哲学的なことをやってる映画なのかもしれないけど
そんなの知らん

知識があって頭のいい人なら楽しめるかもしれないですが
そうでなければ
たぶん面白いと思う人はいないんじゃないでしょうか


でも、この映画をクソ映画と言ってるわけでなく
映画鑑賞に何を求めているかで
好き嫌いが別れる映画だと思うんですよね

この映画が好きな人は
映画に知的なものを求めていて
考察や深読みが好きな人なんだと思う

この映画が苦手な人は
直感的に面白いかどうかを判断する人
とにかく楽しめるかどうかで判断する人だと思います

僕は圧倒的に後者で
直感的に面白ければいいというタイプ

なので、その感覚で観れば
この映画はどうも面白いとは思えませんでした

面白いと思えなければ
そこから先もっと深く考えてみようと気持ちも湧かず
すげー面倒くさい映画だなって印象しか残らない

この映画に興味が湧かないんです

この映画をもっと知るために「オクラマホ!」を観てみよう
って気持ちも全く生まれない

今まで観たたくさんの映画の中の1つとして消えていってしまうと思います

 

もう少し文句を言うならば

この映画は監督の自己満足になってるんじゃないかと思うんですよ

確かに監督のやりたいことや伝えたいこと
そういうのを理論的に詰め込んでる作品で
芸術的な映画だと思います

ても、伝わらなきゃ意味ないよな
とも思うんです

本作は特定の人にしか伝わらないでしょうし
ほとんどの人がポカーンとなってしまうはず

別に哲学的な作品や芸術的な作品が悪いとは思わないけど
もっと興味をひいて欲しいなって気持ちがあります

この映画は楽しませるとか興味を持たせるって要素がかなり少ない
と言うか、無いですよね…

すごく退屈な映画なんですよ

まるで学校の授業のような退屈さ
理解しようとすれば知識を深めれるし
勉強になって自分のためになる
でも、つまらないから理解しようとする気持ちになれない

とにかく本作は理屈臭くて
こちらが入り込む余地がない

楽しめるだけのバカな映画がいいと言ってるわけではなくて
理屈っぽくても楽しませる姿勢はあってもいいのかなと…

僕が映画を好きになったのは
エンターテイメントな楽しめる映画を観たことがきっかけで
楽しいから好きになった

正直言って
本作のような映画を観て映画を好きになるいう人はほぼいないと思います

結局、どんなにすごいことをやっていても
興味を持てなければ
理解するまでには至らないんじゃないでしょうか

 

インテリな映画玄人には評判がいいかもしれませんが
単に映画が好きなだけの人からすれば取っつきにくい
難しいだけで面白味がないのは
やっぱり観ていてしんどいだけだと思う

人に何かを伝えるのは難しいことで
この映画はちょっと押し付けがましかった

 


もう終わりにしよう。 (ハヤカワ・ミステリ文庫)