何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

特撮「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」感想 いろんな意味で掟破りの変な戦隊

どうもきいつです

特撮ドラマ「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」観ました

2022年3月から2023年2月まで
テレビ朝日系列で毎週日曜日に放送されていた特撮ドラマ
スーパー戦隊シリーズ第46作品目となる作品です
モチーフは日本のおとぎ話「桃太郎」
謎の男、桃井タロウと強制的に怪人との戦いに巻き込まれたお供たち4人が
怪人ヒトツ鬼や謎の存在である脳人との戦いを繰り広げる

 

あらすじ
女子高生で漫画家の鬼頭はるかは
不思議なサングラスを掛けたことで人間の中に紛れ込む怪人が見えてしまい
そして謎の男から「桃井タロウに忠誠を誓え」と告げられる
そんなはるかの前に怪人が現れ強制的に変身して戦うことになる
戦いの最中、ドンモモタロウが姿を現すのだった

 

感想
とにかくスーパー戦隊の型を破り
先の読めない展開に毎週ワクワクしながら観ていました
登場人物がみわな魅力的で好きになった
最終回の後はちょっとロスを感じた
まあ、いろいろ強引なのは否めない

 

先日、放送が終了した「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」
今回もスーパー戦隊は最後まで視聴したので感想を描きたいと思います

 

良くも悪くもクセが強い

本作は今までのスーパー戦隊とは違うものを作ろう
という心意気から作られた作品でもあるので
かなりクセの強い作風になっています

スーパー戦隊らしいスーパー戦隊を観たい人からすれば
本作は気に食わない可能性が高い

これまで培われてきたスーパー戦隊の定型を崩しまくっているので
こんなのスーパー戦隊じゃない!!
と、怒る人もいるかも

個人的には
そのブッ飛んたドンブラザーズの世界に最後まで楽しませてもらうことができました

まずタイトルがちょっと変
暴太郎戦隊ってなに?
ボウタロウじゃないよアバタロウだよ
アバタロウってなんだよ

 

なかなか団結しないドンブラザーズ

本作の型破りの1つがこれ
ドンブラザーズが全然団結しない

普通の戦隊は第1話で一致団結して敵と戦う
遅くても5話くらいまでには一致団結します

しかし、ドンブラザーズは違う
序盤は一致団結するどころかお互いの顔を知らないままの状態が長く続きます

黒担当のイヌブラザーに至っては
最終話目前くらいでやっとドンブラザーズの面々に顔が知れるほど

お互いが顔を知らないことでドラマが生まれたり
すれ違いコントのようなコメディ要素があったりと
これまのスーパー戦隊にはない面白いものを生み出す利点になってましたね

団結してないからこそ
スーパー戦隊お馴染みの名乗りも当然無く
これもかなりの掟破りだったと思う

そして、いざ名乗った時には
それだけでカタルシスが生まれてしまったり

最終回の名乗りなんかかなり盛り上がってました

欲を言えば
最終回まで全く名乗り無しが最高だったと思う
途中の回で中途半端に名乗りをしてしまったのはもったいなかったかな…

 

戦闘はおまけ

スーパー戦隊の目玉と言えば怪人との戦いだけど
本作に関しては戦闘パートがほぼおまけ
一応スーパー戦隊シリーズの1作だから戦ってる
って申し訳程度の戦いだったりします

そもそも、これまでのスーパー戦隊はと言うと
怪人が街で暴れるとかトラブルを起こすとか
物語の中心が怪人との戦いだったわけです

しかし、ドンブラザーズは違う

怪人なんて蚊帳の外で
物語の中心はドンブラザーズのメンバーであったり
敵の脳人であったりと
メイン登場人物のドラマが物語の中心になっています

なので、ドンブラザーズのメンバーがトラブルを引き起こすなんてしょっちゅう
てか、仲間が敵になる
キジブラザーこと雉野なんて3回くらい怪人になってるし

そんな作風だからこそ
それぞれの登場人物が深掘りされて
キャラクターの魅力が引き立ってくる

それぞれの関係性や
それぞれの思いや葛藤
それぞれの成長など
これまでのスーパー戦隊以上にメインの登場人物にスポットが当たっていたと思います

それもあってキャラクターに対する思い入れが強くなり
いつの間にかみんな好きになってる
最終回にはドンブラロスです

その反面、敵との戦闘が唐突で意味不明だったり
巨大ロボ戦が歴代史上で1番雑じゃないかと思ってしまうほどだったり…

これも良し悪しですかね
好き嫌いが分かれる部分かと思います

 

毎週シュールなコント

これはドンブラザーズが好きな理由の1つですね
基本的に毎回シュールなコントみたいになってます

物語自体はシリアスな面も大いにあるんです
登場人物たちは至って真剣だったりもする
でも、起きている出来事は妙に狂っていてカオスなんですよ

なんでそうなるんだよ?
って意味不明な展開も多々あるし
ストーリー全体を通しても結構ぐちゃぐちゃだったり…

まあ、それが勢い余って振り切れてると言うか
ここまでやられると笑うしかない

普通のスーパー戦隊なら破綻してるようなことも
ドンブラザーズだと何故か成立してしまってる
それがドンブラザーズの魅力であり個性でもあると思います

 

風呂敷を広げ過ぎた感

面白い作品だったけど
ちょっと収拾がつかなくなっていたのは否めない
結果、終盤はかなり強引にまとめていました

たくさん謎を散りばめて物語を進めていたり
いろんな要素をぶち混んでいたり
ボリューム満点な内容なんですが
いまいちそれらを扱いきれてなかったような…

スーパー戦隊や仮面ライダーなどのニチアサ作品は
1年を通したライブ感を重視しているので
リアルタイムでいろいろ変化して行くわけです
なので、物語が進むにつれさらにいろいろ付け足されて行くこともよくあります

ドンブラザーズもライブ感重視で変化はかなり多かったと思います

それもあってか
終盤は無理やり風呂敷を畳んだって感じ

最後のタロウの記憶が消えていくってやつとか
めっちゃ唐突で無理やり物語を終わらしにいってましたしね

放ったらかしの謎もそれなりに残ってるし
ブラックゼンカイザーとかね…

ドンムラサメが最終回で仲間になったのは
あまりに唐突すぎて逆に面白かった

とは言え
細かいことを気にする作品ではないのは観ていてわかっていたし
ドンブラザーズにとって1年を通したライブ感は
勢い余ったカオスにも繋がっていて利点の方が大きかったように思える

 

誰と戦ってるかわからない

これに関しても
マイナスなのかプラスなのか曖昧になるけど

戦闘パートがおまけなので
結局、ドンブラザーズが何と戦ってるのか不明です

物語の始まりは戦いに巻き込まれ
物語の終わりも巻き込まれただけ

明確に敵の組織なんかも存在しない
そもそもドンブラザーズが悪と戦ってる感もあまりなかったり

目の前に怪人が現れたから倒してるだけ
みたいな…

最初は敵っぽかった脳人とも途中から馴れ合う

ラスボスもかなり唐突でした
てか、ラスボスどうするか考えてなかったんじゃない?

最終回は
急遽それっぽい人をキャスティングして特撮スーツは使い回しって感じですよね
明らかに…


1話1話は面白いけど
全体を通して見るとさすがに目的が不明確で
終盤の盛り上がりに欠けるようにも思いました

かと言って
終盤を盛り上げで謎を回収し上手くまとまった作品になっていたとしても
それはそれでドンブラザーズっぽくないし…

結果的にこれが正解だったのかな?

唐突なタロウの記憶喪失展開にしても
キャラクターに愛着が湧いてるからエモさは感じてしまいましたし

むしろ、ドンブラザーズであの最終回は上手くまとめれていたのかもしれない

 

まとめ

スーパー戦隊らしくない作風に反感を覚える人もいると思います
明らかに万人ウケの作品ではないのは確か

でも、スーパー戦隊らしくはないけどドンブラザーズらしい作品
唯一無二の個性的な作品になっていたと思う

僕は1年間、最高に楽しませてもらったし
めちゃくちゃ面白いと思ってます

今までのスーパー戦隊と比べてもトップクラスに好きかもしれない

 


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