何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「銀魂2 掟は破るためにこそある」感想 前作から進歩無し 福田監督に映画は向いていない


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どうもきいつです



コメディー映画「銀魂2 掟は破るためにこそある」観ました

 

空知英秋による人気コミック「銀魂」の
実写化映画の第2弾
2017年の邦画実写でナンバーワンの
大ヒットを記録した「銀魂」の続編です

 

原作の「真選組動乱篇」と「将軍接待篇」を
融合したストーリが展開されます
「斉木楠雄のΨ難」などの福田雄一が
前作に引き続き監督を務めます




あらすじ
金欠で家賃も払えない万屋の3人は
ついにアルバイトをすることを決意する
しかし、行く先々で将軍様と
遭遇する羽目に
同じ頃、内紛に揺れる真選組は
かつてない危機に見舞われていた



感想
序盤はギャグ映画として
それなりに楽しめるが
途中から全然面白くない
やっぱり福田監督は
真面目なシーンが下手過ぎる
前作から全然進歩していませんでした


今や売れっ子監督の福田雄一
本作は彼のダメな部分が存分に
出てしまっていました

しかも、ダメな部分が前作と全く同じ
全然進歩が無くてがっかりです


僕は福田雄一が嫌いなわけではなく
笑いのセンスも結構好きで
福田監督の深夜ドラマとかも良く観てました

でも、福田監督の映画を観ていると
この人って映画向きじゃないよな
と思えてきます

深夜の30分ドラマが一番力を
発揮できる人だと思う



そもそも、福田流の笑い
ってのが全然映画に合ってない

本作も福田監督らしい
ギャグやパロディー
俳優の面白演技とか
そんなのが詰め込まれてるんですけど

ことごとく微妙なんですよね

中高生くらいの若者なら笑える
子供向けの笑い
と言ってしまえばそれで終わりですけど
子供向けと言うよりは子供騙し
のほうがあってると思う

福田監督の笑いって
テレビのバラエティー番組の
延長線上だと思います

バラエティー番組でお笑い芸人が
やってるような事のまねごとです

なので、正直言ってしまうと
お笑い芸人のやっている
バラエティー番組のほうが
絶対笑えると思うので

わざわざこの映画を観なくても
家のテレビでバラエティー番組を
見てるほうが笑えるはずです

ただ、福田監督の笑いも
テレビで軽い気持ちで見れば
ちょうど良く笑えると思う

でも、映画として真剣に観てしまうと
全然面白くないんですよ



細かく言っていくと

基本的に顔芸と大声ばかりで
笑わせようとしています
笑いのパターンがほぼそれなんですよ
あと下ネタとか

正直こんなので笑うのは
中学生くらいまでと思う

笑いのレベルとしても
ちょっと低いですよね


俳優の面白演技で笑わせよう
っていうのも
たしかの面白くはあるんですけど
それは俳優が面白いだけで
映画は別に面白いわけじゃないですから

佐藤二郎の暴走気味の演技に
他の人たちが笑いをこらえて
うつむき唇を噛みしめてるシーンとか
ちょっと違くない?

こんな内輪ネタみたいな笑いは
観てる側は置いてけぼりだし
これを面白いと思ってカットせずに
そのまま使ってるのは
センスを疑ってしまう

こういうのもテレビっぽいですよね


パロディーネタは攻めていてすごい
みたいな評価も多いですが

そんなにすごいかな?
と思ってしまう

この映画がやってる事って
ただ版権のあるものを
引っ張りだしてきてるだけで
なんの面白みも無い

出し方もそんなに気の利いた
出し方じゃないし
ただチープってだけで
それ以外に何も無いんですよね

物語に関わりがあるわけでもないし


自虐ネタやメタ的な笑いなんかは
まだ面白いと思いましたが

じゃあ「デッドプール」とかと
比べてしまうと
足元にも及ばないレベルですし
特別に面白かったほどではない


こういうくだらない笑いは
「勇者ヨシヒコ」とかの
ゆるいドラマでやってると
面白いんですけど

映画でやってしまうと
途端に面白くなくなりますね



でも、1番問題なのは笑いじゃなくて
メインのストーリや
真面目なシーンの演出
これがマジで酷いんですよ
しかも、2時間越えのかなりの長尺

長い上に中身がカラッポ
こんな事なら90分で全編ギャグに
していたほうが良かったと思う


まず、ストーリーの方向性が
全くわからない

主人公たちの目的が曖昧で
敵の目的も曖昧
コイツらがなんのために戦ってるのかが
意味不明なんですよね

そもそも、敵が悪いのかどうかも
観ていて全然わからない
悪者っぽいけど
別に悪いことしてないですし

真選組の内輪もめとか
どうでもいいし
なんでもめてるのかもわからないから
感情移入もできない

主人公たちもただ巻き込まれてるだけで
意思も何もないですし

なんか感動する風の展開もありますが
そこにはなにも感情なんかない

ストーリーがちぐはぐだし
何を伝えたいのかも不明で
観た後に何も残りません


物語の進み具合もテンポが悪かったですね
登場人物がただ喋ってるだけのシーンが
多くて退屈でした

銃撃されてる中でも
なんかずっと喋ってるし
そして弾丸は全部外れてる

会話が全部ただの状況説明みたいになってて
全然面白くないです
全て言葉で説明してるから
動きもないし流れが滞る
それに顔面アップのシーンが多すぎる

ストーリーの見せ方が下手だな
と思いました



それと、CGやアクションも酷い

CGは基本めちゃくちゃショボい
これCGだなってはっきりわかります

その割にCGをめっちゃ使ってます
使わなくていいようなとこまで
使ってたりする

なんでこんなにショボいのに
CGを使いまくるのか謎です

そのCGがアクションにも
悪影響を及ぼしています

アクションシーンにわざわざ
ショボいCGを入れまくってるんですよ
絶対にいらないと思うんですけど

剣筋を光らせてたり
殴ったときの衝撃波だったり

こんなのをいちいちCGで表現してる

何か入れないと不安なんですかね?
こんなの無くても
アクションシーンだけで
見せれると思うんですけど

煙とかにまでCG使ってるのは
さすがにおかしいでしょ
煙なんか実際に出したほうが
手間かからないと思うんですけど

CG使わないと死んでしまう病気なんですか?
無駄なCGを使い過ぎですね


それに
アクションシーンは
かなりのっぺりしてるし
テンポが悪かったと感じました

ダラダラと同じ敵と戦い続けるし
動きがワンパターン

たまに入るスローモーションとかも
長すぎるし使い方がダサい

典型的な眠くなるアクションシーンでした



そして、これらの感想は
前作を観た時にも思ったこと
下手すると今回の方が
悪くなっていたかもしれない

あまりの変化の無さに
がっかりでした

福田監督には向上心が無いのかなとか
売れて調子に乗ってしまってるのかな
とかもちょっと思ってしまいます

最近は評判がいいし
褒められまくってるから
現状に満足してるんですかね…



福田監督には
深夜にひっそりとドラマを
やっていてほしかったですね

今はすごく評価されていて
大人気監督ですけど
それにはちょっと違和感を覚える

存在が大きくなればなるほど
福田監督の良さが
削ぎ落とされてる気がします





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