どうもきいつです
アクション映画「最強殺し屋伝説国岡」観ました
凄腕の殺し屋の仕事や日常を描いたフェイクドキュメンタリー
殺し屋国岡の様々な一面や
殺し屋の世界がドキュメンタリー風に描かれます
監督は「ベイビーわるきゅーれ」などの阪元裕吾
主演を務めるのは伊能昌幸です
あらすじ
阪元裕吾監督は新作のシナリオの参考のため
フリーの殺し屋である国岡昌幸に取材することになる
国岡は普通の人々と同じような生活を送り
殺しの依頼を受けると淡々と仕事をこなしていた
そんな姿を包み隠さずカメラに捉えていく
ある日、国岡は依頼主との連絡ミスから
大きなトラブルに巻き込まれていくのだった
感想
殺し屋を追ったドキュメンタリーという発想が面白い
アイデアだけでなく
キャラの個性、ユーモア、アクション
どれも面白くてとても楽しめました
現実離れしてるけど何故かリアルで
国岡は本当にいるんじゃないかと思えます
「ベイビーわるきゅーれ」「黄龍の村」を観て
阪元監督の作品が自分好みだったので
本作も観に行ってきました
以前に観た2作がとても面白かったので
本作にもかなり期待していたわけですが
ハードルを全然越えてくる面白さ
むしろ、本作が1番好きかもしれません
阪元監督のセンスが光っている作品だと思います
まず、やはりアイデアが面白いですね
殺し屋の密着ドキュメンタリーってのはインパクトがある
ドキュメンタリー風の映画もいろいろ観たけど
ホラーが多く
こんなタイプの作品は珍しいです
設定が最高で
それだけで興味が引かれます
そして、本作が面白いのは
殺し屋密着ドキュメンタリーだけど
全然殺伐としていない
むしろ、どこかほのぼのしてたりします
もちろん問答無用で人が死にまくる映画ではありますけど
基本ユルい映画です
これも阪元監督の作風で
登場人物たちの会話はユルユルで
起きている出来事は現実離れしているようで妙に現実的でもある
バイオレンスな描写とユルくて現実的な世界観のギャップが面白い
本作は殺し屋の日常を描いた作品で
非日常なはずなんですが
主人公の国岡は
誰もが経験してそうな普通の日常を過ごしています
クレーマーと言い争ったり
女の子からのLINEを待ち望んでいたり
ぼったくられたり
飲み会で同業者とケンカしたり
仕事上のしがらみや人間関係に悩んでいたり
殺し屋という部分以外は結構現実的なんですよね
そんなあるあるな日常をユーモアをもって見せてくれます
だから共感して笑える場面がとても多い
いつの間にか
殺し屋という想像を絶する職業の国岡に
めちゃくちゃ共感して感情移入してしまってます
国岡がとても人間らしくて
その上、本当にどこかにいそうな気もして
妙にリアリティを感じるんですよ
日常の中での殺し屋の仕事も面白くて
子どもが遊んでいる声が聞こえる場所でスナイパーライフルを構えてるとか
シュールだけど変なリアリティがありました
子どもがクレジット決済で殺しを依頼してしまったやつとか
スマホゲームの課金じゃないんだから…
そんな日常と非日常が共存するシュールさが本作の独特な面白さを演出しています
それに、ユルユルな会話も本作の魅力です
阪元監督の他の作品もそうですけど
登場人物の会話が本当に面白い
みんなナチュラルに会話していて
リアルなやり取りに見えるんです
特に本作のフェイクドキュメンタリーという作風にこれがぴったりとハマっています
普通にドキュメンタリーに見えてくる
で、ただナチュラルなだけではなくて
ワードチョイスや間が絶妙で
そこも笑わされる要因
どうでもいい会話がいちいち笑えます
ここは関西弁らしい会話劇で
関西弁の良さをしっかり生かせてるなと思いますし
関西弁特有のボケとツッコミをナチュラルにやっているので
わざとらしくなく自然と会話が入ってきます
爆笑というよりクスッと笑わされる場面が多かったです
それと、本作はキャラクターがみんな面白いですね
登場人物がとても多いんですが
みんな記憶に残るクセとインパクト
コメディー映画としては
やはりキャラクターは重要で
本作はキャラクターを生かして笑いを作っていました
舞妓の殺し屋とか見た目がインパクト抜群
あの姿でマシンガンは笑えるし
殺し屋集団たちはフリが完璧で
あいつらが殺されるだけで笑ってしまう
ヒットガール憧れ女子は
憧れだけで人殺してるんかいっていうね
その中でも殺丸が最高でした
こいつが登場するだけで笑えてしまう
コインパーキングに自転車停めてるのは発想が秀逸すぎる
そのあとの
ホンマはバイク乗りたいねん
には爆笑させられました
殺丸はもっと見たくなります
最高のキャラクターでした
それと、アクションシーンも本作の見どころで
なかなかカッコいいアクションを見せてくれます
銃撃戦もあるし肉弾戦もあるしバリエーション豊か
淡々と仕事として人を殺す場面はシュールで面白いシーンになっています
この映画はフェイクドキュメンタリーではあるけど
アクションシーンに関しては割りきっている
アクションの時だけは普通にカット割りしてたり映画的な撮りかたをしています
ドキュメンタリーということに縛られていないのも
また本作の魅力だと思います
普通なら如何にドキュメンタリーっぽくリアルに作るかになりがちだけど
本作の場合は
所詮はフィクションと割りきっていて
アクションをちゃんとカッコよく見せてくれるんですよ
だから、アクションに見応えがあるし
アクション映画としても楽しめる作品です
ラストの肉弾バトルなんて完全にドキュメンタリーではなくなってますからね
アイデアにしろ会話にしろ見せ方にしろ
とにかくセンスがあるなと思わされます
個人的にもすごく好みの作風だったし
めちゃくちゃ好きな映画になりました
今後の阪元監督の作品には期待させられますね
本作のスピンオフが作られるみたいだし
とても楽しみです
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