何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「007/スペクター」感想 やってることは壮大だけどストーリーはなんかショボい

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どうもきいつです


アクション映画「007/スペクター」観ました

敏腕スパイのジェームズ・ボンドの活躍を描いた007シリーズの第24作目
ダニエル・クレイグの007としては4作目の作品です
巨悪の根元である悪の組織スペクターにボンドが挑みます

監督は前作「007/スカイフォール」を手掛けたサム・メンデスが引き続き務め
ジェームズ・ボンドを演じるのも前作同様ダニエル・クレイグです

 

あらすじ
メキシコで戦いを繰り広げるジェームズ・ボンド
MI6本部に戻るとボンドはMに叱咤されてしまう
しかし、スカイフォールで焼け残った写真を受けとると
ボンドはMが止めるのを無視し行動を起こすのだった
そして、悪の組織スペクターの存在が露になる

 

感想
映像のクオリティの高さ
アクションシーンの派手さ
荘厳な風景
やってることはとてもスケールが大きくて
かなりお金がかかってるんだろうなと思います
そのわりにストーリーはなんかショボい
最後までいまいち乗り切れずに終わってしまった

 

前作に引き続き本作も観てみました

前作の「007/スカイフォール」は
なかなか面白かったし個人的にも好きな作品
とても楽しむことができました

前作はとても面白かったけど
ただ、全部やりつくしてしまった感もあるので
本作は大丈夫なのかな?
と少し心配になりましたが

まだ、とっておきが残ってました

今まで引っ張りに引っ張ってきた
これまでの悪を牛耳る巨悪の根元
スペクターが満を持しての登場です

それだけでワクワクする本作ですけど
正直、思ったよりは盛り上がらなかった印象です

とても豪華な映画で
世界中を股に掛けた壮大な世界観に
派手で迫力のあるアクションシーン
めちゃくちゃお金がかかってるであろう映画なのは間違いない

だから全然観て損はないかと思う
テンションが上がる場面も多かったし
それなりに楽しめたかと思います


でも、やっぱり
物足りなさはすごく感じたし
観ていると段々とこの映画の長さに疲れてくるのは否めない

終盤に近づくにつれ
まだ終わらんのか?と思う頻度が増えてきます

尻すぼみな映画だったのは否めません

 

とは言え
映像面では素晴らしくて
特にアクションシーンはド派手で気持ちが昂ります

物語の導入部分
メキシコでの戦闘シーンはすごいですよね
見せ方もカッコよかったですし

本格的にアクションが始まると
派手な爆発はあるわ
お約束の追いかけっこはあるわ
そこからのヘリコプターでの空中戦はハラハラしてスリル満点

物語の掴みとしては最高で
ここから先にも期待が膨らみます

その後もスケールの大きいアクションシーンはたくさんあって
ローマの街中でのカーチェイスや
雪山での飛行機に乗っての追跡
秘密基地の大爆破など

各地でなにかしらイベントがあるごとに
すごいアクションシーンも見せてくれる

どれも映画館映えするような映像で
実際に映画館で観ればもっと臨場感があるんだろうな
と思えます

特にIMAXで観れば
それを100%体感することができるんでしょうね

僕は小さいテレビ画面でしか観てませんが
それでも映像の迫力はそこそこ伝わってきました

アクション以外にも
壮大な風景を映し出す場面が多いですし
基本的に大画面で観ることが前提の映画なのかと思います

逆に言えば
映画館の大画面で観なければ
本作の本領が発揮されない場面がとても多い

テレビ画面だと迫力に欠けるんですよね

なので、そこはプラスでありマイナスでもあるんじゃないでしょうか

 

で、問題なのはストーリーですね

つまらないとまでは思わないけど
最後まで観てもいまいち盛り上がらないと言うか…

再び一人の女性を愛するボンドを描いたラブストーリーだったり
満を持して登場するスペクターや因縁の宿敵との戦いなど
盛り上るであろう要素はあるんですけど

映画の長さのわりに薄っぺらさを感じて
ストーリーがショボいんですよ


ボンドとマドレーヌの恋愛描写にしたって
特に深く描かれることもなく
気付けばラブラブの2人で
あまり気持ちが追い付かない

一緒に旅をして協力して窮地を乗り越えたから絆が深まってるのは理解できるけど
それにしても唐突な感じはしてしまいますよね

てか、愛する人を敵の本拠地に連れていくのは
ちょっと納得できないし
扱いが雑な気もしてしまう

それに、マドレーヌのキャラが薄かったりもする
マドレーヌのキャラをそんなに深く掘り下げないので
最後まで魅力を感じれませんでした

ポンドが命がけで愛する人なのに印象が薄くて
何故、彼女なんだろう?
と、少し疑問に思ってしまった


そして、スペクターとの戦いが描かれ
それが本作のメインでもありますが

この戦いも盛り上がらないんですよね…

前3作に登場した敵たちを影から糸で操っていた組織で
所々でヤバい組織っぽく見せてたりはするんです

ただ、なんかこのスペクターという組織に魅力を感じれない

今まで散々引っ張ってきたわりに
この組織に小者臭が漂ってる

そもそも、やってることの規模が小さい感じがする
ボスのブロフェルドもなんか小さい男だし…

ダニエル・クレイグ版はリアル路線って感じがあるので
あえてあまりぶっ飛んだことはしてないんだろうけど
それ故にちょっとインパクトが弱いかな


何よりも
ボンドとブロフェルドとの対決が全然盛り上がらないんですよ

因縁の対決っぽい展開になってるけど
実はそんなに因縁ではなかったり…

ブロフェルドの方はボンドにすごく執着してるんですが
ボンドはあまり乗り気じゃない

ブロフェルドの気持ちが一方的で
お互いの気持ちがぶつかってないんですよ
ボンドからすればブロフェルドはただ面倒くせー奴でしかないし

ボンドはあくまで悪の組織を潰すミッションとして動いてて
因縁の対決にしてはバランスが崩れてる気がする

前作のスカイフォールでは
MI6現役のボンドと裏切ったシルヴァとの対比が上手くいってたし
終盤の戦いでは
Mを守るボンドとMを殺そうとするシルヴァで
戦う理由も噛み合っていました
それが敵の魅力にも繋がっていたわけです

しかし、本作は
過去に繋がりの深いボンドとブロフェルドではあるけど
いまいち戦う理由が噛み合ってない

よくわからん執着心を見せるブロフェルドと
悪の組織だから倒そうとするボンド
因縁の対決にしては絶妙に噛み合ってない2人

それに、ブロフェルドのボンドへの執着心と
スペクターという組織の動きが合致してないのもあり
結局、ブロフェルドは何をしたいんだよ
と思ってきます


そんなことになるなら
ボンドとブロフェルドの因縁なんてあっさり描いて

世界を牛耳ろうとする巨大な組織スペクターのボスとしてのブロフェルドと
その計画をぶち壊すために奮闘するボンドとの対決
というシンプルな構図で戦いを描いたほうが
普通に盛り上がったと思うんですよね

無駄に過去の因縁をぶち込んで
中途半端にドラマ性を持たそうとするから
逆に盛り上がってない

ラスボスであるブロフェルドが個人的な小さいことに執着してるから
ブロフェルドだけでなくスペクター自体も小さい組織に見えてしまいますしね


映画としての規模の大きさやシリーズの積み重ね
映像やアクションの派手さなど
いろんな意味でスケールが大きい映画だからこそ

敵やストーリーのショボさにギャップが生まれて
悪い意味で目立ってたような気がします

 

僕はテレビでしか観てないですが
もし、映画館の大画面で本作を観ていれば
ストーリーのショボさとかはもっと紛れていたかもしれません

それくらい映像のスケールは大きくて
この映像を体感するだけでも損はないかなとも思う

このシリーズを通して感じるのは
変にドラマチックにするよりも
シンプルなアクション大作にするほうが
絶対に面白い

 


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