何もかもが滑稽

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映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」感想 悪趣味な笑いがたまらん こういうのが見たかった

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どうもきいつです


アクション映画「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」観ました

DCコミックの悪役たちで結成されたスーサイド・スクワッドが
強大な敵に立ち向かう姿を描いたアクション
減刑を条件に刑務所に捕らえられた悪役たちが命がけのミッションに挑みます

監督は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」などのジェームズ・ガン
出演するのはイリドス・エルバ、マーゴット・ロビーなどです

 

あらすじ
政府職員のアマンダ・ウォラーにより
投獄中の悪党たちを集めたスーサイド・スクワッドが結成される
メンバーに選ばれた
ブラッドスポート、ハーレイ・クイン、ピースメイカー、ラットキャッチャー2、キング・シャーク、ポルカドットマンたちは
命がけのミッションに挑むことになる

 

感想
前作より全然面白くなっている
ヴィランが主役ならこうじゃないと
悪趣味な笑いが効いていて
でも、感動もしてしまうという絶妙なバランス
アクションは派手でスタイリッシュ
シンプルに楽しめるエンタメ映画

 

前作の「スーサイド・スクワッド」は期待値より大幅に下回っていてがっかり
ただ、本作はジェームズ・ガンが監督で
前よりは面白くなるだろうと映画館まで観に行ってきました

本作は前作の「スーサイド・スクワッド」の続編なのかと言うと微妙で
かと言ってリブートとも言えないような…

ちょっと特殊な位置付けの作品ですね

前作を観ていなくても全然大丈夫だけど
観てたら観てたで楽しめる要素があったり
ちょっと不思議な感覚を味わえた


まず、この映画って
前作とやってることが結構同じだったりするんですよ

急遽集められた悪人たちがチームを組まされミッションを強制される
というのは全く同じだし

そんな全体の流れの中で
チームの友情を描いていたり
親子愛が描かれていたり
これも前作と似ている

ストーリーに違いはあるけれど
やってることはそんなに変わらない

じゃあ、なんでこんなにも面白さに違いがあるのか?
それを考えるとこの映画の良いところが見えてきます

キャラクター描写
ギャグのユーモアセンス
物語のテンポの良さ
アクションの見せ方

どれを取っても本作の方が圧倒的に上
前作でやるべきだったことを本作ではしっかりとやってくれています


中でもキャラクターの魅力が素晴らしく
それだけで本作は面白くなってます

前作ではキャラクターもみんな微妙で
いまいちパッとしない奴らばかり
どのキャラも全然記憶に残ってなくて
ウィル・スミスが全面に出てくるような映画でした

でも、今回はメンバーどのキャラクターも魅力が溢れていて
みんな個性的でそれぞれ印象に残る

しかも、ただ個性的なだけでなく
それぞれのキャラクター性がストーリー上で生きてくる

それぞれが物語の中で重要な役割を担っているんです
このメンバーだからこそストーリーが動いていく

例えば
ラットキャッチャー2とキング・シャークの友情なんかは
この2人だから生まれた友情ですし
ピースメイカーの裏切りは
こいつの性質があるからこその展開だと思う

こういう部分はかなり作り込まれているな
と思わされます

ギャグ的な面でもキャラクターを上手く扱っていて
ポルカドットマンとキング・シャークはギャグ要因として生き生きとしてました

キング・シャークなんて可愛すぎて大人気キャラですよね
声がシルヴェスター・スタローンと言うのも面白い
そしてめっちゃハマってる

 

前作では
唐突すぎてついてけない友情や
無駄でしかなかった親子愛なども

キャラクターやストーリーの作りが上手いから
本作ではちゃんと意味を成していて
そこに感動も生まれている

前作は無駄にキャラの過去描写が多かったわりに薄っぺらくなってたけど
本作はテンポよく流しているのに中身はしっかり詰まっていました


それと、やっぱり全体的にテンポが良くて
とても観やすかったのが本作の長所で

次々と物語が展開していき
あっという間にラストまで駆け抜けていたように思います

前作では序盤に長々とキャラの説明があって
それだけで嫌気が差しましたが
本作ではそんな無駄は一切省き
とにかくスピード感がありました

かと言って説明不足にもなっていなくて
所々でキャラのバックボーンが描かれたりもする

はじめは得たいの知れない連中だけど
最終的には愛着が湧いて
いつの間にか全員好きになっています

説明は必要最低限だけど
ちゃんと理解できるし感情移入もできる
無駄のない映画です

 

それと、アクションシーンもスタイリッシュでカッコいい

アクションではハーレイ・クインが大活躍
彼女らしい可愛い演出とかもあって
映えるアクションになってました

他のキャラのアクションに関しても最強感が伝わってきて
わざわざ悪人を集めた甲斐があったな
という強さをしっかり見せつけてくれます

前作ではあまり最強感がありませんでしたしね
むしろ、なんか弱かった

 

そして、本作で1番優れているのが
コメディー部分だと思います

これがこの作品のだからこその魅力にも繋がっている

全体的にかなりギャグ描写が多い映画で
基本的にやりたい放題ふざけてるって感じ

ふざけ続けてるけどユーモアが備わってるから
ウザくはなくてちゃんと笑える

で、何よりも悪趣味なギャグなんですよね
倫理的にどうなんだよ
って描写が多いけどつい笑ってしまいます

それがこの映画のポイントです


僕はこのタイプのの映画を観る度に言ってますけど
ヴィラン主役の映画ならヴィランだからこその作品を見せてほしい

例えば「ジョーカー」はジョーカーを主役にしたからこそできた素晴らしい作品ですが
「ヴェノム」や「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」なんかは
別にヴィランじゃなくてもいいじゃんって内容でした

で、本作はと言うと
ヴィランだからこその映画になってると思うんですよね

「ジョーカー」とは全く違う形だけどヴィラン主役の意義を感じる作品でした

本作の悪趣味なおふざけというのは
やはりヒーローではできないわけです

冒頭のスーサイド・スクワッド全滅の地獄絵図は大爆笑必至ですけど
こんなのヒーロー主役ではできないですよね
無駄にみんな死ぬし無駄にグロいし

ここで登場するキャラはみんな笑いのための捨て駒で
やってることはかなり悪趣味ですよ

でも、前フリ完璧だし絶対に笑ってしまう


途中で味方であるはずの反乱軍を全滅させる場面とか
マジで最悪なことをやってるんですよ
何の罪もない人を皆殺しにしてるわけで

これを普通の映画でしてしまうとただ不快なだけだけど
この映画だったら笑いになってしまう

この悪趣味さが受け入れられるのは
ヴィランが主役だからこそだと思います

 

あと、前作では人を全く殺してなかったけど
今回は無差別に殺しまくってるのもよかったですね

人間味がありつつも非情さもあって
ヴィランらしい表現になってました

ヒーローは無条件で万人を救うけど
ヴィランは人を救うも殺すも気まぐれに自分で選択する
それが人間臭くてヴィランの魅力なんですよね

 

それと、予告ではハーレイ・クインが全面に押し出されてるけど
実際はゲストキャラみたいな扱いなので期待は禁物です

でも、メインだった前作よりも生き生きとしてたし
これに関しても本作の方が上ですね

 

おバカなエンタメ映画だと思うけど
ヴィランだからこそのギャグ描写やしっかり作り込まれた物語で
完成度はかなり高いと思います

ジェームズ・ガンがやりたい放題好き勝手やってる感じも最高ですね

見たかったスーサイド・スクワッドを見せてくれました

 


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