どうもきいつです
日本のSFアクション映画「いぬやしき」観ました
「GANTZ」などで有名な奥浩哉先生作の人気漫画「いぬやしき」の
実写化作品です
監督は実写版「GANTZ」も手掛けていた佐藤信介監督
あらすじ
家族からも仕事場の人たちからも疎まれている会社員、犬屋敷
ある日、彼は公園で謎の事故に巻き込まれ気絶する
目が覚めると、見た目はそのままだが体の中はサイボーグになっていた
彼は突然手に入れた強大な力を誰かを救うために使う事で
自分の存在意義を見出していく
一方、犬屋敷と同じ事故に巻き込まれた獅子神は
その力を使って人間を全て消し去ろうとする
感想
僕は「いぬやしき」は未読です
「GANTZ」は読んでたんですけど、これには手を着けていませんでした
でも、佐藤監督の映画は知らず知らずのうちにかなり観ていました
この監督、最近は漫画実写ばかり取っていますね
「アイアムアヒーロー」「デスノート Light up the NEW world」「BLEACH」など
そして、来年公開される「キングダム」も漫画
何故か僕はこれらの作品を観てしまっている
別に佐藤監督の作品が好きなわけではないんですがね
むしろ、あまり好きなじゃない作品も多い
特にGANTZ、デスノートあたり
アイアムアヒーローはまだ良かったです
でも、特別好きかと聴かれれば
普通って感じですけども
そして、本作「いぬやしき」
ハッキリ言って普通
特別つまらなかったわけでもなく
特別面白かったわけでもない
熱量で言えばアイアムアヒーローと同じくらい
全体的に強引な展開が多くツッコミ所が多い
でも、アクションシーンは頑張ってる
って印象です
ストーリーや展開、キャラクター
どれも特に破綻してる様な粗は無いです
しかし、所々気になる粗が見えてくる
本作のメインとなる2人
犬屋敷と獅子神
この2人のキャラクターを作り出すための
境遇や出来事
これにリアリティーが無い
全てが、この物語やキャラクターを成立させるための
後付けの様に思えてしまいます
例えば、犬屋敷の家族
犬屋敷は家族みんなに煙たがられて蔑ろにされています
わかりやすく尊敬されていない父親
娘からは洗濯物をいっしょに洗うなと言われ
妻はあからさまな嫌味を言う
息子は無口で何を考えているかわからない
とても分かりやすい設定なんですが
どれもが犬屋敷のダメ父親ぶり、負け組的な人物像を
作り上げるためだけの道具のように感じてしまうんです
形だけを見せて中身が無いんですよね
犬屋敷がなぜ家族に疎まれているかの
細かい描写などが一切ないので
観てる側からしてみると
犬屋敷はただの良いおじさんにしか見えないんです
そんな良いおじさんに対する家族のあの接し方は
あまりにもおかしいと感じてしまう
なんか嘘っぽく見えるんです
獅子神も同じで
彼は強大な力を手に入れる事によって人生が狂っていく
というキャラクター
初めは悪い人間じゃないのに
いろいろな経験を重ね
闇落ちしていきます
この設定、2012年のアメリカ映画「クロニクル」を思い出しました
この映画かなり面白くて
これと同じような設定の獅子神は面白くなる要素は絶対にある
でも、獅子神の闇落ちしていく過程が
やっぱり嘘っぽい
この部分の描き方がとにかく強引で
リアリティが全然ないんです
そもそも獅子神の性格がぶれ過ぎなんです
たぶん、自分の親しい人には優しく、それ以外の人間はどうなってもいい
ってキャラクターを作り上げたかったと思うんです
そういうのもわかるんですけども
でも、母親にあんなにやさしくて、いじめられっ子を助けてあげるような人が
あんなに無常に人殺せるもんですかね?
逆にドライな一面も強調されていますが
それはそれで、親しい人が死んだ時に悲しんだり、友達を大切にするという行動が
おかしく感じてしまいます
どっちつかずの性格で
この性格自体にもリアリティーが感じられないんです
それなら、初めから完全なサイコパスにするか
闇落ちを見せたいなら
最初は完全にやさしい人間にして
辛い経験を経てからの闇落ち
みたいにした方が現実味があると思いました
そして、警察、報道陣、獅子神のクラスメイト
この描写も雑で強引
ツッコミ所満載です
警察が有能で無能、そして横暴
獅子神を見つけるのはめちゃくちゃ早いし、すごく上手く取り囲む
でも、街中ですぐ発砲したりする上にすぐに逃がす
部屋の中で銃撃を行って関係ない人間を射殺する
そのせいで親しかった女の子が死亡
獅子神が高校生なのに実名報道されて
母親の顔もテレビで映っている
そのせいで母親が自殺
同じクラスにとんでもない殺人犯がいたのに
みんなヘラヘラしてていつもと同じ日常
なんか全部無理やり
登場人物を殺すために躍起になってる感もある
結局、獅子神という悲しい悪役を作り上げるためだけに
無理やり嫌な人間を作り上げたり人を殺したりしている
そこにリアルな人間の感情を描いていないので
全部が嘘っぽく感じてしまう
でも、悪いとこばかりでなく
アクションシーンはめっちゃ楽しかったです
終盤の東京の街中を飛び回って戦うシーン
CGにの拙さは感じるものの
迫力も勢いもあってとても良かったです
ああいう見た事のある場所の中で激しく戦ってくれるのは
とてもテンションが上がる
この部分で言えば映像的にリアリティーがあったと思う
でも、喋りとアクションを分けてしまってるのはちょっと残念でしたね
戦いながら喋った方がテンポも良いし楽しいのに
最後の倒し方が強引なのも勿体無い
謎の力が爆発して敵を倒す
もうちょっと理由が欲しかった
なんか、いろいろ言ったんですが
この映画は何も考えず観たほうが良いかもしれませんね
無心で軽い気持ちで観れば
普通に楽しめると思います
細かい事をいちいち考えてたらしんどいですよ
たいして深い内容の映画でもないですしね