何もかもが滑稽

何もかもが滑稽

映画、漫画、アニメなどが好きで、その事についての感想、思ったことなどを書いています。 それ以外の事も時々書きます。

映画「キングダム」感想 実写としては上手くできてるんじゃない? でも、それだけ

f:id:kiitsu01:20200601194109p:plain

どうもきいつです


アクション映画「キングダム」観ました

中国春秋戦国時代を舞台にした原泰久による漫画を
実写映画化した作品
大将軍を夢見る青年と中華統一をもくろむ若い王の運命が描かれるアクション大作です

監督を務めるのは「アイアムアヒーロー」「いぬやしき」などの佐藤信介
山崎賢人、吉沢亮、橋本環奈、長澤まさみなど
豪華なキャストが顔を揃えています

 

あらすじ
紀元前254年中華西方の秦
戦争孤児の少年の信と漂は大将軍を夢見て
日々、剣術の鍛練に励んでいた
ある日、漂が王都大臣に召し上げられ2人は別々の道を歩むことになる
その後、信の前に致命傷を負った漂が現れたことをきっかけに
信は戦いの中に身を投じていく

 

感想
漫画の実写化としては上手くいっていたんじゃないでしょうか?
でも、それ以上のものはない
つまらないとは思わなかったけど
特別面白いわけでもない
いろんな意味で薄っぺらい映画でした

 

原作を読んでいませんし
公開当時は完全にスルーしてたんですけど
評判がいいしテレビで放送されていたので
観てみました


絶賛してる人とかもいたりするので
それなりに期待して観てみましたが
個人的には微妙…

つまらなかったわけじゃないけど
別に面白くもなかった
よくあるお金をかけた邦画って感じでしたね

とは言え、漫画の実写映画としては成功じゃないですか
興業収入はすごく良かったみたいだし
批判的な声も少ないみたいだし
続編も決まってるらしいですし

実際に観てみても
無理やり漫画を実写にした感じはしなくて
一つの映画として観ることができると思います

原作を知らない僕でも全然理解して観れました


漫画実写の感想でよく見かける
「原作を知らなくても楽しめました」
みたいなのがありますが

本作もそんな感想をよく見る

ただ、一つ言いたいのは
それ普通ですからね

そもそも、原作知らなければ楽しめない実写映画なんてスタート地点にすらいないんですから

そこを誉めている時点で
ちょっと邦画はレベル低いんじゃないの?
と思ってしまう


そして、本作はスタート地点には立ってるけど
走ってないですよね

漫画を実写にしただけの映画で終わってます

原作を読んでない僕が観ても
原作のダイジェストを見せられてるような気持ちになる

原作の大まかなストーリーの流れや
キャラクター、エピソードなどをなぞってるだけ
なんじゃないですかね

中身が全然無くて薄っぺらく感じるんですよ

登場人物たちの名言っぽい台詞とかは
ただ臭いだけにしか聞こえないし
感動的なシーンや熱い友情のシーンなんかも
なんか嘘臭い

この映画を観て感じるのは
こんなストーリーの漫画がありますよ
ってことだけなんです

原作漫画のPVみたいですね


なんでこんなに薄っぺらいのか考えてみると

全体的に駆け足で物語が進んでいくからだと思います

長編漫画の実写化でありがちな
無理やり2時間くらいにまとめましたって感じ

とにかく原作のストーリーを消化するためだけに
物語を進めているんでしょう

そのせいで登場人物たちの描写が薄すぎるから
なんでこいつらこんなに頑張ってるんだよ?
って冷めた目で見てしまっています

行動原理が全然理解できないんですよ

例えば信とエイ政の関係性が深まっていく描写なんてほとんど無いのに
最終的に絆が深まってる感じになってたりする

観ている側からすれば唐突で全然ついていけない
そもそも2人が協力していることすらいまいち納得できてませんし


橋本環奈が演じていた奴とか
最後まで2人についてくるけど
なぜそんな危険な場所にまでついてくるのか謎
行動原理が不明です
理由なんて無いのについてくる

しかも、別に役に立つわけでもなく
わざわざ戦場にまで赴いて足手まといで邪魔だし
ストーリー上で重要な役割も担っていない

てか、アイツをずっと連れてること自体が理解できないですよ
邪魔なだけじゃん

原作では重要なキャラなのかもしれないけど
この映画を観る限りじゃ
こんな奴いたところで無駄な要素でしかない


それにこの映画は登場人物が全然印象に残らないですね
みんな存在感が薄い

これもやっぱり薄っぺらいからだと思います


主人公の信も熱血で猪突猛進なキャラってのはわかりますけど
中身が空っぽです

信が夢を叶えるために行動してたり
仲間のために戦ってたりはするけど
それってストーリーがそうだからって理由だけで
このキャラ自体には全然深さがありません

ぶちギレたりするシーンもありますが
ただでかい声を出しているだけで
なんか心を感じれない


エイ政も同じで
生きた人間が考えて行動しているというより
ストーリー上都合よくいくように動かされてるって感じ

言葉では色々と語ってるけど
根本的な行動原理は伝わってこない


メインの2人がこれですからね…
そりゃ作品自体の魅力も削がれます

これを演じる山崎賢人や吉沢亮は
別に演技は下手だと思いませんけど
オールマイティすぎるんじゃないですかね

いろんな役柄をそつなくこなせるけど
与えられたもの以上は発揮しないタイプなのかも

だから空っぽな役を演じてしまうと空っぽなままなのかもしれないです


他のキャラも魅力が全然なくて
印象が薄いキャラばかり

橋本環奈はもちろん薄いし
あまり知らない役者が演じてるキャラは
ことごとく記憶から消えていく

長澤まさみは結構絶賛されてたりするけど
それは長澤まさみが魅力的だからってだけ

大沢たかおは喋り方が変だから記憶に残ってるだけ

敵もみんな魅力が無かったですね
本郷奏多も結局は役者として能力が高いから印象に残ってるだけですし

この映画は本当に名前が覚えれないですから
単純に中国名だからってだけでもないですよ
キャラにインパクトがないから名前も入ってこない

 

そして、この映画で目玉とも言えるアクションシーン
これも微妙でしたね

派手なことをしようとしてるのはわかるけど
なんかつまらないアクション

基本的にワイヤーアクションを多用して
CGなんかも使いながら派手に見せてます
みんな超人的なあり得ない動きをしてる

いかにも漫画を映像化しましたってアクションが多いです

別にそんなぶっ飛んだアクションも悪くないけど
本作の場合はショボく見えますよね

ハリウッドの真似ごとみたいなアクションばかり
しかも一昔前の感じ
本場に比べるとやっぱりショボすぎる


それに結局戦ってるだけで
工夫したアクションとかも全然ないです

はじめはちょっと派手なアクションでカッコよく見えるけど
淡々としたアクションの連続なので
早い段階でアクションに飽きます

終盤なんてただの乱戦がひたすら続くだけで
本当につまらない


こんなことなら
ワイヤーアクションなんて少なくして
漫画っぽくないリアルな殺陣を見せてほしかった
そっちの方が絶対に面白くなったと思います

てか、ストーリー的にも世界観的にも
リアルなアクションの方がこの映画には合ってると思う

なんでもかんでも原作漫画に忠実にするより
実写にするならどう表現するのかを
もう少し考えてほしいですよね

実際に存在した時代を舞台にしている作品なんだから
現実的な泥臭いアクションを見せてくれた方が
戦争の痛々しさも伝わると思うし

何よりそんなアクションが邦画向きだと思う

中途半端にハリウッドっぽいあり得ない動きの派手なアクションをやるなら
どうせお金もかけれないんだから
逆に低予算でできる普通のアクションを
工夫を凝らして面白く見せてくれた方が全然いいですよ

だってCGとか超微妙でしたし
巨人みたいな敵なんてCGってまるわかりだし

あれも変に忠実に再現するより
現実的にでかい人をキャスティングするとか
特殊メイクで表現するとかでいいでしょ

日本の漫画実写はこういうところだけ
クソ真面目に忠実に再現したりしますよね


原作漫画はどうであれ
この映画に関しては絶対にリアルなアクションのほうが
臨場感が生まれてアクションシーンが盛り上がったと思います


あと、戦闘中にみんな棒立ちでベラベラ喋る
演説合戦みたいなのはそろそろ辞めてほしい
アクションのテンポは悪くなるし
なによりチープ過ぎますよ

セリフの内容も臭いだけで薄っぺらいし

邦画はいつまでこんなことやってるんですかね

 

絶賛する声が多い作品ですけど
僕はかなり微妙な映画だと思いました

漫画実写としては悪くない出来かもしれないけど
映画としてはやっぱりチープでそんなに出来はよくない

原作は面白そうだなと思えたので
原作漫画のプロモーションとしては良かったのかもしれませんね

 


【Amazon.co.jp限定】キングダム ブルーレイ&DVDセット プレミアム・エディション(初回生産限定)(特典 スペシャル・ボーナスディスク付) [Blu-ray]